Sister Princess(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『Sister Princess』とは、メディアワークスから発売されたPlayStation用恋愛アドベンチャーゲーム。雑誌『電撃G'sマガジン』で読者参加企画の一環で始まった『シスタープリンセス』を原作にしており、12人の個性豊かな妹達が登場する作品。
9人の妹がいる主人公は、2月のある日、妹達からパーティーに招待される。そこで外国で暮らしていた3人の新たな妹達が紹介され、総勢12人の妹がいたことが判明する。主人公は、妹達と交流を楽しみながら、マイシスターとして選んだ1人との仲を深めていく。

『Sister Princess』の概要

『Sister Princess』とは、2001年3月8日にメディアワークスより発売されたPlayStation用恋愛アドベンチャーゲーム。
2001年12月13日には、本作の番外編にあたる『Sister Princess 〜ピュア・ストーリーズ〜』、2003年3月20日には、本作の1年半後を描いた続編『Sister Princess 2』がいずれもPlayStation用のゲームとして発売された。また、2002年3月28日に本作と『Sister Princess 〜ピュア・ストーリーズ〜』が同時に楽しめる『Sister Princess PREMIUM EDITION』がドリームキャスト版で発売され、2003年11月13日には、『Sister Princess 2』とその番外編となる追加ストーリーを収録した『Sister Princess 2 PREMIUM FAN DISC』もPlayStation用ゲームとして発売された。

原作は、メディアワークス発行のアニメ・ゲーム雑誌『電撃G'sマガジン』で連載されていた『シスタープリンセス』という作品で、ファンの間では、『シスプリ』の愛称で親しまれている。雑誌内では、12人の個性豊かな妹達が紹介され、それぞれのエピソードを文章とイラストで楽しむ読者参加企画である。原作の設定は「兄1人に対して妹も1人」となっているが、ゲーム版となる本作では「兄1人に対して妹が12人」という設定に変更されている。
『電撃G'sマガジン』では、キャラクター設定や文章を公野櫻子、挿絵を天広直人が担当していた。読者からの評判が良く、後に人気の女性声優を多数起用して本作が制作された。その後、ゲームの続編やアニメも制作され、2000年代初期を盛り上げるメディア展開を見せる。
本作はその第1作目であり、初めて12人の妹が一度に登場する作品となっている。元々日本にいた9人の妹達と、主人公も存在を知らなかった外国で暮らしていた3人の妹達が加わり、総勢12人の妹達とメールやデートで親交を深めてエンディングを目指すアドベンチャーである。プレイヤーは、主人公である兄となって12人の妹達の中から攻略したい妹を「マイシスター」として選択し、バレンタインデー直前の2月11日からホワイトデーまでの約1か月間でエンディングを目指すことになる。妹達は別々の家に住んでいるが、同じ地域内で生活している為、一部の妹を除いては、一緒に登下校をすることも可能である。
1人の妹に対して、実妹である血縁ルートと義妹である非血縁ルートの2通りがある。さらに好感度によってベストエンドとノーマルエンドの2種類に分岐され、全部で4種類のエンディングが用意されている。また、どの妹ともエンディングを迎えないとバッドエンドになる。
本作は、プレイヤーである主人公以外フルボイスでイベントCGも非常に多い為、ゲームディスクは前半と後半に分けた2枚組となっている。その他、PocketStationを使えば、2種類のミニゲームでも遊ぶことができる。

バレンタインデーが近づく2月のある日、主人公は妹の可憐から突然パーティーの招待を受ける。9人の妹が一同に会するパーティーとあって、主人公は可憐の誘いに承諾する。翌日、パーティー会場で9人の妹達と会話を楽しむ主人公の前に、謎の少女が3人現れ、外国で暮らしていた主人公の妹であることが明かされる。
9人だと思っていた妹達は実は12人だったことが判明し、驚く主人公。さらに、全員が近所で生活することになり、主人公はホワイトデーまでの約1か月間を妹達と楽しく過ごすことになる。

