半妖の夜叉姫 弐の章（犬夜叉続編アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ

『半妖の夜叉姫 弐の章』の概要

『半妖の夜叉姫 弐の章（はんようのやしゃひめ にのしょう）』とは、現代と戦国時代を舞台にした、人間と妖怪の混血の少女たちの冒険譚『半妖の夜叉姫』の続編である。高橋留美子による世界的ヒット作『犬夜叉』とは世界観と一部キャラクターを共有しており、時系列的には同作が本作の前日譚という関係にある。
『半妖の夜叉姫』と『犬夜叉』が世界観を共有していることについては高橋留美子も公認しているが、本作においてはキャラクターデザインにしか関わっておらず、実質オリジナルアニメに近い作品となっている。国内外にファンの多い『犬夜叉』のその後の物語ということもあり、“主人公たちの敗北”という形で終わった前シリーズの続きがどうなるのか、放送前から期待と注目を集めていた。

犬夜叉（アニメ・漫画）のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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『犬夜叉』とは高橋留美子による少年漫画、およびそれを基にしたテレビアニメ作品。1996年から2008年まで『週刊少年サンデー』で連載された。2000年から2004年にかけてよみうりテレビ、サンライズ制作でアニメ化。現代において受験を控えた女子中学生・日暮かごめが、実家にある曰くつきの井戸から戦国時代にタイムスリップしてしまう。妖怪と人間のハーフである半妖の少年・犬夜叉と共に、どんな願いも叶えるといわれる四魂の玉を巡った争いに身を投じていく。第47回小学館漫画賞を受賞した作品。

戦国時代、日本の妖怪の頂点に立っていたのは、殺生丸（せっしょうまる）と麒麟丸（きりんまる）という二大妖怪だった。その麒麟丸が「この世を滅ぼそうとしている」ことを感づいた時代樹の精霊は、殺生丸の双子の娘である日暮とわ（ひぐらし とわ）とせつな、彼女たちの従姉妹にあたる賞金稼ぎのもろはに討伐を依頼する。
そのとわは、幼い頃に時代樹の力で戦国時代から現代へと飛ばされ、平和な日本で自分の力を持て余しながら生きていた。再び時を渡ることでせつなと再会したとわは、彼女が過去の記憶を完全に失っていることを知ると、それを取り戻す鍵となる「夢の胡蝶」という存在を追い求めて冒険を繰り返す。現代育ちのとわを危なっかしくて見ていられないせつな、共に麒麟丸討伐の依頼を受けたもろはもこれに同行し、3人は互いを仲間と認識して強い絆を結んでいく。

一方、「時空を超える半妖たちによって麒麟丸が倒される」という予言を受けた麒麟丸の周囲でも、それを体現するとわたちを排除すべきとの機運が高まる。送り込まれる刺客を次々に打ち倒していった末に、ついに麒麟丸と対峙するとわたちだったが、彼の強大な力に及ばず敗北する。
夢の胡蝶、時の歯車、阿久留、吸妖魂の根。殺生丸の力を借りて死地から生還した3人は、物語の根幹に迫る謎を追う新たな旅を始める。そんな彼女たちの前に、麒麟丸の娘だという少女・りおんが現れるのだった。

『半妖の夜叉姫 弐の章』のあらすじ・ストーリー

新たなる旅立ち（第1話～第25話）

戦国時代。大地を穿つ妖霊星すらも切り伏せる力を持つ大妖怪「麒麟丸」（きりんまる）と「犬の大将」（いぬのたいしょう）は、それぞれ東と西の日本妖怪を従えて睨みを利かせていた。犬の大将が死んだ後、その息子で匹敵する力を持つ殺生丸（せっしょうまる）は西の妖怪王としての跡を継がず、自由気ままに妖怪らしく生きていた。
しかしある時、「時空を超える半妖たちによって麒麟丸は倒される」という予言がもたらされる。殺生丸の腹違いの弟である犬夜叉（いぬやしゃ）は、現代から時を超えて戦国時代にやってきたかごめという娘を妻にしており、彼女こそはまさにこの予言で言い表されている人物かと思われた。

