黒尾鉄朗（ハイキュー!!）の徹底解説・考察まとめ

黒尾鉄朗のプロフィール・人物像

所属：音駒高校（ねこまこうこう）3年5組
役職：バレーボール主将
ポジション：ミドルブロッカー（MB）
背番号：1番
身長：187.7cm
体重：75.3kg（高校3年4月）
誕生日：11月17日
兄弟構成：姉
好物：サンマの塩焼き
最近の悩み：寝ぐせがとれない
CV：中村悠一
舞台：近藤頌利

黒尾鉄朗（くろお てつろう）とは、音駒高校（ねこまこうこう）の男子バレーに所属する人物で主将を務めている。
「クロ」という愛称で呼ばれている。
自由奔放な音駒高校をまとめ上げる”喰えない司令塔”だ。
黒尾鉄朗は表情や言動がコロコロ変わる。
普段はお調子者で、黒尾の同級生でリベロの夜久衛輔（やく もりすけ）や梟谷学園高校のアウトサイドヒッター木兎光太郎（ぼくと こうたろう）とふざけていることが多い。
関東での合同合宿で、烏野高校1年MB月島蛍（つきしま けい）から、「僕は純粋に疑問なんですが、どうしてそんなに必死にやるんですか？バレーはたかが部活で、将来履歴書に”学生時代部活を頑張りました”って書けるくらいの価値じゃないんですか？」と問われた際、木兎が「”ただの部活”ってなんか人の名前っぽいな…」と的外れな事を口にする。黒尾はこれに反応して、「！おお…タダ・ノブカツ君か！」とボケを披露した後、「いや待てちげーよ！ただの部活だよ！」とツッコミを入れる。すると木兎は、「ぐああ！？そうか人名になんねー惜しかった！」とさらに天然ボケを披露し、月島は真剣に話しているのに黒尾と木兎はナチュラルに漫才風のやり取りを繰り広げるという、彼のお調子者な一面が分かるシーンだ。

そして、無表情のこともあれば作り笑顔のときもあり、何を考えているかわかりにくい。烏野総合運動公園競技場の階段下で音駒高校と烏野高校は整列して挨拶をする。体育館に入り、烏野高校主将ウィングスパイカー(WS)澤村大地（さわむら だいち）と黒尾は握手を作り笑顔でするが二人は、「あ、コイツ食えないタイプの奴だ」とお互いに思う。
しかし、悪ふざけしている姿からは想像がつかないほど真面目で頼もしい一面を見せることもある。バレーに対してはとても真面目だ。

春高、東京都代表決定戦準決勝の梟谷学園高校戦で不甲斐ないプレーをした1年MB灰羽リエーフ（はいば りえーふ）と黒尾が話す。リエーフから、「俺…俺はもっとバシバシ点獲ってブロック決めて、観客からワーキャー言われる男なんですっ！」と言われる。黒尾は、「お前のそういう真っすぐ馬鹿っぽい感じ嫌いじゃないよ。確かにブロックとかドッカンドッカン決めたら気持ちイイし、ヒーローだな」と話す。するとリエーフから、「音駒はチームワークのチームだから、輪を乱しちゃ駄目だってわかってるんですけど…！」と言うと黒尾が、「お前ちゃんとそんな事考えてたのか！」、「まあ大事だな。チームって複雑だからな。人が複数居て、ちゃんと力を合わせるって結構難しい」、「別に”出る杭打つべし！”って言うんじゃねえの、なんつーのかな。チームワークがハマる瞬間てのは、多分お前が思ってるよりずっときもちいいぞ」と言った。後輩を気に掛ける姿が見られる。
そしてチームメイトの指導にも積極的だ。またライバルである烏野の月島にも黒尾は、「オイまずは”意識”しろ。指の先まで力込めろ。絶対にフッ飛ばされない様に。んで手は、上じゃなく前に出せ。前にだ。そんでうるせえ梟を黙らせろ」と月島に言った。
そして月島から、「あの…一応…僕ら試合になったら敵同士ですよね。どうしてアドバイスまでしてくれるんですか？」と聞かれる。黒尾は、「ボクが親切なのはいつものことです」と答えるが、月島と隣に居た烏野高校1年MB日向翔陽（ひなた しょうよう）はふざけた返答に少し引いていた。真面目な顔して黒尾は、「”ゴミ捨て場の決戦”ってやつをさ、何とか実現したいんだよね」、「ウチの監督の念願だし、けど監督は、あとどんくらい現役で居られるかわかんねーしさ、それには烏野にも勝ち上がって来て貰わなきゃなんねえだろ」、「まあ俺の練習でもあるワケだし、細かいこと気にすんなっつーの」と恥ずかしそうに話した。威圧感を感じさせず気さくに声をかける姿から元々面倒見がよく人当たりが良い事が分かる。しかし、他校の人からは「胡散臭い」と思われている。
また公式サイトで"冷静""策略家"と紹介された黒尾はどちらかというと頭脳派だ。木兎には「挑発上手の黒尾君」と言われていたことから、うまい具合に人を煽るのが得意だ。
しかし、煽るのを失敗することもある。月島に対して、「悠長な事言ってると、あのチビちゃんに良いトコ全部持ってかれんじゃねーの。同じポジションだろ」と焚きつけようとするも、この時は彼の機嫌を損ねるのみで終わっている。”あのチビちゃん”とは日向の事だ。

