頭文字D(イニシャルD・イニD)のネタバレ解説・考察まとめ

『頭文字D』とは1995年~2013年まで、しげの秀一が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画およびそれらを原作としたアニメ作品である。実在する日本の峠を舞台にし、自動車を高速で走行させて峠を攻める事を目的とする「走り屋」達の物語を描いた作品である。トヨタスプリンタートレノ(ハチロク)のドライバー藤原拓海が卓越したドライビングテクニックを駆使して数多くの走り屋とのバトルを繰り広げる様を描く。

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4 Wheel Driveの頭文字をとった略字であり、四輪駆動車のことを言う。
最近は、AWD(All Wheel Drive 全輪駆動)とも表記されることもある。

4輪全てを駆動輪としていることからも、悪路走破性や走行安定性が極めて高い。
仮令、高出力のユニットを搭載したとしても4輪のタイヤを通じて効率的に路面にパワーを伝えることが出来るために、安定して速く走ることが出来る。

本作では、小早川や須藤京一のランサーエボリューションシリーズや中里毅のR32 GT-R や星野好造のBNR34に取り入れられた機構となっている。

オーバーステア・アンダーステア

オーバーステア
ハンドルを切った時に、車がコーナーの内側に曲がってしまう現象を言う。

アンダーステア
ハンドルを切った時に、コーナーの外側へ車が向かう状態を言う。タイヤが車の進もうとする力に負けた時に発生する。主に速度を出しすぎた時に出やすい。ドリフトはこの状態をコントロールすることを言う。

エンジンブロー

無謀な運転を繰り返すことやタコメーターのレットゾーンを超えた回転を行う事でエンジン内部が損傷する事。車にとっては致命的となる。
藤原拓海は、須藤京一とのバトルでエンジンブローを経験しその後新しいエンジンに乗せ換える事となる。数多くの強烈なライバル達との走りで勝利し続けたエンジンであったが、最終戦の乾信司とのバトルにて限界域までエンジンを回してしまったことでエンジンブローさせることとなった。

タコメーター

最近の車にはあまり見なくなった、エンジンの回転数を表示するメーターの事。
タコメーターは(tachometer)の日本語表記、タコは速度を意味するギリシア語のτάχοςに由来している。
アクセルを踏み込むことで速度と回転数は上昇していくのであるが、その回転数が上限となっている部分をレッドゾーンと呼んでいる。レッドゾーンはそのエンジンの回せる部分の上限であり、それ以上回すと壊れるという事を意味している。
近年はATの普及によって自動的に変速が行われることからもタコメーターの必要性は無くなったが、MT車や一部のスポーツモデルでは搭載されている。

オーバーレブ

アクセル全開時や無理なシフトダウンによってエンジンのレブリミットを超過することで発生し、エンジンやミッションに致命的なダメージを与えてしまう。
現在の車種はレブリミッターという、ドライバーの意図しないオーバーレブを感知した際に勝手にそれ以上レブが当たらないようにする機構が取り付けられている。

MT(マニュアル)

マニュアルトランスミッション車のこと。自分で1~5速(それ以上)のシフトノブを操作して、クラッチを踏み込んで運転する機構を言う。現在ではMT車種は希少性が高くなっており、新車で購入できる車種も少なくなってきている。
クラッチを操作することで車両を動かすことが出来る事からも、その操作で運転の上手下手が顕著に出る事でも知られている。頭文字Dで登場する車種は基本的にMTの車両が登場している。

『頭文字D』の峠まとめ

秋名山➡群馬県渋川市・モデルは榛名山(群馬県道33号渋川松井田線)

秋名山は主人公らのホームコースとして登場するが、正式には榛名山と呼ばれる。藤原拓海が中学校2年生の時からハチロクで雨の日も雪の日も豆腐の配達を行っていた峠であり、父である藤原文太にとっても「秋名の道路は路面のシミまで覚えている」というほどに親子二代で走り込まれた峠である。
秋名スピードスターズのホームコースともなっており、数多くのバトルが繰り広げられた舞台となっているが、プロジェクトD編では遠征がメインとなったことから、完全に拓海が豆腐の配達や技術を磨くための練習の場となっている。中でも、文太が購入したインプレッサとハチロクを一日毎に交互に乗って豆腐の配達を行った際に、インプレッサの性能差に驚いた拓海はどうにかして自分のハチロクをインプレッサの走りへと近づけるため自分を追いかけるという孤独なバトルトレーニングを行うのだった。その孤独なトレーニングによってさらに拓海の運転技術は培われていくようになったのである。

