明智吾郎（ペルソナ5）の徹底解説・考察まとめ

明智吾郎の概要

明智吾郎（あけち ごろう）とは、株式会社アトラスのジュブナイルRPGシリーズ『ペルソナ』の5作目に登場する男性キャラクターである。巷で人気の高校生探偵であり、数々の事件を解決してきた実力者として警察からもメディアからも一目置かれている存在となっている。なお、前作である『ペルソナ4』にも彼と似た設定をもった「探偵王子」と呼ばれるキャラクターが存在する。『ペルソナ5』は『ペルソナ4』の数年後の世界を舞台としている為、明智吾郎の探偵ぶりを「探偵王子の再来」と評価する人々も居る。2人の探偵が本編内で関わることはないが、後に発売されたペルソナシリーズのクロスオーバー作品『ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス』では、直接の対面をはたしている。

明智吾郎が作中で主人公達と関わりあいをもつようになるのは、「心の怪盗団」に4人目のメンバーである「喜多川祐介」が仲間入りしたあたりのこと。その頃、徐々に世間の目が「心の怪盗団」に向けられ始めており、明智吾郎はその存在に異を唱える形で登場してきた。世間は悪人達の心を改心していく「心の怪盗団」のことをヒーローともてはやし出していたが、そんな世間からの目を気にすることもなく、明智は「探偵」として彼らのやり方はおかしいと思っていることをメディアで述べる。そんな彼の姿に際し、世間は彼を否定するもの、逆に肯定し応援するものに二分されることとなる。怪盗団である主人公達側も今まで順調に事が進んでいただけに、突如として現れた敵対勢力に横槍をいれられたような空気になってしまう。

しかし後に明智も「ペルソナ使い」である事が判明し、「心の怪盗団」のメンバー入りをする。怪盗団と共に、人々の「認知」で作られた異世界「認知世界」に存在するダンジョン「パレス」に乗り込むようになる。だが実はそれは「心の怪盗団」である主人公を捕まえようとする彼の策略だった。明智の正体は、衆議院議員である獅童正義の部下。「探偵」は仮の姿で、獅童の政治活動を邪魔しようとする輩や、邪魔になると思われた輩達の排除を役割とするペルソナ使いだったのである。

さらにそれだけではななく、明智は実は獅童の愛人の子供だった。獅童正義自身はそのことを覚えていないようで、明智と出会っても自分の息子だと気づいた様子はなかった。母親である獅童の愛人は明智が幼い頃に亡くなり、以降、彼は点々と親戚の間を渡り歩くこととなる。「望まれない子供」として周囲から冷たい態度を取られてきた彼は、いつしか獅童に対して復讐心を抱くようになる。獅童の部下になったわけは、機会を見て復讐を果たす為だった。だがその深層心理には、実の父である獅童に「認められたい」、「愛されたい」といった「子ども」らしい本心があることが物語の後半で明らかになる。

最終的に明智は認知の自分（獅童が生み出した、獅童の認知世界上に存在する明智）と相討ちになり、消息不明となる。だが後にリメイク版として発売された『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』では彼が生存するエンドが2つ追加された。さらには選んだエンドによって明智を「心の怪盗団」に再加入させることができるようにもなっており、多くのファンが明智の生存に喜ぶこととなった。

明智吾郎のプロフィール・人物像

身長：178cm
体重：64kg
学年：高校3年
学校：都立恍星高校
誕生日：6月2日
血液型：AB型
星座：双子座
特技：推理
アルカナ・コープ：正義
コードネーム：クロウ／Crow
CV：保志総一朗
海外版吹き替え：Robbie Daymond
演者（舞台）：佐々木喜英

名前の由来は、日本の文豪江戸川乱歩作の小説『私立探偵明智小五郎』。探偵、という点からイメージされ、名付けられた名前となっている模様。
怪盗団のメンバーとはまた違う高校「都立恍星高校」に通っている、高校3年生。作中の情報によると、「恍星高校」は有名な進学校らしい。実際、作中で行われていた全国模試では1位を取っていた。

穏やかで物腰が柔らかい、誰に対しても丁寧な態度で接するなど、正しく絵に描いたような好青年。しかしその本性は、プライドが高く、自分の頭脳に対する自信に満ち溢れたものとなっている。口も悪く、喫茶店「ルブラン」で暮らす「P5主人公」のことを「屋根裏のゴミ」と罵るような一面も見られる。

薄い茶色の首下まである、毛先が少しくせ毛気味な髪が特徴のキャラクターとなっている。服装は茶色いコートを着ていることが主だが、室内などでは白いシャツに白黒ストライプ柄のネクタイを着けた姿が見られ、外だろうと中だろうと周囲の目を意識したようなきっちりとした着こなしがなされている。手には常に黒色の手袋をつけられており、ダンジョンであるパレスに入る時にも着用している。なお、この時は衣装に合わせて黒から白色にカラーリングの変更が行われている。

