十二国記(ラノベ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『十二国記』とは、小野不由美による小説、及びそれを原作とするアニメなどのメディアミックス作品である。女子高生の中嶋陽子は、人の顔色を気にして生きてきた。そんな陽子の前に、麒麟の景麒を名乗る青年が現れ彼女を王と呼ぶ。陽子は本来の故郷である十二国世界へ渡り、様々な戦いを経て王になる覚悟を決めるのだった。ある者は権力とそれに伴う責任に向き合い、ある者はコンプレックスに向き合って成長を遂げる。古代中国風の異世界を舞台にした異世界ファンタジーでありながら、不思議なリアリティを持つ作品である。
アニメ未登場。現柳国の麒麟。
『書簡』において、王共々シルエットでのみ登場しており、本編には登場していない。今の王を選び出すのに20年かかったとされる。王が昇山をしていないので、蓬山の外に王気を求めていったと思われる。
頑丘(がんきゅう)
アニメ未登場。
生まれは柳国。元は黄海で騎獣を狩る朱氏(雇い主のいない朱民。朱民とは、定住をせず諸国をめぐる浮民のこと)だった。珠晶が昇山をする際、黄海の護衛である剛氏として雇われる。
他者に理解されずとも構わないという達観した性格。珠晶とは「もし珠晶が王でなかったら頑丘の弟子にする、王になったら頑丘を臣下、或いは黄海での護衛とし、時折騎獣を届けに来る」といった約束をしていた。
瑛庚(えいこう)
アニメ未登場。
秋官の司刑(裁判官のようなもの)。感情を表に出すことが少ない。凶悪な罪人の処遇についての処遇に悩む。政治に関心のない王からは「司法に任せる」と言われており、勅命で禁じられている死罪を復活させるかどうか悩んでいた。死罪が復活すれば、秋官にある者がその権限を乱用すると危惧した為である。
50歳前に地官から州官となり、仙籍に入る。二度結婚しており、初めの妻の恵施が起こした詐欺事件の醜聞の責任を取るために仙籍を返上して職を辞した。下界に下りている間に清花なる女性と出会い結婚。下界に下りてから3年目、再び国から呼び戻される。
恵施との間に二男一女がいたが、長男と長女は瑛庚が仙籍に入った時には家庭を持っていたために地上に残り、父に先立ち亡くなっている。共に仙籍に入った次男は後々茅州なる土地の州官となった。清香との間には娘が一人いる。
蒲月(ほげつ)
アニメ未登場。
天官宮卿補(補佐官。天官は宮中行事を取り仕切る)。瑛庚の孫に当たる。
率由(そつゆう)
アニメ未登場。
秋官長司刺(罪人に情状酌量の余地があれば申告し、減罪を申し立てる)。死罪の復活が権限の濫用に繋がると怖れる瑛庚に対し、「罪なき者のためにこそ、死罪は必要」「罪人は罰せられると考えれば民も安心するでしょう」と述べている。
淵雅(えんが)
アニメ未登場。
柳国の太子。元は地官長を務め、今は秋官長。頑固な性格で、一度決めたことは決して変えようとはせず、どんな批判や撤回も受け付けない。この性格により、臨機応変に治められるべき政治に対応できず、現実を無視したような正論で部下を困らせることも多々ある。決して無能というわけではないが、周囲によれば自分の意見というものがない人物で、父王が決めたことを自分の決定であるかのように振る舞うことも多い。時々王が決定を覆すことがあるが、それを諫めようにも才覚や自分の意見を持たないため、うまくいった事例は皆無とされる。一部からは劉王以上の劉王と呼ばれるほどに尊大だが、父への対抗心が根底にある。
狩獺(しゅだつ)
アニメ未登場。
複数の州で強盗殺害を行い、裁きを受けている。均州での刑期を終えて、市井に放たれた半年後またも凶行に手を染める。二年間で16の事件を起こし、23名の犠牲者を出した。自らの行った悪事を認めはするものの、反省は全くしておらず、自分から死罪を望む。長らく死罪を用いなかった柳国だが、狩獺の起こした事件は残虐なもので、民の間から死罪を望む声が高く出て、司法官を悩ませることとなる。死罪にする、しないという結論はなかなか出ず、狩獺に更生の余地があるか否かに焦点となった。更生を拒むことが、刺青をして罪人を差別する司法に対する狩獺の復讐ではないかというのが、瑛庚の見立てである。
駿良(しゅんりょう)
アニメ未登場。
柳国の都である芝草に住む8歳の少年。明るく元気な子であったが、わずか十二銭(桃を買う金)を奪う為に狩獺に殺された。この時、狩獺は十分すぎるほどの大金を持っており、十二銭を奪う必要はなかった。駿良の事件は、狩獺と彼の悪事を非難する象徴のように語られる。
