ナンバMG5(ナンバデッドエンド)のネタバレ解説・考察まとめ

『ナンバMG5(ナンバデッドエンド)』とは、2005年から2011年まで小沢としおが『週刊少年チャンピオン』にて連載していた漫画およびそれを原作としたドラマ作品。『ナンバMG5』と『ナンバデッドエンド』の2部構成となる。一般的な不良漫画とは異なり「不良を辞める」をテーマとしている。主人公の難波剛は筋金入りのヤンキー一家で育ちながらも中学卒業を機に家族に隠れて模範的な生活を送る高校生。周囲からのヤンキーとしての期待と模範的な高校生としての振る舞いの両立による奔走が本作の魅力である。

『ナンバMG5(ナンバデッドエンド)』の概要

『ナンバMG5(ナンバデッドエンド)』とは2005年から2011年まで小沢としおが『週刊少年チャンピオン』にて連載していた漫画作品である。本作は2部構成となり第1部である『ナンバMG5』(全18巻)が2005年27号から2008年42号に連載され、第2部である『ナンバデッドエンド』(全15巻)が2008年48号から2011年38号に連載された。本作はフジテレビの「水曜10時枠の連続ドラマ」枠で2022年4月から6月にかけてドラマ化され、最高視聴率は6.6%を記録した。主人公・難波剛(なんば つよし)は関東随一のヤンキー一家・難波家の次男であり、カリスマヤンキー兄・難波猛(なんば たけし)と共に「難波兄弟」としてその名を轟かせていた。しかし剛は喧嘩ばかりに生活に虚しさを覚え普通の生活を送りたいという動機から、すでに14校の中学校を傘下に治める不良高校「萬田中学」のアタマであったが脱ヤンキーを決意し猛勉強の末、家族に秘密ながら念願である普通の学校「白百合高校」への進学を果たした。進学後の剛は伝説のヤンキー一家の次男としての期待を背負いながら、学校では不良であった過去を隠し優等生として過ごすという奇妙な生活を送ることになる。そのような二重生活を送りながら、剛は時に楽しみ、時に葛藤しながらも成長していく。剛は二重生活を送る中で白百合高校で出会ったヤンキーではない友人達が荒事に巻き込まれるたびに、白い特攻服にマスクを着用することで正体を隠しながら対処をする。しかしその持ち前の強さから「特服(とっぷく)」としてヤンキー界で有名になってしまい、二重生活に綻びが生じながらも精一杯青春を送る二重生活コメディストーリーである。

『ナンバMG5(ナンバデッドエンド)』のあらすじ・ストーリー

白百合高校入学と市松高校の伍代直樹との出会い

真面目な高校生の姿に着替えて登校する難波剛(右)

千葉県に住む「難波家」は、次男・難波剛(なんば つよし)の市松高校への入学日ということで朝から盛大に祝っていた。騒ぎ立てる両親や兄妹を背に、剛は白い特攻服と"殺"の字が書かれたマスクを身に着け学校へと出発する。類を見ないヤンキー一家で育った剛は喧嘩での勝利が一番という教育のもと「難波兄弟」の弟として名を轟かすまでになり、家族総出で剛の全国制覇を応援しているのであった。しかし実は喧嘩に明け暮れる中学生活に虚しさを覚えた剛は、普通の高校への入学を目指し周囲に隠れて猛勉強し、結果、家から離れた白百合高校へ入学していた。家族や友人には白百合の隣のヤンキー校である市松に通うと嘘をついたため、ヤンキーと普通の高校生を両立させる歪な二重生活を過ごすことになるのであった。
高校生活を平穏に過ごしたい剛であったがトラブルに遭うたびに白百合の制服である学生服から特攻服に着替えて対処していたため、特攻服の男の名は隣のヤンキー校である市松高校にも響き渡っていた。特攻服姿の男の情報を聞き出した市松高校の火野(ひの)は伍代直樹(ごだい なおき)という態度の悪い下級生に特攻服の捕獲を命じる。剛を見つけ出した伍代は初対面の剛に声をかけると即座に殴りかかる。伍代はなぜか特攻服で変装している剛の正体が難波兄弟の弟である難波剛だと知っていた。しかし伝説のヤンキー難波兄弟と喧嘩がしたいという感情のみで伍代に周囲にバラす魂胆は無かったため、人気のない高架下で2人は喧嘩を始める。すると市松の火野を中心とした反・伍代グループが乱入し、伍代は襲撃を受けてしまう。最終的に剛が火野を倒したことで剛と伍代の間に友情が芽生え始めたのだった。再び特攻服の男に顔に泥を塗られた市松2年最強である最上(もがみ)は特攻服の男を探し始める。剛のクラスメイトである藤田深雪(ふじた みゆき)は最上が提示した懸賞金に目が眩み、剛が特服だと市松側に連絡する。通報を受け、剛の前に現れた最上は、本当に正体が特攻服の男ならば殴り続ければボロを出すとして剛に執拗に暴行を浴びせる。窮地に陥る剛だったが特攻服に変装した伍代が乱入し何とか逃げ切ることに成功する。翌日、特攻服の男の正体は剛ではなかったことに罪悪感を覚えた深雪は場を収めるため最上たちに謝罪をしに向かう。しかし最上たちには最初から懸賞金を払う気は無かった。最上たちは深雪を襲おうとするが、そこへ変装した剛が駆け付け、一撃で最上の顎を砕いて事なきを得たのだった。

