十二国記(ラノベ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。
声:藤田淑子
慶国の先王。元は舒覚の名で、商家の娘だった。玉座を受け入れたのは景麒に惹かれてのことで、王としての手腕や度量はまるでなかった。実際即位した直後は王としての責務を果たそうとしたものの、官僚たちとの戦いで次第に政治への関心を失っていった。王位を返上すると泣くなど、弱い心根の主でもあったらしい。
また景麒は一目で舒覚が王だと分かったが、同時に名君になるには何かが決定的に欠けていることも感じ取ったと泰麒に語っている。予王は、不器用ながら自分をサポートしてくれる景麒に対し、恋にも似た感情を抱いた。景麒に執着するあまり女官など女性の家臣に嫉妬を感じ、「家臣に女はいらぬ」と女官をことごとく罷免した上、遂には国中から女性を追い出そうとした。これにより景麒が失道の病にかかり、景麒を救うべく自ら退位して蓬山で崩御したとされる。「予王」という名称はおくり名である。
景麒は舒覚を選んだものの、名君となるには多大な努力が必要だとも感じていたと、後に泰麒に話している。
舒栄(じょえい)
出典: neoapo.com
声:小山茉美
予王の妹。姉に代わり王位についていたが、正式なものではない偽王(ぎおう)である。呪具で景麒を縛りつけ、自身が麒麟に選ばれたと国民に思い込ませていたが、呪具を外された景麒が陽子の側についたことから化けの皮が剥がれる。
舒栄が玉座を欲したのは単なる権力欲ではなく、自分よりも容姿や頭脳に劣る姉が王に選ばれたことへの不満が元であった。姉を惑わせた景麒への恨みもある。予王が在位の時には政治に関心を持たなくなった姉を助けていた。
座長(ざちょう)
出典: neoapo.com
声:竹口安芸子
鈴、陽子、郁也が出会い、彼らを保護していた旅芸人一座の座長。原作では複数の一座が登場するが、アニメでは同じ一座である。
一時陽子を一座に入れて匿い、雁国まで連れて行った。鈴が一座に加わった時は幼く、仙になった鈴と100年ぶりに再会した時に「海客のお姉ちゃん」と声を上げている。郁也と鈴を引き合わせた。
飴売り玉葉(あめうりぎょくよう)
出典: neoapo.com
声:金田朋子
旅芸人一座の少女。幼いながら飴細工を得意とし、それで生計を立てている。母も一座にいる為、孤児というわけではない。優香に十二国世界の創世神話を話した。
微真(びしん)
出典: neoapo.com
声:紗ゆり
飴売り玉葉の母。人間不信状態だった陽子に優しく接した。原作にも登場するが、名前はアニメオリジナルである。
黄鉄(こうてつ)
出典: neoapo.com
声:中田譲治
一座の一員。かつて役人に追われた際、妹を死なせた過去を持つ。妹を守り切れなかった自責の念があり、役人から逃げおおせた陽子に冷たく接した。後に陽子と和解をし、雁国まで行くのを助けた。
遠甫(えんほ)
出典: youchiki.com
声:西村知道
達王に仕えていたとされる人物。松伯(しょうはく。かつて王に仕えていた仙を飛仙と呼び、自力昇山をした伯位以上の者は「伯」の呼び名をつけられる。「松」は達王に仕えていた頃に老松と呼ばれていた名残り)とも呼ばれる。
達王崩御の後は松塾を開き、世界・人道の理について教えていた。松塾の生徒には、他国から学びに来る者も多く、中には浩瀚のような道に優れた者もいた。かつて松塾は靖共の部下により襲撃を受け、焼き討ちされた。遠甫はその頃、景麒により里家で閭胥(ちょうろう。里家をまとめる立場)を務めていた。陽子はお忍びで遠甫の元を訪れて、国を治めることやその根底にある人道を学ぶ。
『風の万里 黎明の空』では昇紘の部下の小司馬が放った刺客に捕らえられる。和州の乱が治まった後は陽子に乞われて王宮にて、王の教育係である太師となる。
蘇蘭玉(そ らんぎょく)
声:川上とも子
里家で、弟の桂桂と共に暮らす少女。予王の崩御に伴って慶国が荒れていたため、桂桂共々他国に難民として逃れていた。新王即位により慶国に戻り、遠甫の里家に落ち着いた。妖魔に襲われていたところを陽子に救われた。この時の服装や振る舞いから陽子を男性と思い込んでいた。その後、里家で陽子と仲良くなる。