麒麟丸はこれを一笑に付したものの、彼の姉である是露（ぜろ）は本気で案じ、かごめと犬夜叉、彼女たちと共に大冒険を繰り広げた者たちの抹殺を画策。是露や部下たちにせっつかれる形で麒麟丸も重たい腰を上げる。かごめと知り合いの人間の少女・りんを妻としていた殺生丸は、是露が彼女をも狙っていることを察し、自身の家族と血族を守るために表向き麒麟丸に協力しながらこれを逃がしていく。
犬夜叉とかごめは麒麟丸にも手出しができない冥道に封じ、妻であるりんと彼女が産んだ2人の娘・とわとせつなを時代樹の森に施した結界の中に隔離する。しかし是露は執念深くこれを突き止め、時代樹の森に火を放つ。火事から逃げ惑う中、とわはせつなと離れ離れになり、時を行き来する力を持つ時代樹が開けた時空の裂け目を通って現代日本へと辿り着く。

その後とわは現代で普通の少女として、半妖としての力を隠しながら成長。しかしある時、妖怪退治屋として成長したせつなと、犬夜叉とかごめの娘であるもろはが、時代樹の力で現代まで飛ばされてくる。
「夢の胡蝶」という精霊に記憶を奪われ、せつなはとわのことを完全に忘れていた。とわは妹の記憶を取り戻すため、夢の胡蝶を捕まえるために己の生まれた戦国時代へと帰還。せつなともろはも巻き込み、様々な冒険に繰り出していく。

戦国時代に向かう途中、とわたちは時代樹の精霊から「世を滅ぼそうとしている麒麟丸を倒してほしい」と依頼される。なぜそんなことをしなければいけないのかピンと来ない3人だったが、是露はとわたちこそが予言にあった「時空を超える半妖たち」ではないのかと考え、次々と刺客を放つ。その内の1人で、自らを“木偶”と称する理玖（りく）という少年は、とわたちを直接襲うでもなくなんらかの思惑を持って暗躍。怪しげな雰囲気を漂わせつつも、根っこのところでは親切で物腰柔らかい理玖に、とわは心惹かれていく。
夢の胡蝶に至る有力な手掛かりも得られないまま刺客を退け続けたとわたちは、ついに是露と相対する。一度はこれを倒すものの、その場に殺生丸が駆け付けて彼女を助ける。まともに言葉を交わしたこともない父親の登場と、彼が敵である是露を救ったことに困惑するとわたちだが、姉の窮地を見て取った麒麟丸がその場に登場。なぜか手助けしようともしない殺生丸が見守る中、とわたち3人と麒麟丸の死闘が始まる。

各々の身に流れる大妖怪の血を覚醒させて奮闘するとわたちだったが、麒麟丸の力はそれをも上回り、せつなが命を落とす。とわたちもまた力尽きて立ち上がれなくなると、麒麟丸は「十分に楽しめた」として彼女たちにトドメは刺さずに引き上げていく。
守らなければならなかった妹を失い、悲嘆に暮れるとわ。そんな彼女の前に殺生丸が降り立ち、「試してみるか」と言いながら、一連の戦闘の中で刀身が半ばから折れた己の刀を差し出す。その刀は天生牙と呼ばれ、死者を一度だけ蘇らせる力を持っていた。

とわは天生牙の力を引き出し、無事にせつなを蘇らせることに成功する。これを見届けた殺生丸が飛び去って行く中、「麒麟丸と戦うには相応に強力な武器が必要だ」と考えたとわたちは、さらなる力を求めて新たな旅に出立するのだった。

半妖の夜叉姫 壱の章（犬夜叉続編アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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『半妖の夜叉姫 壱の章』（はんようのやしゃひめ いちのしょう）とは、高橋留美子の漫画作品『犬夜叉』の十数年後の世界を描いたアニメ作品。
女子高生の日暮かごめと半妖の少年犬夜叉が、現代と戦国時代を行き来しながら繰り広げた大冒険から十数年。2人の姪であるとわは、幼い頃に生き別れた双子の妹せつなと再会するが、彼女は夢の胡蝶という妖怪によって過去の記憶も失っていた。かごめと犬夜叉の娘であるもろはも加わり、かつて彼女たちの親がそうしていたように、3人は現代と戦国時代を行き来しながら大冒険を繰り広げる。

