ブルーロック(Blue Lock)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブルーロック』とは2018年より、金城宗幸(原作)とノ村優介(作画)が『週刊少年マガジン』で連載している漫画。「最強のエゴイスト」という名にふさわしいストライカーを1名誕生させるため始まった「ブルーロック(青い監獄)」プロジェクト。そこに集められた300人の高校生が生き残りをかけてサッカーでバトルを繰り広げていく。脱落=選手生命の終わりを意味しており、今までなかったデスゲームの要素が加わった新しいスポーツ漫画となっており、ハラハラした展開から目が離せない。
『ブルーロック』の概要
『ブルーロック』とは2018年より、金城宗幸(原作)とノ村優介(作画)が『週刊少年マガジン』で連載している漫画。2021年5月には講談社漫画賞少年部門を受賞。2022年にはアニメ化が決定している。
”サッカーはビジネスの道具でしかない。”こんな腐った日本サッカー界を変えるべく始まった「ブルーロック(青い監獄)」プロジェクト。プロジェクトの目的は最強のエゴイストという名にふさわしいストライカーを作り出し、日本をワールドカップ優勝に導くこと。プロジェクトの全権を握る「絵心甚八(えごじんぱち)」はそのために300人の高校生FWを集め、生き残りをかけてサッカーで勝負することを命じる。そこで主人公の潔世一(いさぎよいち)をはじめとする300人の選手たちは自身の選手生命をかけた命がけのサッカーバトルを繰り広げていく。
脱落=選手生命の終わりという緊張感が常に走っており、今までのスポーツ漫画にはなかったデスゲームというバトル要素が含まれた作品。個人の能力の成長や覚醒、ライバルとの共闘、はたまた脱落による別れなど次々にやってくる急展開に目が離せず、サッカー経験者だけでなく未経験の方からも評価が高い。
『ブルーロック』のあらすじ・ストーリー
入寮テスト
埼玉県高校サッカー選手権大会の決勝。勝てば全国という大一番を一点ビハインドで迎えた終盤。主人公の潔世一(いさぎよいち)にキーパーと1対1のチャンスが訪れる。しかし自らシュートは打たず味方にパスを出した結果、シュートは外れ、カウンターを食らうことになってしまう。カウンターで相手のエースである吉良涼介(きらりょうすけ)にゴールを決められそのままチームは敗北してしまう。家で1人”自らシュートを打っていれば…”と後悔していたところ、日本フットボール協会から強化指定選手に選出されたとの手紙が届く。
後日、連絡のあった場所に向かうと、決勝戦で戦ったエースの吉良涼介を含め、300人の高校生FWが集められていた。全権を握る絵心甚八(えごじんぱち)という男が現れ、これから行われるブルーロック(青い監獄)プロジェクトの説明を行う。ブルーロックは世界一のストライカーを創る実験であり、最終目標は日本をワールドカップ優勝に導くことらしい。脱落したら二度と日本代表に召集されることはなくなるというサッカー選手としての命をかけたデスゲームである。「1人の最強のストライカーが誕生すれば他の299人の選手生命はどうでもいい」、「点を取った奴が一番偉い」などの発言から選手たちの反感を買ってしまう絵心甚八であったが、そんなものは関係なしというように「帰りたい奴は帰っていいよ」と一言。続けて、「己のゴールを何よりの喜びとし、その瞬間のためだけに生きるのが一流のストライカーだ」と発言され、潔は決勝戦の試合を思い出す。自分でシュートを打てなかった自分を変え、最強のストライカーになるためプロジェクトへの参加を決意する。そのほかの選手たちもストライカーとして大事なものを思い出したかのように感化され、結果として300人全員がプロジェクトに参加することになる。
