テイルズ オブ エクシリア（Tales of Xillia）のネタバレ解説・考察まとめ

逃亡中に橋が崩壊して落下。気を失っている間ジュードは心の中で（※93）、ミュゼに「ミラとこれまで一緒にいた時間はムダ。（ミラへの）その思いも終わる」と告げられるが、レイアに「ミラにもらった命でしょ大切にしなきゃ」と言われ、「ミラにもらった命」でジュードは心の迷いを完全に断ち切る。ジュードとの戦い（※94）に敗北したアルヴィンは「さっさと殺してくれ」と言いジュードに殺されることを望むが、ジュードに「ミラにもらった命なのに簡単に死ぬなんて言うなよ」と論され、アルヴィンはこれ以上何もせずジュードの前から姿を消していった。

※93.ミュゼ本人に言われたのではなく、自身の意識の中のミュゼに言われた。
※94.ジュードがレイアに御礼を言った直後、レイアがアルヴィンに撃たれて倒れ込む。ジュードはレイアを撃ったアルヴィンに激昂して戦いに至った。

ジュードは目覚めたレイアに本物のマクスウェルを探しに行くことを伝える。以前ミュゼとの会話の中で「ミラは断界殻を守るためのエサ」と言っていたことから、誰か別の存在がミラを自分の身代わりに使ったと推測。その存在こそが本物のマクスウェルだと確信したジュードは、ミラを身代わりとして誕生させた真意を問うため本物のマクスウェルに会うことを決意した。エリーゼ、ローエンと合流し、本物のマクスウェルの手がかりを求め、ガイアスが現在いるイル・ファンへと向かった（※95）。

※95.当初は、今の実力ではまだミュゼに太刀打ちできないから、何か手かがりを求めて「マクスウェルの巫女」であるイバルを探そうとした。しかし、「ガイアスがイル・ファンで大規模な動きをみせている。そのせいでミュゼに何度も襲われて退けている」とローエンから聞き、本物のマクスウェルの居場所を知っているミュゼに会うためガイアスの元へと行くことになった。

ガイアスは海底に沈んだクルスニクの槍を引き揚げ、断界殻を破ってエレンピオスに侵攻し、リーゼ・マクシアを脅かす異界炉計画を根絶しようとしていた。リーゼ・マクシアだけではなくエレンピオス側も救う方法を考えていたジュードは、断界殻をなくして両方の世界を助けたいとガイアスに打ち明ける。その後、一同を乗せた船をミュゼが強襲する。返り討ちにされたミュゼは、マクスウェルに裁きを下してもらうため交信するも全く繋がらないことに動揺して飛び去ってしまう。ジュードらは、ガイアスとの会話で出てきた「精霊界」への手がかりを求めて精霊の里ニ・アケリアへと向かった。

●精霊界
人間が暮らす世界とは別次元に存在する精霊たちが暮らす世界。

ニ・アケリアで、ウィンガルに「好きにしていい」と言われて勝負を挑んできたイバルと決着（※96）をつけた一行。精霊界への入口があるニ・アケリア霊山の山頂へと向かう。山頂では、アグリアとプレザ、プレザと行動を共にしていたアルヴィンと対峙（※97）。戦いに敗れたアグリアとプレザは突如発生した土砂崩れに巻き込まれて死亡する。ジュードはアルヴィンのことをまだ許していなかったが、拠り所を全てなくして孤独となったアルヴィンに気遣いで再び仲間として迎い入れた。一行は精霊界に繋がる時空の裂け目の中へと突き進むのだった。

※96.「ミラから特別な存在として想われていた」と思い込んで嫉妬し、ミラを死なせたジュードに激しい憎悪を抱いていたイバルだったが、ジュードは「特別な存在ではない。自分が特別な存在だったらミラを助けられたかもしれない」と謝罪。哀愁漂うジュードの表情を見てイバルは霊山の場所を教え、ジュードたちの前から姿を消した。
※97.ウィンガルはガイアスに認められつつあったジュードのことをいずれ陛下の驚異になると危惧しており、街中で兵士をけしかけたり、ニ・アケリアでイバル、霊山でアグリアとプレザを待ち構えさせるなどした。

魂の洗浄で新たに生まれ変わるはずだったミラの魂は四大精霊によって救出される。ところが計画通りにはいかず記憶の大半を失った状態で復活したため（※98）、ミラの記憶を取り戻すきっかけになればとニ・アケリアへと連れて行く。道中でミュゼと遭遇。ミュゼは不正に生まれ変わった人物がミラだと気づいて探し回っていた（※99）。四大は「ミラの記憶は完璧に失っており、どこかに消えていった」と嘘を言ってやり過ごす。しかし、断界殻を知りすぎた四大精霊も魂を洗浄して人格や記憶をまっさら（消去）にすべきと忠告されてしまう（※100）。

