ジョン・ウィック:チャプター2(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ジョン・ウィック:チャプター2』とは、2017年に公開されたアメリカのアクション映画。
前作同様主演をキアヌ・リーブスが務める。
『ジョン・ウィック』の続編であり、前作から5日後に起こった出来事を描く。
前作で亡くなった妻から贈られた飼い犬の復讐を遂げたジョンの元に、イタリアンマフィアのサンティーノから新たな殺人を依頼される。ジョンがその依頼を断ったことでサンティーノが彼の家をバズーカ砲で木っ端みじんにしてしまったことで再びジョンの復讐劇が始まる。

『ジョン・ウィック:チャプター2』の概要

『ジョン・ウィック:チャプター2』(原題: John Wick: Chapter 2)とは、2017年に公開されたアメリカのアクション映画。
前作同様監督はチャド・スタエルスキ、主演をキアヌ・リーブスが務める。
日本版のポスター等で使われたキャッチコピーは「伝説の殺し屋VS世界中の殺し屋」となっている。
今作から『マトリックス』シリーズに出演している俳優のローレンス・フィッシュバーンが登場し、キアヌ・リーブスと彼が共演するのは『マトリックス』シリーズ以来であることもまた話題となった。
アメリカでは2017年2月10日に映画館での上映が始まり、映画評論家から高い評価を得た。
全世界興行収入は前作の8800万ドルを大幅に上回り、1億ドルを突破した。
『ジョン・ウィック』の続編であり、前作から5日後に起こった出来事を描く。
前作で亡くなった妻から贈られた飼い犬の復讐を遂げたジョンの元に、イタリアンマフィアのサンティーノから新たな殺人を依頼される.
ジョンがその依頼を断り、それに対してサンティーノが彼の家をバズーカ砲で木っ端みじんにしてしまったことで再びジョンの復讐劇が始まる。
また、サンティーノがジョンに700万ドルの懸賞金を懸けたことで、世界中の殺し屋から狙われることになってしまう。
前作で話題となったガン・フーのアクションに加え、今作では車を使ったカー・フーやナイフを使ったナイ・フーのアクションが魅力的な作品となっている。

『ジョン・ウィック:チャプター2』のあらすじ・ストーリー

再び殺し屋に戻るジョン

前作でイタリアン・マフィアであるタラソフ。ファミリーの手によって愛犬を殺され、愛車を盗まれたうえに親友を殺害されたことへの復讐を無事果たしたジョンであったが、まだ愛車マスタングを取り返せてはいない。
マスタングは現在、ロシアン・マフィアのアブラム・タラソフという男性の手に渡っているという情報を得たジョンは、タラソフのアジトに潜り込む。
タラソフの部下たちは、急に現れたジョンを敵とみなし攻撃をするが、ジョンはマスタングを駆使して部下たちを倒し、タラソフのアジトからマスタングを奪い返すことに成功する。
しかし、タラソフの部下から攻撃を食らったため、マスタングはボロボロに。
ジョンは旧知の仲である修理工のオーレリオにマスタングの修理を依頼する。
オーレリオは「2030年のクリスマス頃までには修理できる」と言い、マスタングを預る。
マスタングを預け、仕事が終わったと感じたジョンは、家で前作のラストで動物病院から助けた愛犬のピットブル犬と一緒に亡くなった妻が映っている動画を見ながら一息をつくことに。
しかし、そんなジョンの元に招かざる客がやってくる。
夜中にジョンの家の呼び鈴を鳴らした人物は、イタリアマフィアの幹部、サンティーノ・ダントニオ。
ジョンとサンティーノは「誓印」という血の契約を交わしている。
この「誓印」とはメダルに親指の指紋を血でつける契約で、「相手と血の繋がりで結ばれて、絶対に相手からの頼みは断れない」という裏社会最強の契約書でもある。
ジョンはこの誓印をサンティーノと結ぶことで、殺し屋業から引退ができ、さらには現在ジョンが暮らしている家の手配もしてもらっていた。
前作でジョンがマフィアであるタラソフファミリーを始末したという情報を得たサンティーノは、ジョンが殺し屋業に復活したと知り、ジョンに誓印をちらつかせ依頼を持ち込みにきたのだった。
だが、殺し屋に戻るつもりもなく、平穏な生活を望むジョンは、サンティーノの依頼内容を聞く前にこの依頼を断る。
契約を守らないジョンに対し、サンティーノはジョンの家にバズーカを撃ち込み、ジョンの家を焼き払った。
幸い、ジョンと愛犬のピットブル犬は無事であったものの、妻との思いでが詰まった家も、妻の写真も燃やされてしまったことで、ジョンは再び静かに怒りの炎を燃やし、サンティーノへ復讐する決意をする。