300人全員が「ブルーロック」への参加を表明したものの、そのまま全員が参加できるわけではなく、まず寮に入るためのを入寮テストが行われた。テストの内容は「オニゴッコ」。決められた部屋の中でボールを当てられた人が鬼となり、制限時間が過ぎたときに鬼だった人は脱落となる。
残り1分で潔はボールを当てられてしまい、目の前には転んだ参加者の1人である五十嵐栗夢(いがらしくりむ)。しかしボールは当てずに同じ部屋にいた吉良を倒そうと標的を変える。その時参加者の1人であった蜂楽廻(ばちらめぐる)が「いいね、キミ」と一言放ち、ボールを奪う。同じく部屋の中で一番強いであろう吉良を倒そうとしていたのだ。しかし、なかなか吉良にボールをあてることができずに残り時間もわずかとなってしまう。蜂楽が最後に触ったボールは壁に跳ね返り、偶然潔の目の前に飛んでくる。時間は残り2秒。もちろん触らなければそのまま逃げ切れるのだが、本能的に潔は吉良をめがけてボレーシュートは放つ。見事にそのシュートは吉良に命中し、タイムアップを迎える。吉良はルール通り脱落となり、潔を含め同じ部屋で「オニゴッコ」を戦った11人は入寮テストに合格し、一時的にチームとして共同生活を行っていくこととなった。
1次選考
寮生活では選手一人一人に暫定ランキングがつけられており、潔は274位で25名の脱落者を除くと下から2番目の順位であった。3日間のトレーニング期間を終え、ブルーロックは一次選考へと進んでいく。
一次選考では入寮テストで同じ部屋であった11人が1チームとなり、計5チームによる総当たりのグループマッチが行われる。上位2チームが勝ち残り、下位3チームはそれぞれチームで得点数の多い1名のみが生き残るという仕組みである。潔のいるチームZは暫定順位が低いメンバーで構成されており、戦力的には一番劣っていた。
一戦目の相手はチームX。試合が始まると同時にチームメンバーの一人である雷市が味方からボール奪い、自ら得点しようと単独で攻撃を始めてしまう。もちろんそんな攻撃が通用するはずもなく一瞬でボールを奪われ、ボールはチームXの馬狼照英(ばろうしょうえい)のもとへ。華麗な個人技でチームZの守備をごぼう抜きし、シュートはきれいにゴールの右隅へ。この1点をきっかけにチームXは馬狼にボールを集めることでまとまりを見せるが、チームZは一向にまとまらずバラバラなまま。点差はどんどん開く一方で気づけば点差は5点にまで開いていた。敗北を理解しつつも、潔は蜂楽と一矢報いるために連携を取りゴールを狙う。ゴール前でうまくボールを受けることに成功した潔であったが、目の前には敵チームのエースである馬狼が立ちはだかる。とっさに出たのはフリーで走りこんでいたチームメイトの1人である國神へのパスであった。パスを受けた國神は得意のシュート力でゴールを奪い、結果として1対5で試合を終える。
一戦目を終え敗北を振り返るチームZは、バラバラなこのチームでどうすれば勝てるか話し合いをしていた。個人の武器を最大限生かすことが重要だと感じ、1人ずつ自分の武器について話していくが、潔は何も思いつかず言葉に詰まってしまう。1人思い詰めていたところ、チームXとの試合で潔のパスを受けゴールを決めた國神からパスをくれたことへの感謝の言葉をもらう。続けてなぜパスを出してくれたのかと問う。潔は「お前が一番ゴールのにおいがしたから」と一言。そこで國神は「お前の武器ってもしかしてそのゴールのにおいが察知できることなんじゃねーの?」と助言をもらう。しかし潔自身も実感がないまま、次の対戦相手であるチームYとの試合が行われることとなる。
チームZはチームYとの試合のために、10分ごとにFWを入れ替えるという作戦を立てていた。10分間はFWの人に合わせてチームが動くと決めたことで連携が成り立ち、序盤はチームYを攻め続ける展開となる。しかしなかなか得点まで結びつかず攻めきれずにいた。そしてチームYのディフェンダーを務めていた二子一揮(にこいっき)がボールを奪ったとたん、チームYのエース大川響鬼(おおかわひびき)が動き出す。縦パス一本から裏に飛び出し、そのままキーパとの1対1を冷静に決められ、先制点を許してしまう。
