十二国記(ラノベ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。
戴国馬州の司寇大夫(法令に関する役職)。泰麒が戻ったと聞き蓬山に来た。泰麒を捕らえようとし、鎖で強引に引き寄せて泰麒をひざまずかせた。この時、自ら泰王即位の宣言をするが、泰麒が醐孫に王気を感じていなかった(麒麟が自ら膝を折った正式な契約ではない)為、女仙たちに追い返される。初めは泰麒の髪色が黒いことから、麒麟ではないただの子供かと疑った。後に門が開くのを待って昇山をしてきたが、「泰麒を捕らえた自分が王になるべきだ」と主張する中、驍宗に一撃で返り討ちにされている。
李斎(りさい)
声:進藤尚美
戴国の瑞州師中将軍。驍宗と同じ頃に昇山してきた。騎獣の飛燕に興味を示した泰麒と親しくなるも、王気は見い出されず「忠実まで御無事で」と声をかけられた。泰麒は彼女を通し、驍宗とも話をすることとなった。泰麒と驍宗を近づける一因になったとも言える人物である。
泰麒を自分の陣でもてなした際驍宗について聞かれて、驍宗は王直属の将軍だが、李斎自身は、自分は一州候に仕える身であり、実力、人格、身分いずれも驍宗の方がはるかに上だと言っている。李斎もまた優れた軍人であり、承州にその人ありと謳われるほどに名の通った将軍とされる(驍宗談)。
驍宗と共に泰麒を騎獣狩に連れ出した。この時、饕餮に襲われ捕まるが、泰麒が饕餮の折伏を試みたことで解放され汕子に保護されている。驍宗の即位を祝福して下山した。
呂迫(ろはく)
声:島香裕
玉座を欲して昇山してきた人物。その容姿から女仙たちに「南瓜大夫」のあだ名をつけられていた。六度も進香(香を上げる儀式)に訪れ、泰麒が広間に出るやその前に跪いて自身の出自等を述べるなど、王に選ばれることを強く望む。王気は見い出されずあっさりと「中日まで御無事で」と言われた。
花影(かえい)
アニメ未登場。
戴国秋官長大司冠にして、元藍州州宰。驍宗の登極の後李斎の友人となった。情に厚い女性で、人を裁く職務は向かず、気を病み秋官長の職を辞そうとした。驍宗が花影を秋官長に任命したのは、裁くのに向かない花影だからこそ、公正な粛清を行ってくれると信じた為と李斎から聞き、迷いを捨てて職務に当たるようになった。
阿選の乱が起きた際には、王宮を抜け出して放浪した。李斎と合流して行動を共にしたが、景王を騙してでも戴国のため支援をさせようとしていたことを知り、袂を分かつ。その後は行方不明。
琅燦(ろうさん)
アニメ未登場。
戴国の冬官長(国が所有する武具や物品を製造、管理する役職)大司空。見た目は18、19歳ほどの女性だが、かなりの博識。冬官の誰と話をしても通じるほどその知識は広く、豊富な知識や論理的な思考力から、冬官長としてはこれ以上ない程の適任とされる。
李斎らは泰麒に阿選の謀反の可能性を隠していたが、泰麒を無力な子供ではなく一国の王を選んだ重要な存在と見なして、阿選による謀反の恐れありと伝えた。琅燦曰く、初めて饕餮を使令に下した泰麒は饕餮以上の化け物。
驍宗を尊敬するが、天の理や麒麟までは敬っておらず、天の理がどう作用するかを知るべく、阿選を唆して泰麒の角を切らせた。
丈阿選(じょうあせん)
アニメ未登場。
戴国禁軍右将軍。戴国の先王である驕王の時代には、武勇や人望の点で驍宗と双璧を成すと言われた人物。驍宗の即位後は、皆が気を使って伝えないような恐ろしいことでも泰麒に伝えていたため、泰麒からの信頼を得ていた。
文州なる土地での内覧鎮圧に向かう驍宗に汕子、傲濫双方の使令を護衛につけるよう仕向け、無防備な泰麒の角を切った(麒麟の角を切ったのは、それをするとどうなるかを知りたい琅燦に唆されてのこと)。泰麒はこれにより記憶と力を失って蝕を起こし、蓬莱へ流された。麒麟が行方をくらませ、王である驍宗死亡の知らせが入ったこともあり、阿選が戴国の実権を握る。
姓が驍宗と同じ乍であり、もし驍宗が亡くなっていたとしても、新王として選ばれることはない。
巌趙(がんちょう)
アニメ未登場。
戴国禁軍左将軍。驍宗が登極する前から、彼の部下であった。驍宗とは兄弟のように親しみ合っていたが、先王の時代禁軍の将軍職に空きができた際、その座を驍宗に奪われたため、彼を憎んでいると噂されていた。李斎は「巌趙は驍宗を誇りに思い、驍宗もまた巌趙を家族同然に見ているようだ」とし、噂にあるように驍宗を逆恨みしていないと見ている。阿選の乱の後の動向は不明。