ジョンはサンティーノの居場所を探すため、コンチネンタル・ホテルへ向かった。
ホテルのコンシェルジュであるシャロンに「支配人に会いたい」と伝え、ジョンはコンチネンタル・ホテルの支配人ウィンストンと面会をする。
ジョンはウィンストンに事の経緯を話し、サンティーノの場所を聞こうとするが、ウィンストンは「コンチネンタル内での血を流すこと」「誓印は守る」という2つのルールは絶対守らなければいけないといい、ジョンの要求を突っぱねる。
ウィンストンはジョンに一旦サンティーノの要求を受け、誓印の契約から解放されてから復讐をすればいいとアドバイスをし、ジョンはこのアドバイスを受け、一度サンティーノの依頼を受けると決め、その依頼内容を聞くためサンティーノに会いにイタリアへと向かう。

サンティーノの依頼は、サンティーノの実の姉ジアナの殺害というものであった。
ジアナは、裏社会で12席ある主席のひとつカモッラの席を父親の遺言で継いでいた。
そのことに対し不満を持っているサンティーノは姉を殺して自分がその席に就こうと考えたのだ。
その依頼を受けたら誓印から解放するとサンティーノはジョンに告げ、ジョンは仕方なくその依頼を受けることとなった。
サンティーノからジアナは主席に就く儀式に参加するためローマにいると情報を得て、ジョンは彼女を殺すためローマへと向かう。

コンチネンタル・ホテル・ローマ

ローマに着いたジョンはまず、コンチネンタル・ホテル・ローマへチェックインを済ませる。
そこでジョンは、仕立て屋のアンジェロに採寸をしてもらい、防弾仕様の戦闘スーツを仕立て、銃のソムリエに殺しの道具である銃やナイフを選んでもらい仕事の準備を整えた。
ジアナがいる式典の会場に着いたジョンであったが、彼女は当然のことながら多くのボディガードに守られている。
しかし、ジアナがメイクを直すときには一人で大浴場のある自分の部屋に戻るためそこをジョンは狙うことにした。
一人になったジアナの元にジョンが姿を現した途端、ジアナはサンティーノがジョンを手配し、自分を殺しに来たのだと理解する。
「サンティーノは私を殺して主席に就いたら、ニューヨークを支配するつもりよ」とジアナはジョンに告げ、服を脱いで浴槽に入ると、自分で両手首を切り、自殺をする。
ジアナの自殺を見届けたジョンは式典の会場後にするが、そこでジアナのボディーガードの一人であるカシアンに見つかり、襲撃を受ける。
早打ちでジョンと競い合ったカシアンは、手下たちにジョンの始末を任せると、ジアナの元へ向かう。
ジアナのいる部屋に着いたカシアンは、そこでジアナが死んでいることを確認する。
無念の表情を浮かべたカシアンであったが、そこでジョンへの復讐を決意する。
一方、ジョンは何とかカシアンの部下たちから逃げ切ることに成功し、サンティーノの部下と合流地点へと向かう。
サンティーノの部下と合流したジョンはジアンを殺害し、任務は完了となるはずだったが、今度はサンティーノの部下から命を狙われることになる。
サンティーノは任務が完了した後、ジョンが自分の命を狙いに来るとわかっていたため、任務完了を受けたらジョンを殺害するよう部下に命令を下していたのだ。
サンティーノの部下の攻撃からも逃げ切り、式典の会場出たジョンは外で先回りをしていたカシアンに車ではねられる。
ジョンも反撃をし、そのまま肉弾戦にもつれ込むが、ジョンとカシアンの実力は互角なため決着がつかず、取っ組み合いの末コンチネンタル・ホテルになだれ込む。
臨戦状態が続く二人であったが、コンチネンタル・ホテルでの殺人はご法度のため、ホテルの支配人・ジュリアスに制止される。
そして、お互い落ち着くためにバーに行った方がいいというジュリアスの提案を受け、二人は仕方なくバーで飲むことに。
そこで、カシアンは、ジョンが誓印のために殺しを引き受けたと知ることになる。
誓印による依頼となれば仕方がないと理解を示しつつも、カシアンは「自分が守っていた者を殺したのは許せない」と言い、ジョンの命を奪う宣言をし、バーを後にした。
カシアンが去った後、同じバーにいたサンティーノの部下であるアレスという女性が「私があんたを殺す」と手話でジョンに伝えてきた。
サンティーノはジョンをいつでも殺せるよう、アレスを派遣していたのだった。
ジョンはアレスに「次にあったら殺す」と手話で伝え、その場を後にする。
仕事を終えたジョンは、翌朝チェックアウトすることをジュリアスに告げる。