前半を1点のビハインドで折り返したチームZは我牙丸吟(ががまるぎん)をきっかけにチャンスをつくり始めていた。超人的な肉体のバネを持っている我牙丸にボールを集め、何度かチャンスを作り出す。その時潔はチームYを影で支配していた二子の存在に気づき、二子からボールを奪取したと同時に総攻撃を命じる。その攻撃が見事に成功し、我牙丸がゴールを決め同点に追いつく。ただで終わるわけにはいかないチームYも最後のチャンスをものにしようと総攻撃をしかける。二子のラストパスはエースの大川へ渡ると思われたその時、潔はすべてを把握していたかのように大川のマークに入り、ボールを奪取する。そのまま前線の蜂楽にパスをし、形勢は逆転。一気に攻めあがるチームZ。蜂楽から國神、我牙丸へと回ったボールは最後吸い込まれるかのように潔のもとへ。そのボールを見事にボレーシュートで決め、2対1でチームZが勝利を収める。
次はチームWとの試合であった。潔を中心に連携が取れるようになってきていたチームZは、チームメンバーである久遠が前半で3点を取り3対0で後半を迎える。そのままの勢いで試合が進んでいくかと思われたが、チームWの鰐間兄弟によって一気に流れが変わる。2人の連携からすぐさま1点を返され、久遠のパスミスから2点目が返されてしまう。そしてなんと久遠のミスから3点目も返され試合は振り出しに戻ることに。明らかにおかしいと感じた潔は久遠に「お前裏切ってるのか?」と尋ねる。すると久遠は開き直ったかのように「その通り」と答え、味方のゴールに決め4点目も入れられてしまう。実は久遠はチームWとチームZの情報と勝ち点3の代わりに自分に3点取らせてもらえるように取引をしていたのであった。実質人数は10人対12人となり、圧倒的不利な状況となってしまう。どうしようもないと思われたその時、チームZの1人である千切豹馬(ちぎりひょうま)が突如裏へ飛び出す。潔はいち早くこの動きを察知し、千切へパスを出す。今まで隠していた千切の武器は圧倒的スピード。そのまま相手のディフェンスラインをぶち抜き、1人でゴールを決める。いままで能力を隠していたのは過去に負ったケガを心配してのことであった。しかしストライカーとして自分の特技を活かさずに敗北して終わるのは納得がいかず、吹っ切れて武器を見せたのであった。
千切の活躍もあってなんとか同点に追いつき試合は終了。現時点での総合順位は3位となっており、最終戦にすべての結果が委ねられた。最終戦の相手であるチームVは現在全勝で勝ち続けているチームであり、そこに勝たなければ勝ち残ることはできない。そんな状況で最後のチームVとの試合が始まる。チームVは御影怜王(みかげれお)、凪誠士郎(なぎせいしろう)、剣城斬鉄(つるぎざんてつ)の3人の個人技と連携による超攻撃的サッカーをするチームである。開始と同時にその3人によって瞬く間に3点を奪われ、チームZは戦意を喪失していた。しかし蜂楽のみこの状況でなお楽しむ姿勢を見せ、1人でドリブルを開始する。自分の武器でもあるドリブルで次々にディフェンスを抜き、最後は1人でゴールまで決めてしまった。こうして1点を返すことに成功したとともに、蜂楽のプレーを見てチームZに闘志が戻る。再び蜂楽にボールが渡ると前線が一気に走り出す。パスを出した先は國神であった。國神は28メートル圏内の左足のミドルシュートを自分の武器としており、まだそのエリアからは離れていた。しかし潔の「ビビんな國神!」の一言で30メートル以上離れたロングシュートは放つ。無回転で放たれた弾丸シュートはキーパーの手前で大きくブレ、そのままゴールネットを揺らし前半を3対2で終える。
