芳澤かすみ（ペルソナ5）の徹底解説・考察まとめ

奥村春（おくむら はる）

「心の怪盗団」の仲間。P5主人公と同じ、秀尽学園に通う高校3年生であり、大手ハンバーガーチェーン「オクムラフーズ」の社長令嬢でもある。父であるオクムラフーズの社長、奥村邦和（おくむら くにかず）が「悪人」であった事がきっかけで、「心の怪盗団」と出会う事になる。初登場の時点で認知世界へ入る力は持っていたが、ペルソナ使いとしての力は未熟で、自分のペルソナを具現化する事ができずにいた。しかし認知世界にて、父の「歪んだ欲望」を目の当たりにした事がきっかけで、ペルソナ使いとしての本当の力を覚醒させる事になる。
『P5R』にて追加された要素「3学期」中に騒動を巻き起こした丸喜拓人／アザトースの企みを止める為、「心の怪盗団」のメンバーとしてかすみと共に彼らのもとへ戦いを挑みに行く。

その他

明智吾郎（あけち ごろう）

巷で人気の高校生探偵。数々の事件を解決してきた実力を持ち、『ペルソナ5』の本編内では「心の怪盗団」を追う立場として登場する。ペルソナ使いであった事が判明した後は、「心の怪盗団」のメンバーとして主人公達と共に行動するようになる。だが実は、大物政治家・獅童正義（しどう まさよし）の命のもと、「心の怪盗団」を破滅に追いやる為に近づいてきていた事や、彼に従い幾人もの悪行を行ってきた事が、後に発覚する。獅童の愛人の息子であったという秘密も持っており、獅童に従順に従っていたのは、彼に復讐する機会を狙っていたからに過ぎない。だが、獅童の方が明智の狙いに気づいており、「心の怪盗団」に明智が敗れた後は、獅童の秘密を知る明智を抹殺する為、自らが作り上げた「認知」の明智に彼を殺すように命じる。全てを知った明智は、その後、獅童の改心をP5主人公達に託し、認知の自分と相打ちになる形で行方知れずとなってしまう。
しかし、『P5R』で追加された要素「3学期」中に丸喜拓人／アザトースが起こした事件によって生き返ってしまう。この時登場する彼は、明智を死なせてしまったかもしれないという、P5主人公の罪悪感から生まれた「認知」の存在であり、明智本人ではない。丸喜拓人／アザトースの企みを阻止する事を決めたP5主人公と「心の怪盗団」達、そしてかすみと共に、丸喜拓人／アザトースに戦いを挑みに行く。

丸喜拓人（まるき たくと）／アザトース

物語序盤、非常勤のスクールカウンセラーとして、かすみが通う高校「秀尽学園」に赴任する。かすみとは学園赴任前からの知り合いでもあり、本当の「かすみ」が事故にあった際に心の傷を負ってしまった彼女のメンタルケアを行っている。人々の認知をいじれる特殊な能力を持つペルソナ・アザトースを所持しており、この能力を用いて、かすみに「死んだのは妹のすみれ。姉のかすみはまだ生きている」という誤った認知を植え付けた。それにより、かすみは己の事を「かすみ」と誤解するようになり、自分の本当の正体を忘れてしまう。
物語後半、突如として「世界」の認知をまるごと変えられる力を手にした事で、「人々が幸せになれる世界」を創りあげ、それが『P5R』で追加された「3学期」中に起こる様々な騒動に繋がる事となる。

平口コーチ（ひらぐちこーち）

芳澤姉妹の新体操を指導する女性コーチ。すみれが、己の事をかすみだと思っていた時にも、変わらぬ態度で彼女の指導を続けていた模様。芳澤かすみとして新体操の結果を出せず、「スランプだ」と悩んでいたすみれに、「もう一度自分を見つめ直すように」といった指示を出した人物でもある。すみれが、己の演技の形を完成させてからは、彼女の目標である「世界」を獲らせる為にすみれの指導を続けている模様。厳しい口調で喋る人物ではあるが、全てすみれ、そしてかすみを思っての事なのが、わかる優しさも兼ね備えている。

