十二国記(ラノベ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。

声:乃村健次

元麦州候。松塾の出であり、遠甫の弟子。舒栄を偽王だと指摘し、舒栄に従わずにいた為、陽子たちが駆け付ける前に舒栄の部下に捕らえられた。謀反の疑いをかけられて国外追放されかける。護送中に先代の冢宰(六官長、つまり官吏の長)である靖共の手下に襲われるが、桓魋らに救われている。最終的に身の潔白が証明された為、靖共に代わって冢宰となる。
予王の時代には半獣である為、士官に就けなかった桓魋をその任につけるべく彼の戸籍の部分から半獣の記述を破り捨てる、女性追放の命が下った時に「船が足りない」と称して出発を遅らせるといった融通を利かせるなど、王命よりも人道を重視する傾向にあった。女性追放令を出した予王の考えを間違ったものとしながらも、謀反を起こす度胸まではなかった。

柴望(さいぼう)

出典: neoapo.com

声:堀川仁

浩瀚の部下。元麦州の州宰だったが、浩瀚共々罷免された。その後は垣魋らが率いる軍勢と浩瀚を結ぶ連絡係を務めた。和州の乱が治まった後は和州候に任じられる。

垣魋(かんたい)

出典: twitter.com

声:松本保典

熊の半獣。『風の万里 黎明の空』に登場。初登場時は熊の姿をしていた。郁也の銃を見て「海客の武器か、面白い」と興味を示した。元は麦州師左将軍という地位に就いていた。当時の慶国の法律で半獣は将軍職に就けないことになっていたが、浩瀚の判断で実力に見合った将軍に任命された。朝廷に呀峰の悪行を知らしめ、かつての上司である浩瀚を救う為に反乱軍を結成していた。武官に追われていた祥瓊を救い、仲間に引き入れる。浩瀚への忠誠心は高く、彼の命令次第では予王を殺すことも厭わないとした。最終的に陽子に登用されている。

『東の海神 西の滄海』では、芳国の月渓を諭し、仮王となる決意をするのに一役買っている。

秋官長(しゅうかんちょう)

声:金月真美

『風の万里 黎明の空』に登場。靖共の派閥に属する秋官長(法令を司る役職)。和州の乱の後も秋官長の座に留まるが、侮っていた新王・陽子が自ら乱を鎮めたことから陽子に頭が上がらなくなる。30代くらいの女性。

夏官長(かかんちょう)

声:佐々木健

『風の万里 黎明の空』に登場。夏官長(軍事を司る役職)を務める。

迅雷(じんらい)

声:大滝進矢

『月の万里 黎明の空』に登場。禁軍左将軍。和州の乱の際靖共の命で進軍し、内乱軍とにらみ合いになる。陽子に一喝されて、靖共と呀峰を逮捕するよう勅命を受ける。和州の乱の後に軍を辞し、禁軍左将軍の座には垣魋が就いた。

労蕃生(ろうはんせい)

声:斎藤次郎

松塾出身。侠客であり、物の仲介(武器の入手など)を行う。本人曰く、「自分を頼ってくるのは、皆訳ありの連中」であり、荷が届くまでの間に話をしていた鈴と祥瓊に、「お互い訳ありなら余計なことは言わんほうがいい」と注意した。

虎嘯(こしょう)

声:西凛太朗

『風の万里 黎明の空』に登場。和州で宿を経営する。昇紘追放のために仲間を集め、殊恩党を結成して反乱を起こした。弟の夕暉を少学(※)に戻してやりたいと思ってもいる。豪放な性格。夕暉とは互いに補い合い、思い合う仲。和州の乱の後は陽子に仕える。

※少学(しょうがく)とは、序学、庠学、上庠の上に相当する教育機関である。州に一つあり、少学を出た者は大抵官吏になる。校長に当たる学頭の推薦を受け、試験に合格すると大学に進める。十二学世界では同じ読みの「小学」も存在するが、こちらは冬にのみ、子供相手に読み書きや計算を教えるもので、卒業などはない。

夕暉(せっき)

声:野島健児

『風の万里 黎明の空』に登場。虎嘯の弟。実質的に兄の宿を経営するのは夕暉である。虎嘯を考えなしと称したが、互いに想い合っている。明晰な頭脳の主で、細かい点での立ち回りが苦手な兄のサポート役とも言える。弓矢を得意とし、武器として使用する。

達王(たつおう)

かつての慶国景王。長らく王がおらず、荒廃した慶国を建て直し、300年に渡り統治したとされる。名君とされるが、末期には民を苦しめた。これは数百年国を治めることに耐えられず精神が破綻するという、長い在位期間を経てきた王によくある現象である。
達王の後、慶国には名君が現れず、無能な女王が続いたこともあり男性である達王を懐かしんで「懐達(かいたつ)」と呟く者もいる。この呟きにより、陽子は自分の至らなさ、頼りなさを痛感することとなる。「懐達」の言葉だけではなく、景王の象徴とも言える水禺刀を作るなど、慶国に与えた影響は大きい。

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