銀鱗の呪い

とわたちが戦国時代で大冒険を繰り広げる10数年前のこと。どんな願いも叶えるとされる秘宝・四魂の玉が、「半妖が麒麟丸を滅ぼす」との予言をもたらす。これを恐れた是露は、麒麟丸に匹敵する力を持つ殺生丸と人間の娘・りんとの間に生まれた子供たちや、その殺生丸の弟でもある半妖の犬夜叉を警戒し、これを先んじて倒す策謀を進めていた。
殺生丸が自分の子（とわとせつな）をどこかに隠したと知るや、是露は彼の妻であるりんに目を付ける。体中が銀色の鱗に覆われて死亡する呪いをかけ、助ける代わりに娘たちを差し出せと迫ったのだ。

しかしりんは「娘たちを差し出すくらいなら自分が死にます」と夫に懇願し、殺生丸もその想いに応える。腹心の邪見（じゃけん）に命じてりんを時代樹の中に封じ、彼女の時を止めることで呪いの進行を抑えようとしたのである。さらに夢の胡蝶でせつなから眠りを奪ってりんに注ぐことで、彼女の封印は完成する。
用意周到なことに、是露は自分とりんの間に縁を結び、自分の死がそのままりんの死にもなるよう細工をしていた。このまま是露が活動を続け、犬夜叉やその仲間たちと戦うことになれば、彼らは是露に勝ってしまうかもしれない。そう考えた殺生丸は、麒麟丸に協力するふりをして弟夫婦でもある犬夜叉とかごめを黒真珠の中に封じる。

これが誇り高く、その気になれば自分だけでも麒麟丸を倒し得る力を持つ殺生丸が、彼や是露との直接の戦闘を避けつつ物語の裏で暗躍している理由だった。

りおんとの出会い

新たな力を求めて産霊山（むすびやま）という地を訪れたとわたちは、ここに封じられていたりおんという少女と出会う。りおんは麒麟丸の娘で、600年前にすでに死亡しており、ここにいるのは娘との別離を拒んだ麒麟丸がむりやり現世に留めた彼女の魂を土人形に収めたものだった。その麒麟丸は、時を司る阿久留（あくる）という精霊を我が物にして未来の日本に向かうことを画策しており、これを許せば世界は滅んでしまうらしい。時代樹の精霊が語っていた“麒麟丸がもたらす末法末世”とはこのことだったのだ。

りおんは「たとえ倒すことになってでも父を止める」ことを望み、とわたちに同行を申し出る。この地で斬星剣という武器を手に入れ、本格的に麒麟丸から離れてとわたちと共に歩む道を選んだ理玖と共に、産霊山を後にするとわたち。その前に不意に殺生丸が現れ、娘たちの成長と、それぞれが新たに固めた「母を救い、麒麟丸を倒す」という決意を見て取ると、せつなに憑依していた夢の胡蝶を切り捨てる。
これによりせつなは眠りを取り戻すも、ほぼ完全に停止していたりんの時もまた動き出す。その決意が本物なら、銀鱗の呪いがりんの命を奪う前に決着をつけてみせろという、殺生丸なりの不器用にして苛烈な激励だった。

是露との決着

それぞれに新たな武器を手に入れたとわたちは、いったん別れてそれぞれに修行に励むこととなる。せつなやもろはが自身の仲間たちと共に戦い、さらなる力を手に入れていく一方、りおんや理玖と旅をしていたとわは、いよいよ本格的に動き出した是露の策略で孤立させられてしまう。1人の味方もいない中、とわは是露たちの術で“妹との別離”というトラウマを刺激され、憎悪のままに潜在的な力を解放。祖父である犬の大将さながらの猛威を振るって是露に襲い掛かる。
是露の目的は、自分を殺させることで縁で結ばれているりんの命をも奪い、とわに“母殺し”の罪を背負わせることにあった。殺生丸たちの導きによって事態を把握したせつながここに駆けつけ、これまで自分の夢を吸い続けていた夢の胡蝶をとわに渡す。そこには、「別離に苦しんでいたのは自分も同じで、夢の胡蝶にその記憶を吸われてずっと思い出せないでいたことを心苦しく思っている」というせつなの想いが詰まっていた。苦しんでいたのは自分だけではないと気付いたとわは、是露に対する憎悪から解放される。

