ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』とは2011年のアメリカのドラマ映画。監督はスティーブン・ダルドリー。原作はジョナサン・サフラン・フォアの同名小説。9.11のアメリカ同時多発テロで父親を失ったアスペルガー症候群の傾向を持つ10歳の少年オスカーの葛藤と成長を描いたストーリー。オスカーと母が家族の理不尽な死と向き合い、愛情によって親子関係を修復し、絆を強めていく。映画評論家の反応は賛否両論であり、アメリカの有名な賞にノミネートこそしたが、ほとんど受賞を逃した。
吹き替え:林和良
オスカーが間借り人にトーマスの留守番電話メッセージを聞かせる場面で、そのメッセージが吹き込まれたとき自分が何をしていたかオスカーが回想するシーンに一瞬だけ登場する。
2回目のメッセージ9時12分、オスカーが授業を受けている場面。
警備員 (演:エヴァ・カミンスキー)
吹き替え:岡田恵
オスカーは新聞の切り抜きのヒントから遺品セールの文字を見つけ、そこに書いてあった番号に電話を掛けるとアビー・ブラックに繋がった。
アビーは夫のウィリアムが何か知っていると考え、オスカーをウィリアムの会社に連れて行く。
そのウィリアムブラックの会社の警備員。
受付をしており、ウィリアムを訪ねたオスカーをウィリアムがいる部屋に通す。ウィリアムがいるのは32階だった。
少女(演:ベイリー・グレイ)
オスカーがリンダと訪問したブラックさんのことを話す場面に一瞬登場する。
「ママ、あの男の子だよ」と言う。
馬屋の少女(演:クロエ・ローイ)
吹き替え:川島悠美
オスカーがリンダと訪問したブラックさんのことを話す場面に一瞬登場する。
「お父さんのこと、お気の毒」と言う。
アストリッド・ブラック (演: ブルック・ブルーム)
吹き替え:平野夏那子
初めてオスカーが間借り人と会い、ブラックという人の鍵探しをしているという話をするときに登場する。
オスカーが訪問したブラックさんの1人で、画家なのかいつも同じ人を描き続けている。
オスカーがリンダと訪問したブラックさんのことを話す場面にも登場し、「あなたのママと私のママ似ていない?」とオスカー絵を見せながら言う。
牧師(演:デニス・ハーン)
吹き替え:山内健嗣
トーマスのお葬式のシーンに登場する。
『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の用語
アスペルガー症候群
オスカーが疑いあると診断された発達障害の1つ。古い診断名で、今は自閉症スペクトラム障害に含まれる障害。
特徴に対人関係、コミュニケーションの困難、こだわりが強い、感覚の偏り、運動のぎこちなさが挙げられる。
オスカーの言動によく表れているように、会話は表面上はうまくできるが行間を読むことが苦手で、言い方のキツイ表現をしてしまったり、自分の興味のあることばかりずっとしゃべり続けてしまう。
また視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚という五感のどれかが非常に過敏である「感覚過敏」が多く見られ、これもオスカーが苦手としているものによくあてはまる。
調査探検
トーマスがオスカーのために考えた遊び。
なにかを調査しその謎を解明していく。調査をするうえで多くの人とコミュニケーションを取るので、それが苦手なオスカーへの訓練の意味もある。
オスカーの旺盛な知的好奇心を擽りながら苦手なことにも挑戦させるトーマスの愛情が溢れた遊びである。
幻の第6区
トーマスが調査探検の遊びの中で、ニューヨークにはかつて第6区があったという話をオスカーに話す。
実際、第6区というものは実在しなかったのでトーマスが作ったファンタジーだと思われる。
この調査探検を始める時にトーマスが同時多発テロで亡くなってしまったので、調査は頓挫した。
オスカーはブラックの鍵探しの調査終了後、セントラルパークにあるトーマスのお気に入りだったブランコの板からトーマスからのメッセージのメモをみつける。
そこには亡きトーマスが「幻の第6区」の調査を完了したことを喜ぶ「オスカーおめでとう」の文字があった。
セントラルパーク
アメリカ合衆国ニューヨーク市のマンハッタンにある都市公園。
トーマスはこの公園のブランコがお気に入りだった。
アメリカ同時多発テロ事件
イスラーム過激派テロリスト集団アルカイダによって行われた、アメリカ合衆国に対するテロ攻撃で2001年9月11日(火)であったことから、9.11テロ事件とも呼ばれる。
アメリカ北東部の空港からカリフォルニアに向けて出発した旅客機4機がアルカイダのテロリスト19人にハイジャックされ、うち2機がそれぞれロウアー・マンハッタンのワールドトレードセンター複合施設のノースタワーとサウスタワーに墜落した。
これによりワールドトレードセンター複合施設の他のすべての建物は崩壊した。
3機、4機もアメリカ国内に墜落し、この無差別テロ事件における死者は合計2,996人、負傷者は6,000人以上とされている。
