頭文字D(イニシャルD・イニD)のネタバレ解説・考察まとめ

『頭文字D』とは1995年~2013年まで、しげの秀一が『週刊ヤングマガジン』で連載していた漫画およびそれらを原作としたアニメ作品である。実在する日本の峠を舞台にし、自動車を高速で走行させて峠を攻める事を目的とする「走り屋」達の物語を描いた作品である。トヨタスプリンタートレノ(ハチロク)のドライバー藤原拓海が卓越したドライビングテクニックを駆使して数多くの走り屋とのバトルを繰り広げる様を描く。

もみじライン➡栃木県日光市・日塩もみじライン(栃木県道19号藤原塩原線)

日塩(にちえん)もみじラインは鬼怒川(川治温泉)と塩原温泉を結ぶ有料道路である。四季折々の景色が楽しめる、名前の通りに紅葉の季節は素晴らしい景色を楽しむことが出来る。
プロジェクトDでの初戦としてダブルエースの一人として拓海は下りを担当する。逆溝落とし(荷重を利用して溝の外側にタイヤをのせる)でトオルを抜き去るも、これをトオルも真似をしようとするが、荷重を外側にかけられず土手に乗り上げてしまい反動で横転し、一回転してしまう。

八方ヶ原➡栃木県矢板市・八方ヶ原

八方ヶ原は栃木県の北部に位置し、矢板市北部から那須塩原市南部にかけて広がる高原である。八方ヶ原へのアクセス道路が本作でのバトルコースとなっているが、この道路はもともと自衛隊の出動によって建設された物であり、実際に山を切り開いて作り上げた道路でありかなり人工的な峠となっている。本作では東堂塾とのバトルの舞台となっている。

東堂塾の二宮大輝とのバトルでは、高橋涼介からのアドバイスである「レブしばり」「振り切らない」作戦を守りきり、2本目後追いスタートではアドバイスの通りにレブ縛り解除によって大輝に混乱を与えることに成功する。 最後はダウンヒルでのFFの弱みでフロントタイヤの熱ダレが先にEK9にみられたことで、拓海がコーナー手前の直線で外側から仕掛け、大輝を追い越した。

東堂塾OB舘智幸とのバトルでは拓海の先行で始まったバトルであったが中盤で消えるラインという技法で舘が拓海を追い越す。これに対して後追いの拓海はいつもの集中力から懸命に舘に食いついていくのだった。拓海はトンネルの入り口でヘッドライトを消してブラインドアタックを行い見えない状態でインに入り込み舘を追い越すことに成功するが、舘のプロとしての戦略であるレースではよくある接触で拓海はバランスを崩し、その間に再び追い抜かれてしまう。その後、長期間ヘッドライトを消しEK9のライトの明かりだけを頼りに走り続ける拓海に舘は、暗闇の中を走り続ける拓海の神経が正気ではないと動揺し始める。最終コーナー近くで急に飛び出してきた野生動物への危険回避のため舘が一瞬ラインを変化させたことで生まれた一瞬の追い越しのチャンスを拓海が見逃さずつっこみ、2台は並んでゴールする。最後は拓海のハチロクの高回転エンジン特性の差が生み出した僅差から 拓海が勝利する。

定峰峠➡埼玉県 定峰峠(埼玉県道11号熊谷小川秩父線)

埼玉県の他の峠と比較すると、比較的路面状況が良い定峰峠は頭文字Dでは岩瀬恭子と高橋啓介とのFD対決や、秋山延彦と藤原拓海とのバトルの舞台となった峠である。

秋山延彦アルテッツァとのバトルでは、高橋涼介からの指示で、拓海先行で最初のヘアピンまで手の内を明かして、その後は秋山延彦をぶっちぎった。一瞬の情報しか与えられなかったが、延彦はこの情報から対ハチロク用の作戦を考え付くのだった。

間瀬峠➡埼玉県秩父郡・間瀬峠(埼玉県道287号長瀞児玉線)

いわば林道と間違ってしまいそうな間瀬峠は埼玉県の峠の中でも狭くてテクニカルなコースとなっている。コース幅は狭く対向車が来ると離合に難儀する場合も多い。
草木が生い茂っており、対向車や周りが見えにくく運転する際は注意が必要である。

ラリーストである坂本が操るカプチーノとのバトルでは、拓海とっては初めて直線で勝ててコーナーで負ける展開となった。 カウンターアタックを仕掛け揺さぶりをかけ続けた拓海は最後にブラインドアタックを駆使して進路を塞ぐカプチーノを追い越した。

土坂峠➡埼玉県吉田町・土坂峠(群馬県道・埼玉県道71号高崎神流秩父線)

ホームコースとしているチーム名も不明扱いになっている土坂峠は、道も綺麗であり道幅もある。気持ちよく走ることが出来る峠である。

プロジェクトDに勝利すれば車を仕上げたショップから金をもらえるという単純な動機から土坂ランエボ集団はプロジェクトDへバトルを挑む。正攻法な勝ち方では勝利することが出来ないと考えた彼らは仲間に路面にオイルを巻くように指示する。圧倒的な低レベルの相手とのバトルに若干嫌気がさしていた啓介はそのイライラから注意力が散漫になり、路面に撒かれたオイルに気づかずにスピンしてしまう。愛車のFDは大破しこのままでのバトルは難しく、不戦勝となると考えていた矢先に先のバトル相手であった岩瀬恭子がバトルの応援にやってくるのだった。同じFDという事で彼女の車を借りた啓介はバトルを行い、余裕で勝利するのだった。

