半妖の夜叉姫 壱の章(犬夜叉続編アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『半妖の夜叉姫 壱の章』(はんようのやしゃひめ いちのしょう)とは、高橋留美子の漫画作品『犬夜叉』の十数年後の世界を描いたアニメ作品。
女子高生の日暮かごめと半妖の少年犬夜叉が、現代と戦国時代を行き来しながら繰り広げた大冒険から十数年。2人の姪であるとわは、幼い頃に生き別れた双子の妹せつなと再会するが、彼女は夢の胡蝶という妖怪によって過去の記憶も失っていた。かごめと犬夜叉の娘であるもろはも加わり、かつて彼女たちの親がそうしていたように、3人は現代と戦国時代を行き来しながら大冒険を繰り広げる。
CV:田所あずさ
本作主人公の一人。かごめと犬夜叉の娘だが、赤ん坊の頃に両親ともども殺生丸と麒麟丸に襲われ、自身のみ八衛門狸に託されてその場を離脱。そのまま妖狼族に預けられる。そのため両親のことはよく知らず、自身を天涯孤独の身の上だと考えていた。14歳。
「化け殺しのもろは」の異名を持つ、主に妖怪を狙う賞金稼ぎ。妖狼族の凱風を師とするが、教えてもらったのは妖力の扱いと戦う心得がメインで、その技や戦法自体はほぼ我流。弓と倶利伽羅丸という妖刀を得物としている。退治した妖怪の首や骸を屍屋獣兵衛(しかばねやじゅうべえ)という人物に売って生計を立てている。
妖怪退治を巡ってせつなとやや剣呑な出会いを果たし、彼女と共に現代にタイムスリップしてとわとも知り合う。世間の荒波に揉まれてきたためか非常に世慣れしており、数日ほどの滞在の間に現代にもすっかり適応。草太のカードを拝借して物資を買い込み、領収書までもらっていた。戦国時代に帰還する中、時代樹の精霊から「麒麟丸の討伐」という仕事を依頼され、報酬目当てにそれを承諾する。
性格は明朗快活、せつなとは対照的に感情がよく顔に出るタイプ。一方で賞金稼ぎとして名が知られるだけのことはあり、戦闘に関する判断や行動は迅速かつ的確である。とわやせつなのことは仲間として彼女なりに信頼しており、戦国時代に不慣れなとわと、とわを姉と認めず辛辣な態度を崩さないせつなにとって、必要不可欠な潤滑油にして貴重な緩衝材となっている。檮杌を倒した際に、彼が所有していた赤い虹色真珠を我が物としている。父方の祖母の十六夜が残した紅を差すことで、祖父である犬の大将の血が覚醒した状態「国崩しの紅夜叉」と化す。しかし強大な力を発揮できるのは一分ほどの間だけで、その後は丸一日眠りこけてしまうという最後の切り札。当初はただただ暴れ回るだけだったが、とわたちとの交流や凱風の教え、自身の成長によって次第にこれを制御できるようになっていった。
非常に多芸で、特に研ぎ師としてはそこそこ知られた存在。本人は「器用貧乏」を自称し胸を張っているが、これが必ずしも誉め言葉ではないことは理解していないようである。
戦国時代の人々
琥珀(こはく)
CV:木村良平、矢島晶子(前作および幼少期)
珊瑚の弟。本作では29歳ほどだと思われる。
妖怪退治を生業とする里に生まれるが、妖怪の襲撃で一度命を落とす。しかし自身と仲間の仇であるその妖怪に四魂の玉のかけらを体内に仕込まれて復活、さらに記憶を書き換えられて手下とされてしまう。珊瑚との接触を経て本来の記憶を取り戻し、離反した後は様々な勢力を渡り歩きながら自身が生き延びる術を探し続けた。途中で四魂の玉のかけらを失うも奇跡的に生存し、前作最終決戦にも参加する。
現在は妖怪退治屋の頭領となり、師としてせつなや翡翠を導いている。前作では殺生丸の下で活動していた時期も長かったため、現在も彼に対しては強い敬意を抱いている。
翡翠(ひすい)
CV:浦尾岳大、武田羅梨沙多胡(幼少時代)
かごめの仲間である弥勒と珊瑚の息子。年齢はとわたちより2~3歳上だと思われる。叔父である琥珀の下で修業を積み、妖怪退治を生業としている。せつなの兄弟子。