英章(えいしょう)
アニメ未登場。
戴国禁軍中将軍。登極以前からの驍宗の部下。奇計奇策で知られる有能な軍人である。それでも文州で次から次へと起こる内乱に対処しきれず、驍宗が自ら制圧に向かうこととなった。
正頼(せいらい)
アニメ未登場。
戴国瑞州の州宰(令尹ともいう)。傅相(台補や王が幼い場合の教育係)も兼任していた。驍宗が登極する前からの部下で、軍吏であった。優秀だが、茶目っ気もあり、泰麒や周囲の人々にいたずらを仕掛けることもある。それで驍宗に絞られることも少なくない。
霜元(そうげん)
アニメ未登場。
戴国瑞州左将軍。泰麒に西洋の騎士を想起させる品格を持つ。反乱の鎮圧に苦しむ英章の応援のため驍宗と共に文州に赴き、その後の消息は不明。
臥信(がしん)
アニメ未登場。
戴国瑞州右将軍。英章と同様、奇計奇策を得意とする。英章の策が陰であるのに対し、臥信の策には奇妙な明るさがあるとは李斎の評。驍宗本人に、「飢えた虎の横にいるようで、傍に行くのが嫌」と言ったことがある。
漣極国(れんきょくこく)
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目次 - Contents
- 『十二国記』の概要
- 『十二国記』のあらすじ・ストーリー
- 月の影 影の海
- 月の海 迷宮の岸
- 風の万里 黎明(れいめい)の空
- 乗月(じょうげつ)
- 東の神海 西の滄海(そうかい)
- 『十二国記』の登場人物・キャラクター
- 慶東国(けいとうこく)
- 中嶋陽子/景王/中陽子(なかじま ようこ/けいおう/ちゅう ようし)
- 景麒(けいき)
- 白芥瑚(はく かいこ)
- 冗佑(じょうゆう)
- 驃騎(ひょうき)
- 班渠(はんきょ)
- 重朔(じゅうさく)
- 雀胡(じゃっこ)
- 青猿(あおざる)
- 玉葉(ぎょくよう)
- 予王(よおう)/舒覚(じょかく)
- 舒栄(じょえい)
- 座長(ざちょう)
- 飴売り玉葉(あめうりぎょくよう)
- 微真(びしん)
- 黄鉄(こうてつ)
- 遠甫(えんほ)
- 蘇蘭玉(そ らんぎょく)
- 蘇蘭桂(そ らんけい)
- 祥瓊(しょうけい)
- 大木鈴/木鈴(おおき すず/もくりん)
- 清秀(せいしゅう)
- 呀峰(がほう)
- 昇紘(しょうこう)
- 小司馬(しょうしば)
- 靖共(せいきょう)
- 浩瀚(こうかん)
- 柴望(さいぼう)
- 垣魋(かんたい)
- 秋官長(しゅうかんちょう)
- 夏官長(かかんちょう)
- 迅雷(じんらい)
- 労蕃生(ろうはんせい)
- 虎嘯(こしょう)
- 夕暉(せっき)
- 達王(たつおう)
- 丕緒(ひしょ)
- 祖賢(そけん)
- 蕭蘭(しょうらん)
- 青江(せいこう)
- 悧王(りおう)
- 薄王(はくおう)
- 比王(ひおう)
- 蓮花(れんか)
- 嘉慶(かけい)
- 雁州国(えんしゅうこく)
- 延王・尚隆(えんおう しょうりゅう)
- 延麒六太/馬鹿(えんきろくた/ばか)
- 白沃飛(はく よくひ)
- 悧角(りかく)
- 楽俊(らくしゅん)
- 帷湍(いたん)
- 揚朱衡(よう しゅこう)
- 成笙(せいしょう)
- 鳴賢(めいけん)
- 蛛枕(ちゅちん)
- 豊老師(ほう ろうし)
- 犬狼真君/駁更夜(けんろうしんくん/ばく こうや)
- 驪媚(りび)
- 斡由(あつゆ)
- 亦信(えきしん)
- 院白沢(いん はくたく)
- 毛旋(もうせん)
- 元魁(げんかい)
- 標仲(ひょうちゅう)
- 包荒(ほうこう)
- 興慶(きょうけい)
- 巧州国(こうしゅうこく)
- 塙王(こうこう)/錯王(さくおう)
- 塙麟(こうりん)/塙和(こうわ)
- 白尹灑(はくいさい)
- 楽俊の母
- 達姐(たっき)
- 松山誠三(まつやま せいぞう)
- 恭州国(きょうしゅうこく)
- 供王・珠晶(きょうおう しゅしょう)
- 供麒(きょうき)
- 相如昇(そう じょしょう)
- 室季和(しつ きわ)
- 鉦担(しょうたん)
- 聯紵台(れん ちょだい)
- 芳極国(ほうきょくこく)
- 峯王・仲韃(ほうおう ちゅうたつ)/洌王(れつおう)
- 佳花(かか)
- 峯麟(ほうりん)
- 月渓(げっけい)
- 沍姆(ごぼ)
- 戴極国(たいきょくこく)
- 泰王・驍宗(たいおう ぎょうそう)
- 泰麒蒿里(たいき こうり)/高里要(たかさと かなめ)
- 白汕子(はく さんし)
