エンリコ・プッチ(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ

エンリコ・プッチとは、『ジョジョの奇妙な冒険』Part6 『ストーン・オーシャン』の登場人物で、作中の黒幕である。グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所で教誨師を務めるプッチは、かつて親友のDIOから聞いた「天国へ行く方法」を知る為に空条徐倫に無実の罪を着せて彼女の父でDIOの仇である承太郎の記憶を奪った。他者を利用し、邪魔者は徹底的に排除するなど、聖職者でありながらプッチの正義感は歪んでいる。その思想の背景には、自身の哀しい過去があった。

CV:大川徹(ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』 / 『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』)

37歳。グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の男囚。初登場時は記憶がなかった。ウェザー・リポートという名前は仮のもので、自身のスタンドも同じ名前である。スタンドの「ウェザー・リポート」は天候を操る能力を持ち、オゾン層への干渉で太陽光の屈折率を変えることで生まれるサブリミナル映像「悪魔の虹」に触れたものをカタツムリに変える能力「ヘビー・ウェザー」もある。
プッチ神父ことエンリコの双子の弟ドメニコ・プッチとして生まれたが、赤ん坊の頃ブルーマリン夫人の死んだ息子とすり替えられ、以降ブルーマリン夫人の息子ウェス・ブルーマリンとして生きていた。16歳の時、自身の妹と知らずペルラ・プッチと恋に落ちたのが元で、ウェスとペルラ、そしてエンリコの悲劇が始まる。ブルーマリン夫人の懺悔でウェスの正体が自身の弟だと知っていた若き日のエンリコは、何でも屋を自称する私立探偵を雇い、二人を別れさせようとした。
ところが、探偵はKKKに通ずる差別主義者であり、ブルーマリン夫人に黒人との結婚歴があることを知り、ウェスに黒人の血が流れていると早合点した。ウェスは探偵とその仲間にリンチされ、木に吊るされた。ペルラはウェスが死んだと思い込み、自殺する。探偵によりウェスの家に火が放たれブルーマリン夫人は焼き殺された。
恋人と母の死を知ったウェスは絶望からスタンド能力「ウェザー・リポート」が目覚め、能力が暴走して町を襲う。プッチによって記憶を抜かれ、殺人未遂罪でG.D.st刑務所に収監された。
登場時は沈着冷静で優れた洞察力と判断力を持ち、徐倫にとっては兄貴分的な存在であった。記憶を取り戻してからは性格が狂暴になる(20年前の悲劇が原因である)。
プッチに星型の痣が現れた際、連動してウェザーの背中にも星型の痣が現れ、ジョースターの血統の者同士と同じくプッチの存在を感知できるようになる。プッチが刑務所を去った後、徐倫たちを追う形で脱獄をする。
DIOの息子の一人、ヴェルサスがプッチから盗んだディスクで記憶を取り戻し、ヘビー・ウェザーを発動させてしまう。自身の運命に決着をつけるため、死を覚悟してアナスイと共にプッチと戦い、勝利寸前まで追い詰めるが、徐倫とヴェルサスが突発的に乱入して状況が変わった隙を突かれてプッチに殺された。死の間際プッチの能力を利用し、自らのスタンドをDISC化して徐倫たちに託す。
スタンド「ウェザー・リポート」のDISCは終盤エンポリオの頭に押し込まれ、最終的にプッチを倒すカギとなった。

ナルシソ・アナスイ

CV:中村悠一(ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』 / 『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』)

