【進撃の巨人】リヴァイ「新宿の巨人」ハンジ「世界時計前」【厳選名作SS】
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。現代の新宿に壁外調査に行くことになった調査兵団を描いた人気SSです。今回は104期の引率をするリヴァイとハンジの視点でお送りします。
138 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013年11月04日 (月) 05:51:48 ID: NKH9OhJw
見間違えじゃあなければ……だが
今通りすぎてったあのデカブツ、兵団の雨具着てたよな。うちのガキか
これも見間違えじゃあなければ……だが
警察に追われてたよな……
……
「クソ……。ガキのお守りなんてするもんじゃねえ」
こんな平和ボケした世界で、なぜ俺はこんなに走らなけりゃいけないんだ……
タタタ…
149 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月11日 (月) 02:33:51 ID: h5eIrvRo
「兵長!」タタタ
リヴァイ「!」
リヴァイ「ペトラ……なぜお前がここにいる?クリスタの護衛はどうした?」
ペトラ「金髪の小さい男の子と一緒にクルマでさらわれてしまって、今オルオとハンジさんが追ってます」
リヴァイ(アルミンのことか……)
リヴァイ「あのデカブツが走り回ってんのもその関係か?」
ペトラ「はい。あの子はそれを助けようと立体機動でクルマに張り付いて、ケイサツに追われるはめに……」
リヴァイ「命知らずの馬鹿野郎だな」
ペトラ「でもクルマのスピードに追い付くにはそれしかなくって……」
リヴァイ「ハンジは何と?」
ペトラ「ケイサツに捕まりそうならフォローしてあげてって」
リヴァイ「そうか……」
リヴァイ(さて……どうする……)
タタタ…
150 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月11日 (月) 02:37:13 ID: h5eIrvRo
1720――新宿2丁目
タタタ…
リヴァイ「日が落ちてきたな……」
ペトラ「はい。それにここ一帯……なんだか雰囲気が違いますよ?シンジュク2丁目……?」キョロキョロ
リヴァペト「!!」
ペトラ「まずい!あの子……ケイサツ4人がかりで組み伏せられた……!」
リヴァイ(ちっ。こちらで注意を引くか?ちょっとやそっとのことで奴が解放されるとも思えんが……大事を起こせば更に事態はこじれる)
チョットマチナサイ!!アンタタチ!!
リヴァペト「!?」
151 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月11日 (月) 02:38:54 ID: h5eIrvRo
ペトラ「見て下さい!あの子の所へ女性が近づいていきます!」
リヴァイ「……?」
ペトラ「ん……?」
リヴァイ「……女?」
ペトラ「じょ……女性?じゃないかな……?」
リヴァイ「どっちだ、ありゃあ……」
ペトラ「肩幅ありますね……」
リヴァイ「肩幅どころか図体でかすぎねえか……」
ペトラ「……女装した男ですかね?」
リヴァイ「かもな……」
ペトラ「かもですね……」
リヴァイ「……」
ペトラ「鴨ですかね……?」
リヴァイ「いや、鴨じゃない。馬だろ……あの顔」
ペトラ「ですよね……」
152 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月11日 (月) 02:41:24 ID: h5eIrvRo
リヴァイ「!」
リヴァイ(向こうの建物の陰……のっぽ女がいるぞ。こんなところでまた会えるとは)
リヴァイ(デカブツを助ける機会を窺っているのか?あそこから目眩ましの煙弾を撃つようだが、そのかわり居所は一瞬でバレるだろう)
リヴァイ(なら複数の方向から一斉に撃つべきだ。煙の量も、逃走時のケイサツの撹乱もしやすい……)
リヴァイ「ペトラ。ケイサツは馬女に気を取られてる。その間にあそこの女に俺らの存在を知らせろ」
ペトラ「え?でも兵長……私たちの存在は内緒って……」
リヴァイ「構わん」
ペトラ「はっはい!」
リヴァイ(元々裏切り者にボロを出してもらうためにコソコソしていたわけだ。そしてあいつを尋問する材料は入手済み。姿を見せるくらいはもういいだろう)
リヴァイ(下手打ってケイサツに捕まられたりした方が厄介だしな。貴重な情報源。ちゃんと帰還してもらわねえと)
ペトラ「兵長。彼女、こちらに気づいたようです」
153 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月11日 (月) 02:43:19 ID: h5eIrvRo
リヴァイ「……」ジィー
リヴァイ(そもそも存在を知られたところで、とりあえず俺らの目的はエレンの護衛だと思うはずだ)
リヴァイ(世界時計前で裏切り者を探していた、という結論には至らない。少なくとも、あの女が知ってる情報の限りでは……)
リヴァイ(だが一応は……)
リヴァイ(俺達のことは)ユビサシ
リヴァイ(内密にしろよ)シーッ
リヴァイ(あいつ頷いたが……伝わったのか?まあわかるだろ)
リヴァイ(お前の)ユビサシ
リヴァイ(タイミングに合わせて撃つ)バキューン
リヴァイ(いいな?)コクッ
154 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月11日 (月) 02:44:56 ID: h5eIrvRo
ペトラ「兵長のジェスチャーゲーム可愛い……///」ボソッ
リヴァイ「どうしたペトラ?」
ペトラ「い、いえっ!」アセッ
リヴァイ「あの女に続いて煙弾を撃つ。そして速やかに離脱する。お前も銃を構えろ」カチャ
ペトラ「はい」カチャ
リヴァイ「いくぞ……」
パーン!
…
157 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 02:44:04 ID: gAOJT8GI
1725――西口 中央公園の更に西 裏路地
ハンジ「ふう」
ハンジ「ここまで来れば一件落着、かな」
オルオ「ですね」
ハンジ「私たちが手を貸さなくても、なんとかクリスタとアルミン2人で脱出できてよかった」
オルオ「でもあのガキ相当弱いっすよ。ボコボコにされてましたし、目ぇしみるスプレー使わなけりゃ完全に負けてました」
ハンジ「確かに。でもとりあえずは助かったからいいんじゃないの」
オルオ「そうすかねえ……ってよくないですよ」
ハンジ「?」
オルオ「俺タクシーの運転手に煙弾の銃を誤解されて、結局潔白を示すために外に放っちまったじゃないですか」
オルオ「備品係のお説教は免れないですよもう……」
オルオ「それにハンジさん、無理なスピンキメて誘拐犯のクルマ妨害しろって運転手に指示してましたけど、あれ楽しんでただけですよね」
158 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 02:46:09 ID: gAOJT8GI
ハンジ「あはは。対価は払ったし、クルマも遠くに行かずに済んだんだ。大目に見てよ」
ハンジ「運転手さんだって途中からノリノリで……」
ハンオル「!」
ハンジ「ほら。オルオがお説教と引き換えに追加の煙弾を撃ってくれたから、ちゃーんと助けが来たみたいだ」
オルオ「あれは……エレン。と、男と女。名前まだ覚えてないんすよねー」
ハンジ(ん!?)
ハンジ(のっぽくんがいる……!のっぽちゃんはどうした?)