うちワールドトレードセンターでの死亡者は2,606人である。
トーマスも9.11に商談でワールドトレードセンターにいて犠牲になった。
ワールドトレードセンター
かつてアメリカ合衆国のニューヨーク市マンハッタン区のローワー・マンハッタンに位置していたオフィスビルの集合体。超高層ビル。
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件でハイジャックされたアメリカン航空11便がワールドトレードセンター北棟に激突し、旅客機は北棟の93階–99階を切り裂くように衝突し、数百人が即死した。ジェット燃料によって、高層階は爆発的な火災が起こった。
トーマスはこのビルの105階にいるとリンダに電話で告げている。
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目次 - Contents
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の概要
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』のあらすじ・ストーリー
- 「調査探検」と父の死
- 鍵の発見と手がかり
- 「ブラック」と謎の鍵
- 祖父母と最後のヒント
- 鍵の秘密と「調査探検」の結末
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の主な登場人物・キャラクター
- オスカー・シェル (演: トーマス・ホーン)
- トーマス・シェル(演:トム・ハンクス)
- リンダ・シェル(演: サンドラ・ブロック)
- 間借り人(演:マックス・フォン・シドー)
- オスカーの祖母 (演:ゾーイ・コールドウェル)
- スタン(演:ジョン・グッドマン)
- 鍵屋 (演:スティーヴン・ヘンダーソン)
- アビー・ブラック (演: ヴィオラ・デイヴィス)
- ウィリアム・ブラック(演: ジェフリー・ライト)
- ハゼル・ブラック(演: ヘイゼル・グッドマン)
- バーテンダー(演:ウィリアム・ユーマンズ)
- 先生(演:スティーヴン・クンケン)
- 警備員 (演:エヴァ・カミンスキー)
- 少女(演:ベイリー・グレイ)
- 馬屋の少女(演:クロエ・ローイ)
- アストリッド・ブラック (演: ブルック・ブルーム)
- 牧師(演:デニス・ハーン)
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の用語
- アスペルガー症候群
- 調査探検
- 幻の第6区
- セントラルパーク
- アメリカ同時多発テロ事件
- ワールドトレードセンター
- キング牧師の日
- コミコン
- 矛盾語法
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- トーマス「簡単だと、見つけ出す価値がない」
- オスカー(ナレーション)「もしも太陽が爆発しても、僕たちが爆発に気づくのは8分後だ。光が地球に届くには時間がかかるからだ。8分間の間、世界は明るく、暖かさを感じている。パパが死んでから1年がたった。パパとの8分間が消えていくのを感じる」
- オスカー「よく言われると思うけど、もし辞書で“信じられないくらい美しい”という項目を引いたら、あなたの写真が載ってるでしょうね」
- リンダ「どんなに努力してもわからないのよ。なぜなら、それは…理屈じゃ分からないことだからよ!」
- オスカー(手紙)「お知らせします。あの鍵は僕にとって重要なものではなく、ウィリアム・ブラックさんにとって重要なものでした。とても失望しました。でも、本来の持ち主に返せて本当によかったです。そして、何も得られないよりも、失望を得られた方がよかったと思っています」
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- つまらないという評価の原因は母親のネタ晴らし
- 議論を呼んだ映画の長いタイトルとその意味
- オスカーから見たトーマスとリンダのこと
- 鍵探しをしたオスカーの感想
- 人の温かさを揶揄した表現
- テロ事件そのもののこと
- オスカーの頭の中で響いていた音
- オスカーのマンションはマンハッタンのブロードウェイ
- オスカーが意を決して、タンバリンを鳴らしながら走る様子が撮られた場所はマンハッタンブリッジ
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:アレクサンドル・デスプラ『Extremely Loud And Incredibly Close』
- 予告編でのみ使われた主題歌:U2『Where The Streets Have No Name』
- 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の関連映像
- 予告編1
- 予告編2