『Sister Princess』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

ミステリアスな妹・千影(右)と会話中、後に妹と判明する少女・四葉(左)が乱入してパーティーはめちゃくちゃになってしまう

2月11日の夜、主人公は妹の1人である可憐から、突然パーティーの招待を受ける。パーティーには、妹達からのプレゼントも用意されているらしく、主人公は期待しながらパーティー会場を訪れる。9人の妹達と会話を楽しんでいた主人公だったが、突然見知らぬ少女が3人も現れ、大騒ぎの後にパーティーは中止になってしまう。何の為のパーティーでプレゼントがなんだったのかもわからないまま、主人公は帰宅することになった。
翌日、学校からの帰り道で主人公はパーティー会場にいた見知らぬ少女3人に声をかけられ、3人が外国で暮らしていた主人公の妹であることを明かされる。昨日のパーティーは、3人の妹達の歓迎会だったのだ。9人の妹達に、3人の帰国子女の妹達が加わったことで、主人公は今まで以上に賑やかな生活を送ることとなった。

可憐ルート

可憐は、ピアノが得意な清純派の妹で、少し恥ずかしがり屋な女の子である。
離れて暮らす兄と少しでも一緒にいたいという気持ちから、可憐は兄に登下校を一緒にしてほしいと頼み込む。兄はそれを快く受け入れ、2人は登下校を利用して束の間のデートを楽しむのだった。
ある日、可憐は風邪をひいてしまって学校を休むことになる。心配した兄は、放課後に可憐の家までお見舞いに向かう。落ち着いた表情で眠る可憐の姿を見て、安堵した兄は、早く良くなるようにと願いを込めてクマのぬいぐるみを枕元にプレゼントして帰宅する。
その日の晩、可憐からお見舞いのお礼メールが届き、風邪が治って元気になったとの報告を受け、翌日からまた一緒に登下校デートを楽しむようになった。

ある日、兄は学校で可憐が体育館裏に行くのを目撃する。何となく気になって様子を見に行くと、可憐は同級生の男子生徒から告白を受けていた。しつこく交際を迫る男子生徒だったが、可憐には全く付き合う気がなく困っていた。兄はその様子を見て、助けに入るのだった。
可憐はそんな兄を見て嬉しくなり、改めて兄のことが大好きであると宣言した。

血縁

同級生からの告白を受けた後、可憐は幼い頃もいじめっ子から兄が可憐を救ってくれたことがあることを思い出していた。兄もその思い出は覚えていて、どんなことがあっても可憐を必ず守ろうとずっと思っていることを明かす。それを知った可憐は嬉しくなって、兄に「妹としてずっと一緒にいたい」と告白する。
兄は大事な妹からの告白を受け入れ、ずっと一緒にいることを約束するのだった。

非血縁

可憐は兄の好きな曲をピアノで演奏しながら、自分達が本当の兄妹ではないと告白する

同級生からの告白を受けた翌日、兄は可憐をいつものように下校に誘おうと可憐の教室まで迎えに行く。しかし、可憐の姿はなく、校舎内を探していると、音楽室から兄の好きな曲が流れて来る。
音楽室では、可憐がピアノを弾いていて、兄を待っていた。兄が音楽室に来たのを確認した可憐は、兄に話したいことがあると言い、兄はその言葉に耳を傾ける。可憐は、自分が生まれてすぐに養子として兄の両親にもらわれた子供で、兄と血の繋がりがないことを打ち明ける。兄は驚くが、可憐が「本当の兄妹ではないが兄を好きな気持ちは本物だ」と本心を語ったことで、兄も同じ気持ちであることを自覚する。そして兄は、可憐を妹ではなく、ひとりの女の子として見ることを約束し、2人は恋人同士になるのであった。