練習後、澤村に会いに行き黒尾は、「昨日、お宅のメガネ君の機嫌損ねちゃったかもしんない」と話し経緯を説明する。澤村は、「へー！あの月島が成り行きとは言え自主練に付き合ったのか。で何か言ったの？」と黒尾に聞くと、黒尾は「お宅のチビちゃんに負けちゃうよって挑発を…」と答える。責任感が強く、月島の事や烏野高校の事を考え澤村に話したことが分かる。
春高東京都代表校を決める3位決定戦の試合が終わり、黒尾・夜久・海信行（かい のぶゆき）で話していると、「戸美ざまあだな。審判に媚びるとかアオるとか。セコい事が武器の奴ら、代表決定戦まで来れただけでもラッキーだもんな」と言っている人がいた。黒尾は、「キミタチ、予選で戸美と当たったチーム？」と話しに行く。そして黒尾は、「戸美の武器は、高い守備力とサーブのコントロール。それにブロックを利用する器用な攻撃でしょう。ブロックアウト狙ってとかマジ腹立つよね」、「対戦した事あるのにわかんなかった？？戸美の思うツボじゃないっスか！」とふざけながら言い最後に「そんなんじゃ次当たっても勝てないよ」と無表情で言った。戸美学園高校主将の大将優（だいしょう すぐる）とは仲が悪く喧嘩してばかりだが、この言葉からバレーボールに対して真摯に向き合っている事が分かる。
高校卒業後は、日本バレーボール協会の競技普及事業部に所属する。

黒尾鉄朗のポジション・能力

「音駒高校3年能力パラメータ」
パワー：3／バネ：2／スタミナ：3／頭脳：4／テクニック：4／スピード：4
出典：『ハイキュー!!極 ファイナルガイドブック』

プレイヤーとしてはオールラウンド型。
ステータス上は飛び抜けた武器はないものの、月島の師を務めたブロック力は勿論、MBながら控えリベロの芝山優生（しばやま ゆうき）を凌ぐレシーブ力を持つ。
チーム内では、年下の幼馴染である孤爪研磨（こづめ けんま）との熟練の速攻による得点源・つなぎ役として活躍する。
さらには貴重なジャンプサーバーとしてチームを支える。サービスエースを獲りチームを盛り上げる場面もある。
最も得意なプレーは「ブロック」だ。ブロックには「リード・ブロック」と「コミット・ブロック」・「デディケート・シフト」など状況に応じて様々なブロックを使いこなす。
その中で特に得意としているブロックは「リード・ブロック」だ。
黒尾の中で「リード・ブロック」とは、最後に咲く（わらう）ブロックだと思っている。「リード・ブロック」とは、トスが上がってからブロックに跳ぶブロックの事だ。トスが上がってからいかに早くブロックを跳ぶかが勝負になってくる。その事から、黒尾のスピードが4という数字なのだと分かる。
そして、リエーフや月島に「リード・ブロック」を基礎から教えている。
音駒高校戦で月島はブロックの時、「極力横っ跳びすんな！ちゃんと止まって”上に跳べ”」と言われた言葉を忠実に実行している。白鳥沢学園高校戦でも、「徹底ネチネチブロック」をしセッターやアタッカーにストレスを与えている。
烏野高校戦でリエーフは黒尾に言われた「ちゃんと止まって上に跳べ」、「ブロックの”面積”広げろ」、「リード・ブロックは最後に咲くブロックだ」という言葉を思い出して跳ぶ。
この二人がブロックで成長しチームに大きな影響を与える事から、黒尾のブロック力の高さや指導面で優れている事が分かる。
レシーブでは、夜久が怪我をした際に芝山が夜久の代わりに入ったが狙われミスをしてしまった。その為この試合で黒尾は後衛もプレーする事にした。敵は、黒尾を狙うがしっかりとセッターに上げる場面がありレシーブ力が高い事が分かる。
研磨からも、「クロも夜久くんには及ばないまでもレシーブ上手だし。」と言われる程だ。

黒尾鉄朗の来歴・活躍

過去

孤爪研磨との出会い

黒尾は8歳の時に東京都のとある街、研磨の隣に引っ越してきた。始めは互いに人見知りでなかなか仲が深まる事はなかったが、バレーボールを通じて仲が深まり黒尾にとって大切な相棒となっていく。
空き地にネットを張り”一人時間差”の練習をし、今は使えなくても高校生には二人の必殺技になっていると信じる。”一人時間差”とは、ジャンプすると見せかけて一回止まって、ブロックにフェイントをかけてから打つ攻撃の事だ。