ジョンに懸賞金が懸けられる

本来であればここでジョンは誓印から解放されるはずであったが、サンティーノはジョンに姉を殺されたからという理由で懸賞金700万ドルをジョンに懸ける。
そして、ジョンに懸賞金が懸けられたことを伝えるメールが殺し屋たちに一斉に届く。
コンチネンタル・ホテルをチェックアウトし、ニューヨークに戻ったジョンは次々と殺し屋に狙われることとなる。
街ではバイオリニストに扮した女性の殺し屋や、スモウ・レスラーに襲われ、さらに、次々と襲い来る殺し屋をジョンは鉛筆などの武器を使い殺していく。
地下鉄に逃げ込んだジョンを待ち構えていたのはカシアンであった。
カシアンはジョンと同じ電車に乗り込みじわじわと距離を縮めてくる。
そして、終点直前の電車の中でジョンに戦いを挑む。
数々の殺し屋を倒してきたジョンであったが、カシアンの実力は今までの殺し屋と違うもので、ジョンはカシアンによりナイフを脇腹に刺されてしまう。
しかし、ジョンも負けじと反撃をし、最終的にはカシアンのナイフで彼の胸を刺し、「大動脈を刺した、抜くと死ぬ」と告げカシアンを電車に残しジョンは彼の前から去る。
電車を降りたジョンが向かったのはホームレスの元であった。
ホームレスに会いコインを渡し「彼に会わせろ」と告げる。
すると、コインを受け取ったホームレスはジョンを地下犯罪情報組織の王バワリー・キングのところに連れていく。
キングはホームレスと伝書鳩を使い、独自のネットワークを作っており、そのネットワークを元にジョンに懸賞金が懸けられていることも、サンティーノとの因縁についての情報も入手していた。
ジョンはキングにサンティーノに近づけるよう依頼をすると、キングはジョンに見返りを求めてくる。
すると、ジョンはキングにサンティーノがいずれニューヨークへ進出しようと考えていることを話、サンティーノを自分が殺せば狙われるのは自分だけであるが、自分が殺さなければニューヨークで戦争が始まると告げる。
そのことを聞いたキングは、ジョンに「ひとつ貸だ」と言って、銃弾が7発込められた銃を渡し、美術館にサンティーノがいることを教える。

美術館に到着したジョンは、サンティーノを見つけ追いかける。
しかし、サンティーノにはアレスだけではなく大勢の部下が彼を守っていた。
キングからは7発銃弾の入った銃しか渡されていなかったジョンは、サンティーノの部下たちを倒し、倒した相手から武器を奪いサンティーノを追い詰めていく。
一方、アレスはサンティーノを美術館の展示室の1つである「魂の反映コーナー(鏡の間)」に連れていく。
この部屋は鏡張りとなっているため、お互いの位置を認識することがとても難しくなっている。
その構造を利用し、サンティーノは一足先に美術館から逃げ出す。
アレスと一騎打ちとなったジョンであったが、攻防の末アレスを始末することに成功し、再びサンティーノを追いかける。

