龍が如く7 光と闇の行方(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ
『龍が如く7 光と闇の行方』とは、セガが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如くシリーズ』の第7作目に当たる作品である。キャッチコピーは「ゲームに飽いた人たちへ」。本作は、『龍が如く』の主人公であった桐生一馬に代わり春日一番が主人公となり、彼が刑務所というどん底に突き落とされてから本物の龍になるまでの姿を描いている。重くハードなストーリー展開はそのままに、これまでの喧嘩アクションに新しくライブコマンドRPGバトルが加わり、これまでのシリーズとは全く異なったRPG作品となっている。
優しさの価格
春日が歩いていると、街で弟の手術費のため募金活動を行っている恵という少女がいた。春日は、恵に募金を行い話しかけた。両親が共働きで忙しいため、一人で募金活動を頑張っているというのだった。そのとき、大学生らしき男女も近くで恵まれない子供たちのために募金活動を行っていて、恵は見ず知らずの子どものために募金している人たちもいるので自分も頑張らなければいけないと意気込んでいた。もっと目立つところでやったほうが良いという春日は、恵を連れて募金が集まりそうな人気のある飲食店の近くまで向かうのだった。弟の手術のために必要であると店長に説明し、店前で活動を行うと先ほどよりも効率よく募金を集めることができた。恵はその日の募金活動を終えて春日が見送っていると、その店の店長が現れ、先ほど恵と同じように募金活動を行っていた男女は遊ぶ金欲しさに募金をしているという噂があるので注意しなければいけないということを話するのであった。
翌日、恵は再びその店で募金を行っていた。声を張り上げ人を集める春日と恵だったが、その一方昨日の募金活動をしていた男女が、恵のせいで募金が集まらなくなったことを目の敵にしていた。焼肉に行けない、バイクのための資金が集まらないと愚痴を耳にした春日は、噂は間違いでなかったと言い、そこに割って入り制裁を加えるのだった。その後、恵の事情を聴いた男女は深く反省し、恵の募金箱へとお金を入れに来くるのだった。その様子を見て本当に必要な人を見極めて、また募金をしようと心の中で誓う春日だった。
あの素晴らしい痛みをもう一度
春日は、女性グループに絡まれているボンテージ姿の女王様を見かける。由美子と言われたその女王様は、客がついていないオバサンがいつまでも働いていたら店の格が下がる、目障りという理由で若いスタッフから引退を迫られていたのだ。自分の仕事に誇りを持っている、お客様のために誠心誠意やっているだけだと言い返す由美子に手を上げようとする女を春日は制止した。興がそがれたスタッフは、そこから立ち去り由美子もまた春日に礼を言って走り去って行くのだった。
その頃、風俗街のSM店を利用していた一人の男が痛くもなければ気持ちよくもないと店の前でため息をもらして帰っていった。通りかかった春日が店長に話を聞くと、先ほどの男は「マゾおじさん」と呼ばれていてこの業界では有名な男らしく、普通のSMプレイでは満足できなくなってしまっているらしい。マゾおじさんの皮膚はコンクリートのように固く、どんなに鞭を打ち付けても痛みを与えることができないと言うのだ。
春日は、公園を歩いていると、木に頭を打ち付けているマゾおじさんに偶然にも遭遇する。マゾおじさんの本名は牧之原聡太と言い、生粋のドMという彼は痛みに喜びを感じていて、SM店を利用し続けて痛みを感じない鋼の肉体を手に入れてしまい、痛みを求め木に頭をぶつけていたというのだ。全く共感できなかった春日は、その場を立ち去ろうとするがマゾおじさんが引き留める。腕っぷしな良さそうな春日に思いっきりぶってほしいとお願いしたのだ。春日は仕方なく了承するが、どれだけ打撃を加えてもマゾおじさんには効かなかった。もう痛みを感じることはない、一人にしてほしいとマゾおじさんはその場にうなだれるのだった。