猫又監督との出会い

「光が山ファイターズ」という小学生のチームに黒尾と研磨は参加した。そこには音駒高校バレーボール部の監督として名を馳せた猫又育史（ねこまた やすふみ）が居た。そして、ネットが高くスパイクが打てないと悩む黒尾に対し、「じゃあネットを下げればいい。最初こそまずは”できるヨロコビ”じゃないかい」と言う。この言葉は、”できる喜び”こそがバレーボールに重要な要素だと黒尾に実体験と共に学ばせることとなり、同時に彼の心に強く残るものとなった。

中学時代

黒尾のバレーボールへの情熱は中学になっても衰えず、研磨をバレーボール部に誘う。部員数は少なく、ギリギリ試合ができるほどでしかなかったが、この頃から体の大きくなり始めた黒尾を中心にチームはよくまとまり、充実した時間を過ごした。

高校入学

音駒高校に入学する

中学を卒業した黒尾は、かつて強豪として知られたバレーボール部を目当てに地元の音駒高校に入学する。そこで海と夜久と出会う。夜久とは趣味嗜好が異なりぶつかるが、”全国制覇”という目標が一致し意気投合する。

一年後研磨が入学しバレーボール部に入るが、先輩や同級生とうまく行かず悩む。黒尾は研磨に、猫又が復帰する事とチームに必要な事を話す。そして研磨とぶつかっていた山本猛虎（やまもと たけとら）との仲を取り持ち関係を修復させる事に成功する。その後、監督に復帰した猫又と再会する。

インターハイ予選前の烏野高校との練習試合

復帰した猫又の下でチーム作りに励み、3年に進級すると、宮城県の烏野高校顧問の武田一鉄（たけだ いってつ）の働きかけにより、インターハイ予選前に相手の地元で遠征試合を行うこととなる。
音駒高校（通称“ネコ”）と烏野高校（通称“カラス”）には、双方の監督の現役時代から続く「全国大会で華々しく雌雄を決する」という約束があった。この約束は、それぞれの通称にちなんで、よくゴミ捨て場をあさっている者同士という事で「ゴミ捨て場の決戦」と呼ばれていた。

試合が始まる前に円陣を組み黒尾が、「俺達は血液だ。滞り無く流れろ、酸素を回せ、”脳”が正常に働くために」と言う。”脳”とは研磨の事だ。この試合で黒尾は、研磨と小学生時代に練習してきた”一人時間差”を決め、烏野高校陣営を驚かせる。
全勝し、全国の舞台で「ゴミ捨て場の決戦」を行う事を誓い合う。

インターハイ予選後の夏休み合同練習会

埼玉県の私立森然高校で開催される、関東のバレーボール強豪校合同夏合宿に参加する。音駒高校の他には同じく東京の梟谷学園、神奈川の生川高校、そして地元の森然高校が主な顔ぶれとなったが、今回はここに宮城の音駒高校も加わる事となった。

練習試合が終わり木兎と共に自主練習をしている所に月島を誘う。月島に対して黒尾は、日向を引き合いに出して「悠長な事言ってると、あのチビちゃん（日向）に良いトコ全部持ってかれんじゃねーの。同じポジションだろ」と煽るが失敗してしまう。それは、月島の兄は「小さな巨人」の圧倒的な才能の前に挫折し、それが兄を慕っていた月島自身のコンプレックスにもなっているからだ。「小さな巨人」とは、かつて170cm程度の小柄な身長で高身長相手に互角に戦い、烏野高校で絶対的エースとなった人物で、主人公の日向がバレーボールをするきっかけとなった存在だ。しかし、烏野高校1年山口忠（やまぐち ただし）に喝を入れられた月島は、黒尾たちの自主練習に参加した。そして黒尾は、月島に対してブロックの基礎を叩きこむ。敵である月島に自分の技術を教えるのは、猫又が現役のうちに「ゴミ捨て場の決戦」を実現したいという強い想いからだった。

8月末関東での練習試合で黒尾はリエーフと月島に「リード・ブロックは我慢と粘りのブロックであると同時に最後に咲く（わらう）ブロックだ」と自身のブロックに対する信念を話した。月島にとってこの言葉は大事な言葉となり黒尾をブロックの”師”として尊敬するようになる。

代表決定戦までの間の夏休み合同練習試合

8月末土曜日、烏野高校が関東へ練習試合に来ていた。夜の自主練習でブロックで、「相手を100％攻略する事は無理だがその1本が形勢をひっくり返す1点になる場合がる事、チームが盛り上がっている時や絶望的な時にチャンスを作り出し、その1本を決められたんなら”十分100点の1点”になる」と月島とリエーフに話した。

2013年春高東京都代表決定戦