ウェザーとエンポリオの秘密の部屋に滞在する男囚。初めは美少女のような姿だったが、再登場時男性と判明する。子供の頃から分解癖があり、10歳の時にはポルシェを細かく分解して病院に入れられたことがある。学生時代には、恋人と浮気相手を分解し、殺人罪で収監された。精神鑑定では正常と診断された為、G.D.st刑務所にて服役している。
初期はウェザーが押さえつけていなくてはならないほどに危険な人物で、エンポリオからも「他人の為に何かをする性格ではない」と評された。しかし徐倫に恋したことで協力者となり、次第にお調子者へと変貌していった。
スタンドは、物体の内部に潜り込む能力を持つダイバー・ダウン。中から物体の構造を組み替えたり、別のものを埋め込んだりできる。生物や人間にこれを行うと、肋骨を変形させて人間を生きたまま罠にするなど、グロテスクなことになる。物体を殴ることでそこにパワーを溜め、時間差で遠隔トラップとして解放することもできる。接触する仲間のダメージを肩代わりすることもでき、終盤では「自分が皆のダメージを受け入れるから、その隙に反撃をしてほしい」と承太郎に申し出た。徐倫との結婚を承太郎に申し込んでいたアナスイだが、承太郎には拒絶された。しかし、ダメージを引き受けると言ったアナスイの覚悟を見た徐倫は「いいわアナスイ…申し込んで」と彼がプロポーズすることを許した。
「メイド・イン・ヘヴン」を覚醒したプッチ神父の攻撃により、徐倫の腕で胸を貫かれて絶命した。

一巡した世界では、アナキスという名前になり、徐倫の生まれ変わりと思しきアイリンと恋人関係であった。通りすがりのヒッチハイカーには冷たい態度をとっていたが、アイリンのことは大事に思っていることが伺える。

エンポリオ・アルニーニョ

CV:北西純子(ゲーム『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』 / 『ジョジョの奇妙な冒険 アイズオブヘブン』)

グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所の女囚から生まれ、ずっと刑務所に隠れ住んでいる少年。刑務所の本を読み漁った為、非常に博識である。徐倫たちと共に脱獄し、プッチ神父を止める為に戦う。
幽霊となった物を操るスタンド「バーニング・ダウン・ザ・ハウス」を持つ。銃の幽霊は殺傷能力を持たず、食べ物の幽霊は味がするだけとほとんど見掛け倒しで「生前」と同じ性能は期待できないが、部屋の幽霊をポケットにしまう、必要な時に使うなど現実では考えられない用途がある。エンポリオの母も似た能力を持っており、息子の出産、養育に使っていた。
最終決戦の際、「あんたは希望」と言われ徐倫に逃がされる。時が加速する中、一巡りした宇宙に到達し、プッチと対峙する。時の加速が止められたのは、プッチを知る者がいると天国への到達ができなくなる為であった。
初めは劣勢だったが、託されていたウェザー・リポートのスタンド能力のDISCが偶然ホワイトスネイクによって頭部に押し込まれた。発現したウェザー・リポートは生物にとって有毒な純酸素を部屋に集め、プッチを行動不能にする。ウェザー・リポートに頭を潰されるプッチに、エンポリオは「正義の道を歩むことこそ運命なんだ」と言う。
その後、一巡りした世界で徐倫、アナスイ、エルメェスに似た人物と出会う。自分を覚えていない(というか知らない)彼らに、涙ながらに「僕の名前はエンポリオです」と口にしたところで、Part6は幕を閉じた。

ペルラ・プッチ

ウェザーの妹で、ウェス・ブルーマリンと恋に落ちた。
ウェスの正体はプッチ神父の双子の弟であり、ペルラは何も知らずに実の兄との恋という禁忌に触れてしまっていた。若き日のプッチは、二人を別れさせようと探偵を雇う。ところが、調査の結果ウェスが黒人の血筋だという結論に至った人種差別主義者の探偵はウェザーを暴行して木から吊るした。ウェザーが死んだと思い込んだペルラは自殺し、後のプッチ神父の思想に影響を与えることとなる。

緑色の赤ん坊

G.D.st刑務所の厳正懲罰隔離房の囚人たちを植物化させ、その命を糧とし、DIOの骨から生まれた存在。DIOの骨ではあるが、その肉体はジョナサン・ジョースターの物であり、緑色の赤ん坊もまたジョースター家の血統に現れる星型の痣を持つ。
自分を追ってくるアナスイと徐倫には攻撃をするが、徐倫に対しては興味を示し、懐いているような描写もある。最終的にプッチに連れ去られ、彼の発した14の言葉に反応し、プッチと合体した。プッチが「ホワイトスネイクも、緑色の赤ん坊ももういない」と言ったことから、緑色の赤ん坊の存在は消滅したものと思われる。