恵施(けいし)
アニメ未登場。
瑛庚の最初の妻。王宮で60年暮らし、「私はあなたが思うほど愚かではない」として去って行った。瑛庚からの援助を断り生活していたが、遂には困窮から瑛庚の名前を使い金品をだまし取る詐欺を働く。何度逮捕されても同じ罪を繰り返したのは、自分を愚か者と言った夫への当てつけと思われる。
範西国(はんせいこく)
氾王・呉藍浟(はんおう ご らんじょう)
アニメ未登場。『書簡』において、麒麟共々シルエットで登場したのみである。
現在の氾王。治世は300年。女性のように美しい美男子で、悪趣味な者や事物を嫌う。範国は気候や物資において恵まれておらず、工芸品や美術品等を他国に輸出することで国を豊かにした。貿易で栄えた為、他国の動向は常に把握している。
氾麟・梨雪(はんりん りせつ)
アニメ未登場。『書簡』において、王共々シルエットで登場したのみである。
現在の範国の麒麟。お転婆な性格。現在の字は「梨雪」だが、字は王の気まぐれでよく変えられるという。
女仙(にょせん)
玉葉/碧霞玄君(ぎょくよう/へきかげんくん)
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目次 - Contents
- 『十二国記』の概要
- 『十二国記』のあらすじ・ストーリー
- 月の影 影の海
- 月の海 迷宮の岸
- 風の万里 黎明(れいめい)の空
- 乗月(じょうげつ)
- 東の神海 西の滄海(そうかい)
- 『十二国記』の登場人物・キャラクター
- 慶東国(けいとうこく)
- 中嶋陽子/景王/中陽子(なかじま ようこ/けいおう/ちゅう ようし)
- 景麒(けいき)
- 白芥瑚(はく かいこ)
- 冗佑(じょうゆう)
- 驃騎(ひょうき)
- 班渠(はんきょ)
- 重朔(じゅうさく)
- 雀胡(じゃっこ)
- 青猿(あおざる)
- 玉葉(ぎょくよう)
- 予王(よおう)/舒覚(じょかく)
- 舒栄(じょえい)
- 座長(ざちょう)
- 飴売り玉葉(あめうりぎょくよう)
- 微真(びしん)
- 黄鉄(こうてつ)
- 遠甫(えんほ)
- 蘇蘭玉(そ らんぎょく)
- 蘇蘭桂(そ らんけい)
- 祥瓊(しょうけい)
- 大木鈴/木鈴(おおき すず/もくりん)
- 清秀(せいしゅう)
- 呀峰(がほう)
- 昇紘(しょうこう)
- 小司馬(しょうしば)
- 靖共(せいきょう)
- 浩瀚(こうかん)
- 柴望(さいぼう)
- 垣魋(かんたい)
- 秋官長(しゅうかんちょう)
- 夏官長(かかんちょう)
- 迅雷(じんらい)
- 労蕃生(ろうはんせい)
- 虎嘯(こしょう)
- 夕暉(せっき)
- 達王(たつおう)
- 丕緒(ひしょ)
- 祖賢(そけん)
- 蕭蘭(しょうらん)
- 青江(せいこう)
- 悧王(りおう)
- 薄王(はくおう)
- 比王(ひおう)
- 蓮花(れんか)
- 嘉慶(かけい)
- 雁州国(えんしゅうこく)
- 延王・尚隆(えんおう しょうりゅう)
- 延麒六太/馬鹿(えんきろくた/ばか)
- 白沃飛(はく よくひ)
- 悧角(りかく)
- 楽俊(らくしゅん)
- 帷湍(いたん)
- 揚朱衡(よう しゅこう)
- 成笙(せいしょう)
- 鳴賢(めいけん)
- 蛛枕(ちゅちん)
- 豊老師(ほう ろうし)
- 犬狼真君/駁更夜(けんろうしんくん/ばく こうや)
- 驪媚(りび)
- 斡由(あつゆ)
- 亦信(えきしん)
- 院白沢(いん はくたく)
- 毛旋(もうせん)
- 元魁(げんかい)
- 標仲(ひょうちゅう)
- 包荒(ほうこう)
- 興慶(きょうけい)
- 巧州国(こうしゅうこく)
- 塙王(こうこう)/錯王(さくおう)
- 塙麟(こうりん)/塙和(こうわ)
- 白尹灑(はくいさい)
- 楽俊の母
- 達姐(たっき)
- 松山誠三(まつやま せいぞう)
- 恭州国(きょうしゅうこく)
- 供王・珠晶(きょうおう しゅしょう)
- 供麒(きょうき)
- 相如昇(そう じょしょう)
- 室季和(しつ きわ)
- 鉦担(しょうたん)
- 聯紵台(れん ちょだい)
- 芳極国(ほうきょくこく)
- 峯王・仲韃(ほうおう ちゅうたつ)/洌王(れつおう)
- 佳花(かか)
- 峯麟(ほうりん)
- 月渓(げっけい)
- 沍姆(ごぼ)
- 戴極国(たいきょくこく)
- 泰王・驍宗(たいおう ぎょうそう)
- 泰麒蒿里(たいき こうり)/高里要(たかさと かなめ)
