頭文字D(イニシャルD・イニD)のネタバレ解説・考察まとめ

『頭文字D』とは1995年~2013年まで、しげの秀一が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画およびそれらを原作としたアニメ作品である。実在する日本の峠を舞台にし、自動車を高速で走行させて峠を攻める事を目的とする「走り屋」達の物語を描いた作品である。トヨタスプリンタートレノ(ハチロク)のドライバー藤原拓海が卓越したドライビングテクニックを駆使して数多くの走り屋とのバトルを繰り広げる様を描く。

久保 英次(くぼ えいじ/声 - 加瀬康之)

プロジェクトDとのバトルの為にサイドワインダーに雇われたチーフメカニック兼作戦参謀として活躍する関西弁を喋る恰幅の良い中年男性。
若い頃はラリーストとして活躍し幾つかの入賞歴を持つ実力者。引退後はメカニックとしてレースチームに所属していたが後に自分のチューニングショップを設立した。現在は自分のショップで作成したパーツで組んだデモカーでタイムアタックを行って得られたデータを利用してパーツの作成や販売を行っている。
データの収集と分析にかなりの自信を持っているプロであり、車両やドライバーの能力や技術そして癖を瞬時に分析し正確に把握することが出来る。久保英次の加入によって実際にサイドワインダーの全体のレベルが確実に引き上げられている。プロジェクトDとのバトルではヒルクライム担当の高橋啓介とのバトルで北条豪が限界を超える走りを繰り広げたことで予想が大きく崩れてしまい、ダウンヒルでも乾信司が藤原拓海とのバトルでその進路を突然譲り先に行かせるという思っていない行動をとったことから先が全く読めなくなってしまい混乱する等、本来のデーターによる分析における成果を出すことが出来なかった。北条凛が言うには、久保はデータ収集と分析には優秀な参謀であるが、セコイだけで美学が無いと批判している。

信司の母親(声 - 広瀬有香)

ラリーストの夫との死別後に、女手一つで息子の信司を育てている。夫の影響から車に関する知識と技術はそれなりにあるようである。箱根の温泉街で働いていて、交通量の多い朝は自ら運転している。18歳の子供がいるとは思えない若々しい容姿をしている。

死神GT-R

北条 凜(ほうじょう りん/声 - 中村悠一) / 搭乗車種:BNR32 スカイライン

本作では中里に続くR32GTR使いであり、中里よりも洗練されたドライビングテクニックを持っており涼介と互角に戦うほどの実力を持っている。
サイドワインダー北条豪の兄であり、高橋涼介の通う医大の先輩に当たる人物で涼介や豪にとっては走り屋の師でもある人物である。北条兄弟とも呼ばれ大病院の息子であり理論派の兄と感覚派の弟という性格やドライビングスタイル等、高橋兄弟とは類似点が数多くある。
涼介とは婚約者の香織との三角関係にあり、また彼女を自分が結果的にも追い詰める結果となってしまったことで自殺の一因となったことで凛は自暴自棄になってしまうのだった。職を辞めて実家を愛車のR32GT-Rで飛び出し、箱根で次々と相手の車にぶつけてクラッシュさせるという死神となってしまう。
凛は死後の世界と言われる涅槃に恋い焦がれていたり、涼介と命のやり取りをしたい等と発言する等死への恐怖心が欠落している。

ボディカラー
ガングレーメタリック

主な外装パーツ
nismo製フロントバンパー、GTウイング・ボンネットピン(メーカー不明)、前後異なるホイール(前・R33用純正ホイール 後・WORK製ホイール)

主な内装パーツ
ロールバー(メーカー不明)

ナンバー
群馬 33 ぬ 37-564

BNR32は最新装備が多数採用されており、ATTESA ETS ・SUPER HICASを搭載している。エンジン形式はRB26DETT、排気量は2.6Lでありツインターボエンジンからは当時の平均的な水準をはるかに凌駕する280PS/36kgf・mを達成するエンジンとなっている。レースで勝つために作られた車であるが、作中にもあるとおりにエンジンブロックの丈夫さと重量のためにフロントヘビーとなり、ハードな走行に耐え切れずに強いアンダーステアやブレーキフェード(ブレーキの連続使用によってブレーキ性能が低下する現象)に悩まされることとなった。

本作では北条凛が搭乗する車種であり、死神GTRと呼ばれる相手の車に故意にぶつけてスピンさせたり事故を起こさせたりと言う暴挙を行わせた車である。

香織(かおり/声 - 遠藤綾)

北条凛の元婚約者で故人。北条家の病院との取引で経営が成り立っていた彼女の父親の会社であったことから一種の政略結婚のような物であったが、そんな中で涼介に出会い引かれていった結果、北条凛との結婚を拒否して父親と大喧嘩となってしまう。凛は理由さえ話してくれたらそれを受け入れようと思っていたのだが、彼女は最後まで理由を話すことなくこの世を去った。自らの気持ちがかなう事ない状況下で周囲が彼女を追い詰めたことで結果的に自殺へと至ってしまう。彼女の自殺が原因となって涼介と凛はお互いに決裂することとなる。