※98.この作品の世界では「精霊が死んだら人間」「人間が死んだら精霊」へと転生する。元々ミラは普通の人間であり、次は精霊として生まれ変わる予定だった。つまりミラは精霊への転生が完了して記憶を浄化している最中に四大精霊によって救い出され、殆どの記憶を失った状態で精霊として復活を遂げてしまった。
※99.シルフがミュゼが近づいてきたことを察知し、ミュゼに見つからないようノームの力でミラを地面の中に隠した。
※100.断界殻は精霊の高位である四大精霊すらも詳しくは知っていけない極秘情報だったので、断界殻に関する情報を消去するため四大精霊も魂の洗浄の対象となった。

●魂の洗浄（たましいのせんじょう）
魂を洗浄してまっさらにし、新たに生まれ変わらせる場所。魂の河に存在する。

四大精霊は洗浄されるためミラに別れを告げて立ち去ろうとするが、ミラは四大精霊の後をついて来てしまう。ミラは僅かに残った意識の中、自身の正体が明らか（※101）になることでジュードが離れてしまうことを恐れ、ジュードが憧れを抱いてくれるままの私でありたいと切に願っていた。記憶や人格を失われようと変わらない（※102）、ミラはミラだと感じ取った四大精霊は、これまで共に過ごしてきた大切な家族のような存在でもあるミラと一緒にニ・アケリアのミラの社へと向かう。

※101.ミラはジルニトラの決戦前の段階で、マクスウェルではないと薄々気づき始めていた。ミュゼもミラが「断界殻を守るため死んではいけない」と「危険を冒して前線で戦う」という矛盾に悩んでいることに気づいており、ジュード編のジュードとミュゼとの会話では（自暴自棄になってたときの意識の中）、悩んでいたミラをあざ笑っていた。
※102.以前の記憶や人格を失っているのに、無意識でモンスターに襲われている人間の親子を救おうとするなど、精霊と人間を守るという使命を全うしようとしていた。

ミラの社で待ち構えていたミュゼは、ミラをこの場に連れてきたことに驚きつつもミラに「あなた、本当にこの者たち（四大）を信用できる？」と質問を投げかける。そして、「マクスウェル様がアルクノアを誘い出すために用意したエサだった」とミラの正体について話し始め、「マクスウェルとして貫こうとしていた使命（※103）はウソだったの」と教えた。主であるマクスウェルの命令でミラを本物のマクスウェルに仕立て上げて騙していたことを認めた四大精霊（※104）。しかし、その共に過ごした時間があったからこそ、主であるマクスウェルに欺いてまで魂の洗浄中に助けたのだとミラに伝え、ミュゼに「ミラとまた一緒にいたい」と改めて生まれ変わることを断った。

※103.リーゼ・マクシアを脅かすアルクノアや黒匣を排除し、人々や精霊を守ること。
※104.ミラは、20年前にマクスウェルの元素の力で生み出されたごく普通の人間。四大精霊がマクスウェルとして育てて教育をした。しかし、ミラの教育に専念していたことで人間界に関与できず、四大の不在が人間界では大きな問題となった（霊勢への影響など）。

四大に生まれ変わることを断られたことで怒り狂って襲いかかってきたミュゼ（バトル）。四大精霊は改めてミラのことが大事だと伝えるが、ミュゼは「一度消された記憶が戻るなんて、ありえない。ミラにはなれない」と言い、マクスウェルの分体に「記憶が二度と戻らない」ことを確認する。しかし、分体から人格と記憶を呼び戻す奇跡の術「魂の光」の存在を聞かされ、自分すらも知らなかった情報にミュゼは「なぜ教えてくれなかったのですか」とマクスウェルに交信するも未だ応じてもらえないことに動揺して立ち去ってしまう。四大精霊はマクスウェルの分体から魂の光を受け取り（※105）、ミラに与えたのだった（※106）。

※105.マクスウェルの分体が魂の光に関する情報を教えたり渡したりしたのは単純な命令しか与えられていなかったから。主に魂の洗浄を行うことが仕事であり、「魂の光を求めるものを排除せよ」と命令されていなかったため、マクスウェルの分体でありながら協力的だった。
※106.ニ・アケリア霊山の山頂で魂の光を振るうことで人格と記憶を取り戻せる。この魂の光を与えた直後、四大精霊はマクスウェルに呼び戻されてしまう。

●マクスウェルの分体
魂の洗浄を行うためだけの意識体。命令どおりしか対応できず、本人と意思の疎通もできない。 ちなみに「分体」とは、細胞が分裂して細胞と同大の二個体に分かれること。分裂ともいう（一部辞書から引用）。
●魂の光
かつて魂が持っていた記憶の情報。本人に戻すことで人格と記憶を取り戻すことができる。

世精ノ途で身を潜めていたマクスウェルに、ミラのおかげで気づくことができた自分が本当にやりたいこと「断界殻をなくしてエレンピオスも救いたい」と思いを伝えたジュード。しかし、マクスウェルはジュードの願いを拒否する。ミラに使命を放棄させて死なせただけでなく、断界殻をなくしてリーゼ・マクシアを滅ぼそうとしたとして、ミラを狂わした元凶であるジュードたちに襲いかかる（※107）。マクスウェルの圧倒的な力を前に為す術なく敗れたジュードたち。ボロボロになりながらも「なぜミラを身代わりとして誕生させたのか？」について尋ねる。マクスウェルから「アルクノアを誘い出すための囮（※108）としてミラを生み出した」と聞かされ、ミラの運命を弄んだマクスウェルへの怒りでジュードは再び立ち向かうのだった。