千鳥商業と大丸大助との出会いと城南高校の芹沢恭一との戦い

市松の生徒に2人が病院送りにされたため、千鳥商業の郷田(ごうだ)は大勢を引き連れて市松の最寄り駅を練り歩いていた。郷田は市松生を病院送りにすると千鳥生たちに演説をしていたが、1年の大丸大助(だいまる だいすけ)だけは鼻をほじりまともに聞いておらず、アホくさいと言い捨てサボっていた。そこへ、剛と共に駅前にいた深雪が市松生や千鳥生に注意し、男を激昂させてしまう。深雪に惚れた大丸は深雪を助け、喧嘩の最中であるにも関わらず告白する。その後、大丸が深雪の利用する駅付近を張り込んでいると、剛が白百合生を恐喝する千鳥生を追い払うために特攻服に変装するところを目撃してしまう。2人は一触即発の雰囲気になるが、市松生が応援に駆け付けたところで剛はいなくなってしまった。後日、大丸の友人である千鳥生のヒロたちが市松生にボコボコにされ、伍代を名乗る男に指を4本ずつ折られてしまう事件が発生する。話を聞きつけた大丸は伍代をブッ殺すと息巻く。実は千鳥の郷田と市松の沢田(さわだ)が生意気でお互いにとって邪魔な存在である伍代と大丸が潰しあうように裏で画策し誘導していたのであった。計画通り大丸と伍代は壮絶な殴り合いを繰り広げ、頃合いを見た郷田と沢田が2人を潰そうとした時、密かに計画の全貌を聞いていた剛が特攻服姿で登場した。そして敵を一瞬で倒し、剛と伍代、大丸の友情が深まるのであった。

剛たちは高校2年生に進級した。市松1年の勝者となった剛の萬中時代の後輩である駿河鉄人(するが てつひと)は、剛のもとにつくこと公言するが市松生に市松にそんな奴はいないと笑い飛ばされてしまう。市松生が誰も剛の存在すら知らないことを怪しんだ鉄は伍代を問いただそうとするが、そこに白百合生の真面目な格好をした剛が現れる。全国制覇を掲げる剛に憧れていた鉄は認めることができずにその場から逃げ出してしまう。剛の重すぎる事実を聞いた鉄は「城南高校」を訪れ、中学時代の剛の友人である若狭(わかさ)と桜(さくら)に相談しようとする。しかし城南ではまさにアタマの梅田(うめだ)と春休み中に引っ越してきた芹沢恭一(せりざわ きょういち)という男の決闘が行われようとしていた。芹沢は梅田の拳を何度も顔面にくらい勝負は決したかに見えたが、芹沢が梅田の股間を蹴り上げ形勢は逆転する。最後は気を失った梅田の髪の毛を芹沢がナイフで剃り落とし、狂ったように笑い自分が城南の新しいトップであると宣言する。
芹沢は勢いそのままに千鳥を蹂躙した後に市松に押し寄せ市松生をボコボコにしていくが、千鳥襲撃時に友人のヒロが重傷を負わされた大丸が乱入する。市松は城南に対して劣勢であり、鉄と大丸、伍代だけが孤軍奮闘していたが、そこに鉄たちを救うべく特攻服姿の剛が登場し、大勢の城南生に苦戦しながらも戦っていると市松の最大派閥である坂口の一派も雪崩れ込んできた。坂口らは当初日和見を決め込んでいたが剛の気合いが伝染し駆け付けたのだった。坂口は剛や大丸を出し抜き単身で芹沢に殴りかかるが金属バット指を破壊されてしまう。剛は改めて芹沢にタイマンを要求すると、芹沢をボコボコにする。芹沢についた城南生たちも武器を使って大勢で殴りこんだ自分たちを恥じるようになっていた。道具を使わずタイマンだけで関東を制覇したかつての城南のアタマであり、剛の兄である難波猛(なんば たけし)と特攻服の男が重なり意気消沈してしまったのだった。最終的には剛が芹沢を倒して幕を閉じるのだった。喧嘩後、鉄は剛がより強いやつらと拳をぶつけたいだけだと勘違いし始め、剛は唖然とし改めて自分の周りには馬鹿ばかりであることを嘆きながらも安堵したのであった。