ハンジ(そうだ、噛みちぎられた指……!)ジィ
ハンジ「……!!」
ハンジ「あは……っ」
オルオ「?」
159 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 02:49:14 ID: gAOJT8GI
ハンジ「あははははは!!」ゲラゲラ
オルオ「ハンジさん!?ちょっ……大きな声出さないで下さいよ!」シーッ
ハンジ「すごい!すごいよのっぽくん!///」
オルオ「……?」
ハンジ(千切られたはずの人差し指、きれいに元通りになってる。彼はやっぱり巨人だった……!)
ハンジ(あっ落ち着けシャシンシャシン!)カシャ
ハンジ「ふふふっ。これでちゃーんと裏はとれた……」ニヤニヤ
オルオ「裏?てかなんすかその機械」
ハンジ「カメラ。世界の謎を暴くための、秘密道具だよ」ニヤニヤ
ハンジ(そうだ。のっぽ君はリヴァイが尾行していたはず……)
ハンジ(……あれ?見当たらないな。たっく何やってんだよもう)キョロキョロ
ハンジ(あのデカい兄ちゃんを見逃した私が言える立場じゃないけどさ)
ハンジ(のっぽちゃんの方がいないから、もしかしたらそっちを追っているのかも知れない……)
160 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 02:51:05 ID: gAOJT8GI
ハンジ(あっでもエレンがいるってことは……)キョロキョロ
「ハンジさん!オルオ!」
ハンオル「!」
オルオ「エルド……グンタ!どうしてここに……」
グンタ「忘れたのか。俺らはエレンの護衛だからな」
ハンジ「ごくろうさま。エレンは大丈夫だった?」
エルド「それがエレンの奴、いかがわしい店行ったり、女の子泣かせたり」
エルド「アンカーを建物のガラスに刺して派手に割ったりで……。もう見ててヒヤヒヤしっぱなしでしたよ……」ハァ
ハンジ「あはは。エレンもクリスタも、おてんばで困るね」
グンタ「あの……」
ハンジ「?」
161 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 02:54:48 ID: gAOJT8GI
グンタ「15時40分くらいに、兵長が新兵の荷物引ったくって地下道走ってましたが……」
グンタ「あれが今日、お二人がここにきた理由なんですか?」
ハンジ「…………は?」
グンタ「な」
エルド「ああ。大爆走だったよな。エレンも誰も追いつけないくらい。そうなんですか?ハンジさん」
ハンジ「……い、いや……違う……」
ハンジ「はず……」
ハンジ(何をやっているんだアイツは……?尾行はどうした!馬鹿!チビ!)
オルオ「おい。あいつら駅に戻るみたいだぞ」
グンタ「本当だ。とりあえず俺らも行きましょう」
ハンジ「あ、ああ……」
ハンジ(まあ理由があるんだよね。あるはず……。なきゃ殴る)
162 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 03:12:01 ID: gAOJT8GI
――
テクテク
オルオ「……ハンジさん」
ハンジ「ん?」
オルオ「あの……」
ハンジ「どうした?」
オルオ「聞きたいこと、あるんですけど……」
ハンジ「まさか巨人の話?何でも聞いて!///」ワクワク
オルオ「違います」
ハンジ「ちっ」
オルオ「すみません……」
ハンジ「で?なあに?」
オルオ「……ハンジさんって……実際どうなんすか?」ヒソヒソ
ハンジ「え?」
163 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 03:30:51 ID: gAOJT8GI
オルオ「リヴァイ兵長とのことですよ。なんつーか、デキてんすか?」
ハンジ「何いきなり」ゾッ
オルオ「いっいや!気持ち悪がらないでください!俺にとってはいきなりじゃないんですよ!」
ハンジ「というと?」
オルオ「さっき路上で即興ソング歌ったときに、ペトラからのお題が“兵長とハンジさんのウエディングソング”だったんで」
オルオ「まさか、本当に……け、結婚とか……?」
ハンジ「……」
オルオ「……」
ハンジ「ぷっ」
オルオ「え」
ハンジ「あはははははっ!」
164 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月12日 (火) 03:33:36 ID: gAOJT8GI
ハンジ「オルオッ!君今最高に面白いよーっ!あははは!」バシバシ
オルオ「いててっ痛いっす!てか大声はだめですって!尾行ばれますって!」シーッ
ハンジ「はーごめんごめん。お腹痛いよもう」ケラケラ
オルオ「ま、真面目に聞いてんですよこっちは……」
ハンジ「まあ真面目になるだろうねえ。愛しのペトラちゃんを振り向かせるために」
オルオ「べっ別に違いますよ!」
ハンジ「ペトラはリヴァイにお熱だからね」
オルオ「……」
ハンジ「いい?オルオ。私は君の恋を応援している。だけどね、残念ながらペトラの恋も応援してるんだ」
ハンジ「わかってやってよ、この上司のつらーい気持ちを」ニヤニヤ
オルオ「すげえ楽しそうに言わないで下さい」
ハンジ「あははは。ていうかさ、リヴァイと私が結婚なんてするわけないじゃん」
ハンジ「私の好きな人は他にいるじゃない。もうずうっと前からゾッコンの人が」
165 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013年11月12日 (火) 03:37:16 ID: gAOJT8GI
ハンジ「巨……」
オルオ「巨人は人間じゃないですよ」
ハンジ「……」
オルオ「……」
ハンジ「巨人だよ」ニコニコ
オルオ「……そうですか」ハァ
ハンジ「理由はね、まずなんと言っても……///」キラキラ
オルオ「あああああ!それはまた今度!」ヒッ
ハンジ「なんだ」
オルオ「すみません……」ヒヤヒヤ
ハンジ「リヴァイと私はね、ただの良き仕事仲間。本当は相棒って言いたいところだけど」
ハンジ「この前本人の前でそれ言った途端、元気よく雑巾投げつけられたからね。それは控えておくことにする」
オルオ「はあ」
170 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 01:54:59 ID: 9Y3/NxfM
オルオ「じゃあ兵長って女に興味ないんですかね。ハンジさんも違うってんですから」
ハンジ「興味か。あったとして、とっくに自制できる歳だろ」
オルオ「まあ、確かに……」
ハンジ「でもなあ……」
オルオ「……?何です?」
ハンジ「いや……。私はさ、壁の内と外を何年も行き来してるうちに」
ハンジ「本来恋や愛に充てていいはずの行動力や精神力までもを、どんどん巨人に注ぐようになっていっちゃったんだ。そして今は何より巨人が大事」
オルオ「……」
ハンジ「おそらくリヴァイもそうだろう。自身の幸せより何より、巨人討伐を優先させている」
ハンジ「だからこれから先、彼が1人の女性を愛するのは難しいんじゃないかなって思うよ」
オルオ「……」
171 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 01:58:04 ID: 9Y3/NxfM
ハンジ「でもその代わりにね、こうも思うんだ」
ハンジ「彼は今、そうやってただ人類最強であり続けている。これまで流されてきた血を無駄にしないためにだ」
ハンジ「それがきっと彼なりの愛の形なんだろう、ってね。仲間に対しての、敬意を込めた」
ハンジ「……顔に似合わず、優しい人だから」
オルオ「はい……」
ハンジ「うん」
オルオ「……」ドヨーン
ハンジ「っておいおい!何落ち込んでんの!」バシバシ
オルオ「いててっ!落ち込みますよそりゃ話の内容的に……」
ハンジ「ふふっ。まあ仕方ないか……。でも誤解しないように」
