半妖の夜叉姫 壱の章(犬夜叉続編アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『半妖の夜叉姫 壱の章』(はんようのやしゃひめ いちのしょう)とは、高橋留美子の漫画作品『犬夜叉』の十数年後の世界を描いたアニメ作品。
女子高生の日暮かごめと半妖の少年犬夜叉が、現代と戦国時代を行き来しながら繰り広げた大冒険から十数年。2人の姪であるとわは、幼い頃に生き別れた双子の妹せつなと再会するが、彼女は夢の胡蝶という妖怪によって過去の記憶も失っていた。かごめと犬夜叉の娘であるもろはも加わり、かつて彼女たちの親がそうしていたように、3人は現代と戦国時代を行き来しながら大冒険を繰り広げる。

CV:江頭宏哉
人食い沼に潜んでいた妖怪。渦を巻く水に人面が貼りついた異様な姿をしている。
沼から沼を渡りながら獲物を探す習性を持ち、仙女によって浄化された沼に来訪。ここを新たな住処としつつ、沼の水を濁らせて人々を苦しめ、さらに人であれ鳥であれ近づくものを片っ端から食い殺していた。毒蛟とどちらが先にやってきたのか、彦丸たちの両親を食べたのがどちらなのかは不明。
水を自在に操る力と強力な毒を持ち、渦状にした沼の水と毒液でとわたちを苦しめた。しかし殺生丸の血を引くせつなには毒液が通じず、毒蛟との連携によって善戦するも、彼女の浄化の薬草を巻き込んだ旋風陣の前に散る。毒蛟を「我が沼の住人」と呼び、これを攻撃されたことに怒りを示していたことから、共生関係にある妖怪としてそれなりに信頼を置いていたようである。

焔(ほむら)

CV:後藤光祐
雪国の山に住まう邪神。神を名乗るだけのことはあり、強烈な火炎を操り、真冬の山中にそこだけ常春の屋敷を構えるなど、かなりの力の持ち主。
麓の村で暮らす玉乃を見初めて、嫁にしようと強引に連れ去る。相手が神格であることもあってか玉乃は当初は逃げる様子も無く、二人で静かに過ごしていたが、次第に彼女への執着を病的なまでに強めていく。結果、屋敷の中で働く男に対して「玉乃を見た、色目を使った」という思い込みから敵意と殺意を抱き、これを何人も焼き殺す。恐怖した玉乃は屋敷を逃げ出して理玖に保護され、ついにはとわたち三人が自身を退治するために派遣されることとなった。
十年前、とわとせつなが暮らしていた森を焼いた張本人。これは是露という女妖怪から「呪われた半妖の姉妹を消し去れ」と命じられたためであり、とわとせつなが生きていたことを知ると「まさか生きていたとは」と驚いていた。
その強力な炎でとわたち三人を同時に相手にしてなお優位に立ち回ったが、駆けつけた玉乃に「もうこの屋敷には戻らない」と明確に拒絶の意志を突き付けられた結果、嫉妬と絶望に狂乱。自身の力を暴走させ、ついには自ら放った炎の中で燃え尽きていった。

凱風(やわらぎ)

CV:白石涼子

妖狼族の女傑。長である鋼牙とも近しい立場にあるらしく、もろはが八歳の頃から彼女を預けられ、その師匠となった。
まさに“戦士”といった性格の持ち主で、女性らしさを微塵も感じさせない。一方で弟子のもろはに対してはその才能を信じ、厳しくも愛情を持って接していた。
四半妖というもろはの複雑な立場と、追い詰められるとすぐ「国崩しの紅夜叉」の力に頼ろうとする悪癖を案じ、それを克服するために“一人でも生きられる力”と“他者と良好な関係を築く心のしなやかさ”を与えようとしていた。
修行中、もろはを妖怪の大群から守るため、「鉄鼠の鎧」を装備してしまう。これは身に着けた者に大きな力を与えるものの、年々少しずつ縮んでいき、最終的に装着者の肉体を砕くという恐ろしい代物で、解除するには鼠の鍛冶屋に頼んで専用の鍵を作ってもらうしかない呪われた鎧だった。
このため凱風は鍵の作成費用として大金を欲しており、修行の一環も兼ねてもろはを妖怪賭博に売り渡したりしていた。現在のもろはが屍屋で薄給で働かされているのも、その主である獣兵衛に凱風が彼女を売りつけたのが理由である。

