【進撃の巨人】エレン「アニの捕獲に成功した」【厳選名作SS】
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。今回のお話ではアニが幼児退行してしまいます。無邪気なアニに振り回されるエレン達調査兵団。普段はなかなか見られないアニの可愛い姿をご堪能下さい。
エレン「アニの捕獲に成功した」
出典: pbs.twimg.com
1 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:51:29 ID:Zeq8H8aM
また幼児退行ネタだよ
コミック8~10巻未読の人はネタバレ注意な!
※似たようなタイトルの前作とは何の繋がりもございません
2 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:52:09 ID:Zeq8H8aM
アニ「エレン」
エレン「おう」
アニ「そとにでたい」
エレン「無理だ」
アニ「……いじわる」
エレン「俺だって出たいっつーの」
アニ「エレンはつめたい」
エレン「そうだな」
アニ「……ふたりきりなのに、つめたい」
エレン「ああ」
アニ「もう、いい」プイッ
3 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:52:53 ID:Zeq8H8aM
アニ「たいくつ」
エレン「寝とけ」
アニ「ねむくない」
エレン「じゃあ起きとけ」
アニ「おきてる」
エレン「なら、いいじゃねえか」
アニ「つまらない!」
エレン「全部、お前のせいだからな」
アニ「……エレンきらい」
エレン「俺もだ」
アニ「!? う、うそ。わたしエレンきらいってほどじゃない」
エレン「俺は嫌いだ」
アニ「…………」シュン
4 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:53:35 ID:Zeq8H8aM
エレン「おい、飯食えよ」
アニ「いらない」
エレン「食え、死なれたら困る」
アニ「エレンはわたしのこときらいなんでしょ」
エレン「ああ嫌いだよ」
アニ「……じゃあほっといてよ」グスッ
エレン「でも任務だ。嫌いでも何でも、お前に死なれたら困るんだよ」
アニ「ほっといて!」
エレン「…………」ハァ
アニ「エレンきらい」
エレン「俺もだよ」
5 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:54:34 ID:Zeq8H8aM
ハンジ『アニ・レオンハートは精神に異常をきたして、幼児退行してしまった』
エレン『は!?』
ハンジ『現時点ではそう判断するしかない。演技かどうかも判断できない』
ハンジ『厄介なのは、現時点では巨人勢力について情報が引き出せないってことだ』
エレン『そんな! あんなに犠牲を払ってまで捕まえたのにどうにか出来ないんですか!?』
アルミン『アニに外傷はない。恐らく心因性のものだよ。だから時間をかければ元に戻るかもしれない』
エレン『本当か!?』
ハンジ『でも、保証はないよ。一生このままかもしれないし、そういうフリをして脱出の機会を虎視眈々と狙っているだけかもしれない』
エレン『ど、どっちなんですか!?』
ハンジ『だーかーら、わかんないって。上のほうでもそれで意見がぶつかりあってるよ』
エレン『それは……前に俺がされたように、裁判にかけられるってことですか?』
6 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:55:47 ID:Zeq8H8aM
アルミン『まともに受け答えができないだろうし、現状で裁判を開くことはないと思う。話し合ってるのは情報源としての価値があるかどうかだからね』
エレン『(情報源……価値……)』