後半は五分五分の膠着状態が続いていた。その中で潔は視野の広さを活かし何度もチャンスを作り出すなど自身の能力の覚醒のきっかけをつかみかけていた。しかし先に一皮むけ、能力が覚醒したのは千切であった。持ち前のスピードをよりうまく活用するため、自分の最高加速の瞬間のみボールを触るというドリブルの方法でサイドをぶっちぎりそのまま3点目のゴールを決めた。これで試合は3対3の同点となった。チームVにも火がついたのか、凪が自分からボールを要求し試合を支配し始める。斬鉄との連携からあっという間にゴール前までボールを運び、空中での華麗なボールタッチから凪が1点をもぎ取る。この試合の中で凪の能力も覚醒を始めたのであった。
4対3の乱戦となった試合の中で潔は超人的な視野を活かし、味方のチャンスメイクはもちろん敵のチャンスをしっかり抑える働きをしていた。千切と斬鉄のスピード勝負のこぼれ球をしっかり拾った潔はカウンターのチャンスで千切にパスを出し、サイドの突破を図る。サイドを突破し狙いすましたシュートはポストにはじかれ我牙丸のもとへ。渾身のシュートは怜王に身を挺したブロックではじかれてしまうもそのこぼれ球のもとには國神が待ち構えており、得意のミドルシュートで4点目をもぎ取る。ここで潔は自分の視野の広さの最適な使い方に気づく。それは瞬時にチャンスになる場所を見つけ先読みで動き始めるというものであった。まずはこの能力を守備で活かすこととなる。1人飛び出していた凪のマークに瞬時に着いた潔であったが、凪の得意のボールタッチから一瞬で抜かれてしまう。キーパーと1対1の絶体絶命かと思われたが、飛び出したのは前の試合で裏切をしたため戦力扱いされていなかった久遠であった。久遠が身を乗り出し凪に意図的にタックルをする。レッドカードとなり久遠は退場となるが、フリーキックからの再スタートとなり失点を一時的に免れる。このフリーキックは怜王がまよわずゴールを狙う。なんとかキーパーとディフェンダーが大きくはじ出したボールは偶然か必然か前線でチャンスを狙っていた潔のもとへ。時間もあとわずかであり、最後のチャンスである。凪がすぐに危険に気づき、潔のマークにつく。凪のプレッシャーからかゴールのにおいは感じない。今までの考えではだめだと感じた潔はなんと大きくはじかれたボールをそのままボレーシュートする。このシュートが見事ゴールに突き刺さり、5点目を獲得。試合はそのまま終了し、5対4でチームZが勝利。これによってすべての試合が終了し、勝ち残ったのはチームZとチームV、チームX得点王の馬狼、チームYの得点王の二子、チームWの得点王の鰐間と決定した。
2次選考
二次選考は5つのステージに分かれており、クリアした人のみが次のステージに進むことが出来るレベルアップ制度が採用されていた。そして5つのステージをクリアした人には世界選抜との強化合宿に参加できるらしい。まず1stステージは個人の戦いであった。それぞれ別の部屋に入るとホログラムのキーパーが出現し、90分間で100ゴールを決めろという命令が出されていた。潔はランダムに配給されるボールを得意のダイレクトシュートで次々に沈め、着々とゴールを決めていく。ゴール決めるごとにあがっていくキーパーのレベルにもしっかり対応し100ゴールを達成する。
2ndステージでは3人組をつくれとの指令。潔は同じタイミングで1stステージをクリアしていた蜂楽とまず組むことを決める。あと1人はチームZでのチームメイトであった千切か國神がいいと話していたところ、凪が「自分が入る」と言い出す。凪はチームVで一緒であった怜王と組む予定であったが潔と組む方が面白いと感じ、入ることを決めたのであった。そうして3人組が決まり、次の3rdステージに進んでいく。