かつて珊瑚が使っていた、身の丈ほどもある巨大なブーメラン飛来骨を得物としている。左手には数珠を身に着けているが、これは僧侶である父のものを受け継いだと思われる。その父に対しては、山奥で一人長期の修行に励んでいることから、「命懸けで妖怪退治をしている自分や琥珀を手伝おうともしない臆病者」とやや軽んじていたが、饕餮相手に披露した機転と胆力を見て考えを改めた。
妖怪退治の先輩として、とわやせつなに協力する。
屍屋獣兵衛(しかばねや じゅうべえ)
CV:小山剛志
妖怪の骸を買い取る“屍屋”を営む男。もろはは彼に借金があり、現代に行っていたため数日ほど顔を出さなかった彼女に「足抜けするなら金を返してからにしろ」と釘を刺していた。借金の分を差し引いているのか、もろはが妖怪の骸を持ち込んでも安値で買い叩くことが多い。仕事柄様々な方面に顔が利き、少なくとも過去には弥勒とも交流していた。
賞金首の斡旋のようなこともしており、報酬の大金をチラつかせてもろはがとわやせつなと共に四凶退治に赴くよう誘導する。その四凶の退治を依頼した理玖には主に対するような態度で接しており、ただの顧客と仲介者ではないような雰囲気をうかがわせている。
理玖から緑色の虹色真珠を貸し出されており、これを利用して賞金首を集めていた。物語終盤、「たんまり稼がせていただいた」として、理玖に虹色真珠を返却する。
竹千代(たけちよ)
CV:ファイルーズあい
屍屋で働く、子供の妖怪狸。常連のもろはとは顔馴染みである。
前作の七宝のように変化の術で様々な姿に化ける能力を持つが、尻尾は隠せていないことが多い。鳥などに化ければ空を飛んで人を運ぶことも可能で、その際はいつも背負っている編み笠が亀の甲羅のようになり、これを活用する。
高貴な血筋の妖怪で、なんらかの事情から過去に屍屋に預けられたらしく、その時は獣兵衛から「若君」と呼ばれていた。また、幼い竹千代を屍屋まで届けたのは弥勒であるように思われるものの、彼らの関係性は不明である。
金烏(きんう)
CV:胡麻鶴彩
翡翠の姉。玉兎とは双子で、姉妹仲は非常に良好。
父親の俗っぽさを受け継いだか、かごめが「薬になる」といって桔梗の根を渡した際に「食べ物がいい」と不平を言っていた。
現在は尼の修行をしており、本人曰く「封印の術ならちょっとしたもの」。俗っぽいところは相変わらずで、僧籍のわりには感情豊かである。
玉兎(ぎょくと)
CV:上田瞳
翡翠の姉。金烏とは双子で、姉妹仲は非常に良好。
第一話ではごく幼い頃の姿が描かれ、まだ赤ん坊だった翡翠が泣き出すと、金烏と共に「うるさい」と一喝していた。
現在は母と共に暮らしており、千日行に励む父の下を定期的に訪れている。
理玖(りく)
CV:福山潤
“陸に上がった海賊”を自称する少年。産霊山へと向かう内に迷ってしまったとわと出会い、彼女の案内で海を目指す。文字通り姫君に対するような態度で彼女に接し、結局川に出るも「これを下っていけば海に出られる」と喜び、お礼として刀を献上して去っていった。
しかし実はこの刀は盗品で、賊を探していた扇谷家の侍たちに捕まってしまうこととなる。理玖自身そうなることをある程度予想してとわに刀を渡したと思われる。
耳飾りを弾くことで怪しい術を駆使して水の塊を浮遊させたり、林檎を「楽園を追放される味(Forbidden Fruit)」と呼称したり、不審を通り越して尋常ではない様子を時折り見せる。人間か妖怪かは不明だが、自身は己のことを「木偶人形」、「生き物として紛い物」だと語っている。
麒麟丸の部下であり、同じく麒麟丸の配下である四凶とも顔見知りの間柄。とはいえ麒麟丸が彼を「腹心」とする一方で理玖の側は「捨てられた」と説明し、さらに渾沌からはやや見下されながらも普通に話をするが饕餮からは「絶対に許さん」と罵られており、その接し方や双方の認識には食い違いがある。麒麟丸の姉である是露に恩があるらしく、彼女を「姐さん」と呼んで慕う。是露の涙と妖力を切り離した存在である虹色真珠を集め、これを彼女に渡すことを目的としている。
屍屋に四凶の討伐を依頼したのも理玖だが、獣兵衛から「自分で四凶を倒すこともできるのでは」と問われた際には、「四凶は粋じゃないから嫌いだ。俺が殺すのは愛する者たちだけだ」と内に潜む狂気を覗かせた。
