ヴィオラートのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士2〜(A5)のネタバレ解説・考察まとめ

2003年6月26日に株式会社ガストより発売されたPlayStation 2用ソフト。
株式会社ガストが誇る、錬金術を駆使し成長をしていくRPG『アトリエシリーズ』の外伝を除いた5作目。
前作【ユーディーのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士〜】から約25年後の世界である『グラムナート』を舞台とした作品になる。
両親に認められるためヴィオラートによる、錬金術を使用した村おこしが幕を上げる。

『ヴィオラートのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士2〜』のあらすじ・ストーリー

にんじんが特産物のさびれた村「カロッテ村」に住む、主人公ヴィオラートは日々変わらない生活を送っていた。そんなある日、両親からカロッテ村を見限り都会に引っ越すことすると告げられる。しかし、ヴィオラートは慣れ親しんだカロッテ村を離れたくはなく、両親ともめることになる。話し合った結果、両親が新しい地に引っ越し落くまでの3年間は村に残ることを許し、なおかつ立派に生活できる店を持つようになれば村に残っていいと約束を取り付けた。
ヴィオラートは店をやる当てがあった。それは、以前カロッテ村に来た、旅の錬金術士のアイゼルに教わった錬金術だった。
そして、ヴィオラートは錬金術の店を開き、カロッテ村復興に向け村おこしを開始するのであった。

様々な町やフィールドを旅し、多くの人と信頼関係を結びながら、カロッテ村と店は成長していった。
月日は流れ約束の3年が経ち両親がカロッテ村に帰って来た。しかし、両親は成長したカロッテ村に驚いたものの、引っ越し先の都市の方がまだ立派だと告げ、新たな課題としてあと2年頑張ってみろと言い残し去っていく。

始めの約束から5年が経ち、最後の警告に両親はカロッテ村に帰ってきた。しかし、成長したカロッテ村はすでに都市と化し両親の住む都市を超えていた。両親はヴィオラート達の頑張りを認め、ヴィオラートがカロッテ村に残っていいこと、自分たちはカロッテ村に帰ってくることを告げた。
こうして、ヴィオラートはカロッテ村を去ることは無くなり、村おこしの功労者として店を繁盛させていき物語が終了する。

物語では触れないが、物語中に数年経過しても主人公たちは年を取る描写も内容も無く、年齢は進んでいない様子になる。

『ヴィオラートのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士2〜』のゲームシステム

3年の猶予の中で、カロッテ村を大きくする必要があるが、始めは「店」も「商品」も「経験」も「信頼」も何もないところからのスタートとなる。
プレイヤーは店を立ち上げ、自力で材料を採取し、様々なことで知識と経験を学び、錬金術で商品や依頼品を作り、各町の酒場にある依頼をこなすことで信頼を得て、カロッテ村と店を認知し来てもらうことの繰り返しを行いゲームを進めていく。
また、世界は広く未知の「場所」や「魔物」、「材料」などを求め世界を冒険することができる。
しかし、クリアするためだけなら必要のないことは多く、どのように冒険するかはプレイヤー次第になる。

自身の店 [Violaden(ヴィオラーデン)]

左が「主人公の自宅内にある店の様子」、右が「商品陳列画面」の画像。

過去作の『アトリエシリーズ』では、材料購入や護衛費などに使用するための資金は、酒場などの依頼の報酬か、直接道具屋で売るしか資金調達の方法はなかったが、ヴィオラートのアトリエでは、店にプレイヤーが売るものを選んで陳列し、販売することで資金調達が可能になっている。また、売った物により最終的な村の様子を決定するパラメータが変化する。そのため、村が発展するまでどのような街にするかを考え陳列する必要がある。
店は初めは陳列が少ないが、イベントやアイテムの入手によりどんどん増えていく。
商品を売る際は、ヴィオラートが店に立ち、来店客と販売勝負になる。それによって、過去作は依頼を受けるいわゆる「クエスト」型のゲームだったが、「クエスト」型に加え「自販」型の「アトリエ」も楽しむことができるようになっている。ヴィオラートが店番しない時は、冒険者を店番にすることで販売をしてくれる。

施設

左が「畑」、中央が「氷室」、右が「溶鉱炉」の画像。

前作【ユーディーのアトリエ】では各都市に配置されいつでも利用できたが、今作ではそれが無い。しかし、店を切り盛りする際に最初の設備だけでは足らなくなってくる。そのため、ヴィオラートの自宅を改造し新たな施設を増やしていくことになる。
施設にはコストがあり、組み合わせによってよって建てられるものと、建てられないものとが存在する。そのため、使えない施設の機能をどうするかを考え、アイテムのやりくりを行っていく。

