喧嘩独学（漫画・アニメ）のネタバレ解説・考察まとめ

『喧嘩独学』の概要

『喧嘩独学』とは「LINEマンガ」にて連載されていた、バトルアクション漫画。いじめられっ子の少年が秘密のチャンネルで独学で喧嘩を学び、動画サイトでの成り上がりっていく姿が描かれる。原作は『外見至上主義』のT.Junが、作画を『波を掴め！』の金正賢が担当し、韓国のポータルサイト「NAVER」で2019年より連載が開始された。日本においても2020年より「LINEマンガ」で連載され、国内累計閲覧数4.5億を超える人気となった。2024年4月にはTVアニメ化もされ、アニメ制作はオクルトノボル、監督を菱田正和がつとめた。喧嘩が弱い少年が、

スクールカースト最下位に属する志村光太（しむらこうた）は、学校では不良たちにいじめられ、放課後は母親の入院費を稼ぐためにアルバイトに明け暮れる日々をおくっていた。ある時、自分をパシリに使うクラスメイト金子亭（かねことおる）ことカネゴンとの喧嘩を誤って生配信してしまう。一夜明けると1000万再生され、瞬く間に全世界で有名になってしまう。再生数が金になると知った志村はカネゴンと手を組み、チャンネル「喧嘩独学」を開設、不良たちに喧嘩をうっていく動画を中心とした動画投稿を始める。慣れない喧嘩を始めた志村はもっと強くなるために強くなる方法を模索し、素人が喧嘩に強くなることを教える謎のチャンネルに辿り着く。この動画との出会いをきっかけに志村は独学で喧嘩への道を究めていく。

『喧嘩独学』のあらすじ・ストーリー

チャンネル喧嘩独学

スクールカースト最底辺に属する志村光太（しむらこうた）は学校では皆にいじめられ、放課後は母親の入院代を稼ぐためにバイトに明け暮れていた。ある時、志村をパシリに使う金子亭（かねことおる）ことカネゴンの配信中の喧嘩になってしまい、全世界で話題になってしまう。動画は1000万再生を超えて、志村は大量のお金が入った事を喜ぶ。動画によりクラス中の笑い物となってしまったカネゴンは、志村に一緒コンビを組んで動画配信をやらないかと持ち掛ける。カネゴンの提示した動画コンテンツは喧嘩。街中で有名な人物に喧嘩をしかけていくというものであった。手始めにクラスの有名配信者ハマケンと喧嘩をし、彼の本性を暴き、登録者70万人もあったハマケンを失墜させる。カネゴンは動画には広告の収入が必要であり、長い動画時間が必要だと言う。長時間喧嘩できるために強くなろうとする志村は、ネット検索をしていくうちに喧嘩独学と呼ばれる謎のチャンネルにアップロードされた鳥頭の人物の動画を見て喧嘩の腕前を上達させていく。

喧嘩独学の人気はうなぎ上りの上がり、登録者数が10万人を超える人気を獲得しつつあった。カネゴンはチャンネルをもっと大きくするために新たな編集者を雇おうとする。動画配信で募って集まったのは同じ学園の一年生の後輩八潮秋（やしおあき）であった。帰国子女で独特の日本語を喋る彼女に驚くものの、動画編集の腕前は本物であり、2人は彼女をスカウトし動画編集者として迎え入れる。秋を迎え入れた志村は元テコンドー選手の新庄玲央（しんじょうれお）との喧嘩を一か月の修行の末に打ち破る。さらには朝宮に付きまとう韓国相撲の使い手ファン・ミンギをも倒し、喧嘩の実力を増していく。

XYカンパニーと佐伯コージ

着実に登録者数を伸ばしていく喧嘩独学であったが、急にチャンネルが停止されてしまう。原因は喧嘩独学に似たチャンネル「喧嘩オタク」による著作権侵害であった。チャンネル停止を解除しようとする志村であったが「喧嘩オタク」は巧妙なやり方で先に存在していた事実を作っていたためチャンネル停止を解除することができなくなってしまう。チャンネルによる収益が入らなければ母親の手術費を出す事ができない。追い詰められた志村に接触してきた「喧嘩オタク」こと村上直哉（むらかみなおや）は志村にチャンネルを売るように囁くが、カネゴンやかつて戦った新庄の協力もありチャンネルの停止を解除した志村は村上を倒し、チャンネルを取り戻す。
ふたたび喧嘩独学を始めた志村の元に登録者数500万人を誇るトップニューチューバー佐伯コージ（さえきコージ）が接触してくる。佐伯は自分の運営するXJカンパニーに喧嘩独学をスカウトする。しかし時を同じくしてXJカンパニー所属の長瀬小雪による暴露系チャンネル「ワンパンチTV」がクラスメイトのニューチューバー目黒ルミをターゲットにした暴露配信を行う。志村はファン・ミンギと協力して「ワンパンチTV」の不正を暴きルミの無実を証明するが、この一件でコージに不信感を抱いた志村は、ニューチューバーの介するパーティーでコージの裏の顔を暴露しようとする。しかし、コージは、ドッキリと称し、会場の客もそれを受け入れる。逆に志村達が叩かれる空気となってしまう。志村とカネゴンはコージに対抗すべく、喧嘩独学の会社を立ち上げるのであった。