とわとせつなが殺生丸の娘であることも知っているが、最終的には自らの手で殺すつもりでいる。現状では“四凶を倒しうる存在”として彼女たちを利用しているが、その活躍を見るに連れて興味と殺意を高めており、「いつまで我慢できるか」と嘯くシーンもあった。全ての虹色真珠を集め、これをかつて世話になった是露に渡すことを目的としている。特にとわに対しては執着心を覗かせるが、彼女から「愛とかよく分からないけど理玖のことが好きだ」と告げられた際は戸惑い、「粋なことをする」と言葉を返した。
初登場時に山ブドウを食べており、「マズい」と感想を漏らしている。同じものを食べた麒麟丸も「口に合わない」と言っており、何かしらの関係があるような演出が為されていた。
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目次 - Contents
- 『半妖の夜叉姫 壱の章』の概要
- 『半妖の夜叉姫 壱の章』のあらすじ・ストーリー
- 三姫の邂逅
- いざ戦国時代へ
- 理玖と四凶と麒麟丸
- 虹色真珠の秘密
- 挑み破れた果てに
- 『半妖の夜叉姫 壱の章』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 日暮 とわ(ひぐらし とわ)
- せつな
- もろは
- 戦国時代の人々
- 琥珀(こはく)
- 翡翠(ひすい)
- 屍屋獣兵衛(しかばねや じゅうべえ)
- 竹千代(たけちよ)
- 金烏(きんう)
- 玉兎(ぎょくと)
- 理玖(りく)
- 玉乃(たまの)
- 前作『犬夜叉』からの登場人物
- 殺生丸(せっしょうまる)
- りん
- 邪見(じゃけん)
- 犬夜叉(いぬやしゃ)
- 日暮 かごめ(ひぐらし かごめ)
- 弥勒(みろく)
- 珊瑚(さんご)
- 楓(かえで)
- 犬の大将(いぬのたいしょう)
- 冥加(みょうが)
- 阿波の八衛門狸(あわのはちえもんたぬき)
- 鋼牙(こうが)
- 宝仙鬼(ほうせんき)
- 紫織(しおり)
- 現代の人物
- 日暮 草太(ひぐらし そうた)
- 日暮 芽衣(ひぐらし めい)
- 日暮 萌(ひぐらし もえ)
- 大ママ
- じいちゃん
- ブヨ
- 希林 理(きりん おさむ)
- ジュリアン
- その他の人々
- 時代樹の精霊
- 扇谷柊弾正(おうぎたにひいらぎだんじょう)
- 愛矢姫(あいやひめ)
- 寿庵(じゅあん)
- 彦丸(ひこまる)
- 千代(ちよ)
- 風太(ふうた)
- 雷太(らいた)
- 妖怪
- 麒麟丸(きりんまる)
- 是露(ぜろ)
- 窮奇(きゅうき)
- 宗久/夜爪(そうきゅう/よつめ)
- 檮杌(とうこつ)
- 若骨丸(じゃこつまる)
- 渾沌(こんとん)
- 獅子(しし)
- 二枯仙(にこせん)
- 饕餮(とうてつ)
- 雲母(きらら)
- 根の首(ねのくび)
- 三つ目上臈(みつめじょうろう)
- 飛頭根
- 大化け猫(おおばけねこ)
- 冥王獣(めいおうじゅう)
- 冥福(めいふく)
- 金禍(きんか)
- 銀禍(ぎんか)
- 女禍(じょか)
- 毒蛟(どくみずち)
- 沼渡(ぬまわたり)
- 焔(ほむら)
- 凱風(やわらぎ)
- イタチ男(いたちおとこ)
- 蛾々御前(ががごぜん)
- 『半妖の夜叉姫』の武器・必殺技
- 『半妖の夜叉姫 壱の章』の用語
- 虹色真珠(にじいろしんじゅ)
- 『半妖の夜叉姫 壱の章』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 放送開始前、とわとせつなの母親は明かされていなかった
- 『半妖の夜叉姫 壱の章』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):SixTONES『NEW ERA』
- ED(エンディング):Uru『Break』
- OP(オープニング):NEWS『BURN』(第2クール)
- ED(エンディング):緑黄色社会『結証』(第2クール)