※107.なぜミラが自ら死を選んだのか？マクスウェルは、その意図を読めずにいた。しかし、ミラのことを話し、断界殻を解こうとしているジュードを見て「全てお前たちのせいだったのだな」と確信し、世界を滅ぼそうとした破滅者とジュードたちを認識して襲いかかった。
※108.アルクノアはマクスウェルが死ぬことで断界殻が消えることを知っている。そこでマクスウェルは、偽のマクスウェルの命をエサに潜んだ獲物「アルクノア」を釣り上げることを思いつく。そのエサこそが「ミラ」であり、その命を獲物にさらして立ち回る存在として生み出した。そして、己がマクスウェルだと信じ込むよう育てさせたことをマクスウェルから聞かされた。

●世精ノ途（ウルスカーラ）
マクスウェルが作った人間界と精霊界を繋ぐ特殊な空間。アルクノアから身を護るため隠れ蓑として利用していた。

何度倒しても立ち向かってくるジュードに理解に苦しむマクスウェル。そして、ついにジュードの拳がマクスウェルの頬を捉えたその時、記憶を取り戻して完全復活を果たしたミラが駆けつける（※109）。ジュードたちとの戦いに敗れたマクスウェルは人間の可能性を信じ、断界殻を解くことを約束する。ジュードは「リーゼ・マクシアのマナがエレンピオスに行き渡っている間に、二つの世界が一緒に生きられる方法を必ず見つける」とマクスウェルに誓うのだった。

※109.ジュード編ではジュードがマクスウェルを殴り飛ばした直後に突然姿を現している。ミラ編では、ミラの意識の中、本来のミラが精霊のミラに「なぜ抗ってまで死を選んだ。君は誰だ」と呼びかけ、マクスウェルと戦うジュードの姿を見て本当の自分を取り戻した。

マクスウェルに誓った一同の前にガイアスとミュゼが姿を現す（※110）。ガイアスは断界殻を解く決断をしたマクスウェルに神の座の受け渡しを要求し、ミュゼがクルスニクの槍（※111）でマクスウェルの動きを封じる。ミュゼの体内から取り出した時空を斬り裂く剣を手にしたガイアスは、目的である「異界炉計画の根絶」に邪魔なジュードたちをリーゼ・マクシアへと送り返そうとする。マクスウェルは、「この者にマクスウェルの名を受け継がせてはいけない」とジュードたちに伝え、別の空間を開いて世精ノ途から逃した。

※110.自身の判断で物事を決めることができなかったミュゼは敬愛するマクスウェルと連絡が取れないことで酷く動揺していた。そんな心の弱いミュゼを見て、ガイアスはミュゼを新たに導くため契約を交わした。
※111.クルスニクの槍はミュゼの空間を操る精霊術で運び込んだ。

マクスウェルの力でエレンピオスへと飛ばされて気を失っていたジュードたちは、アルヴィンの従兄バランに助けられる（※112）。ジュードはエレンピオスの人々と触れ合い、改めてエレンピオスを救う方法を見つけるまで戻らないことを決意（※113）。皆にもこれからの行動を自分自身で慎重に決めて欲しいと伝えた（※114）。その後、源霊匣の研究が行われているヘリオボーグ基地をガイアスとミュゼが襲撃する（※115※116）。基地では停電が発生し、源霊匣で呼び出された雷の大精霊ヴォルトが暴走していた（※117）。ヴォルトを倒したジュードたちの元にガイアスが姿を現し、「人間には源霊匣は制御できるものではない」と計画通り全ての黒匣を一掃することをジュードたちに宣言した。

※112.バランが20年も経ってもアルヴィンのことを気づけたのは、アルヴィンが父親の銃を持っていたから。伯父さん（アルヴィンの父親）の銃を持っていたからアルフレド（アルヴィンの本名）だと気づいて救出した。
※113.自分たちでマナが生成できないエレンピオス人にとって黒匣は生きてゆく上では欠かせない物。しかし、その黒匣のせいで精霊が死に、マナや自然が失われてエレンピオスそのものが絶滅の危機に立たされる悪循環が生まれていた。
※114.「エレンピオスを助けるまで戻らない」は、あくまでもジュード個人の考え。自分のわがままで皆を強制的に巻き込まないために言った。
※115.ガイアスは精霊を死に追いやる元凶である黒匣を破壊し、この世界から全て無くすことで解決に導こうとした。
※116.ヘリオボーグ基地には黒匣の技術者であるバランも行っており、ジュードたちは基地襲撃の一報を聞いて急いで基地へと向かった。
※117.ヴォルトの暴走はガイアスによるもの。源霊匣が世界を救うに値するか見極めるため起動させた。