志村が自分と敵対する事を知ったコージはハマケンを使い、志村の母親に理不尽な契約を結ばせる。ハマケンが新たに始めたニューチューブで晒し物にされる母親を見た志村は激昂する。ハマケンを喧嘩で圧倒しチャンネルを潰すすが、契約書はコージが持っている。母親を標的にしたコージを許せない志村はコージに対し「XJカンパニー全てのニューチューバを自分の会社に吸収する」と宣戦布告する。XJカンパニーのニューチューバー達と戦いを続ける志村にコージの片腕である224と呼ばれる男、西羅志郎（にしら しろう）が接触してくる。西羅は母親の契約書をコージの過去についての資料を志村へと渡す。XJカンパニーとコージは政治家とつながりがあり、政治資金の洗浄を行っており、西羅はその事実を知るコージを排除しようと思ったのであった。志村はコージの過去を配信で暴露、後がないと知ったコージは志村達を襲うが、既にコージに利用価値がないと思った山岡と西羅は配下の犯罪組織新国際派を使いコージを始末するのであった。

西羅志郎と新国際派との戦い

コージの死は世間的には自殺で処理された。コージの葬儀の喪主をつとめた志村は背後にいる西羅や山岡の悪事を見逃せずに戦う事を決意する。志村は情報を集めるために西羅に接触、コージの後釜として協力する素振りを見せつつ情報を集めるのであった。これからの戦いのためにより喧嘩の腕を挙げようとするが闘鶏の動画は途中でアップロードが止まっていた。喧嘩を強くなるための手段を探す志村の前に現れたローガン・グレイシーは自分の弟子である達也に勝てば闘鶏の最終動画を伝授するという。友達である達也と戦うことに躊躇う志村であったが、達也は朝宮への想いを賭けて決闘を承諾する。ローガンが見守る中で喧嘩が始まる。秋から送られてきた追加の闘鶏の動画のおかげもあり、達也を追い詰める志村であったが、最終的に友達を傷つけたくないと思い試合を途中でやめる。ローガンによる判定は志村の負けとなった。しかしどうしても強くなりたいと願う志村の熱意に押されたローガンは闘鶏の正体が秋の父親だという事実を話す。

山岡からコージを始末した事の証言をとった志村は「コージの死は自殺ではない」と配信で明かそうとするが、その瞬間西羅によってアカウントが停止されてしまう。さらに西羅はバイト先の友人と名乗り志村の家を訪ね、志村の親しい人物をいつでも始末することができると警告し、自分の配下である国際犯罪組織を使い、母親や朝宮といった志村の親しい人物を同時に襲撃する。仲間達の助けもあり、無事に皆を守る事が出来た志村であったが、これ以上は無関係な人々も巻き込んでしまうと思い志村光太カンパニーを解散しようとする。そこにかつてコージの検事かつ恋人だった麻衣子が現れる。コージの死を無駄にしたくない麻衣子は志村をコージとつながりがあった議員である猪俣正和（いのまたまさかず）の元へと連れていく。猪俣は志村にコージの面影を見出し、協力することにする。西羅と山岡を捕まえるにはどちらともを一気に捕まえる必要があった。猪俣は二人を捕まえる決戦の日を決め、その日に向けて志村たちは修行を開始する。
猪俣と協力を取り付けた志村は西羅と戦うために修行を開始、三か月近くの修行の元志村は見違えるような体格に成長する。修行を終えた志村は停止されたアカウントに代わりコージのチャンネルから生配信をおこない、西羅の麻薬の輸送現場を取り押さえる。抵抗する国際派たちは志村と同じく修行を重ねて強くなった新庄、藤井、ミンギたちに次々と敗北していく。志村は遂に西羅を追い詰めその身柄を拘束する。山岡も過去のスキャンダルを猪俣によってリークされ逮捕される。全てが終わったかのように見えたが、西羅を拘束した警察は彼の手のかかったものだった。西羅は警察から逃れ姿をいずこかに消してしまう。

