十二国記(ラノベ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。
出典: s.dianping.com
声:進藤尚美
景麒の女怪(麒麟が幼い時に乳母の務めをし、王を選んだ麒麟の使令となる存在)。『月の影 影の海』に登場。景麒の命令で陽子の先導役となる。郁也や優香とは離れて移動していることや、水禺刀についた碧双珠が陽子を守ることなどを説明し、水禺刀を失くさぬように言った。十二国世界に入った後、しばらく陽子を護衛していたが、追手の妖魔から陽子を逃がすべく囮になった。陽子に聞かれたことにはある程度の説明をしたが、何故十二国世界に陽子を迎えに来たのかなどの理由は話すことができないままであった。
冗佑(じょうゆう)
声:堀川仁
景麒の使令で、賓満(ひんまん)という種族。戦場や軍隊に現れる妖魔であり、人間などに憑依する。取り憑いた相手の目を借り、戦闘力を上げる。物語当初で陽子の体内に憑依し、剣を振るわせた。
景麒の命令に従い、無き者として振る舞っていた(姿を見せずにいた)ものの、陽子が十二国世界に留まるかどうか悩んでいた際に言いつけを破って話しかけている。尚、無き者として振る舞えとの命令は陽子が冗祐を恐れた為である。
『月の影 影の海』のラストで、陽子から名前の字を尋ねられ礼を言われた。この時、「使令は王や麒麟に仕えるもので、礼を言われるには及びません」と陽子に告げている。
驃騎(ひょうき)
声:清水敏孝
景麒の使令で種族は鉤吾(こうご)。原作での表記は「暗赤色の豹」。『月の影 影の海』では第一話から登場。陽子が投げ捨てた水禺刀を拾って景麒に手渡し、追っ手の妖魔と戦った。『風の万里 黎明の空』では、班渠共々昇紘の居場所を陽子に伝えている。
班渠(はんきょ)
声:岡野浩介
景麒の使令で、鋼色の毛並みを持つ狼のような外見。種族は狗即(いそく)。騎獣に匹敵する俊足を持つ。班渠は陽子を蓬莱に迎えに行った際、景麒と共に塙王の放つ追手の囮となった。その後も生き永らえ、陽子や景麒に仕える。
『風の海 迷宮の岸』では、景麒が泰麒に使令の捕らえ方を指南した際、「使令は麒麟の死肉を食べる」との景麒の言葉で大口を開けて泰麒を驚かせた(「麒麟を食べる」との言葉に対する一種のジョークと思われる)。
『風の万里 黎明の空』では、街に下りる陽子を影ながら護衛した。
重朔(じゅうさく)
出典: note.mu
景気の使令で、雍和(ようわ)という種族。蓬莱まで陽子を迎えに来た。陽子の要望により共に十二国世界に渡るべく、優香と郁也を抱えていた。見た目は巨大な狒狒に似る。
雀胡(じゃっこ)
景麒の使令で、飛鼠(ひそ)という種族。耳が短いうさぎといった外見。景麒が泰麒に妖魔を捕らえ使令に下す方法を教える際、手本として下したものである。景麒曰く「あまり強くない方なのでからめとりやすかった」とのこと。妖魔としては低位なので、片言でしか話せない。
青猿(あおざる)
出典: ameblo.jp
声:岡野浩介
どこからともなく現れる小男。青白い顔色をし、猿を思わせる。度々「本当は他人なんか信じてないんだろう?」などと、挑発めいた言葉をかけて陽子の心を乱す。その正体は陽子自身の迷いや弱さが水禺刀の鞘に反映して現れる幻覚であり、陽子が迷いを捨て蒼猿を斬ると同時に鞘に戻った。
猿のような男の姿で現れたのは、本来互いを封じ合う剣と鞘が離れ鞘の封印が解けた状態にあり、猿に変じた為(封印が解けると主の心を読んで惑わすのは、この鞘の性質である)。延王曰く、蒼猿が消えることは鞘が死ぬ(機能しなくなる)ことを意味している。本来水禺刀は景王以外の者には抜くことすらかなわないのだが、青猿が消え鞘が死んだことで、延王にも簡単に水禺刀を抜くことができた。尚、早い段階から陽子に斬りこまれそうになる描写があったが、その時は陽子に迷いがあったためか、斬られる前に姿を消している。
本来水寓刀の鞘とは、剣が王に幻覚を見せるのを封じる為にあった。その機能がなくなってから陽子は気を抜くたび悪夢や幻覚に悩まされることになる。
玉葉(ぎょくよう)
声:寺内よりえ