〈コンテナ〉
アイテムのストック数を拡張できる。コストが小さいためたくさん配置が可能。
設置場所は自宅の2階に積み上げられる。

〈家庭菜園〉
「何かの種」を植えることで、作物系アイテムを入手することが可能になる。また、「世話」をすることで品質が高いものが収穫できる。
設置場所は、2階の寝室をつぶして設置。

〈釜・溶鉱炉〉
金属や石材から「インゴット」を作成できる。また、インゴットから「武器」、武器から「インゴット」を作ることが可能になる。
「釜」よりも「溶鉱炉」の方が熔かせるものが多く、コストが多い。
設置場所は階段下の広間に設置。

〈プチ氷室・氷室〉
食材や氷などの時間とともに劣化するアイテムを劣化させずに収納できる。コンテナと同じようになんでも収納可能。
「プチ氷室」よりも「氷室」の方が収納できる量が多く、コストが多い。
設置場所は階段下の広間に設置。

オークション

毎年8月にカロッテ村で行われる村おこしイベント。各人が持ち寄ったアイテムを入札していき観客が購入する。落札資金がそのまま村おこしに使われるため、出品したアイテムは“寄付”したことになる。出品されるものは様々で、錬金術のアイテムや装備品、他では全く使い物にならない嗜好品などさまざまである。
イベントを盛り上げるために、プレイヤーは一度きりのコマンド「ひっさつ」を使い、商品の価値を変動させたり、商品を即決したりと、様々なアクシデントを行う。
イベントの最終的な成功として、総額5万コール(資金)が集まれば、村の広場に一番の功労者により記念碑が建てられる。
なお、8月にヴィオラートがカロッテ村にいないと欠席扱いになる。

村の変化

村の来店数が増えることで、カロッテ村は2回変化をする。また、2回目の最終形態で傾向が固定し、「ノーマル」「キワモノ」「要塞」のうちどれかの都市になる。
エンディングにも影響するため、どの都市にするかを考え、店に商品を並べ傾向を操作し、村を成長させていく。

従属効果と品質

『グラムナートシリーズ』から新たなシステムとしてアイテムに「従属効果」と「品質」が追加された。
アイテムにはアイテムとしての本来の性能「主効能」(画像では「HP回復・超」「肺の病気を治す」)と材料から伝承される「従属効果」(画像では「腐りにくい+1」「カッコイイ」「生きている」)が付与されており、同じ名前のアイテムでも効果や価値が違うものになる。そのため、材料の従属効果を選別し、価値や回復効能などの底上げが可能となっている。また、従属効果の組み合わせによっては主効能の効果も変わるものもあるため、様々な組み合わせを試してみる必要がある。
アイテムそれぞれには「品質」も存在している(画像では「普通」)。これは、「粗悪品」の材料を使えば「粗悪品」の出来になり、「極上品」の材料を使用すれば「極上品」になるなど、鮮度がそのまま反映される。しかし、例外が存在し、生ものなどは日数の経過で鮮度は悪くなり(最後には産業廃棄物になる)、逆に発酵品は日数の経過で鮮度は良くなる。

日数

マップの点が道になり、移動ごとに日数が経過する。

「調合」「ダンジョン探索」「フィールド移動」「休憩」など、何をしても日数は経過する。
そのため、期限である日まで、無駄のないように計画を立ててプレイすることになる。
また、何月には何のイベント、数日間しか出現しないなど、時間制限のイベントもあるため、目的のイベントに参加するために調合や探索を控え、移動するなど全体の調整が必要な場合もある。

戦闘

奥が「エネミー」、手前が「プレイヤー」。

敵味方それぞれ3×3のマスに隊列という形で配置され、ターン制の戦いになる。
プレイヤーターンでは、攻撃やスキルなどのコマンドから選択し行動、終了後エネミーターンになる。
勝利方法は敵の殲滅で、「HP」「MP」「LP」のどれかの値を0にすることで倒すことができる。気をつけなければならないことは、戦闘スキルを使用する際MPまたはLPを消費するのだが、プレイヤーも敵同様0になると気絶(戦線離脱)になるため、考えて戦闘スキルを使わなければならない。でないと、戦闘スキル多様により、少しのダメージで即気絶につながり全滅する危険がある。
敵によっては、LPが低いなど特徴がある敵もいるため、集中して攻撃するなど工夫が可能。

『ヴィオラートのアトリエ 〜グラムナートの錬金術士2〜』の登場人物・キャラクター

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