テイルズ オブ エクシリア（Tales of Xillia）のネタバレ解説・考察まとめ

ナハティガルと戦ってる最中に、どこかに運ばれてしまったクルスニクの槍の所在が分からず困り果てていたジュードたち。そんな時、ア・ジュールがファイザバード沼野から攻めてきたという報告（※49）を耳にする。ガンダラ要塞と海上に戦力を注いでいたが、ジランド参謀副長が戦術を予期して既に新兵器（クルスニクの槍）をファイザバード沼野に移送中だと聞き、軍事会議室の戦局図でジランドの戦術についてローエンが予測を立てるも、ジランドが今回の戦術の件について自軍に一切詳細を明かしていないこと、クルスニクの槍を起動させるためのカギを取り返していないことに疑問を感じていた。ミラは新たなカギが作られた可能性あると考え、一行はファイザバード沼野へと向かった。

※49.軍属時代のローエンを知るラ・シュガル兵に声をかけられていたところ、別の兵士から入った緊急報告をジュードたちも聞いていた。

3章

ファイザバード沼野（※50）でクルスニクの槍を巡り、ウィンガル、ジャオ、プレザの三人（※51）を倒したジュードたち。ついにガイアスと相まみえる。クルスニクの槍で全ての武力を一つに集約させて管理することで民を守ろうとしていたガイアスを否定（※52）したミラ。クルスニクの槍の処遇をかけて両者は激突するが、ア・ジュール最強の戦士であるガイアスの力に圧倒されて危機的状況に陥る。その時、イバルがミラの危機に戦場へと姿を現す。イバルは手紙の指示通り（※53）ミラから預かったカギでクルスニクの槍を起動（※54）。すると周囲のマナを吸収して集められた膨大な量のマナが空に向けて発射され、何かが壊れる音が響き渡るのだった（※55）。

※50.ウィンガルは増霊極でマナを増大させて地の微精霊を大量召喚。それによりファイザバード沼野の霊勢を強制的に変化させて軍の侵攻を可能にさせていた。ラ・シュガル軍もア・ジュールを迎え撃つため増霊極で霊勢を変化させており、ローエンはラ・シュガルから増霊極を借り、得意の地の精霊術でファイザバード沼野の道を切り開いている。
※51.アグリアは三人の元に間に合わず合流できなかった。
※52.ミラはガイアスの実力、資質を認めてはいたが、「どれだけ力があっても、いずれ人は寿命で死ぬ。これから先、もう一度同じ考えを持つ強き者が現れるのか？残された者たちは力（クルスニク）を持て余して、自らの身を滅ぼす選択をする」と描いた理想が長くは続かないことを伝え、ガイアスが成そうとしていることを否定した。
※53.以前イバルに送った差出人不明の手紙はアルヴィンによるもの。イバルを利用してクルスニクの槍を起動させるのが目的だった。
※54.ミラのピンチに四大精霊を解放させて危機的状況を覆すことでミラに認めてもらい、ミラのそばに相応しいのは自分だとジュードに思い知らせたかった。
※55.壊れたのは「断界殻」。後ほど説明。

空から突然現れた空中戦艦の大軍で混乱する戦場（※56）。一同の元にアルクノアの頭目ジランドが姿を現す（※57）。そして、ジランドは氷の大精霊セルシウスを呼び寄せ、空中戦艦からは黒匣の兵器を持ったエレンピオス兵が降りてきて状況が一変する。敵の狙いの1つであるマクスウェル（ミラ）を守るため、ガイアスはミラのスキをついて気絶させてマクスウェルを連れてこの場から立ち去るようジュードたちに忠告する。気を失っているミラをレイアとローエンに任せて、ジュードはエレンピオス軍に狙われていたエリーゼを救出しに向かうが（※58）、ジャオが身を挺してエリーゼを救出する（※59）。ジャオはガイアスたちとエリーゼを逃がすためエレンピオス軍と戦い、戦艦の砲撃で戦死した（※60）。

※56.アルヴィンはジランドの計画（エレンピオス軍の強襲）を詳しく聞かされておらず、このような結果を招くことは知らなかった。
※57.ジランドは計画を完遂させるためにラ・シュガルに潜入して参謀副長へと上り詰め、ナハティガルを利用してクルスニクの槍を完成させた。
※58.エリーゼは増霊極の適合好例であるためデータ収取目的で連れ去られそうになる。
※59.ジャオは、自分が両親を殺したとエリーゼに謝罪。その場にいたジュードとアルヴィンにエリーゼを託している。なお台詞で「両親を殺した」と言っているが、正確にはジャオ自身が両親を殺したわけでなく、野盗時代に軍との戦いに巻き込んで死なせてしまっている。
※60.ジャオの死亡後、ジュード編（ジュード、エリーゼ、アルヴィン）とミラ編（ミラ、ローエン、レイア）で一時的にストーリーが分かれる。