ハンジ『今の精神状態では、情報源としての価値はない。だからエレンの代わりに解剖するべきって声も上がってる』
エレン『え!? 駄目ですよ、そんなの! 人類の敵の正体を知るチャンスですよ!?』
ハンジ『そうだね。私もそう思う、けどモタモタしてると知性を持った巨人……超大型と鎧の巨人が再び現れる可能性がある』
アルミン『アニを奪還するためにですか? でもアニの所在を隠蔽している間は、その可能性は低いですよね?』
ハンジ『そう願いたいね。でも時間がないのは紛れもない事実だ。拷問して聞き出すべきなんて声も出ている』
エレン『拷問……!?』
ハンジ『強いショックを与えれば戻るかもしれないし、演技だとしたら化けの皮が剥がれるだろ?』
エレン『だ、だからってそんな……惨いことをするなんて……』
ハンジ『エレン? さっき君が言ったじゃないか。人類の敵の正体を知るチャンスだって』
ハンジ『形振り構ってる暇はないんだよ、人類にはね』
7 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:56:41 ID:Zeq8H8aM
エレン『(あいつは……リヴァイ班のみんなを殺した)』
エレン『(でもだからって拷問なんて。そんなことして、それは人として正しいことなのか?)』
エレン『(形振り構ってられないのは、わかる。けど、それでも……)』
ハンジ『悩んでるね、エレン』
エレン『えっ!? はい……い、いえ! そんなことは』
ハンジ『君が望むなら、条件付で最初の選択肢を選んでもらう、ということも出来るんだけど』
エレン『俺が、望むなら……って』
ハンジ『君がアニの監視役となり、二人で地下に幽閉させてもらうって方法さ』
エレン『はぁ!?』
ハンジ『私とアルミン的にそれが今、ほぼ全ての条件を満たした最有力の手だと思うんだけど』
8 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:58:13 ID:Zeq8H8aM
エレン『ど、どういうことですか!?』
アルミン『まずアニの生命を保障できる。エレンを捕まえようとした以上、アニは簡単にエレンを殺そうとはしない』
ハンジ『まだ兵団的にはエレンも脅威対象だ。二人揃って幽閉するなら、監視の手間も省ける』
エレン『ま、待ってください!』
ハンジ『アニに大なり小なりショックを与えることも出来る。君が望むなら拷問をしてもいいよ』
エレン『ハンジ分隊長!』
ハンジ『クリアできないのは時間だけ。まあ簡単に言っちゃえば、君にアニの処遇を一任するってわけさ』
エレン『そ、そんなこと急に言われても、俺は……!』
ハンジ『選んだ結果は誰にもわからない。だからエレンの決断を、誰も責めたりはしない』
エレン『そういう問題じゃないでしょう!?』
ハンジ『じゃあこれはどういう問題だ?』
9 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:58:51 ID:Zeq8H8aM
エレン『ど、どういう問題って……』
ハンジ『君個人の問題? アニ自身の問題? 兵団の問題? 違うだろ、エレン。これは人類全ての問題だ』
ハンジ『酷なようだけど、君の意見は重要視しないし、されない。ただ人類にとっての最善策を、君が選ぶか選ばないかだ』
アルミン『エレン、辛いことかもしれないけど、よく考えて欲しい』
アルミン『そして僕は君がどんな答えを出しても、その意見を尊重するよ』
エレン『……どうして、俺なんだよ』
ハンジ『巨人になれるから。アニと同期だから。そして何よりも』
ハンジ『そういう運命に選ばれたんだよ、君は』
10 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 22:59:41 ID:Zeq8H8aM
エレン「はぁ……」
エレン(今、何日目だ? 何時間経った? 外はどうなっている?)