ハンジ「私は何も、死に近い調査兵が恋愛に現を抜かすななんて言いたいんじゃない。全くその逆」
172 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 02:00:12 ID: 9Y3/NxfM
ハンジ「君たちはこんな風にならないようにしなよ。家族や恋人がいる調査兵だっていっぱいいるんだ」
ハンジ「ほら、エルドだって彼女いただろ。ぜひそっちを参考にすること」
オルオ「はい……」
ハンジ「んー返事に元気がないなあ。あっそういえば、巨人のどこが好きか、まだ話してなかったね……」ニコ
オルオ「はいッ!りょーかいですッ!」シュビッ
ハンジ「よい返事。早くペトラをものにしなよ!あはははは!」バシバシ
オルオ「いててててっ!分かりました!分かりましたから!」
テクテク…
ハンジ「おっ!」
ハンジ「戻ってきたね、世界時計前。この後確か彼らはカラオケってところに行くんだっけ」
オルオ「はい。全員集まる予定みたいですよ」
ハンジ(全員……。となるとのっぽくんもデカ兄ちゃんも、大人しくなりそうだ)
オルオ「ん?クリスタだけが時計前に残るみたいですね……。残りの3人を待つってことか」
173 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 02:01:30 ID: 9Y3/NxfM
オルオ「それなら俺はここに残るとします。クリスタ係なんで。ハンジさんは?」
ハンジ「私はエレンたちに付いて行きたいな……」
ハンジ(正確にはのっぽくんに付いて行きたい、だけど)
ハンジ「エルドー」
エルド「はい」
ハンジ「悪いけど、私の代わりにオルオと一緒にいてもらっていい?」
エルド「了解です」
ハンジ「よろしくね。じゃあ行こうかグンタ」
グンタ「はい」
トコトコ…
ハンジ(リヴァイは今どこで何してるんだろう……。残りの3人に付いててくれればいいけど……)
174 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 02:02:51 ID: 9Y3/NxfM
1815――東口 新宿2丁目から世界時計前へ
テクテク…
リヴァイ「……いるか?」
ペトラ「いえ。今のところ近くにケイサツは見当たりません。このまま無事世界時計前まで戻れればいいですね。あの3人」
リヴァイ「せっかくケイサツをまいたってのに、また追いかけっこは可哀想だからな」
ペトラ「私たちも、ですね」クスクス
リヴァイ「ああ」
ペトラ「……」
リヴァイ「……」
ペトラ「……兵長」
リヴァイ「なんだ」
175 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 02:04:35 ID: 9Y3/NxfM
ペトラ「昨日の、団長の部屋での着替えのこと……。ハンジさんは、兵長から私に釈明があったはずと言っていました」
リヴァイ「……」
ペトラ「……」
リヴァイ「ペトラ」
ペトラ「はっはい!」
リヴァイ「俺は惚れた腫れたについて、部下と話す趣味はない」
ペトラ「……そうですか」
ペトラ「そうですよね。すみません……」シュン
リヴァイ「だから一度しか言わない。俺とハンジはただの同僚だ」
リヴァイ「巨人に惚れるような女、普通の神経してたら選ばねえだろ」
ペトラ「それは……そうです……けど」
176 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 02:07:16 ID: 9Y3/NxfM
ペトラ「でもハンジさんが巨人を好きなのは……」
リヴァイ「ああ。あいつの変態行為の根本にあるのは憎しみだ。当たり前だが本心じゃない」
リヴァイ「真剣に巨人と一つ屋根の下で暮らしたい、なんて言い出したらすぐに奴のうなじを削いでやる」
ペトラ「……」
リヴァイ「ただ、巨人に惚れることが、あいつの精神の均衡の保ち方だ」
リヴァイ「あいつにとって壁外で生き残り、世界の謎に近づく効率的な方法の1つだ」
リヴァイ「そしてそれらは全て、俺らが巨人に勝つためにやっている。だから口出しはしない」
リヴァイ「……本気で楽しんでる節もあるようだが」
ペトラ「あはは……」アセ
リヴァイ「……ペトラ」
ペトラ「はい……」
177 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 02:24:18 ID: 9Y3/NxfM
リヴァイ「誰か1人に熱をあげるような感情を、俺はもう持ち合わせていない」
リヴァイ「あの変態クソメガネはもちろん、他のやつに対してもそうだ」
ペトラ「……」
リヴァイ「……そういうのはガキ同士でガキうちにやれ。死んじまう前にな」
ペトラ「ガキ同士で……」
リヴァイ「ああ」
ペトラ「……」
ペトラ「優しいですね、兵長は」
リヴァイ「……」
ペトラ「わかりました」
リヴァイ「そうか」
178 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 03:01:38 ID: 9Y3/NxfM
ペトラ「あの……」
リヴァイ「なんだ」
ペトラ「30代は、ガキですか?」
リヴァイ「三十路はガキじゃない。お兄さんだ」
ペトラ「ですよね。お兄さんはガキと何が違うんですか?」
リヴァイ「少しばかり狡猾になる」
ペトラ「兵長も?」
リヴァイ「ああ」
ペトラ「そうですか」クスクス
ペトラ「とーつーぜんーのー♪恋のダンジョンにー♪」
ペトラ「近づーいーたふーたーりー もとーもーとー結構近かったけどー♪」
ペトラ「へーちょーへーちょー♪言いすぎはだめよー♪」
ペトラ「言葉ーのぼうりょーくーなんて世間はびーんかんーだからー♪ツンデー……」
リヴァイ「待て」
179 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 03:07:16 ID: 9Y3/NxfM
ペトラ「はい」
リヴァイ「なんだその歌」
ペトラ「上手いですか?」
リヴァイ「俺は世辞が上手い。下手糞」
ペトラ「辛口。さっきオルオが歌ってくれました。兵長とハンジさんのウエディングソング。私がリクエストしちゃいました」
リヴァイ「悪いがそんなイカれた予定はない」
ペトラ「ふふっ。じゃあまた別の機会に」クスクス
テクテク…
ペトラ「あっ!着きましたよ世界時計前!」
ペトラ「クリスタがいますね!よかった!無事助かったみたいですね!……あの3人の到着を待っていたんでしょうか」
リヴァイ「この後は確か、全員でカラオケだったな」
ペトラ「はい。あっ向こうにオルオとエルドがいます。合流しましょう」
リヴァイ「ああ」
リヴァイ(ハンジは先にカラオケに行っているのか)キョロキョロ
テクテク
180 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 03:12:34 ID: 9Y3/NxfM
1835――西口 カラオケ 104期の向かいの部屋
ジーッ
エルド「エレン、はしゃいでるな」マジマジ
オルオ「やっぱお子様だなあいつは。こんなとこに来たくらいで」マジマジ
ペトラ「そんなこと言って、羨ましいんでしょう?」ニヤニヤ
オルオ「馬鹿ちげーよ」
グンタ「おい。さっき出て行った坊主と大食いの女の子が帰ってきたみたいだ」
エルド「?どうしてわざわざおんぶで帰ってきたんだ?」
オルオ「どーせ、シンジュク調査を開始する!前進せよ!とか言って街中走り回ってたんだろ」
ペトラ「何か封筒みたいなものをもってるわね。なんだろうあれ……」
ペチャクチャ…
…
ハンジ「なるほどね」
リヴァイ「……」
181 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 03:36:17 ID: 9Y3/NxfM