横浜魔苦須・牧野弥生との共闘とケルベロス・加納光一との戦い

不本意ながらの千葉制覇から1か月後、剛は美術部で初めての校外写生で横浜に出向く。深雪と2人きりで絵を描いている最中、レディースチームに妨害されるが、剛は説得しようとする。総長と呼ばれる女が怒りながら反論するが、剛の姿を見て気まずそうに後ろを向く。後日、校外写生を欠席していた新入美術部員・牧野弥生(まきの やよい)の携帯電話のアクセサリがレディースの総長と同じであることに気づくが剛は言及を控えた。その後も牧野は部活を欠席し続けたため、心配した剛は牧野の後を追う。横浜に向かった牧野は、二代目横浜魔苦須総長と名乗りレディースの抗争に乱入し敵対チームを倒す。ケルベロスの登場で事態は悪化するも、剛がケルベロスを追い払った。剛は魔苦須メンバーから強くなりたいとの懇願を受けるがその場を去る。後日、剛が魔苦須の集会に現れ、魔苦須メンバーは喜ぶが牧野だけは剛に噛みつく。剛は現実を見てケルベロスとの戦いは無理だと説明すると牧野に追い払われる。その後魔苦須メンバーは再びケルベロスに襲撃され剛が救出に入るが、田村(たむら)というケルベロスの幹部と一触即発の状況になるも最後は警察の到着で逃走に成功する。剛に救われた牧野はケルベロスとの因縁を語り始めた。牧野は家庭の問題から家出していたところを初代魔苦須総長・滝沢マリ(たきざわ まり)に助けられる。牧野は魔苦須に入りたいと願い先輩たちと親密な関係を築き、やがて加納光一(かのう こういち)というカスケードのメンバーと恋に落ちる。だが優しかったのも最初だけで光一は牧野に暴力を振るい始める。これに怒ったマリはカスケードのリーダー大柴(おおしば)を問い詰め、大柴は光一と牧野を別れさせると約束する。しかし大柴の約束に怒った光一は大柴たちを病院送りにし少年院に収監されたというものだった。
1か月後、少年院を出所した光一は更生しておらず、なおも牧野への執着を続けており魔苦須メンバーの3人と牧野を拉致し、牧野以外に暴行を浴びせる。剛は激怒し光一と戦うが窓から投げ落とされてしまう。加勢に来た伍代もケルベロスの取り巻きに捕まり光一に殴られ気絶する。誰もが光一の勝利を確信する中、田村がいきなり光一の後頭部をバールで殴打する。田村は光一を利用し横浜の頂点を狙っており、光一を処分する頃合いを見計らっていた。しかし光一は立ち上がると田村たちを返り討ちにする。牧野が田村を殺す前に止めに入るが光一は正気を失っており牧野を敵と認識し襲い掛かり、庇った伍代と一騎打ちになる。そこに窓から転落したはずの剛が現れ、再び光一激しい殴り合い繰り広げる。最後は剛が光一に馬乗りになり誰もが勝負あったと思った矢先に、カスケードの元ヘッド大柴が仲裁に現れた。大柴は病院送りにされながらも光一の不遇な境遇を知っているためか目をかけており、光一の身柄を預けるように剛に打診する。剛は大柴に光一が再び魔苦須に手を出したらカスケードごと潰すと凄み、その場を後にしたのであった。全てが終わり魔苦須のメンバーは剛と伍代に礼を言い、魔苦須を解散させることを宣言する。牧野は聞いていなかったようで驚くが、他のメンバーは魔苦須に甘えていては変われないと涙ながらに語る。牧野は全員が死ぬまで魔苦須だと条件を付けながらも解散を認めることになり、剛たちと別れた。牧野は特服の正体が剛だと知らぬまま恋に落ちたのであった。