3rdステージは3対3で5点先取のミニゲームであった。勝ったチームが負けたチームから1人を指名して仲間を増やし、4人組で4thステージへと進む。4thステージでは4対4が行われ、そこで勝ったチームが再び負けたチームから1人を指名し、5人組をつくることができれば5thステージクリアとなり二次選考突破となる。反対に負けたチームはステージが1つ下がり、最終的に2対2で負け、最後の1人となってしまった場合脱落となる。潔たちのはじめの対戦相手は暫定ランキングトップの糸師凛(いとしりん)、トップ2の蟻生十兵衛(ありゅうじゅうべえ)、トップ3の時光青志(ときみつあおし)の3人であった。これまでの成長を見せつけ、潔、蜂楽、凪の3人の連携でまずは先制点をもぎ取る。しかしその得点を見て相手チームの糸師凛は「ぬるい」と一言。そしキックオフからゴールを直接突き刺しすぐに1点を返す。
強いのは凛だけでなく、そのチームメイトも同様であった。寸分の狂いもないキック制度を持つ糸師凛をはじめ、超人的な身体能力と手足の長さをもつ蟻生、けた違いのフィジカルをもつ時光に圧倒され、あっという間に2点を続けて入れられてしまう。これでスコアは1対3。一矢報いるべく3人はトライアングルをつくり、連携の質をより高めることでなんとか1点返すことに成功する。しかしその勢いもすぐに止められ2点を返され、結果として2対5で潔のチームは敗北する。凛のチームに選ばれたのは蜂楽であった。潔と凪は2人残され、次負けたら脱落のところに追い込まれていた。潔は1対1では全く凛に敵わなかったことを悔やみ、凪とともに次は必ず勝つことを誓う。
次の相手は馬狼と成早のコンビであった。1対1において最強の馬狼に対して具体的な対策も思いつかないまま試合は始まってしまう。試合は開始と同時に馬狼、凪が交互に点を奪いあい、互角の戦いを見せていた。試合の行方は潔と成早のどちらが先に対面を攻略するかの戦いになっていた。スコアは4対4となり、次決めた方の勝利となった時、潔は敵の死角を突く、成早の武器を真似してそのまま裏へ飛び出す。しっかりをそこを見ていた凪からのパスを得意のダイレクトシュートで沈め、潔と凪のペアが勝利を収める。馬狼を引き抜き、再び3対3の3rdプログラムへと3人は駒を進めていった。
次の潔たちの対戦相手は1stプログラムでチームメイトだった千切と國神、凪に裏切られた怜王の3人となった。圧倒的個人技をもつ馬狼であったが、連携からの得点を得意とする潔と凪となかなかかみ合わず苦戦を強いられる。2点を連続で奪われ、なんとか凪との連携で1点を返すもこの試合で勝つには馬狼との化学反応が必須であると感じていた。潔は馬狼の死角を使い凪からボールを受け、見事に得点を取ってみせた。ここで自分を囮に使われた馬狼はかつてない屈辱を感じ、単独で得点を奪おうとするもなかなかゴールを奪えない。こぼれ球を馬狼と千切が奪い合おうとした瞬間、馬狼の前にフリーで潔が飛び出す。今まで自分からパスを出すことは一度もなかった馬狼であったが、とっさに潔にパスを出してしまう。こうしてお互いが得点を重ね4対4の同点で迎えた最終局面。ボールは馬狼のもとに運よくこぼれる。屈辱から潔にパスを出す選択肢がまず脳裏によぎる。しかし何かが目覚めたかのような様子で馬狼は単独でドリブルを開始する。そのまま強引に1人でゴールまでもぎ取り、馬狼はフィールドの王様として完全復活を果たす。5対4で勝利した潔たちは千切を引き抜くことを決め、4thプログラムへと駒を進める。
4thステージまで這いあがってきた潔たちの対戦相手は一度敗北している凛達のチームとなった。馬狼と千切と加えた潔のチームは一度目との対戦とは別次元の強さとなっていた。凛たちと対等に渡り合い、点の取り合いとなる激しい戦いとなった。千切、馬狼、凪と得点を重ねていったが相手も凛の2点に蟻生、蜂楽が得点を重ね3対4の接戦となっていた。しかし次の1点を取られたら負けるという状況で、潔はついに今まで敵わなかった凛を出し抜くことに成功する。ダイレクトシュートを打つと見せかけブロックにいった凛の裏をかくヒールシュートで見事にゴールをもぎ取り試合は4対4、次取った方が勝つというサドンデスの展開へもつれこんでいった。全員攻撃からフリーでボールを受けた潔はダイレクトシュートでとどめの一撃を放ったが、そのシュートコースに凛が飛び込み、顔面で決死のブロックをする。はじかれたボールは蜂楽のもとへ。得意のドリブルで次々とディフェンダーをかわし、シュートを放つその直前、潔がぎりぎりでシュートコースに入りブロックを見せる。しかし不運にもこぼれたボールはフリーの凛のもとに。フリーの凛がシュートを外すわけもなく、5点目を奪われ潔たちは敗北してしまう。またもや敗北した潔であったが、凛に引き抜かれたため結果として凛、蟻生、時光、蜂楽、潔の5人は二次選考を突破することとなる。