とわに自分を殺させる計画が失敗したことを悟った是露は、せめてりんを道連れにしようと自害を図る。しかし一瞬早くせつなが“人と人のほつれた縁を断つ”所縁の断ち切りという得物で是露の妄執を断ち、彼女の内にあった「“犬の大将の死”という予言を知っていたのに、彼が死ぬはずがない、無敵の存在であってほしいとの思いから何も行動を起こさず、愛する者を見殺しにしてしまった」という絶望と後悔を払う。
自分の行いがただ己の過ちを認めたくないという想いから生まれたものでしかなかったことを悟り、涙する是露。あらゆる姦計を打ち破ったとわとせつなを称賛すると、是露は「もはや未練は無い」と言い残し、この場に駆けつけた理玖によって命を絶たれる。妄執から解放された是露が、死によって己に決着をつけることを望んでいると気付いた理玖は、世話になった彼女に最後の恩返しを果たしたのだった。

東西大妖怪の激突

是露との決着を果たしたとわとせつなは、母であるりんに会おうと時代樹の下へと向かう。その際、とわはどこか憂いを帯びた理玖の姿を見て、「もう2度と会えないのではないか」との予感を覚える。果たしてそれは正しく、りおんは命を懸けてでも麒麟丸を討つことを、理玖は彼女に最後まで付き従うことを決意していた。
一方、もろはは「もう犬夜叉夫婦を封じておく必要はない」と判断した殺生丸から唐突に2人を封じた黒真珠を渡されていた。封印を解除するのは簡単だが、どんな顔をして両親に会えばいいのか分からず困惑していたもろはの前に麒麟丸が現れ、黒真珠を奪われてしまう。

「両親ごと黒真珠を砕かれたくなければ自分に従え」ともろはが麒麟丸に脅される中、妻との再会を果たした殺生丸がこの場に現れ、もはや決着を長引かせる理由はないとばかり麒麟丸と戦い始める。
ここにとわとせつなが駆け付け、「もろはの両親を救おう」と大妖怪同士の対決に横槍を入れる。麒麟丸は彼女たちの成長を認める一方で勝負に邪魔を入れられたことに激怒し、彼女たちを本気で攻撃。殺生丸が咄嗟に黒真珠の中に匿ったことでとわたちは命拾いするも、代わりに殺生丸か麒麟丸の攻撃を受け、瀕死の状態となってしまう。

令和への帰還

黒真珠の中で犬夜叉夫婦と合流したとわたちは、ここを脱出して改めて時代樹の中で倒れた殺生丸の下へと向かう。この場にいた母のりんともようやく再会できたとわとせつなだったが、彼女たちが生きる令和の時代に妖霊星という彗星が地球に近づくらしく、その中にいる大量の妖怪によって世界が滅ぶとの予言を教えられる。今度はこれを阻止せねばならなくなり、とわたちはようやく出会えた母に見送られながら令和の世界へと帰還する。
かつて犬の大将に切り落とされた麒麟丸の右腕は、とわたちも使ったタイムトンネルを通って現代へと渡り、そこで希林理（きりん おさむ）という教師として生活していた。希林は意外にもとわたちに協力的で、彼女たちと協力して妖霊星の動きを停止させる。

しかし、ここで斬星剣には「使い過ぎれば持ち主の魂を吸い尽くす」という危険な性質があることが判明。麒麟丸はこれを利用して、とわとの戦いを繰り返して彼女の魂を消滅させ、りおんの新たな体とすることを画策していた。その後希林は「斬星剣と妖霊星を使って、自分が麒麟丸を含む全ての妖怪を倒す」と言い出し、動きを止めた妖霊星ごと時空の扉を通って戦国時代に向かってしまう。
「全ての妖怪ということは、まさか殺生丸や犬夜叉まで倒してしまうつもりなのでは」と焦ったとわたちは、慌てて時代樹の下に向かうも、彼女たちの必死の呼びかけに時代樹が答えることはなかった。戦国時代に戻る術を失ったとわたちは、希林の真意がどこにあるのか分からず、不安に顔を見合わせる。

