リコ・ブレツェンスカ（進撃の巨人）の徹底解説・考察まとめ

リコ・ブレツェンスカのプロフィール・人物像

年齢：不明
身長：156cm
体重：52kg
誕生日：12月7日
星座：いて座
所属：駐屯兵団
役職：精鋭部隊班長

目的：巨人たちに一矢報い、平和を取り戻すこと
リコの由来 ：古ドイツ語の男子名
ブレチェンスカの由来：ドイツ姓

CV：鷄冠井美智子

リコ・ブレツェンスカとは『進撃の巨人』の登場人物であり、駐屯兵団所属の精鋭部隊班長である。駐屯兵団ではイアン・ディートリッヒ、ミタビ・ヤルナッハと並ぶ精鋭。外見は銀髪に眼鏡を掛け156cmと小柄である。
本編ではリコのみだったが、アニメ版でフルネームが判明する。また、原作ではカラー絵で登場したことがなかったため髪色は不明（予想では金髪が多かった）だったが、アニメでは銀髪である。駐屯兵団キッツ・ヴェールマンの部下で、初めて巨人化した後のエレンを取り囲んだ兵士の一人。キッツ以上に保守的な考えの持ち主で、何度もエレンを攻撃するようにキッツに進言している。リコは知的で冷静沈着で正義感が強い性格。冷静沈着で、巨人に対しては強い憎しみを持っており勇敢に戦うこともできる人物である。

トロスト区奪還作戦が開始した際、エレンを護衛する精鋭部隊の班長の一人として、エレンを扉に開いた穴を塞ぐ為の大岩まで連れて行った。しかし、この作戦自体に否定的で、エレンが暴走して動かなくなった時は直ぐに失敗の煙弾を撃ち、撤退しようとしている。イアンに説得されて納得していないが命令に従い、エレンを回収するまで巨人達から守るために戦い抜いた。精鋭部隊で唯一生き残り、作戦成功を知らせる黄色の煙弾を上げた。

その後、兵法会議でミカサとアルミンと共に証人として招かれ、エレンが巨人体を完全に制御出来ていない事実を報告書に書いたため、ミカサに舌打ちされる。

最終話でも生存していることが確認された。

リコ・ブレツェンスカの来歴・活躍

左腕の行方 リコ初登場

リコ・ブレツェンスカの初登場は原作では10話の「左腕の行方」で、アニメでは9話の「左腕の行方」である。
エレンが初めて巨人化した後、エレンが敵なのか、人類の味方なのかその場にいた誰もが不明だった。エレンを庇ったミカサとアルミンの3人を大勢の兵士が取り囲んでいる緊迫したシーンである。
リコの上司であるキッツ隊長が困惑していることろを、リコは「彼らの反抗的な態度は明らかです 有益な情報を引き出せそうにない… おっしゃる通り 兵と時間の無駄です」と冷静に隊長に進言している。
キッツが大砲を撃つ指示を出し、放たれたその時、再びエレンが巨人化した。今回は先ほどの完全体ではなく骨格だけの巨人でミカサとアルミンを大砲から守った。

キッツ隊長を筆頭にその場にいた兵士達は再び現れた巨人に恐れおののいていた。この場を乗り切るために、アルミンが武装を解いてキッツ隊長に説得を試みるが、キッツ隊長は歩み寄ろうとしたアルミンの話を理解できずにいた。恐怖から考えることを放棄していたのだ。アルミンは命を懸けて説得を続けた。その時、ピクシス司令が現れ「よさんか 相変わらず図体の割には小鹿のように繊細な男じゃ お前にはあの者の見事な敬礼が見えんのか」とキッツ隊長を制止した。ピクシス司令はトロスト区を含む南側領土を束ねる最高責任者であり人類の最重要区防衛の全権を託された人物である。ピクシス司令の登場によってエレン達は一命をとりとめた。

トロスト区奪還作戦

ピクシス司令

ピクシス司令が兵士達に、トロスト区奪還作戦について説明した。目的は破壊された扉の穴を塞ぐことである。エレンは極秘に研究してきた巨人化生体実験の成功者であり秘密兵器だと演説した。それは、初めて巨人に遭遇し仲間が食い殺されるという凄惨な事態を目の当たりにし、絶望し混乱した状態の兵士達に希望を与え混乱を防ぐ目的もあった。実際兵士達は絶望し戦いを放棄しようとする者もいたが、ピクシス司令の「その巨人の恐ろしさを自分の親や兄弟愛する人にも味わわせたい者も！！ここから去るがいい！！」という喝に戦線離脱を思い留まるのだった。さらにピクシス司令は続けた。これ以上領土が減っては国が養える国民の許容を超える。口減らしするわけにはいかない。「我々はこれより奥の壁で死んではならん！！どうかここでー ここで死んでくれ！！」この言葉にその場にいた兵士全員が何をすべきか理解でき、パニックを回避した。