二次選考を勝ち抜いた潔を含めた5人は、世界レベルを体感するため世界選抜との闘いに挑んでいた。しかし17歳で既にフランスのプロリーグで活躍している「ジュリアン・ロキ」を含めた世界レベルに圧倒され、何もできずに完敗をしてしまう。こうして世界との差を痛感したところで二次選考の突破者が決定する。突破者には途中までともに戦っていた凪、馬狼、千切が新たに2名を加えたチームで勝ち残ってきており、それ以外にも5チーム、計7チーム35名が二次選考の突破となった。
ここで日本フットボール連合の上層部がブルーロックをつぶしたがっているとの衝撃の事実を伝えられる。理由はサッカーをビジネスでしかないと考えているかららしい。ワールドカップ優勝など目指すだけ無駄であり、プロジェクト自体が目障りであるのでつぶしたいとのことである。そこで絵心はU-20日本代表とブルーロック選抜による戦いを提案し、勝てば代表の座を奪うことができ、負ければブルーロックプロジェクト自体が消滅するという存続をかけた戦いが決定した。
3次選考
スタメンとして選ばれるのは11人であり、現時点で残っている人数は35人。スタメンを決定する方法として絵心は現時点でのトップ6を中心に3次選考のチームを形成すると伝える。トップ6とは糸師凛、士道龍聖(しどうりゅうせい)、鳥旅人(からすたびと)、乙夜影汰(おとやえいた)、雪宮剣優(ゆきみやけんゆう)、凪誠士郎である。この6人を凛、士道率いるチームA、鳥、乙夜率いるチームB、雪宮、凪率いるチームCの3つに分け、残ったメンバーが任意で入りたいチームを選び、選んだチームにランダムで3名が加入し5対5のミニゲームを行うというものである。トップ6以外に与えられたチャンスは1試合のみ。潔は凪のいるチームCと迷ったもの最終的には凛のいるチームAを選ぶ。まずチームAとチームBの試合となり、チームAは凛、士道に加えて潔、七星、氷織がランダムで選出された。対するチームBには鳥、乙夜に加えて、千切、志熊、皿斑という3名が選出された。
いざ試合が開始するとトップ6にはいった4人がその実力を見せつけ、交互にゴールを奪っていく展開となった。その中でまずトップ6以外で存在を示したのはチームBの千切であった。千切は持ち前のスピードを生かし、サイドで起点を作り、見事なアシストを決めて見せた。まだ何もできていなかった潔であったが、最後に活躍のチャンスをつかむこととなる。そのきっかけはチームメイトの氷織の「頭で考えてから動いてたら遅いで」という一言であった。広い視野を活かして戦略を思考しながらプレーしていた潔にとっては衝撃の言葉であったが、極限まで集中した状況で潔は凛、士道よりも先に反射で動き出しシュートポジションに入ることに成功する。そのまま得意のダイレクトシュートでゴールを決め、チームAは勝利を収めた。
そのほかのメンバーも試合を終え、ついにU-20日本代表との試合のスターティングメンバーが発表されることとなった。1トップに糸師凛が選出され、この糸師凛を中心とする超攻撃的布陣を組んだと絵心に説明される。そのメンバーとなったのはキーパーが我牙丸、ディフェンダーに蟻生と二子、千切、蜂楽、ミッドフィルダーに鳥、乙夜、雪宮、凪、最後に潔であった。
続けてこの試合でカギとなるのが世界一のストライカーに不可欠な生命の燃やし方「FROW」であると説明する。これは挑戦的集中状態で発動する精神の没頭状態のことであり、この状態になると自分のレベルをさらに高みへ引き上げることができるらしい。他人から見れば「奇跡」のように感じられるプレーはこの状態で起きていることがほとんであるという。
