アーシャのアトリエ 〜黄昏の大地の錬金術士〜(A14)のネタバレ解説・考察まとめ

『アーシャのアトリエ 〜黄昏の大地の錬金術士〜(A14)』とは、ガスト(現・コーエーテクモゲームス)により開発されたPlayStation 3用ソフトであり、錬金術をテーマにしたRPGであるアトリエシリーズ作品の第14作目となる。従来のシリーズ同様に明るさのある作風がベースとなるが、物語の舞台はかつて栄華を極めた錬金術が廃れてしまった黄昏の時代。滅びゆく世界の中で薬師の少女アーシャは錬金術を習得し、行方不明になった妹を探し出す物語を描く。

エリア移動をするとイベントが発生することがある。同一エリアで発生する複数イベントの条件を満たしているのであれば、再度そのエリアに入りなおすと別のイベントを見ることができる。例えば街にある店の出入りを繰り返すだけでイベントが進んでいくということもあるのだ。なお、前作までのイベントシーンは各キャラクターの立ち絵が挿入される方式で感情によってキャラクターが表情を変えている立ち絵を挿入されていたが、今作からは3Dのキャラクタ-モデルが感情を身振り手振りで表す演出に変更されている。
なおアトリエシリーズのお約束である主人公が樽のオブジェクトを調べたときに発する「たーる」というセリフについては、今作ではアトリエの庭の樽のみ聞くことができる。

調合

調合画面

調合はアトリエシリーズの基本行動である。採取や戦闘、購入によって獲得した素材となるアイテムを調合し、新たなアイテムや元の素材とは全く別の調合素材を生みだす。戦闘やフィールドで使用するアーシャ専用アイテムなどを作る目的で行うのだが、同時にストーリー進行にかかわる重要な行動でもある。調合可能なエリアは街で、自身のアトリエや借家などにある錬金釜を調べると調合が始まる。調合にはレシピが必要であり、これらは街の店やダンジョン、戦闘イベントで手に入る。なお従来のシリーズでは調合に失敗することもあったが、今作では失敗はない代わりに調合アイテムごとに必要な錬金レベルが設定されており、これに達しないと調合することができなくなっている。調合の素材となるアイテム1つ1つに品質・属性値・特性・潜在能力の特徴に関する項目があり、調合で組み合わせることによりこれらの特徴を引き継いだアイテムを作ることができる。そのため同じ種類のアイテムを作ろうとしても素材となるアイテム各々に備わる特徴が異なれば、調合したアイテムに引き継がれる特徴も変わってくる。調合に必要なアイテムはカテゴリーごとに指定されるケースもあれば、特定アイテムのみを指定される場合もある。なお本作ならではの調合の特徴は素材の投入順序と調合スキル(後述)である。素材の投入順序によって調合結果が変化する。なお収集や戦闘によって手に入る素材アイテムは従来のシリーズではすべての素材一つ一つに対して特性をランダムに与えられていたが、今作では素材アイテムごとに与えられた特性が決まっている(ただし装備アイテムはランダムである)。そのため、調合によってできるアイテムの特性は素材の選択と順序、調合スキル(後述)によってほとんど調合結果の方向性が決定される。

CP

CPとは素材投入時に消費されるコストを示すポイントでアイテムのレベル分だけ差し引かれるポイントのことをいう。錬金レベル×2+ボーナスの値を持っている。また調合スキル(後述)を使用しても減少する。不足していても調合は可能であるが、不足してしまうと以降に投入したアイテムの特性は調合したアイテムに引き継がれない。逆にCPを使い切っていから低品質なアイテムを投入することで調合したアイテムの品質低下を防ぐことができる。なお従来のシリーズでは調合の際にMP(後述)の消費をしてしまう仕様であったが、この概念が追加されたことによって本作では調合によるMPの消費はされなくなった。

調合スキル

調合スキルのリスト表示。名目の横に出ている数字がそのスキルの使用に必要なCPとなる。

調合スキルは調合順序を決める際、1つの素材を投入する前に入力できる特殊コマンドであり、「力を引き出す」「力を注ぐ」「力を移す」「力を打ち消す」4つあるのうちから1つを選択できる。習得するには錬金レベルを上げなくてはならない。使用回数にこそ上限はないが、素材とは別にCPを消費する。「力を引き出す」は素材の潜在能力を一定値あげることができる調合スキル。消費するコストが少なく、「力を移す」のコマンド実行時などに不必要な特性が追加されないように調整することができる。スキル詳細は下記の通り。
「力を注ぐ」はコストを割り増しさせて次に投入したい素材を再投入させるスキル。「力を移す」はスキル使用対象の素材が持つ潜在能力を全て調合するアイテムに引き継がせるもの。調合においては後から潜在能力を追加されれば先に反映させたものから順に押し出され、上書きされていくので最後に使用することが多くなる。「力を打ち消す」は調合するアイテムに付与された潜在能力を一つだけ選択して消すことができる。調合スキルの中でこのスキルのみコストは0となっており、CPを使い切った状態でも発動させることができる。