それからしばらくして、コンビニに立ち寄った春日はバイトとして働いている由美子に再会する。春日と由美子が会話をしているとどこか見覚えのある店長が現れる。名札には牧之原節子と書かれていた。その店長はマゾおじさんの母親だったのだ。母親の説教なら堪えるかもしれないと思った春日は、その店長を公園へと連れていくのだった。母親は給料やボーナスを全て道楽に使って貯金のないマゾおじさんを激しく叱責する。母親が立ち去ったあと、マゾおじさんは春日に心の痛みではなく外的な痛みが欲しかったのだと伝え、改めてそっとしておいてほしいと頼み込んだ。
その後、春日は男たちに絡まれている由美子に遭遇する。男たちはスタッフの女がSMより稼げる仕事を紹介してあげるとして差し向けたものだった。男はナイフで服を切り裂こうと由美子に襲い掛かり、春日の制止は間に合いそうになかった。しかし、寸前で通りかかったマゾおじさんが飛び込んで由美子をかばうことに成功する。何とか男たちを追い払うことに成功した春日は、由美子を助け出すことができた。由美子はマゾおじさんに感謝を伝えたが、マゾおじさんは何の喜びも感じないので死んだって良かったと言う。そんなマゾおじさんの頬を由美子は思いっきりひっぱたいた。続けて命を簡単になくても良かったなんて言わないでほしいと激しく叱責するのだった。叩かれたマゾおじさんは「痛かった......」と小さくつぶやいた。由美子のおかげで久しぶりに痛みを感じることができたのだ。マゾおじさんは、素晴らしい痛みをもう一度与えてほしいと言い、由美子に鞭を手渡した。「......手加減はできませんよ」と言う由美子、マゾおじさんはこれまでにない感動を手に入れるのだった。「愛のある痛みに飢える男と、愛を与えたい女王......あれも立派な、愛情の形ってやつなのかもなぁ」と言い、かつてない経験をするのだった。
色褪せた星
春日は、「オモニの誓い」で酒に溺れ店員にかみついている男性客を目撃する。その男は、昔人気のあった韓流スター「イ・リュウジョン」であるという話を店長から聞かされる。彼はスキャンダルによって変わってしまったようだ。春日は別の店で、他の客に絡んでいるイ・リュウジョンを発見する。店の外で落ち着かせることに成功した春日は、公園へと連れていき話を聞くことにした。
イ・リュウジョンはかつての人気がなくなって落ちぶれてしまったことで自暴自棄になっていた。イ・リュウジョンは俳優として活躍していたころ、大物プロデューサーから映画の主演を与える見返りに、献身的にサポートしてくれていた女性マネージャーの枕営業を提案されてしまう。イ・リュウジョンは何度もそれを断り、挙句の果てにそのプロデューサーを殴ってしまいその俳優の世界から転落したのだった。正義を貫くも、ファンを失望させてしまったことは間違いなく自分の責任であるというイ・リュウジョンに対し、春日はいくらでも吐き出していいと優しく声をかけるのだった。落ち込むイ・リュウジョンだったが、そこに「あの......あなたもしかしてリュウ様.......」と初老の女性が話しかける。その女性は、イ・リュウジョンの横顔が、彼の代表作「そなたと私の冬」のワンシーンにそっくりで話しかけたというのだ。さらに女性はその作品のパンフレットを取り出し、聖地巡礼中に今は他界してしまった旦那と結婚したのだという思い出を反芻させた。イ・リュウジョンは人気俳優として一人のファンに夢や希望を与えていた、少なからず自分の復帰を待っている人がいてくれていたのだ。イ・リュウジョンは、もう一度役者として舞台に立ちたいと思い前向きになるのだった。
