セシル・ハーヴィ(ファイナルファンタジーIV)の徹底解説・考察まとめ
セシル・ハーヴィとは、スクウェアから1991年に発売されたロールプレイングゲーム『ファイナルファンタジーIV』の主人公であり、軍事国家バロンの飛空艇団「赤き翼」を指揮する暗黒騎士である。王に命じられた罪なき人々からクリスタルを略奪するという任務に疑問を持ったセシルは、王に進言しようとしたために王の怒りを買い、バロン国から追放されてしまう。バロンを離れて人として正しく生きる道を選んだセシルは「暗黒騎士」から聖なる騎士「パラディン」になるための試練に臨み、更に大きな試練へと立ち向かってゆく。
CV:甲斐田裕子
バロンに暮らす白魔道士であり、セシルの恋人。セシルを一途に想っており、その想いの強さはセシルを助けるために白魔道士を志したほどである。飛空艇団の隊長を突然解任されたセシルを心配するあまり、その翌日にミストへ幻獣討伐に向かったセシルを1人で追いかけ、その途中の砂漠で高熱病にかかって倒れてしまったこともある。更に、セシルの恋人であるという理由からゴルベーザにさらわれてしまうなど、ストーリーの前半では危険な目に遭う場面が多い。
穏やかで優しい性格であり、氷に包まれたホブスの山の入口では、炎を恐れるリディアに優しく語りかけてリディアの力を引き出し、「ファイア」を使えるように促した。ただ優しいだけではなく、気持ちを表現できる芯の強さも持っている。操られていたカインを責めるエッジを止めたり、魔導船を降りるように言われた時にはセシルの許可がおりるまで魔導船の入口から動かない場面もあった。
カインとは家族ぐるみで子供の頃から親交があったが、それ故にカインがローザに想いを寄せていることには気づかずにいた。ゴルベーザの洗脳から目覚めたカインが心の内を明かした時に初めて気づくことになったが、ローザのカインに対する気持ちは親愛であり、最後まで恋愛感情になることはなかった。最終決戦後はセシルと結婚し、バロン国の王妃となった。
カイン・ハイウィンド
出典: i.gzn.jp
CV:山寺宏一
バロンの竜騎士団隊長で、セシルの親友であり良きライバル。父が竜騎士団にいたためカインも子供の頃からバロンにおり、王に育てられていたセシルを挑発して喧嘩になり、ローザに仲裁に入られることもあった。寡黙でクールな性格だが、家族ぐるみの付き合いであるローザに対して密かな想いを寄せている。親友の恋人に恋心を抱いた罪悪感とセシルへの劣等感をゴルベーザにつけ込まれて操られ、セシルと敵対することになる。ゴルベーザに洗脳されていながらもカイン本人の意識はある状態であるため、ゴルベーザに従おうとした際にはローザの言葉で思いとどまったりする場面もある。ゴルベーザがテラの放った「メテオ」によって負傷した際に洗脳から一時的に解放されてセシル達の仲間となるが、地底に存在する「闇のクリスタル」の最後の1つを手に入れた直後に再び洗脳され、ゴルベーザにクリスタルを渡してしまった。カインのこの行動によってゴルベーザの手中に全てのクリスタルが揃い、セシル達の暮らす「青き星」の全てを焼き払おうとする「バブイルの巨人」が降ろされてしまう。
その後はゴルベーザがゼムスの洗脳から目覚めたことで、カイン自身も本来の自分を取り戻し、ゴルベーザを通して自分を洗脳したゼムスを倒すためにセシル達と共に最終決戦に挑んだ。エンディングでは仲間達がセシルとローザの結婚を祝福する中、「今の自分には2人を祝福する権利がない」と1人バロンを離れ、父を超える竜騎士になるために試練の山で己の鍛錬を続けている。仲間を2度も裏切るために「裏切り者」として名高いキャラクターであるが、垣間見える心の弱さやローザへの想いを秘める姿には人間らしさや切なさがある。カインの人間らしい不器用な面に共感するプレイヤーは多く、2020年にNHKで放送された『全ファイナルファンタジー大投票』ではキャラクター部門において、セシル(パラディン)の40位を大きく上回る18位にランクインした。『ファイナルファンタジーIV』内のキャラクターではカインの18位が最上位であり、今作で一番人気のキャラクターである。
シド・ポレンディーナ
出典: i.gzn.jp
CV:永井一郎
バロンの町で娘と暮らす飛空艇技士。セシルやローザを幼い頃から知っており、自分の子どものように思っている。バロン城で飛空艇の整備に関わっているが、セシルと同様にバロン王のやり方には疑問を感じていた。豪快な性格で、セシルがバロンから追放された後は城の中に捕らえられていたが、偽者のバロン王に怒りながら自力で脱出してきたほどパワフルである。テラに対して「ジジイ」と言い放ったり、弟子達からも「殺しても死ぬような人じゃない」とまで言われている。