●エレンピオス
リーゼ・マクシアの外側に存在するもう1つの世界。精霊を犠牲にする黒匣の発展が原因で滅亡の危機にある。

戦艦の砲撃に巻き込まれたことで皆とはぐれ、ひとり気を失っていたジュード（※61）。そこへマクスウェルの命（めい）で精霊ミュゼが接触してくる。ジュードは、消耗していたマナ（※62）を回復させるため使役を申し出たミュゼを仲間にし（※63）、進んだ先の洞窟でアルヴィン、エリーゼと合流する。一方洞穴で目覚めたミラは、状況の確認をするため外へと出る。慌ててミラを探しに追いかけてきたレイア、ローエン（※64）と合流し、洞窟を進んだ先の「ザイラの森の教会（※65）」でジュードたちと再会を果たした（※66）。

※61,初めはファイザバード沼野で気を失っていたが、倒れていた場所の地面が陥没して落下。流されて浜辺へと打ち上げられていた。
※62.ミュゼは断界殻（後ほど紹介）を修復したことで大量のマナを消耗していた。ジュードは、マナが回復することでミラの居場所がわかると勝手に勘違いしてミュゼを使役する。
※63.ミュゼはプレイアブルではなくジュードの武身技扱いとして仲間に加わる。
※64.ローエンとレイアは、眠っているミラを洞穴に残し、状況を確認するため外へと出ていた。戻るとミラが急に居なくなっていたため慌てて探し回っていた。
※65.ジュードは凍窟（氷の洞窟）、ミラは灼洞（灼熱の洞窟）とお互い対極のダンジョンを突き進み、両ダンジョンが行き着いた先の教会で再会を果たした。
※66.ミラはミュゼを見て、「誰だ？初めて見る者だが」と全く知らない様子だった。一方ミュゼは「私はあなたの姉です」と言い、同時期に誕生した精霊だと話している。

突如始まったジランドのリーゼ・マクシア全土に向けた放送（※67※68）。それから間もなくジュードたちは再びガイアスに招かれる（※69）。ミラは一同の前で、二千年前にエレンピオスから人間と精霊を守るため、リーゼ・マクシアを創造して断界殻を施したことを説明する（※70）。ただミラは、ナハティガルに兵器だと謀って造らせた断界殻を打ち消す装置「クルスニクの槍」を使って、ジランドは断界殻を打ち消して何をしようとしているのか読めずにいた。

※67.「我々の目的は支配ではない、大国間による戦争を回避するための非常処置。生活と安全は我々アルクノアが責任を持って保証する」と、エレンピオス軍侵攻による不安を取り除くための偽りの放送がされた。
※68.放送後、アルヴィンは「ジランドは俺に殺らせてくれ。今度裏切ったらお前の剣を突き立ててくれてもいい」とミラに誓っている。ちなみにジランドはアルヴィンの父方の叔父。
※69.ガイアスは「断界殻」について聞き出すためミラたちを招き入れた。なお、ガイアスたちが断界殻を知ったのは、ジュードがファイザバード沼野で気を失っていた頃、通りかかったエレンピオス兵が「断界殻」の名を口にしていたから。ガイアスたちは兵士から情報を聞き出すため倒すが、詳しい情報は得られずにいた。
※70.黒匣が普及していたエレンピオスでは、黒匣の影響で精霊が絶滅の危機に立たされていた（黒匣を使うと周囲の微精霊が死ぬから）。精霊の死滅を恐れたマクスウェルは、人間と精霊が共生できる新たな世界として「リーゼ・マクシア」を誕生させた。そして、エレンピオスと黒匣がリーゼ・マクシアに蔓延してこないよう断界殻で覆って隔離した（この「※70」は、ここで語られるのではなく終盤で）。

●断界殻（シェル）
二千年前、マクスウェルがリーゼ・マクシアを守るために施した精霊術。エレンピオスと黒匣がリーゼ・マクシアに影響を及ぼさないようリーゼ・マクシア全土をマナで覆って隔離しており、術者であるマクスウェル自身の命とリンクしている。