スタンドは「グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム」。本体(緑色の赤ん坊)との距離に比例して対象の体が縮み、永久に本体に近づけない。本体から離れれば元の大きさに戻る。このスタンドに捕まえられたものは、その部分が萎んでいく。「本体から離れたものは大きくなる」という性質もあり、小石が岩に変わる描写も存在する。
本体が興味を示したものに対しては、能力が解除される。

DIO(ディオ)

CV:子安武人(テレビアニメ版)

Part1、Part3におけるラスボス。元の名はディオ・ブランドー。Part1で吸血鬼となり、以降直接、あるいは間接的にジョースター一族に関わってきた因縁の人物である。DIO自身の肉体はPart1の時点で失われており、首から下はPart1の主人公であるジョナサンから奪ったものである。その為、DIOは首筋にジョースターの血統の証である星型の痣を持つ。
ジョナサンの肉体を奪った状態で棺桶に入り、海底に沈んでいたが、Part3の時点で引き上げられて地上に復活した。その後はエジプトを拠点にスタンド能力を引き出す矢を使ってスタンド使いを増やし、自身のカリスマや肉の芽(DIOの細胞)を部下に植え付けることで操っていた。実験として多くの女性との間に子供を設けており、Part6では3人の息子が登場している。Part5の主人公、ジョルノ・ジョバァーナもDIOの息子だが、人を信じる心を教えてくれたギャングとの出会いにより正義の道を歩んでいった。

Part6の時点では故人であり、回想に登場するのみである。吸血鬼であるため日光に当たれず、神学生時代のプッチが手伝いをしていた教会に隠れていたところをプッチに見つかり、「太陽アレルギー」と言った自分の嘘を否定せずに匿ってくれたプッチに感謝する。また、彼を長年求めていた友人だと認め、スタンドを引き出す鏃を与え、生まれつき変形していた足の指を治した。
それまでは邪悪の帝王と呼ばれ、自分以外を駒としか思わない冷酷にして尊大な人物として描かれていたが、プッチには対等な友人として穏やかに接していた。スタンドに対しては「適材適所で力を発揮し、強弱で測るものではない」など独自の見解を持つ。

スタンドは、「ザ・ワールド」。破壊力、スピード共に凄まじく、時を止める能力を持つ。始めは一秒程度しか止められなかったが、戦闘やPart2の主人公であるジョセフの血を吸って体が馴染んだことで、止めていられる時間が長くなり、Part3の主人公である承太郎との最終決戦時には最大で9秒ほど時を止めることに成功した。同じく時を止める能力を得た承太郎により体を砕かれ、太陽の光で砕け散り消滅した。

エンリコ・プッチの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「落ち着くんだ…素数を数えて落ち着くんだ…」

徐倫がスピードワゴン財団に承太郎のDISCを届けるのを食い止めようとしたプッチだが、ウェザー・リポートの能力でヤドクガエルを降らされ、身動きが取れなくなってしまう。プッチは「素数を数えて落ち着くんだ…」と自分に言い行かせ、素数を数え出す。素数とは、1とその数でしか割り切ることのできない数字で、プッチは他の数字を必要としないかのような素数を「孤独な数字」と呼んでいる。孤独な数字から勇気を与えられるという奇妙な癖は、プッチの独善的な正義感の一端かもしれない。

「『天国』だよ。人は『天国』へ行くためにその人生を過ごすべきなのだ」

教誨師としてG.D.st刑務所の囚人と対話することもあるプッチは、女囚のミラションに人と動物の違いとして「天国へ行きたいと思うことだ」と述べ、「『天国』だよ。『天国』へ行くためにその人生を過ごすべきなのだ」と続ける。「天国へ行こうと努力する人間は素晴らしい」という言葉は彼の本心だが、その本質は一般的に考えられるものとはかけ離れていた。尚、ミラションにはスタンド能力を与えて徐倫たちを襲わせている。

「ペルラに罪はない…。ペルラは、恋をしただけなんだ」

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ロッコバロッコ(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ

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ロッコバロッコとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』の登場人物であり、主人公・空条徐倫が収監された「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」の所長。囚人たちの前で話すときは必ず腹話術人形の「シャーロット」を片手にはめて登場し、ひとり二役を演じながら話す。囚人たちに向けて話すときは学校の先生が子供たちに向けて話すような口調だが、気に入らないことがあるとシャーロットを使ってキレる。