渋谷のグリとグラと白百合退学

修学旅行での無断外出により、剛は停学処分を受け、改めてクラスメイトとの卒業を誓う。停学後、剛は進路調査票を通じて大学進学を考えるようになり、家族に打ち明ける決意をする。しかし家族に打ち明けるより先に、猛が剛の部屋で進路調査票をついに見つけてしまう。猛は2年間も家族を騙していたことに怒り剛を呼び出した高架下でボコボコにする。家に帰った剛と猛は、両親の前で今まで隠し通してきた真相を洗いざらい話す。勝(まさる)とナオミも信じられないといった様子だったが家族に嘘をついていたことに怒り、剛に特攻服を脱ぐようにと怒鳴ると、剛も「こんな家に生んでもらって迷惑なんだよ!!」と吐き捨て家を飛び出し、伍代の家に泊めてもらうことになった。
両親に頼ることが出来ない剛は、白百合の学費を工面しようとカラオケ店でバイトを始める。剛はしばらくカラオケ店でのバイトに精を出していたが、6人組のガラの悪い男たちが入店してきて雲行きが怪しくなる。ガラの悪い男のリーダー格はグラと呼ばれていた。グラは3年前に兄貴分のグリとともに猛の友人に理不尽な拷問を食らわせたことにより猛の制裁を受け、人生が狂ったようで難波兄弟を恨み続けていたのだった。カラオケ店で剛を見つけたグリとグラはバイト仲間たちを人質にして剛を脅し連日リンチをし続ける。見かねた伍代が猛にグリとグラのことを伝えるが、猛は黙って暴行を受ける剛に対してヤキが回ったと言い捨てる。伍代は怒りのあまり猛を殴り飛ばしその場から立ち去る。無抵抗の剛に痺れを切らしたグリとグラはバイト仲間の一人を拉致すると、決意を固めた剛はグリとグラの取り巻きを次々と蹴散らす。さらに伍代や大丸の加勢もあり劣勢を脱した剛はグリとグラを完膚なきまでに粉砕し勝利する。喧嘩後の剛は、お前がクズだからクズが寄ってくるというグラの言葉に落ち込みを見せる。すると猛が木陰から姿を現し、クズではないと剛に言う。突然の猛の登場に驚く剛だったが、猛の全国制覇をせずに白百合に通うだけで満足なのかという問いには、猛の目を見据えてヤンキーで頂点に立つより白百合を友人と卒業したいと気持ちをぶつけ猛と和解する。その後久しぶりに家に帰った剛が勝とナオミに土下座して嘘をついたことの許しを請うと、家族も理想を押し付けていたことを謝罪し、難波家は完全に和解するのであった。和解後の剛は髪を逆立て特攻服を着て出かけることを辞め全てをさらけ出すが、そんな剛を見て家族は嘆きながらも穏やかな日常を過ごす。
時が経ち新学期を謳歌する剛だったが、グリとグラたちは剛への逆恨みを続けていた。グリとグラは自分たちのチームであるマッドマウスが吸収されることを条件にIRBというチームのトップである竜二(りゅうじ)とともに車やバイクで白百合の校庭に侵入し、剛を出せと叫びながら部活動に励んでいた生徒たちに暴行を加え始めたのだった。剛は白百合を護るために片っ端から男たちを殴り飛ばすとグリとグラも瞬殺するが、竜二の一撃を喰らい追い込まれる。しかし大丸や鉄を含めた市松軍団を引き連れた伍代が参戦し窮地を脱する。伍代や大丸、鉄が剛の逃げ道を確保しようと奮戦するも剛は白百合を護ると言って聞かず、最終的には竜二を圧倒し頭を何度も踏みつける。剛は背後から現れた警察に取り押さえられた。実は、白百合の校長である岩城隆一郎(いわき りゅういちろう)が責任から逃れるため警察に通報していたのだ。警察官が剛を含めた乱闘に参加した全員を制圧していく。取り押さえられた剛は雨によって髪型が元に戻っており、初めて教師や白百合生は特服の正体が剛だと認識したのだった。事件後、校長の岩城は剛の退学を即断する。剛への評価が校内でも二分する中、深雪を中心とするクラス名とは退学処分への抗議として体育館に籠城を始める。事態の鎮静化のため、岩城や教育指導の桐山(きりやま)が剛の処置を停学3週間とすると、深雪たちは剛の退学処分が正式に取り消されたと喜んだのだった。
しかし桐山は剛の退学処分を諦めていなかった。桐山が、剛の萬中時代の恩師である長谷川(はせがわ)が剛の進学を手助けするために内申に手を加え、入学願書も代筆したことを盾に脅迫したため、剛は自主退学することを選択した。深雪たちは林田から剛が自主退学したと伝えられると唖然とした表情を見せる。伍代や大丸、鉄は退学後、公園で落ち込む剛を見つけ出し、何故退学したかを聞き出そうとするが、長谷川の人生を護りたい剛は真相を語ることなく帰ってしまうのだった。そんな剛のもとに退学の噂を耳にした長谷川が事情を聞きに訪れた。原因を聞く長谷川に対して剛は真相を言えず、萬中を仕切っていた面子から乱闘騒ぎに参加して自分から退学したと嘘をつくと、長谷川は失望した様子を見せ帰っていった。長谷川が去った後に涙を流す剛は、白百合へ入学したことで周囲に迷惑をかけてしまったことの後悔から自暴自棄になってしまう。