アルヴィンは「生まれ故郷に帰りたかっただけ（※71※72）」とアルクノアの目的について話す。これまでアルクノアがミラを殺そうとしていたのも、術者であるマクスウェルを殺して邪魔な断界殻を無くすためだった。ガイアスやローエンは今回ジランドが引き起こした行動とアルクノアの目的が一致（※73）していないことを疑問に感じていたが、アルヴィンがジランドの本当の狙いが「異界炉計画」だと気づいて皆に説明（※74）。ミラたちとガイアスは一時休戦し、ジランドの野望を阻止するため空中戦艦を奪ってアルクノアのアジトへの突入を試みる（※75）。

※71.今から20年前、エレンピオス軍による断界殻の破壊実験が行われ、たまたま近くにいた旅船ジルニトラが巻き込まれてリーゼ・マクシアに迷い込む。船員と乗船客は故郷のエレンピオスに戻るためアルクノアとして活動することになった（このあとのアジト突入時のアルヴィンの会話を一部含む）。
※72.アルヴィンはミラをマクスウェルと知って接触しており、奪われたカギと監視目的でこれまで行動を共にしてきた。イバルを騙してクルスニクの槍を発動させたのも断界殻を消滅させて帰るためだった。
※73.帰るだけだったら断界殻を無効化するだけでよく、エレンピオス軍とコンタクトを取って呼び寄せる必要がないから。
※74.これまでラ・シュガルで行ってきたマナの吸収などの実験。今回のエレンピオス軍への根回しから、ジランドは「異界炉計画」を成功させて、マナ不足のエレンピオスを救って不動の地位を得ようとしたのでは？と推測した。なお、異界炉計画は20年前から発足しており、断界殻の破壊実験もその一環だった。たがジルニトラ船を巻き込んだことで、その危険性と不祥事から20年近く凍結されていた。
※75.相手の戦艦を奪って空から突入する理由は、エレンピオス軍の空からの攻撃を掻い潜りつつ海上にあるアルクノアのアジトに船で攻め込むのが困難だったから（作戦の立案者はウィンガル）。

●異界炉計画（いかいろけいかく）
通称「精霊燃料計画」。リーゼ・マクシアに暮らす人や精霊から吸収して集めたマナをクルスニクの槍でエレンピオスへと送る計画。精霊が減少しマナ不足に陥ったため20年以上前に発足し、当初は断界殻を破ってリーゼ・マクシアの精霊を捕まえる計画であった。

ミラたちはガイアス率いるア・ジュール軍と協力してエレンピオスの戦艦を奪取する（※76）。決戦前、ミラは断界殻と術者である自身の命が繋がっているのに（※77）、危険を犯して前線で戦っている矛盾に疑問を感じ始めていた（※78）。ガイアスがラ・シュガル（※79）、ア・ジュール両軍の士気を高めている最中、アルクノアとエレンピオス軍によるリーゼ・マクシア全土を対象としたマナの搾取が始まってしまう。

※76.乗り込んだ戦艦では、イバルが戦艦奪取に協力して操舵室を掌握するも操作ミスで失敗。代わりにガイアスらア・ジュール軍が戦艦を掌握した。
※77.断界殻は施した術者であるマクスウェルが死ぬと消滅するから。
※78.ミュゼに「断界殻はあなたの命の次第だということを決して忘れないでね。これから危険な戦いに行くのですから、念のため」とミュゼに念を押されていた（ミュゼとの会話はミラ編のみ）。
※79.ガイアスにリーゼ・マクシアを導くだけの器量を認めたローエンは、ラ・シュガル軍側にガイアスの協力をするよう要請をしてた。

ジュードらは奪った空中戦艦で相手の猛攻を掻い潜りジルニトラへと強行突入（※80）。クルスニクの槍の前で待ち構えていたジランドと対峙する。ジランドは自身が開発に携わった最新鋭の黒匣「源霊匣」で大精霊セルシウスを呼び寄せる。己の欲望のため死を迎えた精霊を強引に呼び起こし、ティポのデータやナハティガルを利用して人や精霊を危機に晒すジランドに怒り心頭のジュードたち。ジランドはジュードたちを皆殺しにするため戦うも敗北。ジランドは大精霊を使役した反動で死亡した（※81※82）。

※80.ジルニトラ到着後、ミュゼはエレンピオス軍の空中戦艦を引きつけるため離脱。ジュードとガイアスは二手に分かれてジランドの元を目指した。
※81.ジランドの目的はエレンピオス軍に恩を売って地位を得ることだが、精霊が減少して滅亡しつつある故郷エレンピオスを源霊匣で救いたいという想いもあった。
※82.アルヴィンはジランドの死亡後、幼い頃に取り上げられた父親の形見の銃を取り返している。