春日は、別の場所で都築という男と会話しているイ・リュウジョンを目撃する。バーで暴れているところを芸能記者である都築に撮られていて、5,000万円でデータを引き渡すと脅されていたのだ。春日はイ・リュウジョンに脅しに屈して払う必要はないと、そのチンピラまがいの都築に制裁を加えるのだった。出演料で揉めて干された三流役者がと罵る都築に対し、春日はイ・リュウジョンが業界から消えた真実を伝える。出演料で揉めたのではなく女性マネージャーを守るために消えたという話に都築は驚くもイ・リュウジョンの目を見て納得し、深く反省してその場でデータを消すのだった。イ・リュウジョンもこれまでの行いを反省して、一人でも多くの人に感動を与える役者になることを決意した。都築は最後に「イ・リュウジョン電撃復活!長い沈黙を破り、決意のリスタートを宣言!」と言って、イ・リュウジョンを後押しする一枚を写真に収めるのであった。
君を忘れない
春日は、街で少女に声をかけられる。少女は遠野楓と名乗り春日のことを知っているようだった。しかし春日はその少女を覚えていなかった。楓は神室町で不良たちに襲われそうになっているところを助けてもらったお礼がしたくて春日に会いに来たというのだ。それでも心当たりがなかった春日だったが、お礼を言うためだけに会おうとしていてくれた楓に感動し、彼女と一日デートをすることを決めるのだった。
ゲームセンターでUFOキャッチャーやプリクラを撮って楽しいひと時を過ごした後は、ご飯を食べるために喫茶ポケットへと向かった。春日はそこでも楓と談笑して盛り上がるのだったが、そこでは水が春日の分だけしか用意されていない、楓の注文したオレンジジュースは飲まれていないなど不思議な現象が起こっていた。
春日はその後、金に困っているチンピラに絡まれてしまう。「危ないから下がってな」という春日の姿を見た楓は、かつて神室町で同じように助けてくれた姿がフラッシュバックするのだった。チンピラを蹴散らし、春日は楓の無事を確認した。「あの頃と同じ......やっぱり春日さんは私のヒーローです」と言い、楓は想いをさらに募らせるのだった。
空は夕焼け、デートも終わりに差し掛かり、楓は最後に行きたいところがあると春日に伝えた。夜、二人は横浜の夜景を眺めていた。時間がたってもこうやって会えるなんて偶然があるんだなという春日に、病室からずっと春日の姿を見ていたという楓。ベッドの上で代わり映えのしない闘病生活を送っていた楓にとって春日の存在は心の支えになっていたのだ。楓は「ずっと好きだったんですから」とその想いを告白した。驚き慌てる春日に、楓は続けて「私の分も、これからずっとずっと、長生きしてくださいね」と意味深な言葉を伝えるのだった。すると、通りかかった警察官に一人で何を騒いでいるんだと注意される。春日は警察官に平謝りしながら一人ではないと振り返ると、もうそこには楓の姿はなかった。そこで何かを察した春日は、楓と一緒に撮ったプリクラを見ると、そこには春日しか映っていなかった。春日は、「フッ......またいつか、会えるよな」と言い、一人夜景を眺め続けるのだった。
『龍が如く 最新作』助演女優オーディション
本作の発表に先駆け、「『龍が如く 最新作』助演女優オーディション」が行われた。このオーディションのグランプリを獲得した鎌滝えり、そして特別賞を受賞した宮越愛恵、里々佳、沢すみれ、柳いろはの5名が本作に出演した。
『龍が如く7 光と闇の行方』の主題歌・挿入歌
主題歌:湘南乃風&中田ヤスタカ『一番歌』
作詞:湘南乃風
作曲・編曲:中田ヤスタカ
2020年1月9日にデジタル・リリースされた中田ヤスタカ作曲による湘南乃風の主題歌。「龍が如くシリーズ」の名越監督からオファーを受けて実現、PVではモデリングされたメンバーが龍の如く7の世界で一番歌を歌いあげている。
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目次 - Contents
- 『龍が如く7 光と闇の行方』の概要
- 『龍が如く7 光と闇の行方』のあらすじ・ストーリー
- 第一章「光と影」
- 第二章「血の再会」
- 第三章「どん底の街」
- 第四章「横浜の龍」