ダンジョン内での服装は純白の衣装に赤いマントに、随所随所で金色に輝く装飾品と、実に派手やかなカラーリングの貴公子スタイルとなっている。実際、怪盗時の衣装には「プリンススーツ」という名称がつけられており、竜司からは「お前、隠れる気ねーだろ」とツッコまれすらしている。しかし明智曰く、彼にとっての「叛逆」のイメージから出来た衣装だという。
キャラクターデザインを担当した副島成記は、この明智の衣装について「服装については貴族などの儀礼服を意図して、怪盗、泥棒などとは無縁であるイメージでデザイン」、「裏舞台で暗躍する主人公との対比で、明智の方は自らを正義の味方などと気取って表舞台で活躍しているんだという意味合い」と語っている。また、顔にはカラスを模したような赤いペストマスクが着けられているが、このマスクに関しても、明智の本性が「鼻高々な天狗のような人物」であることから、「お前の鼻をへし折ってやれ」という意味合いでデザインされたことが明らかになっている。

幼い頃に母を亡くして以降、明智は親戚の間を転々とする。しかし、「愛人の子ども」という立場から周囲からは冷たい目を向けられてしまい、それ故にひねくれた性格に育ってしまったと思われる。高校生になった現在は、都内マンションで一人暮らしをしている。
そんな明智の趣味は自転車。『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』では、「P5主人公」と共にボルタリングやダーツといったスポーツを行う姿も見られる。

明智吾郎の能力：トリックスター／ワイルド

「複数のペルソナ」を所持することができる能力「ワイルド」。『ペルソナ5』では「トリックスター」の名で呼ばれるこの能力は、元来『ペルソナ3』以降の『ペルソナ』シリーズにて、主人公にのみ備わっている能力だったのだが、今作では「もう1人のトリックスター」として明智も使える能力となっている。
ただしP5主人公とは違い、明智が使えるペルソナは「ロビンフッド」と「ロキ」の2体だけ。このことに関しては怪盗団のメンバーでありナビ係である佐倉双葉が「人生ソロプレイだったから、目覚めた力は自前の『嘘』（ロビンフッド）と『恨み』（ロキ）のたった2個だけ」なのではないかという推測をたてている。
また「P5主人公」は歴代のワイルド達と関わりがあった「ベルベットルーム」の主、イゴールから授かったものであったのに対し、明智の能力はイゴールに敵対していた「真のラスボス」から能力を授けられていたことが、物語の終わりあたりで判明する。この点もワイルドである筈の明智が2体のペルソナしか使えなかったことの要因なのではないか、とプレイヤー間では推測がたてられている。

明智吾郎のペルソナ能力

ロビンフッド

対応アルカナは「正義」。本当の姿を偽りながら過ごす、明智の心から生まれたペルソナ。
モデルは、中世イングランドの伝説上の人物「ロビンフッド」。実在した人物だという話もあるが、確かな証拠はない。何人かの実在の人物の伝承が複合して形成された可能性もある模様。様々な形の伝承があるようだが、「弓の名手で、イギリスのノッティンガムのシャーウッドの森に住むアウトロー集団（盗賊）の首領で義賊」といった伝承が一番新しく、一般的に広がっているもののようである。

そのモデルの影響を受けてか、ロビンフッドにはデザインデザインとして弓を持っている。戦闘中の明智のセリフにも「射殺せ！」といった、ロビンフッドを意識したらしいセリフも存在しているが、銃撃属性のスキルは一切覚えないといった矛盾した仕様が取られている。攻撃技を多く覚える傾向にあり、攻撃面に隙のないペルソナとなっている。

また氷属性じゃ弱点でないことを除けば、「P5主人公」の最初のペルソナ「アルセーヌ」と属性の耐性が逆になっていたりと、「P5主人公」と対比の位置にいる明智を意識したような設定になっている。

メギドラ

万能属性の攻撃技。
ロビンフッドが初期から持っている技。
必要SP（スキルポイント）は24。敵全体に大ダメージを与えることができる。

メガトンレイド

物理属性の攻撃技。
ロビンフッドが初期から持っている技。
必要SPは62。敵1体に特大ダメージを与えることができる。

エイガ

呪怨属性の攻撃技。
ロビンフッドが初期から持っている技。
必要SPは8。敵1体に中ダメージを与えることができる。

コウガ

祝福属性の攻撃技。
ロビンフッドが初期から持っている技。
必要SPは8。敵1体に中ダメージを与えることができる。

ハマオン

祝福属性の攻撃技。
ロビンフッドが初期から持っている技。
必要SPは15。敵1体に中確率で祝福属性の即死効果を与えることができる。

ムドオン

呪怨属性の攻撃技。
ロビンフッドが初期から持っている技。
必要SPは15。敵1体に中確率で呪怨属性の即死効果を与えることができる。