- 傲濫(ごうらん)
- 醐孫(ごそん)
- 李斎(りさい)
- 呂迫(ろはく)
- 花影(かえい)
- 琅燦(ろうさん)
- 丈阿選(じょうあせん)
- 巌趙(がんちょう)
- 英章(えいしょう)
- 正頼(せいらい)
- 霜元(そうげん)
- 臥信(がしん)
- 漣極国(れんきょくこく)
- 廉王・鴨世卓(れんおう おう せいたく)
- 廉麟(れんりん)
- 才州国(さいしゅうこく)
- 采王・黄姑(さいおう こうこ)
- 采麟揺籃(さいりん ようらん)
- 翠美君(すいびくん)/梨耀(りよう)
- 砥尚(ししょう)/梧王(ごおう)
- 扶王(ふおう)
- 栄祝(えいしゅく)
- 朱夏(しゅか)
- 青喜(せいき)
- 遵帝(じゅんてい)
- 奏南国(そうなんこく)
- 宋王・櫓先新(そうおう ろ せんしん)
- 宋麟・昭彰(そうりん しょうしょう)
- 明嬉(めいき)
- 利達(りたつ)
- 利広(りこう)
- 文姫(ぶんき)
- 柳北国(りゅうほくこく)
- 劉王助露峰(りゅうおう じょろほう)
- 劉麒(りゅうき)
- 頑丘(がんきゅう)
- 瑛庚(えいこう)
- 蒲月(ほげつ)
- 率由(そつゆう)
- 淵雅(えんが)
- 狩獺(しゅだつ)
- 駿良(しゅんりょう)
- 恵施(けいし)
- 範西国(はんせいこく)
- 氾王・呉藍浟(はんおう ご らんじょう)
- 氾麟・梨雪(はんりん りせつ)
- 女仙(にょせん)
- 玉葉/碧霞玄君(ぎょくよう/へきかげんくん)
- 禎衛(ていえい)
- 蓉可(ようか)
- 少春(しょうしゅん)
- 海客・蓬莱(かいきゃく・ほうらい)
- 浅野郁也(あさの いくや)
- 杉本優香(すぎもと ゆか)
- 壁落人(へき・らくじん)
- 高里卓(たかさと すぐる)
- 要の祖母
- 中嶋正志(なかじま まさし)
- 中嶋律子(なかじま りつこ)
- 『十二国記』の用語
- 十二国世界の世界観・地理
- 雲海(うんかい)
- 虚海(きょかい)
- 凌雲山(りょううんざん)
- 五山(ござん)
- 蓬盧宮(ほうろぐう)
- 黄海(こうかい)
- 昇山(しょうざん)
- 四令門(しれいもん)
- 蝕(しょく)
- 卵果(らんか)
- 十二国世界の天・王・麒麟
- 天帝(てんてい)
- 西王母(せいおうぼ)
- 王(おう)
- 仮王(かおう)/偽王(ぎおう)
- 麒麟(きりん)
- 失道(しつどう)
- 女怪(にょかい)
- 十二国世界の王以外の身分・生物
- 仙(せん)
- 女仙(にょせん)
- 胎果(たいか)
- 海客(かいきゃく)/山客(さんきゃく)
- 妖魔(ようま)
- 使令(しれい)
- 半獣(はんじゅう)
- 騎獣(きじゅう)
- 白雉(はくち)
- 鸞(らん)
- 鳳凰(ほうおう)
- その他
- 冬器(とうき)
- 水禺刀(すいぐうとう)
- 懐達(かいたつ)
- 里家(りけ)
- 『十二国記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「世界も他人も関係ない。私は優しくしたいから優しくするんだ。信じたいから信じるんだ」(中嶋陽子)
- 「楽俊の心が遠のいたんだ。楽俊は私が胎果でも差別しなかったのに王だと差別するのか。私たちの間には、たった二歩しかないじゃないか」「違う。おいらには三歩だ」(中嶋陽子・楽俊)
- 「自分を可哀想だっていうのはさ、ガキの涙だよ」(清秀)
- 「大事なのは相手の意図をくみ取ろうと努力をすること」(采王)
- 「この世は嬉しいこと半分、辛いこと半分できている」「その人が幸せなのは、恵まれているからではなく幸せであろうと努力をしたから」(采王)
- 「努力なしで物を与えられるってことは、それだけの働きを要求されるってことなんだ」「アンタは知ってなきゃいけなかったんだよ」(楽俊)
- 『十二国記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『十二国記』は同著者の小説『魔性の子』の続編であり本編
- 原作小説とアニメの違い
- 塙麟の死因が病死から塙王による殺害に変更
- 杉本優香は陽子のもう一つの姿
- 楽俊が柳国に向かった理由
- 『十二国記』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):『十二幻夢曲』
- ED(エンディング):有坂美香『月迷風影』