妖霊蝶の猛威

戦国時代にやってきた希林は麒麟丸に接触し、今ここで妖霊星を破壊して天下に名を轟かすよう彼を促す。妖霊星が手元にある以上、あとはそれを壊して「自らが最強であることを永遠に世に知らしめる」という望みを叶えるだけだと考えた麒麟丸は、もはや自分を阻む者はいないと判断し、体力を回復させるために眠りにつく。その間に希林はりおんを「あなたの望み通りの世界を作ろう」と言葉巧みに篭絡。彼らの画策によって妖霊星からは巨大な蝶が現れ、周囲の妖怪を次々に妖気に分解して吸い上げていく。
蝶の名前は妖霊蝶。りおんと希林を取り込むと、妖霊蝶は戦国時代の全ての妖怪を滅ぼすべく飛翔する。全てはりおんを真の意味で生き返らせるため、彼女の望みを叶えるための希林の選択だった。目覚めた麒麟丸は事態に驚き、妖霊蝶の中に乗り込んでりおんを取り戻そうとするも、これが彼女の真の望みだと希林に諭されて刃を収める。

現代に取り残されたとわたちは、草太たちとの別れを済ませ、2度と現代に戻れないことも覚悟で再び戦国時代に向かう。犬夜叉やかごめ、理玖たちと合流したとわたちは、りおんを奪還するため妖霊蝶との決戦に臨む。一行はそれぞれに力を尽くし、「どれほどの犠牲を払うとしても理想を叶えたい」と暴走するりおんを翻意させ、彼女を唆していた希林を倒し、世界の危機を救う。しかし代償は大きく、とわへの想いと「りおんを救ってほしい」との言葉を残し、理玖が命を落とす。
どれほど非道であってもりおんは父の麒麟丸を愛し、何度歯向かわれても麒麟丸は娘のりおんを愛していた。しかし互いを大事に思いながら力も立場も異なる2人は擦れ違い、最終的に「りおんの死」という形で決別する。この悲劇を覆したい一心で麒麟丸とりおんはそれぞれに止まれなくなっていたのだった。

殺生丸と対峙していた麒麟丸は、彼からこのことを指摘されて、ようやくにして己の過ちに気付く。決闘に敗れ、トドメを刺すよう殺生丸を促していた麒麟丸は、妖霊蝶の支配から脱したりおんによって彼女の前へと転移。なおりおんの絶望を煽ろうとする希林の残留思念を切り払い、最後の最後に娘と和解し、共に昇天する。その際、戦いの中で斬星剣を使い、魂を使い果たしてしまったとわに、再び生きる力を与えていく。

取り戻した家族と日常

令和の時代の日暮家では、戦国時代に旅立っていったとわたちのことが話題になっていた。彼女たちの戦いはどうなったのかと心配する萌に、草太は「自分たちがこうして平和に暮らせているということは、とわたちが戦国時代で世界の危機を救ってくれたということだ」と語り、あの3人ならきっと楽しくやっていると思いを馳せる。
戦国時代では、とわたちが鹿猪（かい）という少年から妖怪退治の依頼を引き受けていた。実は彼は死んだはずの理玖その人で、りおんと麒麟丸がそれぞれの魂と魄を自分のために残していってくれたお陰で命拾いしたらしい。死にそびれたことが恥ずかしくて、なんとなく別人のふりをして接触しようとしたという彼に、とわは「生きていてくれてありがとう」と伝える。

殺生丸とりん、犬夜叉とかごめといったそれぞれの家族と過ごせる日常の大切さを嚙み締めつつ、とわたちは魑魅魍魎溢れる戦国時代で力強く生き抜いていく。今日も手強い妖怪を相手取りつつ、とわとせつなは「自分たちこそ殺生丸の娘である」と、高らかに名乗りを上げるのだった。

『半妖の夜叉姫 弐の章』の登場人物・キャラクター

主要人物