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ジョンガリ・A(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ

ジョンガリ・A(ストーンオーシャン)の徹底解説・考察まとめ

ジョンガリ・Aとは、漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第6部『ストーンオーシャン』の登場人物で、スタンド「マンハッタン・トランスファー」の使い手。元軍人で凄腕のスナイパーだが、白内障を患ってほぼ失明している。主人公・空条徐倫の父・承太郎と直接の面識はなかったが、DIOを信奉する部下であり、復讐のために徐倫に濡れ衣を着せて「州立グリーン・ドルフィン・ストリート重警備刑務所」に収監させる。徐倫を脱獄させるために面会に来た承太郎と徐倫を殺害し、復讐を遂げようと画策する。

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【ジョジョの奇妙な冒険】ディオ・ブランドーのカリスマ的魅力と彼の人生を徹底解説【DIO】

【ジョジョの奇妙な冒険】ディオ・ブランドーのカリスマ的魅力と彼の人生を徹底解説【DIO】

「ジョジョの奇妙な冒険」に登場し、初代・ジョジョとの死闘を繰り広げ、血の因縁を作り上げた巨悪、ディオ・ブランドー。底なしの野心のため、人間を辞めて怪物へと変貌した彼の奇妙な人生と「悪のカリスマ」として多くの人々を突き動かした、彼が持つ独特の魅力について、解説する。

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【ジョジョの奇妙な冒険】漫画家・岸辺露伴の魅力と奇妙な人生を徹底解説

【ジョジョの奇妙な冒険】漫画家・岸辺露伴の魅力と奇妙な人生を徹底解説

『ジョジョの奇妙な冒険 第4部 ダイヤモンドは砕けない』に登場する漫画家・岸辺露伴。舞台となる杜王町に集う「スタンド使い」の一人として一度は主人公達に立ちはだかるも、やがて仲間の一人として町で起こる事件へと挑んでいく。数々のスピンオフ作品でも描かれる、彼の「奇妙な冒険」について、解説する。

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空条承太郎(ジョジョの奇妙な冒険)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

空条承太郎(ジョジョの奇妙な冒険)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

空条承太郎(くうじょう じょうたろう)とは、荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』Part3『スターダストクルセイダース』の主人公であり、時間を止めるスタンド「スタープラチナ」の使い手である。感情は表に出さないためクールに見えるが、仲間思いであり正義感あふれる人物。第3部で宿敵DIOを倒した後も、第6部まで再登場しており、頼れる味方キャラクターとして圧倒的な存在感を持つ。そんな承太郎のセリフには、読者の胸を熱くするような名言が多数登場している。

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岸辺露伴(ジョジョの奇妙な冒険)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

岸辺露伴(ジョジョの奇妙な冒険)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

岸辺露伴(きしべ ろはん)とは、『ジョジョの奇妙な冒険』Part4『ダイヤモンドは砕けない』、及びスピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』シリーズなどに登場するスタンド使いである。人気天才漫画家で性格は自己中心的。しかし漫画に対する姿勢は真摯で、自分が認めた人物への敬意もある。強い癖があるが独特の魅力を持ったキャラクターであり、多くの読者に親しまれている。そんな露伴のセリフは、彼のこだわりや信条を表したものが多いことから、読者の心にも強く響くものとなっている。

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ジョジョの奇妙な冒険シリーズのモデル・元ネタ・由来まとめ

ジョジョの奇妙な冒険シリーズのモデル・元ネタ・由来まとめ

“ジョジョ”の名を冠する勇者たちの戦いを描いた『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズには、膨大な数のキャラクターが登場し、その中には現実の人物やグループがモデルとなっているものも少なくない。 伝説的殺人鬼のジャック・ザ・リパー。ゾンビ騎士ブラフォードとタルカス。波紋の戦士リサリサ。ナチスドイツのサイボーグ戦士シュトロハイム。恐るべき柱の男たちに、4部以降の数々のスタンドたち。ここでは、『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するキャラクターのモデルとなった人物やグループを紹介する。

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