鼠の鍛冶屋の里を襲撃し、彼らを殲滅した上で鉄鼠の鎧の鍵を奪った渾沌から、とわたちを殺すよう命じられる。それを承諾して彼女たちの前に立ち、屍屋に売りつけられたことを恨むもろはとの一騎打ちを繰り広げる。
鉄鼠の鎧の力もあり、紅龍波を正面から受けても微動だにしないすさまじい力を見せつけるが、その真意はもろはの成長を見極めること、この場で果ててでももろはに最後の教えを授けることにあった。自らの奥義「凱風快晴」でもろはを追い詰めるが、彼女が咄嗟に編み出した「紅の爆流破」の前に敗れる。渾沌を道連れにしようとするも失敗し、もろはの成長に満足しながら、彼女に看取られて死亡した。

イタチ男(いたちおとこ)

妖怪の大群に追い詰められた、もろはと凱風の前に現れた怪しい妖怪。古道具屋を自称し、自らが装備していた鉄鼠の鎧を彼女たちに譲り渡そうとする。
強大な力が得られると聞いて、凱風はもろはを守るためにこれを受け取るも、鉄鼠の鎧は「年々縮んでいき、最終的には装着した者の体を砕く」という呪われた鎧だった。これを解除するには鼠の鍛冶屋に専用の鍵を作ってもらうしかなく、さらに鍵穴は自分で差し込めない位置にある。このため鎧から逃れるには誰かの手を借りる必要があり、これを凱風に頼んだものの、これは自動的に彼女が次の装着者となることを意味していた。
鉄鼠の鎧を凱風に押し付けた後、解放されたことを大喜びしながら「強大な力を得られる」ということ以外の鎧の情報を凱風に教える。これは「自分がした苦労を誰かにも味わわせたい」という邪な想いもあったようだが、妖怪の大群が迫る中で大急ぎで説明しており、話好きな性分であるらしいことをうかがわせる。

蛾々御前(ががごぜん)

CV:勝杏里
何人もの部下と共にせつなが暮らす半妖の隠れ里を襲った妖怪。言葉遣いは高貴だが残忍な性格で、百人もの侍を喰ったと豪語しており、妖怪としてはそれなりに知られた存在。
口から毒煙を吐いたり、強靭な糸を発して相手の動きを封じたりと、様々な術を操る。さらにどこからか手に入れた業物・兼光の巴で武装しており、当時のせつなや隠れ里の半妖たちを寄せ付けない強さを誇った。しかし追い詰めた結果せつなが殺生丸から受け継いだ血に覚醒、その圧倒的な力で文字通り切り刻まれて死亡した。

『半妖の夜叉姫』の武器・必殺技

renote.net

『半妖の夜叉姫 壱の章』の用語

虹色真珠(にじいろしんじゅ)

とわ、せつな、もろはが所有する、妖力を増大させる力を持つ不思議な真珠。とわとせつなのものは父である殺生丸が女禍から奪って二人に授けたもので、もろはが所有する赤色真珠は自身が檮杌を倒した際に手に入れたものである。
殺生丸によれば、もともとは「是露の涙」であるとのこと。彼女が犬の大将を想って流した涙と悲しむ心を、四魂の玉の力で切り離したものであり、全部で七つ存在している。
全て集まるとなんらかの災いが発生するともいわれているが、詳細は不明。理玖は全ての虹色真珠を手に入れて、これを是露に返すことを目的としている。

『半妖の夜叉姫 壱の章』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

放送開始前、とわとせつなの母親は明かされていなかった

とわとせつなの父親が殺生丸であることは公式で名言されている。しかし放送開始前、母親については奇妙なほど何もコメントされていなかった。
前作ファンの間では、殺生丸を救い、救われ、常に彼に付き従いその人間に対する認識を改めさせた少女りんが母親なのではないかという意見が有力視されている。しかし仮にそうだとして逆算すると、りんは十代前半で子を産んだことになる。戦国時代ではそれほど珍しいことではないが、あの殺生丸が年端もいかない少女との間に子供を作ったとは思えない一部のファンからは、「行きずりの女性との間に作った娘」や「半妖の子供を引き取っただけで血のつながりは無い」といった比較的ありそうなもの、「実は母親は邪見」や「殺生丸の単性生殖」といった斬新なものまで、多種多様な声が出ている。
絶大な力と人気を誇り、終始クールで冷徹かつ不遜な態度を崩さなかった殺生丸は、果たして誰と恋に落ち結ばれて子を成したのか。本作のメインストーリーとはまったく異なるところで、ファンは大いに盛り上がった。

そしてついに、15話にてとわとせつなを産んだのがりんであることが判明。殺生丸とりんのカップリングを応援していた多くのファンが歓喜した。
一方で十代前半の少女との間に子を成すことについて苦言を呈する者もあったものの、戦国時代の常識的にはごく一般的なことである。例として、加賀藩の祖となった前田利家の正室・まつは、十二歳の時に最初の子を産んでいる。

『半妖の夜叉姫 壱の章』の主題歌・挿入歌

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