芳澤かすみの名言・名セリフ／名シーン・名場面

「弱い『すみれ』でいるのは…もうお終いっ！」

自分と向き合う事を決めたすみれが、ペルソナ使いとして新たに覚醒する際に述べたセリフ。
『ペルソナ5』では、ペルソナ使いに覚醒する為の儀礼シーンとして、己の顔に張り付いた仮面を顔の皮ごと剥がす、というものが存在している。これは、自分の内に隠していた、秘めていた真の自分の姿を解き放つ、という表現が詰め込まれた描写だとされている。だが、すみれの最初の覚醒シーンでは仮面を外しこそすれど、ただ仮面が外されただけで、その顔が血まみれになるような描写はなかった。そのような事態になったのは、彼女があくまでも「芳澤かすみ」という、偽りの姿のまま覚醒した事が原因だと推測される。しかし、このペルソナ使いとしての真の覚醒を行う際、彼女は「芳澤かすみ」という皮を完全に破り捨て、「芳澤すみれ」という真の姿を取り戻す。故に、再びその仮面を外す描写が覚醒時のシーンには取り入れられており、今度の今度こそ、皮ごと仮面を外すようになっている。そしてこの、変化した覚醒シーンにおいて、すみれが叫ぶのが「弱い『すみれ』でいるのは…もうお終いっ！」というセリフなのである。辛い現実から逃れ、芳澤かすみという皮を被り生きてきた彼女が、本当の自分を取り戻し、現実と立ち向かいたいという強い決意を抱いた、その事を深く伝えてくるセリフだといえる。芳澤すみれの変化・成長を感じる名セリフだ。

「辛い事実から逃げて、何かに縋って…私だってそうです。けど、そこで得た痛みも、そこから前に進もうって気持ちも、全部私の大切なものなんです！それを奪われるのは、絶対に嫌なんです！」

3学期騒動の黒幕である丸喜拓人に向けて、すみれが述べたセリフ。
自分が作り上げる世界こそが本当に人々を幸せにできる姿なのだ、という思想から、何度負けても、敗北を認められずにすみれとP5主人公達に挑もうとしてくる丸喜拓人。そんな彼の姿を見かねたすみれは、自分が一連の騒動を通して得た思いを彼にぶつける。「辛い事実から逃げて、何かに縋って…私だってそうです。」と悲しげに告げるすみれからは、彼女のかすみに対する苦い思いが未だに胸の中にある事がよく伝わってくる。だが続く「けど、そこで得た痛みも、そこから前に進もうって気持ちも、全部私の大切なものなんです！それを奪われるのは、絶対に嫌なんです！」という言葉からは、彼女が胸の中にある苦い思いごと、現実と向き合おうと懸命にもがいている事が感じられる。「かすみ」として過ごしてきたすみれの今までと、これから「すみれ」として生きて行く事を決めたすみれの強い決意。その2つが深く感じられるその内容は、芳澤すみれという人物の全てを綴っているものだといえる。芳澤すみれ屈指の名セリフである。

「でも、もう逃げません。自分の足で立ちます。自分の想いも…かすみの想いも。全てを背負って、歩いていきたいから。」

すみれのコープ「信念」にて目にする事が出来るセリフ。
自分がすみれである事を思い出し、「芳澤かすみ」としてではなく、「芳澤すみれ」として新体操と向き合っていく事を心新たに決めたすみれ。その結果彼女は、かすみが己をライバル視しており、それ故に新体操を通してすみれに演技を見せたがっていた、それが彼女の強みとなっていたという事実を知る事となる。かすみがどんな気持ちで新体操を行っていたのかに気づいたすみれは、それに気づくのが遅かった事を悔やむと同時に、だからこそもう逃げずに現実と向き合いたいと強く思う。そしてその決意を、それまで新体操に向き合おうとする自分の相談に乗ってくれていたP5主人公に表明をしにいく。その際に述べたのが、この「でも、もう逃げません。自分の足で立ちます。自分の想いも…かすみの想いも。全てを背負って、歩いていきたいから。」というセリフとなっている。自らの足で立ち上がり、前に向かって歩んでいこうという力強い意思を感じると共に、自分の事だけではなく、自分の事をライバルとして見てくれていた姉の想いも受け入れ、大事にしていこうとする意思も感じられる。姉との優劣を気にし、自分の事を卑下している面があったすみれが、姉の思いを受け入れ、前を向く力の1つとして数えているこのセリフは、彼女が3学期の騒動やコープ中の出来事を通して大きく変化した、すみれの成長具合をよく描き出した名セリフだといえる。

芳澤かすみの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話