セシル達がバブイルの塔から脱出した際には敵の追っ手からセシル達を逃すために、爆薬を手に飛空艇から飛び降りたことで死んでしまったと思われていた。しかし後日、ドワーフ城の医務室で怪我の手当てを受けながらも食事に文句をつけるほど元気な様子を見せ、セシル達を安心させた。大怪我をしながらの飛空艇整備後にベッドで突然無言になったと思えば爆睡しているなど、シリアスな場面が多い今作の中では明るく気のいい「おっさん」であり、ホッとさせられる存在でもある。DS版では、シドが眠るドワーフ城のベッドでセシル達に宛てた手紙が見つかるイベントが追加されている。
エンディングでは戴冠式を控えたローザに花嫁衣装を着せるため、メイドの代わりに部屋まで迎えに行ったり、これまでと変わらずセシル達を可愛がり世話を焼いている。
リディア
CV:下屋則子
ミストの村で暮らしていた緑色の髪が特徴的な召喚士の少女。セシルとカインが母のドラゴンを倒したことで母の命も奪われてしまったことから登場時はセシルに心を開かなかったが、自分を追ってきたバロン兵を追い払う姿を見て、セシルを信用するようになった。自分が母と故郷を失うという悲しい目に遭ったばかりの中でもギルバートに喝を入れたり、ローザがさらわれて戸惑っている大人達を励ますなど、幼いながらも芯の強さを持っている。
ファブールの船から海に投げ出された後は、幻獣王であるリヴァイアサンに幻界に連れて行かれ、幻獣達と生活していた。幻界では流れる時間の早さが地上と異なるために、ドワーフ城でセシル達の前に現れた際には大人の姿に成長しており、仲間達を驚かせた。外見は大人になったものの、内面にはまだ幼さが残っており、シドのことを「おじちゃん」と呼んだり、怪我をしてもまだ戦おうとするエッジを見て泣き出す場面もある。リディアの涙を見たエッジはリディアに恋心を抱くが、リディア自身はエッジの気持ちには気づいておらず、2人が恋仲になる描写は作品内では見られない。しかし、年齢の割に子供っぽい言動が目立つエッジとエッジを叱るリディアのやりとりは微笑ましく、ファンからは「お似合い」と言われている。エッジだけでなく幻獣達からも愛されており、幻獣王からも将来を期待されている存在である。
テラ
出典: i.gzn.jp
CV:納谷悟朗
白髪に長い白髭をたくわえ、白魔法から黒魔法までを使いこなす賢者。ギルバートと駆け落ちした最愛の娘アンナを追ってダムシアンに向かう途中でセシルと出会い、仲間になる。娘のことになると頭に血がのぼりやすく、バロンによるダムシアン襲撃でアンナを殺害された際には、ギルバートの話を聞かずに一方的に殴りかかったり、1人でゴルベーザを倒すと言い張って単身で飛び出してしまうなど、直情的で頑固な面がある。セシルがパラディンになるために向かった「試練の山」では、テラも伝説の魔法「メテオ」の呪文を思い出すが、高齢なために体力が持たないと、テラの顔馴染みであるミシディア長老やポロムからはメテオの使用を咎められていた。アンナの命を奪われて以後、ゴルベーザに対して強い憎しみを持っており、敵討ちの機会が訪れたゾットの塔でゴルベーザとの一騎打ちに挑む。自分の命をかけて伝説の魔法「メテオ」を使い、アンナの仇を討とうとしたが、とどめを刺すことができず、悔いを残したまま命を落としてしまった。セシル達が最終決戦に挑む際には、地上から送られた祈りの中に現れ「成せば成る!自分を信じろ!」と力強い言葉でセシル達を励ました。
ギルバート・クリス・フォン・ミューア
CV:堀川亮
中性的で儚げな雰囲気を持つダムシアン国の王子。身分を隠して吟遊詩人として旅をしていた。テラの娘アンナとは恋人同士だったが、バロンの飛空艇団によるダムシアン侵攻によってギルバートを庇ったアンナは命を落としてしまう。アンナの死後、1人でいるところを魔物に襲われるが、アンナの魂に励まされて1人で魔物を退治する。その後も心の中に生き続けるアンナの存在によって、少しずつ勇気のある青年になってゆく。気弱で泣き虫な性格であり体も丈夫ではないが、優しく繊細な心を持っている。恋人のために「砂漠の光」を探す初対面のセシルに同行したり、無理をしてでもセシルのそばにいたいというローザの気持ちを理解する場面にはギルバートの優しさが垣間見える。
ファブールで乗った船がリヴァイアサンに襲われた後は、トロイアの医務室で休んでいるところでセシルと再会する。怪我のために旅に出られない自分の身代わりに、離れた場所でも会話のやりとりができる「ひそひそう」を手渡す。ダークエルフ討伐では、ピンチに陥ったセシル達のためにひそひそうを通じて悪い妖精を戒める曲を奏で、セシル達をサポートした。絶対安静の状態の中、仲間を助けようとしたギルバートの勇気は、亡き恋人の父親テラからも認められ、ようやく和解することができた。エンディングではダムシアンに暮らす子ども達に囲まれながら、国の再建を目指している。
ヤン・ファン・ライデン
出典: blog.cnobi.jp
CV:玄田哲章