>>180 訂正。時間は1835ではなく1840です。
182 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 03:42:52 ID: 9Y3/NxfM
ハンジ「つまり、リヴァイのひったくり行為は神様のお使いだったってことか」
リヴァイ「ああ。誰が好き好んでガキとかけっこするか」
ハンジ「いいねえ。見たかったなあ、そのへんてこな絵面」
リヴァイ「お前がいなくて幸いだった変態メガネ」
ハンジ「……」
リヴァイ「……」イライラ ソワソワ
ハンジ(鳩がどれだけ汚いかを教えてあげてから、この人かなり不機嫌になった……)
ハンジ「さーて、リヴァイ班の皆さん。一旦注目ー」パンパン
エルド「はい」クルッ
ペトラ「どうしました?」
ハンジ「まずはエレンとクリスタの護衛、どうもありがとう」
ハンジ「おかげで、今彼らは全員そろって、向かいの部屋ではしゃいでくれてる。とりあえずは一安心だ」
ハンジ「というわけで君たちは短いけど自由時間にするよ。私たちがここで見てるから」
オルオ「えっまじですか?」
183 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 03:44:17 ID: 9Y3/NxfM
ハンジ「ああ。退室時間も決まってるし、ここからなら私とリヴァイで十分監視できるから」
ペトラ「そんな!私たちが見てますから、お2人がどうか休んで下さい」
エルド「そうです!いつも深夜まで起きてること知ってるんですよ」
グンタ「ここは俺達に任せて、気分転換してください」
ハンジ「あはは、ありがとう。でも君たちが気にすることじゃな……」
リヴァイ「すまんな。ならそうさせてもらう。行くぞハンジ」ガタッ
ハンジ「は……どこに?」
リヴァイ「決まってるだろう。シャワーだ」ソワソワ
一同「!?」
リヴァイ「さっさとしろ。俺の着替え持ってんだろ」
ハンジ「は?着替え?」
リヴァイ「昨日スーツと一緒に買ったって言ってただろう、私服」
ハンジ「あ、ああそれね。えっ。ていうか本当に私たちが行くの?行っちゃっていいの?」キョロキョロ
184 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 03:50:22 ID: 9Y3/NxfM
リヴァイ「いいに決まってるだろう。俺の部下は優秀だ」キリッ
オルオ「優秀……!」キラキラ
ペトラ「褒めてもらえた……!」キラキラ
ハンジ「はあ……」
ハンジ「あっそうだリヴァイ、その前に西口ロータリーに行こう。業者さんの解放手伝って。口封じは得意でしょ」
リヴァイ「なんだそりゃあ」
ハンジ「行きながら説明する」
ガチャッ
リヴァイ「お前ら、後は頼んだぞ」スタスタ
ハンジ「ごめんねありがとう!すぐに帰ってくるから、よろしくね!」
オルオ「はい!」
ペトラ「いいいってらっしゃいませ!///」ペコッ
バタン!
185 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 04:08:39 ID: 9Y3/NxfM
1930――東口 銭湯
ハンジ「あっ……」
ハンジ「リヴァイ……ッ」
ハンジ「気持ち、いい……っ」
リヴァイ「ハンジ……」
ハンジ「そこっ」
リヴァイ「ハンジ」
ハンジ「うんっ?……ふあ、んっ……」
リヴァイ「マッサージチェアで嬌声あげんな気色悪い」
186 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 04:12:31 ID: 9Y3/NxfM
ハンジ「だって気持ちいいんだもん。気持ちいいのに声殺してるリヴァイの方が数段気色悪いと思うけど?」
リヴァイ「周りの迷惑を考えられる人間になれと言っているんだ奇行種」
ハンジ「それにしてもいいなあこの椅子。持って帰っちゃう?」
リヴァイ「コンセント」
ハンジ「あなたの鼻に挿そう。なんとかしてくれ人類最強」
リヴァイ「ガキみてえなことを」
ハンジ「そっちこそ。そこに売ってるコーヒー牛乳飲んだでしょ?」
リヴァイ「いや」
ハンジ「おヒゲついてるよ」ニコ
リヴァイ「……!」フキフキ
ハンジ「嘘だよ」ププッ
リヴァイ「……」
ハンジ「お風呂最高だったなあ。あの液体石鹸、シャンプーっていうやつ?髪がいい匂いするね!」クンクン
リヴァイ「そうか。なら頭出せ」
187 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 04:23:26 ID: 9Y3/NxfM
ハンジ「何?嗅ぐの?」ヒョコ
ガシッ ブンブン!!
ハンジ「いってえ!髪ひっぱらないでよ」
リヴァイ「これが因果応報だ」
ハンジ「あぶなー……。私までエルヴィンヘアになるところだった」ヒリヒリ
リヴァイ「それでだ。のっぽとデカブツが裏切り者ってわけか」
ハンジ「ああ。そうなるね。のっぽくんの指を噛みちぎった女の子については、保留だけど」
ハンジ「3人の拘束は世界の秘密をあばく取っ掛かりとなるはずだ。そうすれば、私たちはひとつ勝利へ前進する」
リヴァイ「滾るか」
ハンジ「今までにないくらいね」ニヤニヤ
リヴァイ「だな。だがよだれは拭け」
ハンジ「おっといけない」ゴシゴシ
リヴァイ「興奮する度に汚えもん垂らす癖やめろ」
188 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 04:25:56 ID: 9Y3/NxfM
ハンジ「ねえ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「本当にやったね」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「やっと聞き出せる……」
ハンジ「巨人とは一体何なのか。何をどうするために、壁を破ったのか……」ソワソワ
リヴァイ「……過度な期待はよしておけ。案外、拍子抜けのする回答かもしれないからな」
ハンジ「というと?」
リヴァイ「便所借りに来たとか」
ハンジ「そこは野糞で済ませて欲しかった」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
ハンジ「ふわあっ……」
189 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月17日 (日) 04:36:10 ID: 9Y3/NxfM
リヴァイ「ひでえ面だな」
ハンジ「んー正直睡眠不足でさ」
リヴァイ「寝ろ。裏切り者を割り出したんだ。これからもしばらくは満足に寝れんだろう」
ハンジ「いいの?」
リヴァイ「3分で起こす」
ハンジ「3分て」
リヴァイ「……」
ハンジ「んあーきもちー……やっぱりマッサージチェアほしーなー……」
リヴァイ「……」
ハンジ「まず電気がないとなー……」ウトウト…
リヴァイ「……」
ハンジ「さっきさー……」
198 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月20日 (水) 23:32:50 ID: tTC.PDYI
リヴァイ「なんだ、いい子は黙って寝ろ」
ハンジ「オルオがね、リヴァイと私はデキてるのかって聞いてきた。あなたの班員は、本当にあなたの話が好きだねー……」
ハンジ「昨日のことは、ペトラにちゃんと説明してあげた……?」
リヴァイ「ああ。ただの同僚だ、と言った」
ハンジ「そー」
ハンジ「私も、オルオにそう言ったー……うわ本当に寝そう……」コクッ コクッ
リヴァイ「いい子は鼻と口塞いで寝ろ」
ハンジ「うん……。え、やだよ死んじゃう……」ウトウト
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
ハンジ「……?」チラッ