VS U-20日本代表
日本フットボール連合の上層部はなんとしてもこの一戦に勝利するため、海外のトップチームで活躍している糸師冴を招集し、U-20日本代表として戦わせることに決める。しかし糸師冴はただで受け入れるわけではなく、ブルーロックの士道をチームに引き入れることを条件として告げる。ブルーロック側は最後に切り札として士道を使おうと決めていたものの、上層部の権力によってU-20日本代表側に引き抜かれてしまう。
一週間の準備期間を終え、ついに試合当日。世間ではブルーロックの存在はほとんど認知されていなかったため、試合はU-20日本代表の圧勝で進んでいくかと思われていた。しかし予想とは大きく異なった激しいの点の取り合いへと進展していく。まず先制点を取ったのはU-20日本代表側であった。ディフェンダーでチームキャプテンのオリヴァ・愛空が奪ったボールはカウンターで糸師冴のもとへ。圧倒的個人技から絶妙なクロスボールを上げ、フォワードの閃堂がシュートしたこぼれ球を角度のないところから糸師冴もう一度広い、ゴールを決め先制点を獲得する。
しかしブルーロック側もすぐに反撃を開始。超攻撃的サッカーのスタイルを貫き、畳みかけるかのようにゴールを目指す。きっかけを作ったのは糸師凛と潔の連携であった。2人の連携から抜け出した凛がまずシュートを放ち、ポストにはじかれたボールは雪宮のもとへ。潔のフォローもありフリーでシュートを放つも愛空に阻まれる。再びこぼれたボールを次は乙夜が拾い、放ったシュートはもう一人のディフェンダーである仁王に阻まれる。3度チャンスをしのがれたものの最後にボールを拾った凪がついにゴールを奪い1点を取り返す。
連続でチャンスをつかんだのはブルーロック側であった。きっかけは千切のスピードからサイドを強引に突破し、ディフェンダーの要であった愛空をサイドのカバーに引き出したことである。これによって空いた中のスペースに走りこんだ鳥から凛へとボールは渡る。利き足である右足のシュートコースはふさがれていたと思われたが、右足のアウトサイドできれいな弧を描いたミドルシュートがゴールに突き刺さり2対1と逆転する。
前半をリードして折り返したブルーロックチームであったが、後半からU-20日本代表にはブルーロックから引き抜かれた士道がピッチに立つ。ここでも士道の個人プレーは変わらず、常に自分がゴールを奪うために動き続けていた。その動きを1秒たりとも見逃さなかったのは糸師冴であった。セットプレーから針の糸を通すかのような高精度のパスが士道にわたり、そのボールをダイレクトで沈め、U-20日本代表が後半開始早々に同点に追いつく。
ここでブルーロック側は選手交代を行う。スタミナ切れで足がつっていた千切を氷織と、士道との接触でケガをした二子を怜王と交代し、立て直しを図る。氷織の正確な左足からのパスからチャンスを生み出し、怜王は見た相手の能力を99%コピーする能力で士道を止めるという役割を担っていた。完璧に士道を止めることに成功していたと思われたが、この試合で士道は「FROW」に入り能力の覚醒をいち早く見せた。キーパーが大きくはじいたボールをずば抜けた得点意識からオーバーヘッドで直接ゴールし3点目を獲得。ブルーロックは後半残り30分ということろで逆転を許してしまう。