アニメでも登場する5連ヘアピンを始めとして、登場したダウンヒルスタート地点には今でも多くの聖地巡礼者が訪れる。
本作では藤原拓海のホームコースでも知られている事から数多くのバトルが繰り広げられている。

秋名スピードスターズと赤城レッドサンズの交流戦と言う名のバトルから始まり、高橋啓介を倒したことで拓海とハチロクの名前は多くの走り屋に知られるようになった。拓海にとってはこれから長く続くことになる走り屋のデビュー戦となり、妙義ナイトキッズの中里毅が操るスカイラインGT-R (BNR32) と藤原拓海(ハチロク)とのバトルでは、絶対的なパワー差がある状況で、中里の集中力が切れたところで拓海にインを付かれ拓海の勝利となった。
同じく妙義ナイトキッズの庄司慎吾(EG6)とのバトルでは、FF有利というガムテープデスマッチという不利な状態でのバトルとなるも、拓海はすぐにコツをつかむ。途中でわざと慎吾にぶつけられキレた拓海は不安定ながらも慎吾を追い越し、ハチロクに負けたことで面目が立たなくなることを危惧した慎吾はダブルクラッシュをしようとするが、拓海にかわされクラッシュしてしまう。そのまま拓海は走り切り家に帰るも、父親の文太にハチロクのボデイに傷や凹みがあることを指摘され、怒られる事となった。
不敗神話を持つ赤城レッドサンズの高橋涼介(FC3S)とのバトルでは、涼介は前半拓海に勝つための手段としてハチロクの後ろにつき、ドリフトをコピーしながら走るもそれが仇となってしまう。中間地点で拓海が突っ込みすぎからアンダーステアを出したところで涼介が抜き去るのだが、前半のハチロクの走りのコピーが思った以上にフロントタイヤに負担をかける事となり、 最後のコーナーで外側に膨らんでしまい拓海にインを付かれ追い越されてしまう。

ランエボ軍団、エンペラーの岩城清次が搭乗するランサーエボリューションⅣRS(CN9A) とのバトルでは、須藤京一からの指示通りにシミュレーション3でスタートするも清次の慢心とあせりから、ハチロクの前に出てしまいこれが仇となり拓海の立ち上がり重視の溝落としによって追い越されてしまう。
御木との12月の冬道でのバトルでは、御木に絡まれ携帯電話で助けを求めてきたなつきを救うために拓海は秋名へと向かう。御木は拓海に追いつかれ無理をしたため曲がりきれずガードレールに接触し、なつきを救い出すことに成功する。

親子対決となった藤原文太インプレッサ WRX STi VersionⅤとのバトルでは、拓海はいつもの豆腐の配達の帰りに軽く流していた文太に遭遇しあおられ、あっさりと抜かれてしまう。拓海本人はそのインプレッサに誰が乗っていたかその時は知らなかったが、後日豆腐の配達の際に店の前に停まっている車があの時にインプであり、父親の文太の物であったことを知るのだった。

赤城山➡群馬県勢多郡(群馬県道4号前橋赤城線)

群馬県上毛三山の一つで、赤城神社、大沼や小沼もあり観光スポットにもなっている。頂上にある赤城総合観光案内所からローラー滑り台看板のある駐車場までがバトルコースとなっている。頭文字Dでは赤城レッドサンズのホームコースとして登場している。

エンペラーの須藤京一(エボⅢ)と藤原拓海(ハチロク)が勝負を行い、なつきの一件で平常心を失った拓海が怒涛の走りを繰り広げ勾配が緩やかになった所で、エボⅢの強烈な加速性能からあっさりと抜かれてしまう。拓海は短いストレートで京一にどうにか食いついていこうとするも、最終的にエンジンブローを起こしてしまうのだった。

妙義山➡群馬県甘楽郡(群馬県道196号上小坂四ツ家妙義線)

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