199 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月20日 (水) 23:39:52 ID: tTC.PDYI
リヴァイ「……」スースー
ハンジ「おいおい……」
ハンジ「目覚まし時計が寝てどうすんの……」
リヴァイ スヤスヤ…
ハンジ「そういえばあなたも眠たそうだったもんねー……」
ハンジ「あ」
ハンジ「ははっ眉間にしわが寄ってない……。さてはこいつ、リヴァイじゃないな」
ハンジ「おやすみ、良い子ちゃん」ウトウト…
200 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月20日 (水) 23:52:16 ID: tTC.PDYI
2145――西口 世界時計前
ガヤガヤ…
ハンジ「ごめんっ!皆!!」パンッ
ペトラ「ハンジさん!兵長!」
オルオ「もう何してたんですか!心配しましたよ。カラオケ退室時間になっても来なくって」
エルド「何かあったんですか?」
ハンジ「いやあ目覚まし時計が鳴らなくて」
リヴァイ「寝過ごした」
一同「寝っ!?」
ハンジ「カラオケ後の行き先がわからなかったから、ここ世界時計前で待ってたんだ。いやー、ちゃんと再会できてよかった」フウ
201 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 00:03:16 ID: U3vUvy2w
グンタ「は、はあ」
オルオ「はい……。ほんとよかったです……」
エルド「なあ……」ヒソッ
オルオ「なんだ」コソコソ
エルド「やっぱりデキてんのか……?」
グンタ「謎めいてるよな……」ヒソヒソ
オルオ「い、いや……ハンジさんはあり得ねえって言ってたぞ」
エルド「おいそれを真に受けるやつがいるか?」
ペトラ「兵長言ってた。大人は狡猾なんだって」
オルオ「はあ?じゃあ結局どっちかわからねえってことじゃねえか」
エルド「もう直球で聞くしかないな」
ペトラ「というと?」
エルド「寝たかどうかをだ。じゃあじゃんけんで勝ったやつが……」
ペトラ「何冷静にじゃんけんしようとしてんのよ!聞けるわけないじゃない!///」
202 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 00:05:52 ID: U3vUvy2w
オルオ「彼女持ちが調子のんじゃねえぞ!」
エルド「おいそれは関係ないだろ」
オルオ「なんならお前が聞いてこい!ついでにミンチにされてこい!」
グンタ「落ち着けオルオ!」
オルオ「ったく……」ブツブツ
ペトラ「……まあでも」
エルド「な」
グンタ「ああ」
ペトラ「どんな関係でも素敵だよね。あの2人」
オルオ「い、いいのかよペトラ?」
ペトラ「私はそういう所も全部含めて、兵長を尊敬してるの」エッヘン
ペトラ「というわけでオルオ!帰還したら2人のウエディングソング、完成させるわよ。なかなか楽しかったし」
203 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 00:10:56 ID: U3vUvy2w
オルオ「おっ!つまりあれか?やっと俺の美声に気付い……」
ペトラ「それはない」キッパリ
オルオ「……」
リヴァイ「お前たち」
一同 ビクッ
ペトラ「はっはい!」
オルオ「すみませんそんじゃ俺らは持ち場に戻ります!」
サササーッ!
ハンジ「何こそこそ喋ってたんだろうね」ハテ
リヴァイ「さあな」
リヴァイ「それはさておきだ……。何やってんだ。エレンたちは」
ハンジ「ロッカーの荷物を全部出し終わって、時計前で相談事してるみたいだけど……」
204 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 00:15:11 ID: U3vUvy2w
リヴァイ「……!」
ハンジ「リヴァイ?どうしたの?」
リヴァイ「あいつこっち見たぞ」
ハンジ「は?」
リヴァイ「……アルミン」
ハンジ「は?まさか……」
タタタ…
ハンジ「ええっ!本当だ!こっちに来る」アセアセ
アルミン「すみませーん。シャシン撮って頂けませんか?」タタタ
リヴァハン「……」
アルミン「ひったくりさん。いえ……リヴァイ兵長」
205 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 00:23:29 ID: U3vUvy2w
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
アルミン「……」
リヴァイ「よくわかったな」
アルミン「……帰還間際は近くで見張っているだろうと思っていましたから」
アルミン「ジャンとサシャとコニーから、ひったくりはスーツ姿の小柄な男性って聞いてましたけど、着替えたんですね」マジマジ
リヴァイ「ああ……。鳩がな」
アルミン「鳩……?」ハテ
リヴァイ「いや」
アルミン「裏切り者はライナーとベルトルトです」
リヴァハン「……!?」
206 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 00:39:29 ID: U3vUvy2w
アルミン「あ……えっと、あそこにいる大柄の2人です。あっちがライナーで、あっちがベルトルト」
アルミン「ライナーは鍵の紛失を装ってロッカーを開けてもらったんじゃないですか?お2人は世界時計前で張り込みをしていたんですよね?」
ハンジ「……!」
リヴァイ「お前……なぜ気づいた……?」
アルミン「……!」
リヴァハン「……!」
アルミン「やっぱり、そうですか……」
アルミン「ロッカーも……開けられていたんですね……」
リヴァイ「おいお前……カマかけやがって」
アルミン「すみません……」
ハンジ「驚いた……。どうして2人が裏切り者だとわかったの?それにロッカーのことまで」
207 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 00:44:33 ID: U3vUvy2w
アルミン「僕はただ……カンニングまがいのことを」
ハンジ「カンニング?」
アルミン「はい。書店で『シンゲキノキョジン』という書物を発見しました。おそらく僕らの世界の情勢、過去と未来が記載されている書物です」
リヴァハン「!?」
ハンジ「そんなものが……!?」
アルミン「僕はその裏表紙からライナーとベルトルトが怪しいと思っただけなんです。それからアニも。帰還したらすぐに解析をお願いします」
ハンジ「うん……うんうん!もちろん帰還したらすぐに!」ソワソワ
ハンジ「でさ、じゃあさ、どうしてロッカーを開けたと思ったの?」
アルミン「2人が怪しいと思ってから、彼らの行動を思い返してみたんです」
アルミン「そしたらライナーは僕の荷物運びを手伝ってくれた時、ロッカーの鍵紛失時の案内を読んでいました。だからもしかしてと思って」
アルミン「本当に開けたのだとしたら……。狙っていたのはおそらく……団長のカツラ」
ハンジ「エルヴィンのヅラ……?」
アルミン「はい」
208 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 01:07:35 ID: U3vUvy2w
ハンジ「ちょっと待って。ライナーは確かにロッカーの鍵を開けたよ。そして中を物色していた」
ハンジ「だけど何1つ盗み出したりしていなかったはず。だから中身に変化はなかったし、狙いがヅラだとは断定はできないと思うけど……」
アルミン「はい。変化がなかったからです」
ハンジ「?」
アルミン「ライナーはロッカー内に目的の物があると確信して鍵を開けたはずです」
アルミン「だけどそれが見つからなかったから、何もせず諦めることになったんだと思います」
アルミン「当時ロッカーにあるはずでなかったもの……。それがカツラでしたから」