アニ「エレン?」
エレン「なんだよ」
アニ「なんでエレンはわたしのこときらいなの?」
エレン「……仲間をたくさん殺した」
アニ「……そんなのしらないもん」
エレン「っ! 殺したんだよ、何人も! 調査兵団の皆を! 虫を潰すようにな!」
エレン「どうしてそんなことが出来た! なんの大儀があった! いつまでもガキみたいなフリしてるんじゃねえよ!」
アニ「……ふぇ」ポロポロ
エレン「!? ……くそっ」
アニ「うぅぅぅ……」ポロポロ
エレン(なんなんだよ、どうすればいいんだよ、これ……)ハァ
11 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:00:49 ID:Zeq8H8aM
エレン『俺とお前はしばらく同じところで住むことになった』
アニ『あなただれ?』
エレン『……エレンだよ。エレン・イェーガー。知ってるだろ』
アニ『』フルフル
エレン『そっか。なら覚えてくれ、俺はエレンだ』
アニ『エレン……』
エレン『(駄目だな、想像以上に、キツい)』
アニ『エレンとわたしはどうしてここにすむの?』
エレン『アニが元通りになるようにだよ』
アニ『もとどおり?』
エレン『お前は元々、なんつーか、全然違う感じだったんだよ』
アニ『わたしはわたしだよ』
エレン『いや、今のお前は違う。お前は……何歳だ?』
アニ『8さい!』
エレン『……そっか』
12 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:01:42 ID:Zeq8H8aM
アニ『ねえ、エレン。ちがうわたしってどんなのだった?』
エレン『大男を蹴り飛ばしてたよ』
アニ『なにそれ、へんなの』クスクス
エレン『ああ。そんなにちっせーのに、すっげー強かった』
アニ『……おとうさんがむりやりれんしゅうさせるんだもん』
エレン『親父さんのことは覚えてるんだな』
エレン『(ってことは、8歳まで記憶が戻ってるってことか?)』
エレン『なあ! お前の家のこと教えてくれよ』
アニ『わからない』
エレン『……は!? なんで!?』
アニ『わからないもん』
エレン『(都合の悪いところはわからない、か。確かにフリをしてる可能性もあるな)』
エレン『はあ、どうすっかな……』
13 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:02:34 ID:Zeq8H8aM
アニ「」グスッ
エレン(やっと泣き止んだか)
エレン「なあ、アニ」
アニ「」プイッ
エレン「……あー、もう」
エレン(ミカサが拗ねたとき、どうしたっけ……あぁ、そういえば)
ミカサ『頭を撫でてくれたら機嫌を直す』
エレン(なんてことがあったな。あれ、脅迫に近かったよな)
エレン「アニ」ナデ
アニ「!」
エレン「ごめんな、泣かせるつもりはなかったんだ」ナデナデ
アニ「……もっと」
エレン「ん?」
アニ「もっとなでてくれたらゆるします」
エレン「なんで敬語なんだよ」ナデナデ
14 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:03:27 ID:Zeq8H8aM
アニ「♪」
エレン(なんとか機嫌直してくれたか)
アニ「エレン」
エレン「なんだよ」
アニ「わたしがいっぱいえれんのともだちころしちゃったの?」
エレン「……そうだよ」
アニ「そっかぁ。なんでころしちゃったの?」
エレン「お前しかわからねえよ、そんなこと」
アニ「わたししらないもん」
エレン「知ってるよ」
アニ「だからわたしのこときらいなの?」
エレン「……だからってわけじゃないかもしれないけど、よくわからないな」
アニ「エレンもしらないんだ」
エレン「いや、俺はわからないんだ」
15 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:04:20 ID:Zeq8H8aM
アニ「エレンはわたしとちがうの?」
エレン「ん?」
アニ「しらないから、ここにいるんじゃないの?」
エレン「違うよ。俺はお前の監視役だ」
アニ「かんしやく?」
エレン「変なことしないか見張るってことだよ」
アニ「なにもしないもん」
エレン「どうだろうな。アニは……嘘つき、だったからな」
アニ「うそつきじゃないよ!」
エレン「今のアニは、そうかもな」
アニ「ちがうわたしはうそつきだったの?」
エレン「ああ、大嘘つきだ。俺の同期全員騙してたんだからな」
アニ「ふーん……」
16 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:05:12 ID:Zeq8H8aM