昇紘の部下である小司馬の放った刺客により、遠甫の捕縛を目撃したとして殺される。その直前、陽子が隠し持っていた御璽を見つけて陽子の正体を悟り、御璽を懐に隠して守り通した。
蘇蘭桂(そ らんけい)
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目次 - Contents
- 『十二国記』の概要
- 『十二国記』のあらすじ・ストーリー
- 月の影 影の海
- 月の海 迷宮の岸
- 風の万里 黎明(れいめい)の空
- 乗月(じょうげつ)
- 東の神海 西の滄海(そうかい)
- 『十二国記』の登場人物・キャラクター
- 慶東国(けいとうこく)
- 中嶋陽子/景王/中陽子(なかじま ようこ/けいおう/ちゅう ようし)
- 景麒(けいき)
- 白芥瑚(はく かいこ)
- 冗佑(じょうゆう)
- 驃騎(ひょうき)
- 班渠(はんきょ)
- 重朔(じゅうさく)
- 雀胡(じゃっこ)
- 青猿(あおざる)
- 玉葉(ぎょくよう)
- 予王(よおう)/舒覚(じょかく)
- 舒栄(じょえい)
- 座長(ざちょう)
- 飴売り玉葉(あめうりぎょくよう)
- 微真(びしん)
- 黄鉄(こうてつ)
- 遠甫(えんほ)
- 蘇蘭玉(そ らんぎょく)
- 蘇蘭桂(そ らんけい)
- 祥瓊(しょうけい)
- 大木鈴/木鈴(おおき すず/もくりん)
- 清秀(せいしゅう)
- 呀峰(がほう)
- 昇紘(しょうこう)
- 小司馬(しょうしば)
- 靖共(せいきょう)
- 浩瀚(こうかん)
- 柴望(さいぼう)
- 垣魋(かんたい)
- 秋官長(しゅうかんちょう)
- 夏官長(かかんちょう)
- 迅雷(じんらい)
- 労蕃生(ろうはんせい)
- 虎嘯(こしょう)
- 夕暉(せっき)
- 達王(たつおう)
- 丕緒(ひしょ)
- 祖賢(そけん)
- 蕭蘭(しょうらん)
- 青江(せいこう)
- 悧王(りおう)
- 薄王(はくおう)
- 比王(ひおう)
- 蓮花(れんか)
- 嘉慶(かけい)
- 雁州国(えんしゅうこく)
- 延王・尚隆(えんおう しょうりゅう)
- 延麒六太/馬鹿(えんきろくた/ばか)
- 白沃飛(はく よくひ)
- 悧角(りかく)
- 楽俊(らくしゅん)
- 帷湍(いたん)
- 揚朱衡(よう しゅこう)
- 成笙(せいしょう)
- 鳴賢(めいけん)
- 蛛枕(ちゅちん)
- 豊老師(ほう ろうし)
- 犬狼真君/駁更夜(けんろうしんくん/ばく こうや)
- 驪媚(りび)
- 斡由(あつゆ)
- 亦信(えきしん)
- 院白沢(いん はくたく)
- 毛旋(もうせん)
- 元魁(げんかい)
- 標仲(ひょうちゅう)
- 包荒(ほうこう)
- 興慶(きょうけい)
- 巧州国(こうしゅうこく)
- 塙王(こうこう)/錯王(さくおう)
- 塙麟(こうりん)/塙和(こうわ)
- 白尹灑(はくいさい)
- 楽俊の母
- 達姐(たっき)
- 松山誠三(まつやま せいぞう)
- 恭州国(きょうしゅうこく)
- 供王・珠晶(きょうおう しゅしょう)
- 供麒(きょうき)
- 相如昇(そう じょしょう)
- 室季和(しつ きわ)
- 鉦担(しょうたん)
- 聯紵台(れん ちょだい)
- 芳極国(ほうきょくこく)
- 峯王・仲韃(ほうおう ちゅうたつ)/洌王(れつおう)
- 佳花(かか)
- 峯麟(ほうりん)
- 月渓(げっけい)
- 沍姆(ごぼ)
- 戴極国(たいきょくこく)
- 泰王・驍宗(たいおう ぎょうそう)
- 泰麒蒿里(たいき こうり)/高里要(たかさと かなめ)
- 白汕子(はく さんし)
- 傲濫(ごうらん)
- 醐孫(ごそん)
- 李斎(りさい)
- 呂迫(ろはく)
- 花影(かえい)
- 琅燦(ろうさん)
- 丈阿選(じょうあせん)
- 巌趙(がんちょう)
- 英章(えいしょう)
- 正頼(せいらい)
- 霜元(そうげん)
- 臥信(がしん)
- 漣極国(れんきょくこく)