●ジルニトラ
元旅船で現在はアルクノアのアジト。20年前、エレンピオス軍による断界殻破壊の実験に巻き込まれてリーゼ・マクシアへと流れ着いた。
●源霊匣（オリジン）
増霊極で精霊の化石のマナを増幅させて眠っている精霊を再現（実体化）させる黒匣。再現された精霊自身のマナを使用するため周囲の微精霊を死なせずに利用できるが、大精霊クラスを使役したときの反動が大きく、源霊匣の所有者自身に負担がかかるため改善の余地がある。

ミラはクルスニクの槍に捕らえられていた四大精霊を解放し、誰の手にも渡らぬようクルスニクの槍の破壊を試みたその時、突然重力の精霊術が発動し、その場にいた全員（※83）が押しつぶされそうになる。術の発動者はミュゼ（※84）。彼女の本当の目的（※85）は断界殻の存在を知る者の殺害であり、断界殻を守るために誕生した精霊であった。そのためリーゼ・マクシアに危険を晒す可能性がある者を排除するためジュードたちを殺そうとしていた。

※83.ジランドの死亡後にガイアスたちも合流している。
※84.この段階ではまだミュゼの仕業だとは分からない。
※85.ミュゼは先刻のクルスニクの槍で破られた断界殻の修復と入り込んだ空中戦艦の破壊でマナを大量に消費。たまたま近くにいたジュードと契約を交わしてマナの回復を待ちつつ全員を始末する機会を伺っていた。

ミュゼの精霊術を防ぐにはクルスニクの槍の精霊術を打ち消す機能（※86）を使うしか方法がなかったが、クルスニクの槍は既に発射されたあと（※87）。ミラは皆の命を救うため単独（※88）でクルスニクの槍を起動させてミュゼの精霊術を無効化するが、その代償としてミラのマナは全て吸収されて枯渇してしまう。ミラはジュードに別れを告げて、崩れゆくジルニトラと共に海の中へと消えていった（※89）。

※86.クルスニクの槍には、周囲のマナを吸収して集めたマナで精霊術を無効化したり、集めたマナを発射し断界殻をすり抜けてエレンピオスに送る機能が備わっている。
※87.先刻リーゼ・マクシア全域で吸収したマナをエレンピオスへと送っていたためクルスニクの槍のマナの残量は空に等しかった。
※88.皆で協力してマナを注ぎ込むことでクルスニクの槍を起動させようとしていたが、マナが足りるかどうか分からない危険な賭けであった。ミラは皆を死ぬかもしれない危険に冒させないため犠牲となった。
※89.このあとジュード編（ミラを除く全員）とミラ編（ミラのみ）で合流するまで物語が分岐する。

4章

あれから解散してハ・ミルに滞在していたレイアとジュード。二人の元に、「仲間の殺害」を条件に「エレンピオスに帰れる」をミュゼと取引をしていたアルヴィンが襲いかかる。ミラを失った悲しみで生きる気力をなくしていたジュード。抵抗することもなくアルヴィンに殺されようとしていたが、危ないところをレイアに救出されて二人は外へと逃げ出す。逃げる最中、ジュードは過去を振り返り（※90）、以前アルヴィンやミュゼが言っていた「ミラの存在を否定する言葉（※91※92）」と「ミラへの想い」が交差する。

※90.逃げる前ジュードはレイアに「何のためにミラが命を懸けて使命を果たそうとしたのか、思い出して」と言われ、逃げながらジュードは「ミラの使命」について思い返していた。
※91.ジュードはミラの死亡後以降に、アルクノアやエレンピオス兵を殺害していたミュゼと出会っている。ミュゼから「彼女はジランドのような連中をおびき出すために、用意されたエサ。使命感や正義感なんてミラには全く無意味なの。」と聞かさていた。
※92.大切な仲間でもあったミラを見殺しにしてでも故郷に戻りたかったアルヴィン。これで念願だった断界殻が消えると思われていたが、断界殻は残ったままだった。アルヴィンは「これじゃ俺、何のためにミラを見殺しにしたんだ？無駄死にだ（ミラの死が）」と言っている。ミラ・マクスウェルを殺すため今までやってきたことは全て無駄だったと、ジュードと同じくアルヴィンも自分を見失っていた。