ギルバート・グレイプ（映画）のネタバレ解説・考察まとめ

毎年ギルバートの住む町を何台ものトレーラーハウスが通る。
ベッキーもそれに乗っていて、ギルバートと出会うきっかけとなった。

地下室

ギルバートやアーニーは、自宅の地下室に行くのを嫌がる。その理由は、父親がそこで自殺を図ったからだった。
母親の死によって、最終的に家を燃やす。

『ギルバート・グレイプ』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

ベッキー「私は外見の美しさなんかどうでもいいの 長続きしないもの いずれ顔にシワができて、白髪もできる 『何をするか』が大事なのよ」

ベッキーの祖母は、ベッキーの内面はもちろん容姿についても絶賛する。ベッキーはそれを受け、「私は外見の美しさなんかどうでもいいの。長続きしないもの。いずれ顔にシワができて、白髪もできる。 『何をするか』が大事なのよ」と、ギルバートに語る。
様々な場所へと旅をして来たベッキーだったが、「どこも変わらないわ」と言った言葉にあるように、ベッキーは、外からだけ見えるものに関心を示さないという事が分かる。
何に生きるかではなく、どう生きるのかを大切にしているようだ。
「あなたは何をしたい？」と聞かれ、「ここでは何もする事がない」と答えたギルバートだったが、その後少しずつ変化するギルバートの様子を見ると、彼にとって大きな影響を与えた出来事のひとつだったのだろう。

ベティ「時々思うの。うちの子達も、あなたのように育ってくれたらって」

ギルバートの職場に、最後に挨拶に来たベティの言葉。
ギルバートの将来を案じ、「自分を捨てて皆の世話を？」と問い詰めるベティだったが、ギルバートが自分の為に何かを考えたりする性格ではない事を知っている。
それは悲しい事のようにも思えるが、誰にでも出来る事ではない。そんなギルバートに対し、「時々思うの。うちの子達も、あなたのように育ってくれたらって」と言ったベティのこの言葉はとても重みがあり、二人にとって意味のある別れとなった。

カマキリの交尾の話

「カマキリがどうやって交尾するか知ってる？」と、ベッキーがギルバートに言うシーンがある。
「オスがメスに忍び寄ると、メスはオスの頭を噛み切るの。オスは残った体で交尾するのよ。そして交尾が終わったら、メスは残りの体も食べちゃうの」
物語の序盤に差し込まれる、特に意味はないと思われるようなシーン。

しかし、最後まで観た後にこのシーンを観返すと、伏線のようにも感じられる。

ギルバートは、ベッキーと出会っていなかったら母親に食い尽くされ（母親に支配され）てしまっていたのかもしれない。
ベティの餌食になっていたかもしれない。

そんな風に思わせる印象的なシーンだ。

自分を探している様子を楽しそうに見ているアーニー

木に登り、ギルバートが探している様子を見るのが好きなアーニー。ベッキーと遊ぶ時も木に登り、「アーニーはどこ？」と言ってくれるよう頼んだりする。
ギルバートがアーニーに手を上げてしまい、自責の念に駆られ家を飛び出したギルバートが翌日自宅に戻ると、庭先ではアーニーの誕生日パーティーが開かれていた。
気まずい様子でアーニーを探していたが、自分を驚かせようとアーニーが木に登っている事に気付いたギルバートは、「アーニーがどこへ行ったか誰か知らないか？」と、アーニーに聞こえるように言う。
そしてアーニーはギルバートの前に飛び降り、「びっくりした？」と、嬉しそうに聞く。ギルバートはいつものように驚いた芝居をした。
アーニーを探している途中、木に登っている事に気付いた時のギルバートの安心した表情は、天真爛漫なアーニーのこの行動で救われたのだと感じられる。

ギルバートがアーニーのケガの手当てをしているシーン

常にアーニーを心配し、大事にしているギルバート。エレンともみ合いになりアーニーはケガをしてしまう。
「誰かがお前を傷付けようとしたらすぐ俺に言うんだ。やっつけてやるから。何でだか分かるか？」と聞くギルバートに、「ギルバートはお兄ちゃんだから」と答えるアーニー。
「その通りだ。誰にもお前をいじめさせない」と、ギルバートは優しく言い聞かす。
決して自分を犠牲にしているという気持ちからではなく、純粋にアーニーを思い、大切にしているのだと分かる印象深いシーン。

トレーラーのエンジンがかかると悲しそうな顔を見せたギルバートとベッキーだが、再びエンジンが止まり笑い合うシーン

故障していたエンジンの部品が届きベッキーの祖母が何度もエンジンを作動している中、かかるとお互い沈んだ表情になり、止まると嬉しそうに笑い合う。
その間にセリフは一切なく、表情だけで心の内を表現しているシーン。

『ギルバート・グレイプ』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

ギルバート・グレイプの原題は『What's Eating Gilbert Grape』