強烈なライバルと振り返る『頭文字D』の名シーン・名場面

高橋啓介 FD3S RX7 VS 藤原拓海 AE86

秋名での交流戦申し込みからの帰り道で、突如後方から煽ってくる見知らぬ車に気づいたレッドサンズの高橋啓介は「上等じゃねえか、コーナー3つも抜ければバックミラーから消してやるぜ」と速度を上げ、その見知らぬ車をちぎろうとする。ふとミラーで後方の車を確認すると煽ってくる車がハチロクであることに気づくのだった。
旧式のハチロクに自分の乗っている峠仕様のRX7(FD)がちぎれない(速度を出して引き離せない)はずなどない。赤城レッドサンズのナンバー2でありながらも、旧式のハチロクに煽られることに憤りを感じるのだった。
そんな中でハチロクがFDを追い越していく。本来ではそんな場所で追い越し何か行うはずがないハチロクの動きに啓介は「先を知らないのか、緩い右の後はきつい左だ、減速しないと谷底に真っ逆さまだぞ」と正気ではないハチロクの走りに驚愕するのだった。しかしそんな啓介の心配もよそに、どんどんと加速していくハチロク。そして、啓介の思った通りにスピードを出しすぎたハチロクはバランスを崩してしまうのだった。しかしこれを見事に慣性ドリフトでかけ抜けていくのだった。一度緩い右カーブをドリフトで抜けたハチロクはそのまま慣性ドリフトを行い左のカーブを抜けて行く。本来では考えられないドライビングテクニックを見せつけられ、啓介のプライドもズタズタになってしまうのだった。

高橋啓介 FD3S RX7 VS 藤原拓海 AE86

秋名スピードスターズと赤城レッドサンズとの交流戦にギリギリに登場したパンダトレノのドライバーは藤原拓海だった。拓海は父親である文太に車を借りるという条件として、「赤城でレットサンズの高橋啓介に勝ってこい」という条件を出され秋名へとやってきたのだった。しかし、何度もバトルを頼み込んでいて藤原文太が来ると思っていた秋名スピードスターズのリーダーの池谷は拓海の登場に、「親父さん(文太)はどうした?」と尋ねるのだった。しかし拓海は啓介の黄色いFDを見て「以前あの車になら追い越して勝ったことがある」と池谷に伝える。それを聞いた池谷は、拓海を信じて秋名の下りを任せるのだった。

開始早々とぶっちぎる啓介のFDに対して加速性能では全く相手にならない拓海のハチロクであったが、カーブ一つ一つ曲がるたびにギャラリーを湧かせるほどのドライビングテクニックとドリフトで啓介との差を確実に縮め始める。そんな運転スキルは全て、豆腐の配達で中学生のころから毎日走り込んでいた秋名で培われたドラテクの集大成と言えるのであった。
そして後半に完全にハチロクに追いつかれ、煽られ始めた啓介は「追いつかれただと、一体何が起こってるんだ。気が変になりそうだ!」と拓海の走りに驚くのだった。加速性能で少なからず前に出ることFDであったが、カーブでのドリフトのつっこみによってすぐに拓海のハチロクに追いつかれてしまうのだった。
とんでもないつっこみ重視のカミカゼ走行を披露する拓海の走りをバトルで見せつけられた啓介はひとつの結論に至るのだった。それは、直線では啓介のFDの方が確かに速いが、カーブでは遅いという事であった。
そんな中で、文太から言われたバトルの勝利の条件として車の使用権利とガソリン満タンがかかっていた拓海は勝利するために、溝落としをすることを決めるのだった。
拓海「仕掛けるポイントは此の先の5連続ヘアピンカーブだ!。」
啓介「どうしたんだ。FDがやけにのろく感じる。セカンダリータービンが止まってるんじゃないのか?。」
と啓介はハチロクの追い上げに完全に追い込まれ始めるのだった。
拓海は5連続ヘアピンカーブを完璧なブレーキングドリフトで啓介を追い込みつづけ、コーナーでも減速せずに突っ込んでいく。
その猛烈な突っ込みにハチロクのブレーキがいかれたのかと思うような速度でヘアピンへと突っ込んでいくが、ここで拓海は溝落としという技(前輪をカーブの排水用の溝にタイヤを引っ掛けることで遠心力に対抗する。理論的にはタイヤのグリップ以上の性能を持つことは可能であることで曲げる)を使い、いとも簡単にFDを追い越してしまうのだった。

秋名を知り尽くした、普段から溝落とし等の練習を行っているからこそ拓海だからこそ出来た技であると言える。
こうして秋名スピードスターズは藤原拓海という天才的なドライバーの助けによって、赤城レッドサンズに勝利することが出来たのだった。しかしそんなハチロクの存在は、ギャラリーに来ていた数多くのライバルに瞬く間に知られることとなり、藤原拓海とハチロクを倒して名を上げようとする数多くの走り屋たちとのバトルが始まっていく事となった。

中里毅 R32 GT-R VS 藤原拓海 AE86

LK168g9
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