アルミン「おそらく帰還後までバレないような細工……例えばサイズ違いの偽物と交換しようとしていたのかもしれません」
アルミン「ベルトルトの方は多分……鍵を紛失したことにしようとしていたんだ。コニーのおかげで大丈夫だったけど……」
アルミン「あ……どっちとも、コニーのおかげで阻止できたってことか……。あとでお礼、言わないと……」
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
アルミン「あの……」
アルミン「僕はこのまま知らないふりしていればいいですか……?」
209 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 01:10:59 ID: U3vUvy2w
ハンジ「あ、ああ……。それで頼むよ」
アルミン「はい……」
リヴァイ「……」
リヴァイ「お友達が敵だったってのに、やけに落ち着いてるな」
アルミン「はは……そう見えますか……」
アルミン「でもその逆です……。何かの間違いだと……思いたい……」
アルミン「だって僕ら、仲良かったんです……」
リヴァイ「そうか」
アルミン「それで……あの……」
リヴァハン「?」
アルミン「シャシン、撮ってもらえませんか?」
リヴァイ「は……」
210 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月21日 (木) 01:18:30 ID: U3vUvy2w
アルミン「世界時計前を後ろにして、皆で……撮りたくて」
リヴァイ「敵と一緒に記念撮影か」
アルミン「はは……。知らないふりをするんです。やりますよ」
アルミン「やらなきゃ……」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「貸せ」
リヴァイ「そのかわりぐずるな。赤ん坊かお前は」
アルミン「ありがとう……ございます……」ゴシゴシ
221 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 22:29:17 ID: msjztPhc
アルミン「……じゃあ、行きますね」ニコ
リヴァイ「ああ」
アルミン「皆ー!撮ってくれるって!」タタタ…
ハンジ「……驚いたね」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「可哀想に……」
ハンジ「とても残酷な事実に、彼は一足先に気づいてしまった」
ハンジ「今日くらい何も知らない少年のまま楽しく過ごせていたら、まだ救いがあったんだけどね……」
リヴァイ「賢いってのも考えもんだな」
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
222 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 22:30:18 ID: msjztPhc
ハンジ「ま、今はシンジュクのお兄さんお姉さんとして、シャシンを撮ってあげようよ。裏切り者に勘付かれたら元も子もない」
リヴァイ「ん」スッ
ハンジ「え?フィルムカメラはね、ここを覗いてボタンを押せば撮れるよ」
リヴァイ「お前が撮れ」
ハンジ「頼まれたのはリヴァイ。だからリヴァイが撮らなきゃだめだろ」ニコ
リヴァイ「クソ女」チッ
ハンジ「……」
リヴァイ「……」
リヴァイ「……まだか」イライラ
ハンジ「あはは。並び順でずいぶん手間取ってる」
リヴァイ「立ち位置なんてどこでも変わりゃしねえだろう」
ハンジ「そんなことないよ。こうしてみてると関係性がよくわかる。誰が誰にお熱かが」
223 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 22:43:49 ID: msjztPhc
ハンジ「誰かを好きでいるって、やっぱりいいよねえ」
リヴァイ「……」
ハンジ「リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「世界時計、見てよ。あれがここの世界地図」
ハンジ「あの広い土地、行こうと思えばどこへだって行けるんだ。自由に。巨人は一体もいないから、どこに行っても食われない」
ハンジ「もし彼らがここに生まれていたなら……普通の少年少女らしく遊んだり、恋にうつつを抜かしたりできていたんだろうね。あんな風に」
リヴァイ「他人の指噛みちぎったり、ちぎられた指生やしたり、ロッカー業者拉致したりか」
ハンジ「それはまた別」
224 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:12:39 ID: msjztPhc
ハンジ「私たちも……まともに恋でもしていたのかもね」
ハンジ「私、愛する巨人がいない世界だったら」
ハンジ「あなたに」
リヴァイ「……」
ハンジ「あっでもまず出会えるかどうかがなあ」
ハンジ「この世界の人口は70億を超えると聞いたし、きっと出会うのは難しい」
リヴァイ「妄想話は好きじゃねえ」
ハンジ「ああ。そうだったね」
リヴァイ「だが」
225 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:14:29 ID: msjztPhc
リヴァイ「お前みてえな変態女、俺以外扱いきれるわけねえからな」
リヴァイ「放っておいてたとしても、どうせ会うはめになっちまってただろう」
リヴァイ「だからお前は精々、首洗って待ってりゃいい」
ハンジ「……」
リヴァイ「あと」
リヴァイ「髪も洗って待ってろ」
リヴァイ「きたねえ髪には触りたくねえぞ俺は」
ハンジ「ぷっ」
ハンジ「はははっ!そっかありがとう!」ケラケラ
227 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:20:04 ID: msjztPhc
ハンジ「まーあれだよね。リヴァイを扱いきれるのも、あしらいきれるのも私だけだと思うし」ニヤニヤ
リヴァイ「嘘はよくねえぞ」
ハンジ「これはこれは。見解の相違」
ハンジ「でも残念。私たちはここの人間じゃない。リヴァイよりもずーっと愛してる巨人がいる世界の人間だ」
ハンジ「私は巨人一辺倒で生きていく。これは譲れない。何より謎を解明したい」
リヴァイ「俺もお前なんかに割く暇は微塵もねえな」
ハンジ「うん」
リヴァイ「こんな話をしたからと言って、何が変わるわけでもねえ」
ハンジ「私とあなたは同僚だね。少しでも関係崩したらお互い墓穴掘りそうだ」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「でもリヴァイ。私たち、別に誰かに言われて1人を通してるわけじゃないんだからさ」
ハンジ「気が向いたらいつでも勝手に誰かとくっつきなよ」
228 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:21:08 ID: msjztPhc
リヴァイ「お前も、行けるもんなら嫁に行ってみろ」
ハンジ「うん」
ハンジ「あっ見て。敬礼するみたいだよ」
リヴァイ「あんな口角あげてするもんじゃねえぞ」
ハンジ「本当に」クスクス
ハンジ「生きてほしいね」
リヴァイ「死ぬときゃ死ぬがな」
ハンジ「うん。でも願わずにはいられない」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「長い。まだか」
229 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:22:31 ID: msjztPhc
ハンジ「号令を誰が言うかでもめてるね。この際、兵士長が言っちゃえば」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「時間がない。それに部下に命令するのは、上司の役目だろ?」