サンティーノは殺しは厳禁という掟があるコンチネンタル・ホテルへ逃げ込んでいた。
サンティーノはホテルでウィンストンにコンチネンタル会員の除名を頼むが、「ここは私だけの王国だ」と言い、サンティーノの申し出を断る。
すると、ジョンがホテルに到着する。
ラウンジにいるジョンは、サンティーノに近づき彼に銃口を向ける。
ウィンストンはジョンをなだめるが、ジョンは彼の言葉に耳を貸すことなく、コンチネンタル・ホテルでサンティーノを殺害する。
頭を打たれたサンティーノは即死、ジョンは復讐を果たしたものの、コンチネンタル・ホテルの掟をジョンが破ったことをウィンストンは嘆く。
仕事を終えたジョンは自宅に戻る。
翌朝、ジョンはウィンストンから呼び出され公園へ向かう。
公園でウィンストンと会ったジョンは、自分の行く末を尋ねる。
コンチネンタルの掟を破ったジョンは会員資格がはく奪され、全世界の殺し屋から命を狙われるようになると答え、何かの足しにするようにとメダルを渡す。
そして、「会員資格はく奪まで1時間だけ猶予をやる」と告げられたジョンは、「近づくものは誰だろうと殺すと殺し屋に伝えてくれ」と言い、ウィンストンの前から去る。
ジョンを見送ったウィンストンはコンチネンタルのアカウント部に電話をして、1時間後にジョンの会員資格はく奪するよう命令をする。
その電話を受けアカウント部は世界中の殺し屋にその情報が書かれたメールを転送する。
一斉に鳴りだしたメールの着信音を聞いたジョンはピットブル犬と共に小走りで公園を後にするのであった。

『ジョン・ウィック:チャプター2』の登場人物・キャラクター

ジョン・ウィック (演:キアヌ・リーブス)

日本語吹替:森川智之
裏社会では知らない者がいないほど有名な殺し屋。
3人の男を鉛筆1本で殺したといった伝説を残すも、後に妻となるヘレン(現在は病死している)と出会い殺し屋業から引退をした。
前作のラストで動物病院から助けたピットブル犬と暮らしている。
かつて引退するためにサンティーノに貸し(誓印)を作ったために、誓印の掟によって彼の依頼を受けざるを得ない状況になってしまう。
しかし、その依頼を断ったジョンは、妻との思いでが詰まった家をサンティーノによって燃やされたことによる再び復讐を決意する。
さらにサンティーノがジョンへ高額な懸賞金を懸けたため、ニューヨーク中の殺し屋たちから命を狙われることになる。

サンティーノ・ダントニオ(演:リッカルド・スカマルチョ)

日本語吹替:櫻井孝宏
イタリア系犯罪組織「カモッラ」の幹部。
かつてジョンが殺し屋業を引退するために受けた実現不可能な仕事を助けた過去がある。
その際、ジョンと「誓印」を交わしたため、その掟によりジョンに1度だけどんな仕事も依頼できる。
今回実の姉であるジアナを殺すよう依頼を持ち掛けたが、ジョンはその依頼を拒否。
それに腹をたてジョンの家を爆破したことが今回の騒動の火付けとなる。

アレス(演:ルビー・ローズ)

サンティーノのボディガードであり側近である暗殺者。
言葉を発さず手話のみでコミュニケーションをとる。
サンティーノに忠義を尽くしており、彼から与えられた仕事に命をかけて挑む。

ジアナ・ダントニオ(演:クラウディア・ジェリーニ)

日本語吹替:三沢明美
父親の後を継いでカモッラのボスを務めているサンティーノの姉。
サンティーノはジアナがカモッラのボスになっていることを快く思っていないため、今回ジョンに殺害を依頼されてしまう。
「主席連合」の12人の代表の一人。
ジョンとは旧知の仲ではあるが、自分を殺しに現れた彼を見てすべてを諦め、自殺を図る。

カシアン(演:コモン)

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