荒れる剛と最後の戦い

剛は退学以降、萬中時代よりも荒れた生活を送る。旧友らを遠ざけ勢力拡大を狙う地元でも武闘派の勢力とつるんでいるのだった。白百合のクラスメイトが心配し、剛のもとを訪れるも拒絶され距離を置いているようだった。剛や取り巻き達はヤクザである秋田会の梶原恭一(かじわら きょういち)という男と接触し、違法な仕事を持ち掛けられるが剛は相手にしない。しかし取り巻き達のリーダー各であるタカシは興味を示す。剛はタカシに注意するが、一緒に極道の世界に来てくれれば一生付いていくというタカシの言葉に仕事を手伝う覚悟を決める。しかし剛がヤクザと接触している情報を入手した伍代や大丸、鉄たちは剛を止めるために武力行使も辞さない構えを見せる。そんな一触即発の雰囲気の中、深雪が偶然通りがかり剛に問いただす。深雪が涙を流しながら剛を説得すると、剛も涙を浮かべみんなと卒業したかったと心境を吐露する。深雪は剛の手を支えお互いに久しぶりの笑顔を見せる。
友人たちのおかげで正気に戻った剛は梶原の命令に従う取り巻き達を止めるため、梶原に違法な仕事は手伝わないと宣言する。梶原は激怒するが、覚悟を決めた剛の態度に興味を持つと、喧嘩に勝てば解放するが負けた場合は取り巻き含めて秋田会の盃を受けろと条件をつける。条件を呑んだ剛は梶原を殴り飛ばす。起き上がった梶原はドスを剛に突きつけるが、動じない剛に感服したのかその場を去った。全てが終わった安堵からその場に座り込む剛だったが、取り巻き達が剛に謝罪しながら肩を貸すと一同は笑顔に包まれるのであった。
梶原との一件も片付き、久しぶりに家に帰った剛は猛に子供が出来たことやラーメン屋で修行していることを伝えられる。剛が正気に戻り安堵した猛は涙ながらに剛への想いを語り兄弟の絆はさらに深くなった。また伍代や大丸、鉄にも背中を押され剛は自身を正気に戻してくれた深雪に告白し、晴れて2人は恋人になる。全てが上手くいき始めた剛のもとにヤンキー狩りを自称するチンピラ集団が現れ喧嘩を売られる。剛は無抵抗のまま何とか窮地を脱すると、チンピラ集団は拍子抜けしたのか猛に狙いを変更する。ラーメン屋で修行帰りの猛を襲撃し、猛の強さに圧倒されるもスタンガンで猛を気絶させると気絶した猛の頭をリーダー格のシンヤは何度もバットで殴打し、猛は意識不明の状態で病院へ搬送された。これを知った剛は憎悪に染まり覚悟を決める、深雪に別れる旨を電話するとすぐに着信拒否にする。地元の猛を慕う友人らとチンピラたちを見つけ出し凄惨な制裁を加えるがリーダー格のシンヤだけは雲隠れし見つからない。痺れを切らした剛は秋田会の梶原に秋田会の盃を受けることを条件に、梶原にシンヤの居場所である倉庫特定させる。倉庫に向かおうとする剛の前に深雪が立ちはだかり懸命に説得するが、剛は聞き入れずバイクでシンヤの元へと出発する。倉庫に到着するとシンヤが金で雇った取り巻きを瞬殺し、シンヤもナイフを使い剛に応戦するが敵わず剛はシンヤに馬乗りになり殴り続ける。剛が自分を殺す気だと感じたシンヤは許しを請うが、剛は最後の一撃を打ち込む。梶原に土下座し居場所を聞き出した伍代が倉庫に駆け付けると全てが終わっていた。剛はシンヤを殺してはいなかった。猛が意識を取り戻したことを伍代が伝えると剛は安堵からか泣き崩れる中、警察に連行された。
