フォードvsフェラーリ(Ford v Ferrari)のネタバレ解説・考察まとめ

『フォードvsフェラーリ』とは、アメリカ合衆国で2019年に公開された、”ル・マン24”でフォードとフェラーリがしのぎを削る実話を基にした作品である。キャロル・シェルビー、ケン・マイルズ、ヘンリー・フォード2世などの実在の人物が登場する。1965年の”ル・マン24”でマイルズがドライバーから外される描写があるが、実際はドライバーとして参戦(リタイア)しているなど、脚色されている部分もある。伝説といわれる、1966年の”ル・マン24”を描く。第92回アカデミー賞「音響編集賞」「編集賞」受賞作品。

ビーブが、マイルズをレースから外そうとしていることを知ったシェルビーは、フォード2世をレース用の車に乗せ、テストランに同乗させる。そのパワーとスピードに驚いたフォード2世。
大号泣しながら「知らなかったよ。パパにこいつを見せてやりたかった。感じさせたかった」と感動する。
マイルズは、「この車を扱える人間は多くない」とを話し、マイルズをドライバーにするように説得する。

ピーター「完璧なラップだ」

”ル・マン24”でフェラーリの3台がリタイアし、トップにたったマイルズの勝利が決定的となる。マイルズに対してビーブは、減速して他の2台と並んでゴールするように命ずる。シェルビーはその命令をマイルズに伝えるが、対応マイルズに委ねる。マイルズはラップレコードを何度も更新する好走を見せる。その様子をテレビ観戦していたピーターは「完璧なラップだ」と感心する。

マイルズ「お前が約束してくれたのは走らせてくれることだ。勝つことじゃないさ」

ビーブから減速してフォードの他の2台と同時にゴールするよう求められたマイルズ。対応を任せられたマイルズは、ビーブの望み通りにする。しかし優勝は後ろからスタートしていたフォードの別のチームとなってしまう。対応を任せると言ったことを後悔するシェルビーに対し、マイルズは「おまえが約束してくれたのは走らせてくれることだ。勝つことじゃないさ」と微笑む。

シェルビー「そうだ。友だちだった。その通りだ。それに君が自慢だった」

”ル・マン24”の激闘の後、テストランの最中にマイルズは事故死してしまう。半年経ってもマイルズの死を引きずっているシェルビーは、マイルズの息子ピーターと話をする。
シェルビー「君のパパは…」
ピーター「友だちだった」
シェルビー「そうだ。友だちだった。その通りだ。それに君が自慢だった」
ピーターと話したシェルビーは、かつてマイルズから投げられたレンチをピーターに渡し、涙を拭いて車を走らせる。

シェルビー(ナレーション)「回転数7,000の世界。そこではすべてが消える」

作品内で2度使われるセリフ。心臓の疾患からカーレーサーを諦めざるを得なくなったシェルビーが、車を運転しながら語る(ナレーション)。
”ル・マン24”の戦いの後に、翌年に向けてのテスト走行をするマイルズの映像に、同じセリフのナレーションが使われている。

『フォードvsフェラーリ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

フェラーリの社長、エンツォ・フェラーリは、レースを観戦していない。

以前は直接レースを観戦していたが、レース中に起こる再三の死亡事故を目の当たりにし、レースを観戦しなくなった。

フォード2世が、レース中にヘリで食事にヘリで離席する。

作品の中で、フォード2世がヘリで食事に出掛けるシーンがあるが、それは演出上ではなく実際にヘリで食事に出かけたそうだ。

ピーター・マイルズを演じたノア・ジュープは、マット・デイモンの息子役を演じている。

2017年、ジョージ・クルーニーが監督を務めた映画、”サバービコン 仮面を被った街”で、マット演じる主人公の息子役を務めた。

マット演じるシェルビーがポルシェに乗っていた理由は頑丈だから。

映画のタイトルが、『フォードvsフェラーリ』であるにも関わらず、マット演じるシェルビーは”ポルシェ”に乗っている。”ポルシェ”はドイツの車で、本作で登場したのは”ポルシェ・356”というスポーツカーである。この車が採用された理由は、ずばり、頑丈だから。当初は別の車を採用予定だっが、古い車のため撮影中に何度も故障するアクシデントにあう。それで、銀色の車体を真っ赤に塗装して”ポルシェ・356”を使用することになった。

クラッシュのシーンは実写である。

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