- 第五章「流氓の民」
- 第六章「戦禍の銃爪」
- 第七章「蜘蛛の巣」
- 第八章「漂泊の裏側」
- 第九章「砂上の楼閣」
- 第十章「恩威並行を忘れず」
- 第十一章「喧嘩の勝算」
- 第十二章「極道の終焉」
- 第十三章「コインロッカーベイビー」
- 第十四章「伝承」
- 第十五章「成り上がりの果て」
- 『龍が如く7 光と闇の行方』のゲームシステム
- ライブコマンドRPGバトル
- デリバリーヘルプ
- ハローワーク
- 地下ダンジョン
- バトルアリーナ
- 浪漫製作所
- 新要素満載の「プレイスポット」
- ドラゴンカート
- サバイバル缶拾い
- 名画座
- 大海原資格学校
- 会社経営モード 「一番製菓」
- スジモン図鑑
- バイトクエスト
- 人間力
- 絆レベル
- 植物栽培
- パーティチャット
- 宴会トーク
- 金庫
- 東城会代紋集め
- 『龍が如く7 光と闇の行方』の登場人物・キャラクター
- メインキャラクター
- 春日一番(かすが いちばん)
- 足立宏一(あだち こういち)
- ナンバ
- 向田紗栄子(むこうだ さえこ)
- ハン・ジュンギ
- 趙天祐(ちょう てんゆう)
- 荒川組
- 荒川真澄(あらかわ ますみ)
- 荒川真斗(あらかわ まさと)
- 沢城丈(さわしろ じょう)
- 安村光雄(やすむら みつお)
- 横浜星龍会(よこはませいりゅうかい)
- 星野龍平(ほしの りゅうへい)
- 高部守(たかべ まもる)
- 龍戸睦会
- 戸塚 大和(とつか やまと)
- コミジュル
- ソンヒ
- 申
- 横浜流氓(ハンピンリュウマン)
- 馬淵昌(まぶち あきら)
- 鄭(てい)
- 横濱貿易公司(はんぴんぼうえきこうし)
- 厳(げん)
- 乙姫ランド
- 野々宮(ののみや)
- 向田 菜乃葉(むこうだ なのは)
- 伊勢佐木異人町(いせざきいじんちょう)
- 浜子(はまこ)
- 村長(そんちょう)
- サバイバーのマスター
- 向田 達郎(むこうだ たつろう)
- 久住 隆史(くすみ たかし)
- 桂川(かつらがわ)
- 双葉(ふたば)/水恵(みずえ)
- ドクター森笠(どくたーもりがさ)
- 広尾(ひろお)
- 猪狩(いかり)
- 宝生(ほうしょう)
- 神部 秀一(かんべ しゅういち)
- 鎌滝 トメ(かまたき とめ)
- 政界
- 青木遼(あおき りょう)
- 荻久保 豊(おぎくぼ ゆたか)
- ブリーチジャパン
- 小笠原肇(おがさわら はじめ)
- 久米颯太(くめ そうた)
- 警視庁
- 堀ノ内 十郎(ほりのうち じゅうろう)
- サポートキャラクター
- 鎌滝えり(かまたき えり)
- 柳いろは(やなぎ いろは)
- 沢すみれ(さわ すみれ)
- 宮越愛恵(みやこし まなえ)
- 里々佳(りりか)
- 『龍が如く7 光と闇の行方』のアイテム
- 回復アイテム
- 状態アイテム
- 戦闘アイテム
- 成長アイテム
- 素材アイテム
- その他アイテム
- 『龍が如く7 光と闇の行方』の用語
- 伊勢佐木異人町(いせざきいじんちょう)
- 異人三(いじんさん)
- 神室町3K計画(かむろちょうさんけーけいかく)
- ブリーチジャパン
- 『龍が如く7 光と闇の行方』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 伊勢佐木異人町で発生するサブストーリー
- プレゼントを君に
- Baby Don't Cry
- 柿の実が揺れる頃に
- 横浜一難しい恋
- 罪と罰
- 優しさの価格
- あの素晴らしい痛みをもう一度
- 色褪せた星
- 君を忘れない
- 『龍が如く 最新作』助演女優オーディション
- 『龍が如く7 光と闇の行方』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:湘南乃風&中田ヤスタカ『一番歌』