1週間後、警察から釈放された剛を、卒業式をボイコットした白百合のクラスメイトが盛大に出迎える。しかし深雪だけは剛に張り手すると心配をかけたことを叱責するのだった。剛の身柄を預かる約束になっていた梶原も舎弟になったタカシとともに警察署に来ていたが、剛と一般人である白百合生たちの触れ合いを見ると極道が務まる人間ではないと引き返していった。
時は経ち春になり、猛の復帰祝いが職場であるラーメン屋で開催されており、しばらくすると大学のゴルフサークルでの活動を終えた深雪が途中参加し楽しそうに談笑する。伍代の姿が無いことに気づいた勝が剛に行方を聞くと、伍代は色んな国を見てくると言い残しインドに行っていると言う。剛と深雪も何かやりたいことはないのかと問われると剛は美大進学、深雪はプロゴルファーになって剛が絵で生計を立てるまで稼ぐと答える。そんな二人を見て猛が今すぐ結婚して子供を作れば、自分の子供とタッグでの全国制覇も夢ではないと語ると、二人は揃って「冗談じゃねーよ!!」と叫ぶのであった。

『ナンバMG5(ナンバデッドエンド)』の登場人物・キャラクター

難波一家

難波 剛(なんば つよし)

本作の主人公。千葉県に住むヤンキー一家難波家の次男。白百合高校の美術部に所属。
ヤンキーと一般的な高校生を演じ分ける二重生活を送っておりヤンキースタイルの時は白い特攻服にワックスで髪を逆立て、殺の字が書かれたマスクを着けている。一般的な高校生を演じる時は髪を下ろし学ランを着用している。
普通の高校である白百合高校に入学する以前は筋金入りのヤンキーである両親や兄の猛の影響があり、猛と同じく萬田中学のアタマを張るほどのヤンキーであった。一方で幼少期から絵を描くことが好きという一面もある。
中学時代に喧嘩ばかりの毎日に嫌気がさし一念発起し、普通の青春を送るため猛勉強の末に白百合高校に合格する。なお家族や周囲の友人は剛の全国制覇を夢見ているため不良校である市松高校に入学していると嘘をついており、家族や友人を騙してしまっていることに葛藤しつつも、発覚してしまうまでは精一杯生活を楽しもうと決意している。

難波 猛(なんば たけし)

難波一家の長男にして本作最強の人物。髪型は金髪リーゼント。
喧嘩の強さは剛以上で城南高校在学時には関東制覇を成し遂げるほどの実力を持ち、関東中のヤンキーにその名は轟いている。
しかし現在は一線を退き無職でパチスロ漬けの生活を送っている。
家族や友人を第一に考える筋の通った人物でもあり、剛が家族に嘘をついて白百合に進学したことに気づくと容赦無くぶっ飛ばしたが心の奥底では剛を大事に考えている。

難波 吟子(なんば ぎんこ)

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