エレン「人類の敵なのにさ、俺たちに混じって訓練受けてさ、成績四位を取ってさ」
アニ「てきなの?」
エレン「敵だよ。俺の母さんや、アルミンの爺ちゃんを殺すキッカケを作ったし、ウォール・マリアを陥落させた」
アニ「……? よくわからない」
エレン「っ! ……まあ、知らないんだからしょうがない、か?」
アニ「そうだよ」
エレン「……でもちょっと腹が立ったから」グシャグシャ
アニ「! や、やめてよ! かみのけぐしゃぐしゃしないで!」
エレン「このくらいで勘弁してやろう」
アニ「エレンきらい!」プイッ
エレン「ははは、俺もだよ」
17 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:05:57 ID:Zeq8H8aM
エレン「なあ、アニ。巨人になる方法、知ってるか?」
アニ「しらない」
エレン「そっか。じゃあお前、友達いたか? よく一緒に居た幼馴染とか」
アニ「もりのなかでおとうさんとふたりでくらしてたから」
エレン「うーん……じゃあ、親父さんのこと教えてくれよ」
アニ「……なんで?」
エレン「知りたいからだよ」
アニ「それは」
エレン「うん?」
アニ「こうりゃくほうということでしょうか」
エレン「攻略?」
アニ「ごあいさつてきな」
エレン「ご挨拶?」
アニ「もういい。おしえない」プィ
エレン「なんで!?」
18 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:06:57 ID:Zeq8H8aM
エレン「わかったよ! お前の親父さんを攻略するためだ!」
アニ「さっきのいいかたからしてあきらかにちがうでしょ」
エレン「うっ……じゃ、じゃあ、ほかの事教えてくれよ!」
アニ「たとえば?」
エレン「例えば、なんでお前は技術を教わってたんだ?」
アニ「……よくしらないけど、せんしにするためだって」
エレン「戦士? ってことは他にもアニみたいな戦士はいるのか?」
アニ「しらない」
エレン「会ったことがないのか」
アニ「そのとちゅうでここにきたから」
エレン「途中?」
アニ「いどうしてる、ばしゃのなかでねむって、きがついたらここだったの」
エレン「なるほど、だから俺を覚えてないのか」
エレン(なら8歳で戦士になるために、兵団みたいなところに入ったのか)
19 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:07:53 ID:Zeq8H8aM
ハンジ「うーん、情報量としてはあまり芳しくないね」
エレン「す、すいません」
ハンジ「でもアニが演技をしている可能性は、少し減ったかな。聞いている限りでは本当に子供のような振る舞い方だ」
エレン「そうですか! よかった……」
ハンジ「…………。それからエレン、出来れば君の訓練兵団のときの思い出話でもしてみてくれないか?」
エレン「思い出話、ですか?」
ハンジ「仮にアニの記憶が8歳まで退行したことが事実だとしたら、その空白期間を埋める出来事を話すのはいい刺激になると思うんだよ」
エレン「なるほど、わかりました」
ハンジ「次の報告はまた一週間後だからね。あと、一時間くらいなら自由時間をあげよう。ミカサも君を心配してた」
エレン「はい、ありがとうございます。失礼しました」ガチャ バタン
ハンジ「さってっとー……エレンを監視役にしたのは間違いだったかもね」
ハンジ「まあしょうがないか。私たちはもう選んだんだ。託したよ、エレン」
20 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:08:52 ID:Zeq8H8aM
ミカサ「エレン!」
エレン「ミカサ、アルミン!」
アルミン「久しぶりだね。首尾はどう?」
エレン「ハンジさんに報告に言ったら、よくないって言われちまったよ」
アルミン「そっか。難しいね」
ミカサ「エレン、大丈夫? 怪我はない? あの女に何かされなかった?」
エレン「大丈夫だって。それに今のアニは何か出来るような状態じゃない」
ミカサ「それはわからない。あいつは嘘をついて兵団に潜り込んでいた。今更語ることが出来ないなんてことはない」
アルミン「そうだね。完全に否定できない以上、油断はしないほうがいいよ」
エレン「アルミンもかよ。大丈夫だって、ハンジさんも演技じゃない可能性が高いって言ってたんだ」
アルミン「エレン、確率や可能性っていうのは決してゼロになるものじゃないし、絶対というものもないんだ。最悪の事も常に想定したほうがいいよ」