アニメ版オリジナルのシーン。ピクシス司令は駐屯兵団の精鋭3人を呼んだ。最も危険な任務、エレンの護衛に選ばれた。
「イアン・ディートリッヒ、リコ・プレッツェンスカ、ミタビ・ヤルナッハ、おぬしらは、駐屯兵団の精鋭中の精鋭だ、人類の命運を託したぞ！」と命令する。
「は！」と敬礼する3人。

指揮を任されたイアンは当初大役に戸惑うが、ミカサを「お前の腕が必要だ」と精鋭班に任命した。さらに、扉の穴を塞ぐために壁上を進むエレンに「極秘人間兵器とか言ってたが…穴をふさげるのなら何でもいい… お前を最優先で守る 頼んだぞ！」とエレンに声を掛けるなどリーダーシップを発揮し始めた。
精鋭班はエレンを大岩まで送るために、建物の上を進んだ。

「エレン、体は大丈夫？」と心配するミカサとやり取りするエレンの間にリコが割って入った。そして「ままごとやってんじゃないぞ、イェーガー」と言い放った。
「お前みたいな甘えたガキに人類の命運をかけなきゃならんとはな」ミタビも加わった。そんな2人をイアンは取り成した。

リコはエレンと並走しながらエレンに忠告する。「ひとつ言っておくぞ。イェーガー。この作戦で決して少なくはない数の兵が死ぬことになるだろう。あんたのためにな」
エレンは走りながらリコの話を聞いていた。
「それは私達の同僚や先輩や後輩の兵士たちだ。当然兵士である以上死は覚悟の上だ。だがな、彼らは物言わぬ駒じゃない。」リコは巨人達と戦う仲間の姿を思い浮かべながら忠告を続ける。
「彼らには名前があり、家族があり、その分だけに思いがある。アルーシャ、ドミニク、フィーネ、イサベル、ルードヴィヒ、マルティナ、キド、ハンス。皆血の通った人間だ。訓練兵時代から同じ釜の飯を食ってるやつもいる。そんな彼らも多くが今日、あんたのために死ぬことになるだろう。あんたには彼らの死を犬死にさせてはいけない責任がある。なにがあろうとな。そのことを甘えた心に刻め。死ぬ気で責任を果たせ。」
エレンはリコの言葉を聞き、必ず任務を果たすと強く決意する。

エレン巨人化

人類の期待がエレンの力に集中する中、エレンは大岩を壁まで運ぶために巨人化した。しかし巨人化したエレンは岩ではなくミカサを攻撃してしまったのだ。監視していた精鋭班のリコは「作戦失敗だ！」と信煙弾を取り出し、「分かってたよ…秘密兵器なんか存在しないって…」と赤い煙弾を頭上に放った。その色は申告な問題の発生を意味した。しかしその煙弾を見ても、ピクシス司令は作戦続行を命令した。「精鋭班に関しては現場に権限を委任しておる ただ腕が立つだけではない人類の命運を託した精鋭の中の精鋭じゃ…そう簡単に負けを認めることは許されんぞ 死んでくれた兵を無駄死ににせんためにワシらができることは…生ある限り足掻き通すことじゃ」とピクシスは続けた。

暴走して自爆したエレンに巨人が3体近づいてくる。作戦は失敗した。もう逃げようと話す兵士がいる中で、指揮を任されたイアンは「エレンを無防備なまま置いてはいけない！」とリコ班に後方の12m級を任せた。ミタビ班とイアン班で前方の2体を倒す作戦である。リコは「この出来損ないの人間兵器様のために…今回だけで数百人は死んだだろうに… コイツを回収して また似たようなことを繰り返すっての？」と腑に落ちていない。「そうだ…何人死のうと何度だって挑戦すべきだ！」と意に反してイアンに肯定され、リコはミタビと共に凍り付いた。「イアン！？正気なの？！」と問うが、イアンから、他に巨人に打ち勝つ方法を質問された。リコは「巨人に勝つ方法なんて 私が知ってるわけがない…」と諦めも入り混じった同調をするのだった。イアンは続けた。報われる保証のない作戦のために命を懸けること。これが俺達にできる戦いで、許された足掻きだ、と。「そんなの…納得できない」と立ち去るも「作戦には従うよ…あなたの言ってることは正しいと思う… 必死に足掻いて人間様の恐ろしさを思い知らせてやる 犬死になんて納得できないからね… 後ろの12m級は私の班に任せて」と巨人との戦いに向かった。