花穂ルート

チアの新しいユニフォームを着てはしゃぐ花穂

明るく元気な花穂は、活発だが少々ドジな一面がある妹である。
大好きな兄のことをいつも応援していたいという思いから、学校ではチアリーディング部に所属していて、昼休みも練習に勤しんでいる。しかし、運動神経が良い方ではない為、ハードな練習についていけず、毎日部長やチームメイトから叱られていた。花穂と同じ学校に通う兄は、そんな花穂を応援する為、登下校や昼練習の様子を見に行き励ましていた。
ある日、兄は花穂がどうして辛い思いをしながらもチアリーディング部で頑張っているのか尋ねてみた。花穂は、幼い頃の出来事が兄を応援するきっかけだと話す。
幼い頃、野球の試合を控えていた前日に、転びそうになった花穂を庇って、兄は突き指をしてしまった。しかし、兄は花穂に心配かけないように強気に振る舞い、試合に出たのだった。試合を見に来ていた花穂は、そんな兄の姿を見てどんな時でも兄の味方でいようと決めたと答えるのだった。

3月のある日、兄はクラスメイトからクラス対抗のバスケットボールの試合に助っ人として参加してほしいと頼まれる。一緒に下校しようとしていた花穂は、兄がバスケットボールの試合に出ることを知り、チアリーディング部のメンバーとして応援に行く決意を固める。
しかし、部長から「花穂の演技力ではレギュラーメンバーに入れることはできない」ときつく言われてしまった。それでも兄を応援したい花穂は、強気に部長を説得する。花穂の熱意が本物だと知った部長は、花穂が兄の試合当日にレギュラーとして演技させることを認め、本気で指導することを約束する。
バスケットボールの試合当日、そこには大きな旗を持って応援する花穂の姿があった。

血縁

バスケットボールの試合が終わり、花穂はレギュラーの一員として兄の応援ができたことに満足していた。
花穂は自分がレギュラーとして応援に参加できたのは、全て兄のおかげだと感謝し、兄のことを今まで以上に好きになったと話す。そして、兄妹として一緒に暮らしたいと両親に持ち掛けたところ、許可を取ることに成功したことを明かした。兄は、花穂のことを守ってやりたい一心から、同居を承諾するのだった。

非血縁

バスケットボールの試合が終わり、花穂はレギュラーの一員として兄の応援ができたことに満足していた。
その日の夜、兄は花穂から「今日のことでお礼がしたい」とメールを受け取り、翌日公園で待ち合わせをする。花穂は、どんなにドジをしても見捨てない兄を信用して、自分達が本当の兄妹ではないことを明かす。兄は、「たとえ花穂が本当の妹でなくても見捨てない」という気持ちを告げると、花穂は兄に告白し、2人は恋人同士になるのだった。

衛ルート

得意のスノーボードを披露して兄とのデートを楽しむ衛

運動神経抜群でスポーツ好きの妹である衛は、兄と様々なスポーツを楽しみたいと思っているアウトドア派の女の子である。
3月に行われる兄のマラソン大会に向けて、毎朝のジョギングに誘う衛。兄もそんな衛の好意に甘え、一緒に早朝のジョギングを楽しんでいた。
ある日、衛は兄をスケートに誘う。スケート初心者の兄は、衛に滑り方を習いながらスケートデートを楽しむのだった。

3月5日、学校のマラソン大会に参加した兄は、衛との早朝トレーニングの成果もありなんとか完走をはたす。衛とのジョギングも終了となったが、兄は毎日の習慣になっていた癖で、翌朝ひとりでジョギングに出掛けた。すると、公園で同じくジョギングをしていた衛と偶然会う。目標がなくなり、一緒にジョギングができなくなったことを寂しく思っている衛を兄はデートに誘う。
休日、衛が得意なスノーボードをする為、スキー場にやって来た2人は、朝から体を動かして楽しんでいた。しかし、衛がジャンプの着地に失敗して足を捻ってしまい、近くの山小屋で休憩をとることになる。せっかくの楽しいデートが自分の怪我のせいで台無しになってしまったと感じた衛は、兄に抱き着き、泣いて謝る。兄はそんな衛を慰め励ますのだった。

血縁

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