属性値

属性値とは素材ごとに設定されている「火」「水」「風」「土」のどの属性をどれだけ持っているかを示す値であり、調合するアイテムはこれらの値をどれだけ含むかによって効果が変動する。なお属性ごとに相殺されたり増強されたりするということはなく、各々の属性に対して個別に加算されるという概念しかない。潜在能力は調合アイテムを一度必要な属性値を調節して作ってしまうまでは効果情報が伏せられているが、一度効果を発現させてしまえばその場で情報の確認ができる。

特性

特性とは素材各々が持っている調合アイテムに影響させる概念のこと。各素材に対して0から3つ存在しており、投入時に「ストックヤード」と呼ばれる場所に5つ保管される。5つを超えると古い特性から順に消えて上書きされてしまう。特定の特性同士が組み合わさるとより強力な効果となって調合品に特性付与される。

潜在能力

調合アイテムは攻撃、回復、補助、武器、防具、装飾、素材というように分類され、それぞれ主効果を持っている。これに付加効果を付けたものを「潜在効果」と呼ぶ。調合したアイテムを使用するときに発動する性質で、防具や装飾といった装備品は装備している間は永久的に発動する。投入素材のレベル合計によって発生するもので、最大5つまでが発現候補としてストックされていく。ただし特性と同様に超過分は古いものから順に上書される仕様となっている。作成するアイテムごとに付加できる潜在能力が決められており、例えば武器と防具には同一の潜在能力を付加させることができない。

戦闘

戦闘画面

戦闘の基本

戦闘はアーシャを必ず含むメンバー最大3名によってパーティーが組まれる。コマンド選択によって攻撃、スキル(アーシャの場合はアイテム)、移動、逃げるのいずれかを選択してキャラクターに行動させるのが基本で、コストターン形式での戦闘となる。ポジションは戦術において重要なものとなり、敵を中心にしたときに正面、左右側面、背後の4か所に移動することが可能で、背後から攻撃した場合は必ずクリティカルヒットとなりダメージが増加する。移動によってこうした攻撃的戦略をとることも可能であるが、範囲攻撃に備えて散り散りにさせたり、範囲回復アイテムの使用のために1か所に集中させたりという戦略もできる。ただしコストターン形式での進行となるので、待機時間のことも考えたうえで行動する必要がある。また敵からの攻撃はプレイヤーに対して背後から当たることはないが、強力な技を持った敵も多数出現する。条件を満たすと必殺技の選択ができたり、アクティブコマンド(後述)としてパーティーメンバー同士で敵からの攻撃からかばわせたり、連携技を使用することもできる。
戦闘にはHPとMPの概念が存在している。HPは体力を表し、ゼロになるとそのキャラクターは戦闘不能となる。MPは後述するスキルやアイテムの使用に必要なポイントのことで、スキル発動およびアイテムの使用には指定のMP以上の値が残っている必要がある。

エンカウント

エンカウントについて、ダンジョンフィールドにいる敵に接触すると戦闘開始となる。接触する際にアーシャが杖を振って当てることができるとアーシャの先制攻撃となり、この時の戦闘状況はパーティーメンバーがアーシャの隣に配置される。戦闘後は一時無敵状態となりこの間は敵に触れても戦闘にならない。また、弱い相手であれば戦闘せずにフィールド上で杖を当てるだけで敵を退治することができる。

アクティブコマンド

キャラクターから吹き出しが出ているとアクティブコマンドが可能な証拠となる

アクティブコマンドとはパーティーメンバーが2人いればゲージがたまったときに△、□ボタンを押すと発動する連携コマンドである。使用できるコマンドはゲージと敵や味方との位置によって変化し、敵へ追撃したり、敵の攻撃から仲間をかばうなどが可能。時にはダメージの軽減や敵の行動の阻害というような効果を発揮することもある。同じタイミングで2人がアクティブコマンドを使える場合はL1、R1ボタン、または方向キー←→でコマンド使用するキャラクターの変更ができる。

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