扉の穴から次々と侵入してくる巨人と戦い続けるも、巨人達がエレンに向かい始める。エレンを守るために囮となり、立体起動装置の使えない地上に降り、巨人の気をエレンから逸らす作戦に出たミタビ班。続いてイアン班も地上に降り巨人をエレンから遠のける。作戦はうまくいき、エレンは大岩を運び、扉の穴を塞ぐことができた。しかしミタビ、イアンをはじめとした兵士達の犠牲は計り知れなかった。
エレンが穴を塞ぐことに成功し、その光景をみたリコは「皆… 死んだ甲斐があったな… 人類が今日… 初めて… 勝ったよ…」と呟き、作戦成功を意味する黄色の煙弾を撃った。

エレンの進退における審議会が開かれることになった。エレンの処遇をめぐって、調査兵団と憲兵団の間でどちらが身柄を引き取るかが争点であった。
審議会の中で、エレンが巨人化した時に制御不能に陥り、ミカサを襲ったという報告書について告げられる。

チッ、と舌打ちをするミカサ。リコが「報告書にウソを書けってのか。この事実を隠すことは人類のためにならないんだよ」と釈明する。
総統から報告が事実か問われるミカサに、リコは「ごまかさずに答えないとエレンのためにならないぞ」と告げた。

ミカサは事実であることを認めると同時に巨人化したエレンから助けられたことを訴えた。審議会はミカサの訴えの真偽を問うため、ミカサの過去を持ち出した。両親の死について蒸し返す内容に激昂したエレンは「この腰抜けどもめ、いいから 黙って俺に投資しろ！」と叫んだ。騒然とする中、リヴァイが登場し、その場を収めるためにエレンを歯が抜けるほど蹴り殴り痛めつけた。コイツを殺せるのは俺しかいないとリヴァイが説明し、エレンの身柄は調査兵団に預けられることとなった。

南西へ ～東防衛線～

リコ・ブレツェンスカが最後に登場したのは、原作だと13巻の鎧の巨人にさらわれたエレン達が壁内に戻り、壁上で休んでいるシーンである。
アニメでは2期3話（28話）で駐屯兵団が壁内に現れた巨人を討伐したシーンがアニメ版では最後の登場となる。

東防衛線での巨人撃退シーンである。キッツの掛け声で巨人に砲撃を浴びせ、リコガうなじを削いでとどめをさした。
「この調子なら この攻防戦も維持できます！」と同僚兵士に声を掛けられたリコは、「いや、巨人の恐ろしさは数の力だ。集団で来られたら、ここも突破されてしまうだろう」と答え、「ただ なんだろ…何か…」（おかしい）と続けた。

リコ・ブレツェンスカの関連人物・キャラクター

キッツ・ヴェールマン

駐屯兵団第一師団精鋭部隊長。規則を守るのが兵士であり、それ以外は排除する、それが兵士の務めという自論を持つ。
巨人化したエレンがあまりに未知数だったため「人間に化けた敵」だと彼を恐れ、彼を庇うミカサやアルミンを反逆者として処刑しかけた。寸前でキッツによるエレン達への攻撃を止めさせたドット・ピクシス司令からは「図体がでかい割りに小鹿のように繊細な男」と言われた。しかし、巨人に対する評価はかなり的を得ており、知性巨人の存在など全く明らかになっていなかった時点で、「巨人は人間に化け人類を欺く」という正解を言い当てていた。
また、ウォール・ローゼに巨人が出現した際には東防衛線で精鋭部隊の指揮官として巨人との戦いを指揮するなど、普通に前線にいる。この地点は防衛線の最南にある最重要地点で、リコが発言している通り、巨人の集団でやって来たら直に突破されてしまう超危険地帯であった。柔軟性に欠けリスクを恐れる面があるものの、全ては人類を考えての行動であり、基本的に命令に忠実に命懸けで頑張るようである。

イアン・ディートリッヒ

駐屯兵団所属の精鋭部隊の班長。原作ではイアンのみだったが、アニメ版でフルネームが判明した。
トロスト区の壁外への門が超大型巨人に破壊された際、住民を避難させる後衛部の班長を務めた。その際、実力を高く評価していたミカサを指名して後衛部へ配属させている。冷静沈着かつ寛容な人物ある。トロスト区奪還作戦が開始した際、エレンを護衛する精鋭部隊の班長を務めた。リコ、ミタビら兵士達とともにエレンを扉の穴を塞ぐための大岩まで同行した。巨人化したエレンが暴走してミカサを襲い、そして自爆して動かなくなると、作戦が失敗と判断した班員達が撤退するのを制止しエレンを回収せよと指示した。リコ達から反対されるが、巨人から勝つための方法が他に無く、わずかな可能性のためにも「命を投げ打って健気に尽くすことだ」と説得し、接近する巨人達からエレンを守った。そして、エレンが復活し大岩を運び出した際、ミタビの班が捨て身の囮になって巨人達を引き離しているのを見て自分達も続いて囮になり、そして巨人に捕食され戦死した。この犠牲で扉の穴は塞ぐことができたのである。

ミタビ・ヤルナッハ