陽子が即位した当初の世話係。予王の時代に罷免された過去を持つ。しかし悲観はせず、これを機会に各地に遊学していた。『書簡』では陽子と共に楽俊の声を録音した鸞(声を吹き込まれて、それを伝える鳥)の報告を聞いている。
『風の万里 黎明の空』では采王の使者を名乗る鈴の来客応対をした。
予王(よおう)/舒覚(じょかく)
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目次 - Contents
- 『十二国記』の概要
- 『十二国記』のあらすじ・ストーリー
- 月の影 影の海
- 月の海 迷宮の岸
- 風の万里 黎明(れいめい)の空
- 乗月(じょうげつ)
- 東の神海 西の滄海(そうかい)
- 『十二国記』の登場人物・キャラクター
- 慶東国(けいとうこく)
- 中嶋陽子/景王/中陽子(なかじま ようこ/けいおう/ちゅう ようし)
- 景麒(けいき)
- 白芥瑚(はく かいこ)
- 冗佑(じょうゆう)
- 驃騎(ひょうき)
- 班渠(はんきょ)
- 重朔(じゅうさく)
- 雀胡(じゃっこ)
- 青猿(あおざる)
- 玉葉(ぎょくよう)
- 予王(よおう)/舒覚(じょかく)
- 舒栄(じょえい)
- 座長(ざちょう)
- 飴売り玉葉(あめうりぎょくよう)
- 微真(びしん)
- 黄鉄(こうてつ)
- 遠甫(えんほ)
- 蘇蘭玉(そ らんぎょく)
- 蘇蘭桂(そ らんけい)
- 祥瓊(しょうけい)
- 大木鈴/木鈴(おおき すず/もくりん)
- 清秀(せいしゅう)
- 呀峰(がほう)
- 昇紘(しょうこう)
- 小司馬(しょうしば)
- 靖共(せいきょう)
- 浩瀚(こうかん)
- 柴望(さいぼう)
- 垣魋(かんたい)
- 秋官長(しゅうかんちょう)
- 夏官長(かかんちょう)
- 迅雷(じんらい)
- 労蕃生(ろうはんせい)
- 虎嘯(こしょう)
- 夕暉(せっき)
- 達王(たつおう)
- 丕緒(ひしょ)
- 祖賢(そけん)
- 蕭蘭(しょうらん)
- 青江(せいこう)
- 悧王(りおう)
- 薄王(はくおう)
- 比王(ひおう)
- 蓮花(れんか)
- 嘉慶(かけい)
- 雁州国(えんしゅうこく)
- 延王・尚隆(えんおう しょうりゅう)
- 延麒六太/馬鹿(えんきろくた/ばか)
- 白沃飛(はく よくひ)
- 悧角(りかく)
- 楽俊(らくしゅん)
- 帷湍(いたん)
- 揚朱衡(よう しゅこう)
- 成笙(せいしょう)
- 鳴賢(めいけん)
- 蛛枕(ちゅちん)
- 豊老師(ほう ろうし)
- 犬狼真君/駁更夜(けんろうしんくん/ばく こうや)
- 驪媚(りび)
- 斡由(あつゆ)
- 亦信(えきしん)
- 院白沢(いん はくたく)
- 毛旋(もうせん)
- 元魁(げんかい)
- 標仲(ひょうちゅう)
- 包荒(ほうこう)
- 興慶(きょうけい)
- 巧州国(こうしゅうこく)
- 塙王(こうこう)/錯王(さくおう)
- 塙麟(こうりん)/塙和(こうわ)
- 白尹灑(はくいさい)
- 楽俊の母
- 達姐(たっき)
- 松山誠三(まつやま せいぞう)
- 恭州国(きょうしゅうこく)
- 供王・珠晶(きょうおう しゅしょう)
- 供麒(きょうき)
- 相如昇(そう じょしょう)
- 室季和(しつ きわ)
- 鉦担(しょうたん)
- 聯紵台(れん ちょだい)
- 芳極国(ほうきょくこく)
- 峯王・仲韃(ほうおう ちゅうたつ)/洌王(れつおう)
- 佳花(かか)
- 峯麟(ほうりん)
- 月渓(げっけい)
- 沍姆(ごぼ)
- 戴極国(たいきょくこく)
- 泰王・驍宗(たいおう ぎょうそう)
- 泰麒蒿里(たいき こうり)/高里要(たかさと かなめ)
- 白汕子(はく さんし)
- 傲濫(ごうらん)
- 醐孫(ごそん)
- 李斎(りさい)
- 呂迫(ろはく)
- 花影(かえい)
- 琅燦(ろうさん)
- 丈阿選(じょうあせん)
- 巌趙(がんちょう)
- 英章(えいしょう)
- 正頼(せいらい)
- 霜元(そうげん)
- 臥信(がしん)
- 漣極国(れんきょくこく)