リヴァイ「エルヴィンはどこだ」
ハンジ「別世界だよ」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「心臓を捧げよ!」
カシャ
230 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:27:54 ID: msjztPhc
――[ハンジ]
22時、アルミンとクリスタを除いた新兵8名は荷台で帰還した。
アルミンは立体機動装置を使い、神様クリスタをさらって新宿の街へ愛の逃避行を試みる。
もちろん特別作戦班によって捕えられた。でもあまりに楽しそうにしていたもんだから、少し時間をやったとも聞いたよ。
反省しうなだれるアルミンに対し、「裏切り者の存在に動揺し錯乱状態でこんな間抜け起こしたんだよな」と
リヴァイは半ば脅迫じみたフォローをして事態を収めた。やっぱり優しいねえ、あなたは。
その後は特別作戦班と手分けしてコンビニや薬局で目ぼしいものを物色。私は証拠のシャシンを現像し、日付が変わる前に全員で帰還した。
231 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:28:44 ID: msjztPhc
――[リヴァイ]
帰還後、新兵の乗ってた荷台が破損し、積んだ物資一切合切がパァになっていたことを俺とハンジは知る。
アルミンの言っていた書物『シンゲキノキョジン』も、エルヴィンが胸を高鳴らせて待ち望んでいたヅラもだ。
決定的な証拠はどこにもない。だが十中八九裏切り者の仕業だろう。
……これは余談だが。さっき便所に行ったとき、アルミンが「サシャのやつだ」と言いながら腹を下していた。
サシャのやつとは何だ。よそで食うもんには気をつけなくちゃな。
食いもんと言や、俺の班の奴らから百味ガムという名の菓子を貰った。
104期の奴の土産らしく、兵団内で流行っているらしい。気が向いたら食うとする。
232 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:29:56 ID: msjztPhc
――
帰還後 深夜――団長の部屋
エルヴィン「それで」
エルヴィン「異世界へはもう繋がらなくなったのだろう?」
ハンジ「ああ。日付がかわったから、もうただの壁とただの荷台に元通り。神様クリスタもクリスタ・レンズに元通りさ」
エルヴィン「やはりそうか。残念だな。私も一度行ってみたかった」
ハンジ「また機会があれば私たちが案内するよ」
リヴァイ「ねえけどな」
エルヴィン「ああ。クリスタとお前たちのおかげで、裏切り者をようやく捕らえられる」
リヴァイ「俺たちは何もしてねえぞ」
ハンジ「神様クリスタに感謝だね」
リヴァイ「あいつ……敵を暴き出すきっかけになったことは認めるが、俺をこき使ったり、散々自由奔放しやがって……」イライラ
233 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:31:04 ID: msjztPhc
エルヴィン「この様子、リヴァイは中々楽しめたようだな」
ハンジ「そりゃもう街中走り回っちゃうくらいにね」
リヴァイ「それにしても残念だったな。ヅラが手に入らなくて」
エルヴィン「ああ。やられたよ。だがカツ……ウィッグ以上の収穫があったんだ。そんな贅沢は言わない」
リヴァイ「気を落とすなエルヴィンよ」
エルヴィン「?」
リヴァイ「向こうで瞬間接着剤なるものを購入していたんだ。これでヅラを留めるといい」スッ
エルヴィン「ほう。すまないな」
リヴァイ「礼には及ばん」
ハンジ「とりあえずこれでズレる心配はないね」
エルヴィン「ああ」
エルヴィン「……?ハンジ」
234 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:34:33 ID: msjztPhc
ハンジ「ん?なあに?」
エルヴィン「君が持ってるそのシャシンはなんだ?それも証拠のシャシンか?」
ハンジ「ああ。これね……。はい」ペラッ
エルヴィン「……!」
ハンジ「リヴァイがあの子たちにカメラ構えてる横から、こっそり私も撮っちゃった」
ハンジ「世界時計前での集合シャシン」
エルヴィン「はは、皆いい表情だ」
リヴァイ「緊張感のねえ面だろ」
235 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:49:41 ID: msjztPhc
ハンジ「可愛らしくていいじゃん」
ハンジ「リヴァイ班の皆が言うに、この子がこの子を好きで、この子はこっちの子が気になってて……」
エルヴィン「複雑だな」
リヴァイ「おいエルヴィン。複雑にしたのはお前だろう」
リヴァイ「お前が104期を向こうへ連れて行った。よってやつらはこうなった」
エルヴィン「……そうだな」
エルヴィン「彼らにとって、良い1日になっただろうか」
リヴァイ「知らねえな……。だがまあ、余計死ねなくなっちまったんじゃねえか」
エルヴィン「死ねなくなってしまった、か。それはいい。ならば生き残ってもらおう」
エルヴィン「しぶとく。我々が勝利するまで」
236 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月22日 (金) 23:56:54 ID: msjztPhc
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
エルヴィン「ライナー・ブラウン、ベルトルト・フーバー、およびユミルの捕獲計画は先ほどの通りだ」
エルヴィン「作戦に参加する兵へ各自伝達するように」
エルヴィン「……これより我々の世界は『シンゲキノキョジン』とは別の道を辿り始めるだろう」
ハンジ「吉と出るか凶と出るか」
リヴァイ「それがわかってたら苦労しねえな」
エルヴィン「頼むぞリヴァイ、ハンジ」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「了解」
237 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 00:01:35 ID: ztOHQt62
ハンジ「んじゃ、私先行くわ。調べ物あるんだ。ふああっ眠い」ノビノビ
リヴァイ「さっきあれほど寝ただろう」
ハンジ「そうだけど……ああー思い出しちゃった。すっごい気持ちよかったよねえアレ」
リヴァイ「まあな」
ハンジ「そうだリヴァイ。あなた、寝てるときは眉間にしわ寄んないんだね」
リヴァイ「あ?」
ハンジ「可愛らしい寝顔だったよ」ケラケラ
リヴァイ「さっさと行っちまえ」シッシッ
ハンジ「はいはい。おやすみー」
エルヴィン「おやすみ」
リヴァイ「……」
バタン
エルヴィン「リヴァイ」
リヴァイ「なんだ」
238 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 00:03:36 ID: ztOHQt62
エルヴィン「寝たのか」
リヴァイ「ああ」
エルヴィン「元気だな」
リヴァイ「……ただの同僚だ」
――
リヴァイ「新宿の巨人」
ハンジ「世界時計前」
おしまい
241 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013年11月23日 (土) 00:12:35 ID: ztOHQt62
リヴァイハンジ視点の番外編以上です。新宿の巨人シリーズもこれで本当におしまいです。
エレン視点から4ヶ月、計7視点。付き合ってくれた方々本当に乙です!
よくわからない恋愛シリーズ、穴だらけなお話、加えて度重なる誤字脱字…見守ってくれてありがとうございました!