ABSと電子制御を駆使して走るランエボⅥの男(一条)に対して、拓海はブレーキングを駆使してランエボについていく。ランエボの電子制御をうまく利用した走りを駆使していたのだが、土坂峠の男のメンバーがオイルをまいたコーナーでエボⅥのフロントタイヤが拭き残しのオイルを踏んでグリップを失いバランスを崩してしまうのだった。拓海は、センターラインの外側へ流されていくエボⅥのインをつき、これを追い越し勝利した。自分たちが撒いたオイルに乗ってしまい敗北するという自業自得の結果となった。

筑波パープルライン➡茨城県つくば市(茨城県道236号筑波公園永井線)

頭文字Dでは、ゴッドアーム 城島俊也とゴッドフット 星野好造が所属するパープルシャドウとのバトルの舞台となった峠である。作中でもそのバトルは熱く描写されており、登場する車もS2000とR34GT-Rという有名車種であったこともあり、数多くの走り屋が訪れたらしく危険走行防止(キャッツアイ等)の処置はかなり多く施されている。

上りはゴッドフットと呼ばれる星野好造とのバトルに臨んだ高橋啓介であったが、本来ドリフトしないBNR34を神がかりなアクセル操作でドリフトさせて啓介を追い込む。FDの加速タイミングを見計らい折り返し手前で啓介を追い越し、そのラインをふさぎ前に出て引き離そうとするも、BNR34の重量からフロントヘビーにおけるタイヤの熱ダレによってグリップを失いアンダーを出してしまい、そこを啓介に付かれて追い越されてしまう。

下りでは、ゴッドハンドと呼ばれる城島俊也とのバトルを繰り広げた拓海は、何度もラインを変えてくるその走り方に困惑する。最終的にハチロクを引き離すことで一気に決着をつけると決めた城島の猛烈なアタックについていくことが出来ず、終いにはその焦りから溝をカットした際に失敗しサスペンションを破損させてしまう。完璧に負けたと思った拓海であったが、連日の疲れと熱さから胃腸が弱っていた城島はゴール手前で車を大きくスピンさせリタイアしてしまい、拓海の勝利となった。

ヤビツ峠➡神奈川県秦野市・ヤビツ峠(神奈川県道70号秦野清川線)

ヤビツ峠(県道70号)は、全体的に道幅が狭く突然一気に狭くなる部分も数多く存在している。

本作では、チーム246の大宮智史と小早川とのバトルの舞台となった。

元プロドライバーという経歴を持つチーム246のダウンヒルドライバー大宮智史は、ヒルクライムで小早川が破れたことをそのまま拓海に返すために、序盤から先行し拓海を大きく引き離す作戦に出る。しかし拓海のブラインドアタックで互いの車が並走状態になった時にリアウイングを接触させてしまい、そのまま走り続けるも車両バランスを崩してスピンしてしまう。大宮はバトルでは敗北したが「勝負していない人生は死んでいるのと同じ」と語り、バトルで後悔はしていないようだった。

ランエボの電子制御を引き出す走りをすることが出来る小早川は、啓介の走りを見るために後追いを選ぶ。しかし、短期決着をしかけた啓介が小早川が予想していない場所でラストスパートをかけたために7秒差をつけられて完敗してしまった。

長尾峠➡神奈川県足柄下郡箱根町/静岡県御殿場市・長尾峠(静岡県道401号・神奈川県道736号御殿場箱根線)

頭文字Dでは小柏とスープラとのバトルとなった長尾峠は、路面状況はまだ良い物の数多くのヘアピンカーブが存在している。

レーシングチームカタギリストリートバージョンの皆川英雄・JZA80 スープラ VS プロジェクトDの高橋啓介・FD3Sやいろは坂からの再戦となる小柏カイ・MR-SとプロジェクトDの藤原拓海・AE86とのバトルが繰り広げられた。

タイヤ負担の大きな重量級のスープラを操り、タイヤマネジメントにも長けたプロドライバーである皆川は卓越したドライビングテクニックで終盤戦まで啓介を追い詰める。FDのタイヤの消耗を狙い、後方から煽りプレッシャーをかけ続けるも一向に焦らない啓介のメンタルの強さと技量の高さを目の当たりにして、先に自分のタイヤが消耗してしまいギブアップしてしまった。

小柏カイと拓海とは、いろは坂以来の再戦となったバトルであったが、序盤は先行するも終盤に藤原ゾーンを見せられて自分の走り方では拓海のハチロクのラインをトレースすることが出来ないと判断した小柏は直感的に前のコーナーが曲がれないと思い、故意に車をスピンさせてこれを回避する。結果的に大きく離され敗北した。

LK168g9
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