ファブール王に仕え、鍛え上げられた身体で戦うモンク僧長。金色の髪を辮髪に結い、口ひげをたくわえている。ホブスの山での修行中、魔物に襲われて1人で戦っていたところをセシル達に助けられ、仲間に加わる。強面だが礼儀正しく思慮深い性格の持ち主で、ファブール王からの信頼も厚い。リヴァイアサンによって海に投げ出されたリディアを助ける為に海に飛び込み、行方不明になる。バロンの町で再会した際には、バロン側に操られておりセシル達に殴りかかるがすぐ正気に戻り、その後はセシルと行動を共にする。地底のバブイルの塔ではドワーフ軍を守るために、塔の巨大砲を止める際の爆発に自ら巻き込まれた。その際に命を落としたかと思われたが、地底の洞窟に暮らすシルフ達に救出されており、一命を取り留めていた。怪我が治った後も目を覚まさずにいたが、ヤンの奥さんの「愛のフライパン」で殴ることで意識を取り戻す恐妻家でもある。最終決戦時にはセシル達に力を送り、エンディングではファブール国王となるが、王になってからもこれまでと変わらずに稽古を続けている。
パロム
出典: app.famitsu.com
CV:釘宮理恵
ミシディアに住む双子の方割れで、黒魔法を使うやんちゃな男の子。ポロムと色違いで、緑色の服にオレンジ色のマントを身に着けている。まだ5歳であり修行中の身ながら、魔道士としての資質はミシディア長老からも保証されている。セシルがパラディンを目指す際、修行を兼ねて試練の山へ同行するように長老から言いつけられてセシルに付き添う。ふざけたり生意気な言動が多く、ポロムにはいつも叱られており、試練の山でもスカルミリョーネの声をパロムがふざけて発していると勘違いしたポロムに怒られている。セシルが無事にパラディンとなった後は、ポロムと共に自分達の意志でセシルの仲間となった。
バロン城では、ベイガンが魔物であることを見抜き、セシル達と共にベイガンとゴルベーザ四天王カイナッツォを倒すが、その後にカイナッツォの罠によって城の一室に閉じ込められてしまう。ここでポロムと示し合わせ、迫り来る壁を両側からおさえて石化魔法「ブレイク」を唱えることで壁の動きを止め、セシル達を助け出した。2人の石化はテラの魔法でも治すことができなかったが、ストーリーの後半ではミシディア長老に助けられており、ポロムと共に無事が確認された。エンディングでもやんちゃな面は健在。修行に遅刻して罰を言い渡されたり、セシルの戴冠式で動き回って玉座に座ったりルカに声をかけるなどしており、いつものようにポロムに叱られている。
ポロム
出典: pbs.twimg.com
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目次 - Contents
- セシル・ハーヴィのプロフィール・人物像
- セシル・ハーヴィの来歴・活躍
- バロン城上空~地下水脈
- 飛空艇団を解任される
- 召喚士リディアを保護
- 「砂漠の光」を求めて
- ダムシアン城~ファブールの船
- 奪われた命とクリスタル
- 親友カインの裏切り
- 仲間達と離ればなれに
- ミシディア~ゾットの塔
- 自分自身との戦いと決別
- 再びバロンへ
- テラの死とローザ救出
- ドワーフ城~封印の洞窟
- リディアとの再会
- 犠牲になる仲間達
- 全てのクリスタルがゴルベーザへ
- 月の民の館~月の地下渓谷
- 魔導船の復活と月の民
- ゴルベーザの真実を知る
- 真の邪悪ゼムスとの最終決戦へ
- セシル・ハーヴィの能力
- あんこく
- かばう
- 白魔法
- ケアル
- サイトロ
- ライブラ
- プロテス
- ケアルラ
- テレポ
- シェル
- エスナ
- レイズ
- 武器
- ラグナロク
- ディフェンダー
- エクスカリバー
- ライトブリンガー
- オニオンソード
- 防具
- 英雄の盾
- クリスタルの盾
- リボン
- クリスタルメイル
- カエサルアーマー
- アダマンアーマー
- クリスタルリング
- デカントアビリティ
- カウンター
- ひきつける
- がまん
- HP+50%
- せいしんは
- セシル・ハーヴィの関連人物・キャラクター
- ローザ・ファレル
- カイン・ハイウィンド
- シド・ポレンディーナ
- リディア
- テラ
- ギルバート・クリス・フォン・ミューア
- ヤン・ファン・ライデン
- パロム
- ポロム
- エッジ
- フースーヤ
- ゴルベーザ
- ゼムス
- クルーヤ
- セシリア
- バロン王
- セシル・ハーヴィの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「僕は理不尽な命令にも逆らえない臆病な暗黒騎士だ…」
- 「手を出すな!これは僕自身との戦いだ…」
- 「ローザ…君がいなくなってわかったよ…。僕は…君を…」
- 「行こう…僕らの戦いに…!」
- 「聞こえた…、たしかに…。兄さんの声で…、さよならと…」
- セシル・ハーヴィの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 月の民と青き星のハーフ
- ローザの母の反応が変わる
- 飛空艇の操縦ができる