- 廉王・鴨世卓(れんおう おう せいたく)
- 廉麟(れんりん)
- 才州国(さいしゅうこく)
- 采王・黄姑(さいおう こうこ)
- 采麟揺籃(さいりん ようらん)
- 翠美君(すいびくん)/梨耀(りよう)
- 砥尚(ししょう)/梧王(ごおう)
- 扶王(ふおう)
- 栄祝(えいしゅく)
- 朱夏(しゅか)
- 青喜(せいき)
- 遵帝(じゅんてい)
- 奏南国(そうなんこく)
- 宋王・櫓先新(そうおう ろ せんしん)
- 宋麟・昭彰(そうりん しょうしょう)
- 明嬉(めいき)
- 利達(りたつ)
- 利広(りこう)
- 文姫(ぶんき)
- 柳北国(りゅうほくこく)
- 劉王助露峰(りゅうおう じょろほう)
- 劉麒(りゅうき)
- 頑丘(がんきゅう)
- 瑛庚(えいこう)
- 蒲月(ほげつ)
- 率由(そつゆう)
- 淵雅(えんが)
- 狩獺(しゅだつ)
- 駿良(しゅんりょう)
- 恵施(けいし)
- 範西国(はんせいこく)
- 氾王・呉藍浟(はんおう ご らんじょう)
- 氾麟・梨雪(はんりん りせつ)
- 女仙(にょせん)
- 玉葉/碧霞玄君(ぎょくよう/へきかげんくん)
- 禎衛(ていえい)
- 蓉可(ようか)
- 少春(しょうしゅん)
- 海客・蓬莱(かいきゃく・ほうらい)
- 浅野郁也(あさの いくや)
- 杉本優香(すぎもと ゆか)
- 壁落人(へき・らくじん)
- 高里卓(たかさと すぐる)
- 要の祖母
- 中嶋正志(なかじま まさし)
- 中嶋律子(なかじま りつこ)
- 『十二国記』の用語
- 十二国世界の世界観・地理
- 雲海(うんかい)
- 虚海(きょかい)
- 凌雲山(りょううんざん)
- 五山(ござん)
- 蓬盧宮(ほうろぐう)
- 黄海(こうかい)
- 昇山(しょうざん)
- 四令門(しれいもん)
- 蝕(しょく)
- 卵果(らんか)
- 十二国世界の天・王・麒麟
- 天帝(てんてい)
- 西王母(せいおうぼ)
- 王(おう)
- 仮王(かおう)/偽王(ぎおう)
- 麒麟(きりん)
- 失道(しつどう)
- 女怪(にょかい)
- 十二国世界の王以外の身分・生物
- 仙(せん)
- 女仙(にょせん)
- 胎果(たいか)
- 海客(かいきゃく)/山客(さんきゃく)
- 妖魔(ようま)
- 使令(しれい)
- 半獣(はんじゅう)
- 騎獣(きじゅう)
- 白雉(はくち)
- 鸞(らん)
- 鳳凰(ほうおう)
- その他
- 冬器(とうき)
- 水禺刀(すいぐうとう)
- 懐達(かいたつ)
- 里家(りけ)
- 『十二国記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「世界も他人も関係ない。私は優しくしたいから優しくするんだ。信じたいから信じるんだ」(中嶋陽子)
- 「楽俊の心が遠のいたんだ。楽俊は私が胎果でも差別しなかったのに王だと差別するのか。私たちの間には、たった二歩しかないじゃないか」「違う。おいらには三歩だ」(中嶋陽子・楽俊)
- 「自分を可哀想だっていうのはさ、ガキの涙だよ」(清秀)
- 「大事なのは相手の意図をくみ取ろうと努力をすること」(采王)
- 「この世は嬉しいこと半分、辛いこと半分できている」「その人が幸せなのは、恵まれているからではなく幸せであろうと努力をしたから」(采王)
- 「努力なしで物を与えられるってことは、それだけの働きを要求されるってことなんだ」「アンタは知ってなきゃいけなかったんだよ」(楽俊)
- 『十二国記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『十二国記』は同著者の小説『魔性の子』の続編であり本編
- 原作小説とアニメの違い
- 塙麟の死因が病死から塙王による殺害に変更
- 杉本優香は陽子のもう一つの姿
- 楽俊が柳国に向かった理由
- 『十二国記』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):『十二幻夢曲』
- ED(エンディング):有坂美香『月迷風影』