- 白汕子(はく さんし)
- 傲濫(ごうらん)
- 醐孫(ごそん)
- 李斎(りさい)
- 呂迫(ろはく)
- 花影(かえい)
- 琅燦(ろうさん)
- 丈阿選(じょうあせん)
- 巌趙(がんちょう)
- 英章(えいしょう)
- 正頼(せいらい)
- 霜元(そうげん)
- 臥信(がしん)
- 漣極国(れんきょくこく)
- 廉王・鴨世卓(れんおう おう せいたく)
- 廉麟(れんりん)
- 才州国(さいしゅうこく)
- 采王・黄姑(さいおう こうこ)
- 采麟揺籃(さいりん ようらん)
- 翠美君(すいびくん)/梨耀(りよう)
- 砥尚(ししょう)/梧王(ごおう)
- 扶王(ふおう)
- 栄祝(えいしゅく)
- 朱夏(しゅか)
- 青喜(せいき)
- 遵帝(じゅんてい)
- 奏南国(そうなんこく)
- 宋王・櫓先新(そうおう ろ せんしん)
- 宋麟・昭彰(そうりん しょうしょう)
- 明嬉(めいき)
- 利達(りたつ)
- 利広(りこう)
- 文姫(ぶんき)
- 柳北国(りゅうほくこく)
- 劉王助露峰(りゅうおう じょろほう)
- 劉麒(りゅうき)
- 頑丘(がんきゅう)
- 瑛庚(えいこう)
- 蒲月(ほげつ)
- 率由(そつゆう)
- 淵雅(えんが)
- 狩獺(しゅだつ)
- 駿良(しゅんりょう)
- 恵施(けいし)
- 範西国(はんせいこく)
- 氾王・呉藍浟(はんおう ご らんじょう)
- 氾麟・梨雪(はんりん りせつ)
- 女仙(にょせん)
- 玉葉/碧霞玄君(ぎょくよう/へきかげんくん)
- 禎衛(ていえい)
- 蓉可(ようか)
- 少春(しょうしゅん)
- 海客・蓬莱(かいきゃく・ほうらい)
- 浅野郁也(あさの いくや)
- 杉本優香(すぎもと ゆか)
- 壁落人(へき・らくじん)
- 高里卓(たかさと すぐる)
- 要の祖母
- 中嶋正志(なかじま まさし)
- 中嶋律子(なかじま りつこ)
- 『十二国記』の用語
- 十二国世界の世界観・地理
- 雲海(うんかい)
- 虚海(きょかい)
- 凌雲山(りょううんざん)
- 五山(ござん)
- 蓬盧宮(ほうろぐう)
- 黄海(こうかい)
- 昇山(しょうざん)
- 四令門(しれいもん)
- 蝕(しょく)
- 卵果(らんか)
- 十二国世界の天・王・麒麟
- 天帝(てんてい)
- 西王母(せいおうぼ)
- 王(おう)
- 仮王(かおう)/偽王(ぎおう)
- 麒麟(きりん)
- 失道(しつどう)
- 女怪(にょかい)
- 十二国世界の王以外の身分・生物
- 仙(せん)
- 女仙(にょせん)
- 胎果(たいか)
- 海客(かいきゃく)/山客(さんきゃく)
- 妖魔(ようま)
- 使令(しれい)
- 半獣(はんじゅう)
- 騎獣(きじゅう)
- 白雉(はくち)
- 鸞(らん)
- 鳳凰(ほうおう)
- その他
- 冬器(とうき)
- 水禺刀(すいぐうとう)
- 懐達(かいたつ)
- 里家(りけ)
- 『十二国記』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「世界も他人も関係ない。私は優しくしたいから優しくするんだ。信じたいから信じるんだ」(中嶋陽子)
- 「楽俊の心が遠のいたんだ。楽俊は私が胎果でも差別しなかったのに王だと差別するのか。私たちの間には、たった二歩しかないじゃないか」「違う。おいらには三歩だ」(中嶋陽子・楽俊)
- 「自分を可哀想だっていうのはさ、ガキの涙だよ」(清秀)
- 「大事なのは相手の意図をくみ取ろうと努力をすること」(采王)
- 「この世は嬉しいこと半分、辛いこと半分できている」「その人が幸せなのは、恵まれているからではなく幸せであろうと努力をしたから」(采王)
- 「努力なしで物を与えられるってことは、それだけの働きを要求されるってことなんだ」「アンタは知ってなきゃいけなかったんだよ」(楽俊)
- 『十二国記』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 『十二国記』は同著者の小説『魔性の子』の続編であり本編
- 原作小説とアニメの違い
- 塙麟の死因が病死から塙王による殺害に変更
- 杉本優香は陽子のもう一つの姿
- 楽俊が柳国に向かった理由
- 『十二国記』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):『十二幻夢曲』
- ED(エンディング):有坂美香『月迷風影』