ちなみに以下がJR新宿西口地下ロータリーにある世界時計です。ご参考までに。
http://i.imgur.com/JLr5rJx.jpg
後でおまけ書きます。リヴァハンで。
258 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 21:58:14 ID: 4IhJ5oDM
あとエルヴィンズラズラ言ってすみませんでした。
以下リヴァハンおまけ。現パロ。
――
ハンジ「ただいまあああーっ!」ドサッ
リヴァイ「!!」
ハンジ「ふーっ。もう足限界きもちーっ」
リヴァイ「おい……」
ハンジ「幸せ……」ホクホク
リヴァイ「ふざけるな」
ハンジ「ん?」
リヴァイ「ベッドから降りろクソメガネ」
ハンジ「えー」
リヴァイ「外出着のまま乗るな。きたねえだろ」グイグイ
259 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:00:22 ID: 4IhJ5oDM
ハンジ「やだもうこのまま寝ようよー」ジタバタ
リヴァイ「俺の寝床だ」グイグイ
ハンジ「ねえ」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「リヴァイも疲れたろ?一緒に寝よう」ニコ
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
ガシッ
ハンジ「やんっリヴァイったらダイタ……」
リヴァイ「お前は黙って風呂沸かせ」ズルズル
ハンジ「引きずられるー」
リヴァイ「嫌なら歩け」
ハンジ「体罰だよこれはリヴァイ先生」
リヴァイ「わめくな変態先生」
260 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:07:59 ID: 4IhJ5oDM
ハンジ「あなたさあ、皆から怖らがられすぎて、学校牛耳ってるのはあなただって噂まであるよ。知ってる?」
リヴァイ「お前こそ授業中生徒の気分悪くさせて保健室送りにするプロじゃねえか。恨みでもあんのかよ」
ハンジ「えー生物学にはロマンがあるのになあ」
リヴァイ「とにかくだ。俺はとりあえず洗濯と部屋の掃除をする。留守の間に相当ホコリが溜まっちまってるはずだ」
ハンジ「こんな時間に掃除洗濯?明日でいいじゃん。お隣さん神経質なんだろ」
リヴァイ「悪いがこっちも神経質なんでな」ゴゴゴ
ハンジ「なに対抗心燃やしてんの……」
ハンジ「じゃあ洗濯するんだったらさ、私のも洗ってよ。今出してくるから」
リヴァイ「水道代浮かせたいだけじゃねえか」
ハンジ「リヴァイが洗濯した服は着心地がいいんだよ」
リヴァイ「俺はお前の母親じゃねえぞ」
ハンジ「同僚だろ」
リヴァイ「ああ」
261 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:09:56 ID: 4IhJ5oDM
ハンジ「あと恋人」
リヴァイ「さっさと風呂入れてこい」
ハンジ「はいはい」
――
アワアワ ゴシゴシ
ハンジ「あー気持ちー……」ウットリ
リヴァイ「……」ゴシゴシ
ハンジ「右耳の裏」
リヴァイ「……」ゴシゴシ
ハンジ「もうちょっと上」
リヴァイ「……」ゴシゴシ
ハンジ「さいっこー。女王様になったような気分だね」
リヴァイ「ドブに手を突っ込んでるような気分だ。気持ちわりい。髪くらい自分で洗え」
ハンジ「あなたはきっといい美容師になれた」
262 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:23:21 ID: 4IhJ5oDM
ハンジ「ねえ」
リヴァイ「どうした。まだ痒いとこあんのか」
ハンジ「修学旅行、無事終わってよかったね」
リヴァイ「あれのどこが無事なんだ。それとも新宿で何が起きたかもう忘れちまったのか」
ハンジ「忘れてなんかないよ。生徒たち、ひったくりに遭ったり、攫われかけたり、警察の世話になったり、脱走図ったり……」
ハンジ「まるでテレビドラマみたいな展開だったね」クスクス
リヴァイ「登場人物でなけりゃ笑ってやったんだがな。ガキたちの尻拭いも、責任とらされんのも俺たちだ」ゴシゴシ
ハンジ「そういえばリヴァイはさ、どうして教師やってんの」
リヴァイ「覚えてねえな」
ハンジ「そう」
リヴァイ「あの年頃、惚れた腫れたしか頭にねえだろ。それがまた厄介だ」
ハンジ「思春期だもんね」
263 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:25:00 ID: 4IhJ5oDM
リヴァイ「受験に響かなけりゃ何しようが構わねえがな。いや、響いたところで知らん」
ハンジ「先生冷たい」
リヴァイ「温まりてえのか」
ジャーッ
ハンジ「わっ熱っ!いきなりシャワー出すなよびっくりした」
リヴァイ「予告はしたぞ。それにやってもらってるやつが贅沢言うな」
ハンジ「んー」
ジャー…
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「籍でも入れるか」
264 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:26:48 ID: 4IhJ5oDM
ハンジ「え?何?聞こえなかった」
リヴァイ「耳鼻科行け」
ハンジ「シャワーの音のせいだろ」
キュッ
リヴァイ「……」
ハンジ「……?」
リヴァイ「……」
ハンジ「なに?」
リヴァイ「……」
ハンジ「寒くなっちゃうよ。湯船に入ろう」
265 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:29:40 ID: 4IhJ5oDM
――
ザバーッ
ハンジ「あったかーい」ウットリ
リヴァイ「ああ」
ハンジ「ねえこの足引いてよ」グイグイ
リヴァイ「お前こそ遠慮しろ。縮こまれ。ついでに縮め」グイグイ
ハンジ「わっちょっと股蹴るのはなしだろ。そういうルールじゃん」グイグイ
リヴァイ「お前、これからも俺の家に入り浸る気か」
ハンジ「えっ別れ話?唐突」
リヴァイ「籍入れるぞ」
リヴァイ「下手に保護者に勘付かれて面倒なことになる前に」
ハンジ「……」
266 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:35:57 ID: 4IhJ5oDM
リヴァイ「この間エレンに見られたしな。あいつにゃ口封じしといたわけだが」
ハンジ「……」
リヴァイ「なんだ。気に食わねえのか」
ハンジ「い、いや。そうじゃなくて……」
ハンジ「リヴァイ、私をお嫁さんにしてくれるの?」
リヴァイ「変態のお前が、一丁前に他の野郎んとこに嫁げるとでも思ってんのか?」
ハンジ「思わない」
リヴァイ「だろうな。お前を扱いきれるのは俺だけだ」
ハンジ「うん……」
リヴァイ「……」
ハンジ「ぷっ」
267 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:40:24 ID: 4IhJ5oDM
リヴァイ「屁こくな」
ハンジ「笑ったんだよ。ていうかお湯の中で屁こいたらばれます」
リヴァイ「だろうな」
ハンジ「ははっ。嬉しいなあ」
リヴァイ「そうか」
ハンジ「ものすごく嬉しい」
リヴァイ「そりゃよかったな」
ハンジ「リヴァイを扱いきれるのも、あしらいきれるのだって私だけだもんね」
リヴァイ「嘘はよくねえぞ」
ハンジ「これはこれは。見解の相違」
ハンジ「ね」
リヴァイ「なんだ」
ハンジ「もしさあ、別の世界に生まれたとして、それでもリヴァイとまた会えていたかな」
リヴァイ「もしもの話は好きじゃねえ」
268 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:46:26 ID: 4IhJ5oDM
ハンジ「いいじゃんいいじゃん」
リヴァイ「まあ……放っておいたって、どうせ俺とお前は会っちまってただろう。悠長に構えてりゃいいんじゃねえか」
ハンジ「どうせ、ね。素敵な言葉だ」
ハンジ「またこんな風にしていられたと思う?」
リヴァイ「よほどのことがなけりゃな」
ハンジ「例えば?」
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
リヴァイ「もういいだろうこの話」
ハンジ「そうだね」
269 : 以下、名無しが深夜にお送りします sage 2013年11月23日 (土) 22:50:48 ID: 4IhJ5oDM
リヴァイ「……」
ハンジ「……」
ハンジ「本当にありがとう」
リヴァイ「いや」
ハンジ「風呂上がったらビールでも飲もう」
リヴァイ「ああ」
ハンジ「その後は」
リヴァイ「洗濯もん干して部屋の掃除」
ハンジ「了解」
おしまい
270 : 以下、名無しが深夜にお送りします 2013年11月23日 (土) 22:54:27 ID: 4IhJ5oDM
以上で終わりです。ありがとうございました!
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進撃の巨人の厳選面白SSまとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
『進撃の巨人』に関する名作SSを厳選してまとめています。シリアスな本編に辛くなったら、たまにはクスっと笑える面白いSSをお楽しみください。中にはキャラ崩壊・ネタバレしているものもあるかもしれないのでご注意ください。
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