逆転を許したブルーロックは最後の秘策として馬狼を投入する。馬狼に与えられた作戦はなんと「潔を食うことに固執しろ」というものであった。敵味方関係なく潔の動きにだけ注目し、単独で行動をすることによって試合を混乱に陥れるという衝撃の作戦である。前代未聞の作戦に敵チームは動揺するものの、このタイミングでディフェンダーの要である愛空も「FROW」に入り、チャンスをことごとくつぶされてしまう。均衡した状態が続いていたが、潔をきっかけに最大のチャンスを迎えることとなる。凪とのパス交換からタイミングよくフリーで裏に抜け出した潔はキーパーと1対1になると思われたが、前線にいた糸師冴がこれを読んでおり追いつかれてしまう。どっちが先にボールを触るかといったところで冴に体を当てられ潔はバランスを崩してしまう。その時隣に走りこんでいた凛から「こっちを見ろ」との声がかかり、すんでのところで凛にパスを渡す。このボールを待っていたかのように奪ったのはチームメイトの馬狼であった。誰も予想がつかないプレーにディフェンスは対応することができず、馬狼はそのままゴールを決め、試合は3対3の同点となる。
『ブルーロック』の登場人物・キャラクター
1次選考
潔世一(いさぎよいち)
ブルーロック主人公の高校生ストライカー。基礎的な身体能力はそこまで高くないが、フィールド全体を見渡せるほどの視野の広さを生かして、数々のチャンスメイクや自らでもストライカーとして得点を奪う。能力の覚醒が著しく、そのたびに周りを感化させライバルとなる仲間も数多い。
蜂楽廻(ばちらめぐる)
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目次 - Contents
- 『ブルーロック』の概要
- 『ブルーロック』のあらすじ・ストーリー
- 入寮テスト
- 1次選考
- 2次選考
- 3次選考
- VS U-20日本代表
- 『ブルーロック』の登場人物・キャラクター
- 1次選考
- 潔世一(いさぎよいち)
- 蜂楽廻(ばちらめぐる)
- 千切豹馬(ちぎりひょうま)
- 國神錬介(くにがみれんすけ)
- 吉良涼介(きらりょうすけ)
- 絵心甚八(えごじんぱち)
- 帝襟アンリ(ていえりあんり)
- 不乱蔦宏俊(ふらつたひろとし)
- ノエル・ノア
- 我牙丸吟(ががまるぎん)
- 雷市陣吾(らいちじんご)
- 久遠渉(くおんわたる)
- 五十嵐栗夢(いがらしくりむ)
- 伊右衛門送人(いえもんおくひと)
- 今村遊大(いまむらゆうだい)
- 成早朝日(なるはやあさひ)
- 大川響鬼(おおかわひびき)
- 二子一揮(にこいっき)
- 鰐間計助(わにまけいすけ)
- 鰐間淳壱(わにまじゅんいち)
- 凪誠士郎(なぎせいしろう)
- 御影怜王(みかげれお)
- 剣城斬鉄(つるぎざんてつ)
- 2次選考
- 蟻生十兵衛(ありゅうじゅうべえ)
- 時光青志(ときみつあおし)
- 石狩幸雄(いしかりゆきお)
- 西岡初(にしおかはじめ)
- 田中信玄(たなかしんげん)
- 皿斑海琉(さらまだらかいる)
- 七星虹郎(ななせにじろう)
- 氷織羊(ひおりよう)
- 志熊恭平(しぐまきょうへい)
- 鳥旅人(からすたびと)
- 乙夜影汰(おとやえいた)
- 雪宮剣優(ゆきみやけんゆう)
- 馬狼照英(ばろうしょうえい)
- 士道龍聖(しどうりゅうせい)
- 世界選抜
- ジュリアン・ロキ
- レオナルド・ルナ
- アダム・ブレイク
- パブロ・カバソス
- ダダ・シウバ
- U-20日本代表戦
- 糸師冴(いとしさえ)
- オリヴァ・愛空(あいく)
- 蛇来弥勒(だらいみろく)
- 音留徹平(ねるてっぺい)
- 仁王和馬(におうかずま)
- 超健人(ちょうけんと)
- 閃堂秋人(せんどうあきと)
- 狐里輝(きつねさとてる)
- 颯波留(はやてはる)
- 若月樹(わかつきいつき)
- 不角源(ふかくげん)
- 法一保守(ほういちやすもり)
- 『ブルーロック』の用語
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- 元サッカー日本代表の岡崎慎司選手、大久保嘉人選手がアニメ化決定を祝福
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- 現代サッカーとリンクする点が多い本作