解決人TV

西羅の逃亡から3ヶ月の月日が流れていた。西羅の足取りを探すが上手くつかめず未だに姿をくらましていた。3年生に進学した志村はある時、いじめられている後輩仲村樹（なかむらいつき）を助ける。樹はかつて西羅によって殺された刑事の息子であり、志村に西羅を殺してほしいと懇願する。足手まといになると思い、志村は断るが、一か月でかつての自分のように強くなる樹を見て仲間にする。樹は自ら囮をかって西羅をおびき寄せる作戦を提案し、解決人TVというチャンネルを開設する。解決人TVは依頼で学生の麻薬売買グループ「トランプ」を調査し、そこに西羅が関わっている事を知る。西羅が残した痕跡はほぼなかったが、こうした一つづつ悪人を解決していくことで西羅に近づけるのではないかと思う。志村は解決人TVに依頼された眞性学院予備校で生徒が謎の死をとげた依頼を受けて学院に潜入する。眞性学院は表向きはただの予備校であったが、その実態はヤクザを要請する機関であった。眞性学院で特待生までのぼりつめた志村は、学園が不適切だと判断した生徒を他の生徒に処分させていた事実を知る。学園に不審感を抱いた特待生水野怜たちとともに学園に反旗を翻した志村。学園側の事実を表にすることはできたが、学長の大久生は何者かに処分され、西羅の手がかりを得ることはできなかった。志村は水野を解決人TVに誘うが、水野は西羅側へとついて行くことを決め、敵対する意思を見せる。
ふたたび手がかりを探す中、突如としてコージのチャンネルが再び動きだす。コージが生きていたとチャンネルのファンは喜ぶが、コージが生きているわけがないと思う志村は、その事実を暴くために調査を開始する。今のコージの正体はかつて眞性学園で共に戦ったウィ・ピョンオが率いる犯罪組織「悪童」が作成したディープフェイク動画によるものであった。ディープフェイク動画の秘密を暴いた志村はウィ・ピョンオと取引をし彼をスパイとして西羅陣営に潜り込ませる。ウィ・ピョンオは西羅たちが貯水池に隠していた麻薬を見つけ、遂に西羅と新国際派を捕まえる手口を見つけ出す。さらには西羅に従う水野も独自に動いている事を知り、新国際派も一枚岩でない事を知る。志村は西羅を捕まえるべく西羅のアジトを攻撃、海外へと逃れるべく船に乗る西羅を遂に志村は追い詰める。追い詰められた西羅は船を爆破、志村と西羅は爆発で行方不明となる。西羅を失った新国際派は崩壊し、戦いは終わる。行方不明となった志村であったが、数か月後クリスマス当日に朝宮の前に姿を現す。

『喧嘩独学』の登場人物・キャラクター

志村光太カンパニー

志村光太（しむらこうた）

CV：丹羽哲士
本作の主人公。学校では常にいじめられスクールカースト最下位に所属、放課後は病気の母親の治療費をかせぐためにバイトに明け暮れる日々であったが、自分を苛めるカネゴンとの喧嘩する動画がネットで大バズリをしたことで人生が一変する。動画配信で「金を稼げる」と思い、不良と喧嘩するチャンネル「喧嘩独学」を開設、ネット上で見つけた闘鶏の動画を見て独学で喧嘩に強くなり、不良やヤクザと渡り合うことになっていく。元々はお金のために配信を始めたが、持ち前の正義感の強さから悪事と戦う決意を固めていき、志村カンパニー社長にまでなっていく。気弱で内向的な性格であるが、中学時代にハマケンから苛めを受けるまでは明るい性格であった。バイト先の朝宮には好意を抱いているが、過去に彼女と出会っていた事を忘れいたり、秋からの好意に対し無関心であったりと恋愛方向に関しては鈍感。

金子亨（かねことおる）

CV：岡本信彦
志村のクラスメイトで通称はカネゴン。カメラマンとしてハマケンに取り入り、取り巻きとなりスクールカースト上位に居座って志村を苛めていた。志村との喧嘩が拡散された後は、一転して皆からの笑い者となりハマケンからも見捨てられ、その立場を挽回するために志村と手を組みチャンネル「喧嘩独学」を開設する。喧嘩の腕はからきしではあるが、動画のプロデュース能力や撮影技術に長けており、チャンネルの躍進に一役買う。最初は自分の保身と利益のために志村を利用し見下していたが、どんな相手にも立ち向かっていく姿を見て、最終的には志村にとっては大切な友達となった。秋に対してはチャンネルの編集者としてだけでない好意を抱いていたが、本人にはその気持ちは伝わっていなかった。

八潮秋（やしおあき）

CV：ファイルーズあい
志村やカネゴンと同じ高校に通う後輩。喧嘩独学が新しい動画編集の募集をしていたところを立候補して志村たちの仲間となる。元々志村の動画のファンであり、何度もコメントをしていた。帰国子女であり、日本語をネットで学んだため独特なおっさん口調で話す。志村に対しては秘かに好意を抱いており、朝宮に対しては恋敵としてライバル視している。

目黒ルミ（めぐろルミ）