- 廉王・鴨世卓(れんおう おう せいたく)
- 廉麟(れんりん)
- 才州国(さいしゅうこく)
- 采王・黄姑(さいおう こうこ)
- 采麟揺籃(さいりん ようらん)
- 翠美君(すいびくん)/梨耀(りよう)
- 砥尚(ししょう)/梧王(ごおう)
- 扶王(ふおう)
- 栄祝(えいしゅく)
- 朱夏(しゅか)
- 青喜(せいき)
- 遵帝(じゅんてい)
- 奏南国(そうなんこく)
- 宋王・櫓先新(そうおう ろ せんしん)
- 宋麟・昭彰(そうりん しょうしょう)
- 明嬉(めいき)
- 利達(りたつ)
- 利広(りこう)
- 文姫(ぶんき)
- 柳北国(りゅうほくこく)
- 劉王助露峰(りゅうおう じょろほう)
- 劉麒(りゅうき)
- 頑丘(がんきゅう)
- 瑛庚(えいこう)
- 蒲月(ほげつ)
- 率由(そつゆう)
- 淵雅(えんが)
- 狩獺(しゅだつ)
- 駿良(しゅんりょう)
- 恵施(けいし)
- 範西国(はんせいこく)
- 氾王・呉藍浟(はんおう ご らんじょう)
- 氾麟・梨雪(はんりん りせつ)
- 女仙(にょせん)
- 玉葉/碧霞玄君(ぎょくよう/へきかげんくん)
- 禎衛(ていえい)
- 蓉可(ようか)
- 少春(しょうしゅん)
- 海客・蓬莱(かいきゃく・ほうらい)
- 浅野郁也(あさの いくや)
- 杉本優香(すぎもと ゆか)
- 壁落人(へき・らくじん)
- 高里卓(たかさと すぐる)
- 要の祖母
- 中嶋正志(なかじま まさし)
- 中嶋律子(なかじま りつこ)
- 『十二国記』の用語
- 十二国世界の世界観・地理
- 雲海(うんかい)
- 虚海(きょかい)
- 凌雲山(りょううんざん)
- 五山(ござん)
- 蓬盧宮(ほうろぐう)
- 黄海(こうかい)
- 昇山(しょうざん)
- 四令門(しれいもん)
- 蝕(しょく)
- 卵果(らんか)
- 十二国世界の天・王・麒麟
- 天帝(てんてい)
- 西王母(せいおうぼ)
- 王(おう)
- 仮王(かおう)/偽王(ぎおう)
- 麒麟(きりん)
- 失道(しつどう)
- 女怪(にょかい)
- 十二国世界の王以外の身分・生物
- 仙(せん)
- 女仙(にょせん)
- 胎果(たいか)
- 海客(かいきゃく)/山客(さんきゃく)
- 妖魔(ようま)
- 使令(しれい)
- 半獣(はんじゅう)
- 騎獣(きじゅう)
- 白雉(はくち)
- 鸞(らん)
- 鳳凰(ほうおう)
- その他
- 冬器(とうき)
- 水禺刀(すいぐうとう)
- 懐達(かいたつ)
- 里家(りけ)
- 『十二国記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「世界も他人も関係ない。私は優しくしたいから優しくするんだ。信じたいから信じるんだ」(中嶋陽子)
- 「楽俊の心が遠のいたんだ。楽俊は私が胎果でも差別しなかったのに王だと差別するのか。私たちの間には、たった二歩しかないじゃないか」「違う。おいらには三歩だ」(中嶋陽子・楽俊)
- 「自分を可哀想だっていうのはさ、ガキの涙だよ」(清秀)
- 「大事なのは相手の意図をくみ取ろうと努力をすること」(采王)
- 「この世は嬉しいこと半分、辛いこと半分できている」「その人が幸せなのは、恵まれているからではなく幸せであろうと努力をしたから」(采王)
- 「努力なしで物を与えられるってことは、それだけの働きを要求されるってことなんだ」「アンタは知ってなきゃいけなかったんだよ」(楽俊)
- 『十二国記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『十二国記』は同著者の小説『魔性の子』の続編であり本編
- 原作小説とアニメの違い
- 塙麟の死因が病死から塙王による殺害に変更
- 杉本優香は陽子のもう一つの姿
- 楽俊が柳国に向かった理由
- 『十二国記』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):『十二幻夢曲』
- ED(エンディング):有坂美香『月迷風影』