エレン「わかってるよ。大丈夫だって!」
21 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:09:54 ID:Zeq8H8aM
ミカサ「エレンが戻ってしまった……」
アルミン「まだ任務は続いてる。それにアニが寝てる間に戻らないと、監視の意味がないよ」
ミカサ「なぜアニを回復させる必要があるの? それだとエレンが危険」
アルミン「ミカサ、何回も説明したじゃないか。アニはエレンを捕まえようとした以上、エレンに危害を加えるより、エレンの確保を優先するはずだ」
アルミン「それに今、ここには僕らも含め五十名の兵士が潜伏してる。何かあっても対応できるさ」
ミカサ「壁外遠征の時、アニに一人に何人の兵士が殺された?」
アルミン「……地の利はこっちにあるよ」
ミカサ「アルミン!」
アルミン「ミカサ、今ここで君が暴走してエレンを助け出そうとしても、何もならない。僕らにはどうしようもないんだよ」
ミカサ「……なんでみんな私からエレンを奪おうとするの? ただ私は、エレンと一緒に居たいだけなのに」
22 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:10:58 ID:Zeq8H8aM
アニ「エレン!」ガバッ
エレン「うわ! アニ、起きてたのか?」
アニ「どこいってたの」ギュ
エレン「ちょっとな。すぐ戻ってきただろ?」
アニ「こわかった」ギュゥ
エレン「ごめん。って……そろそろ離してくれよ」
アニ「やだ。またどこかいっちゃう」ギュゥゥ
エレン「く、苦しいって」
アニ「しらない」ギュゥゥゥ
エレン「大丈夫だって、どこにも行かない」
アニ「しんじない」ギュゥゥゥゥ
エレン(しょうがないか。落ち着くまで大人しくしてよう)
23 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:12:14 ID:Zeq8H8aM
アニ「すー……すー……」
エレン(抱きしめたまま寝ちまったよ)
エレン「まあ、しょうがないか」ナデナデ
アニ「ん……すー……」
エレン「なあ、アニ。お前、本当に全部忘れちまってるんだよな」
エレン「俺たちを騙していたことも、たくさん調査兵団のみんなを殺したことも、全部」
エレン「ならさ、忘れてる間なら俺もお前の罪については忘れるよ」
エレン「だって何聞いても、しらない、だもんな。一人で怒ったところでしょうがねえよな」
エレン「それに今のお前は、一歩間違った俺の姿に見えるんだ」
エレン「今は運よくこんな扱いだけど、あの裁判がうまくいかなかったらこうだったかもしれない」
エレン「そう考えると、俺はお前のことを、放っておけないんだ」
エレン「……おかしいよな、お前が憎かったはずなのに」
エレン「おやすみ、アニ」ナデナデ
24 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:13:06 ID:Zeq8H8aM
アニ「エレン」
エレン「ん……? ああ、俺、寝ちゃってたのか」
アニ「ごはんきたよ」
エレン「おう、ありがとう」
アニ「たべよ」
エレン「捕虜扱いでも訓練兵団のときより豪華だよな、食事は」
アニ「くんれんへいだん?」
エレン「ん? あ、ああ、そうだ! アニ、俺とお前が昔いたところの話してやるよ!」
アニ「わたしとエレンのはなし?」
エレン「おう。どうせ時間はたっぷりあるしな」
アニ「うん、ききたい!」
エレン「よし! じゃあ最初から話すかな。えっと、俺たちが入団したときに、通過儀礼ってのがあってだな」
25 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:13:43 ID:Zeq8H8aM
エレン(それから一週間は、アニに訓練兵団時代の思い出を話すことに終始した)
エレン(他の同期のこと、訓練の内容、起こったトラブル、そして俺とアニの思い出)
エレン(アニは真剣に聞いて、疑問に思ったことは尋ね、驚いたら驚き、面白かったら笑い、その反応はやはり子供そのものだった)
エレン(そして一週間が経って、再び重い扉が開かれた)
26 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:14:36 ID:Zeq8H8aM
ハンジ「回復の兆しはなし、か」
エレン「はい……俺の力及ばず、すいません」
ハンジ「んー、ならアプローチを変えてみるしかないか。でも正直、アニに対して拷問するのはあんまり気が進まないよね」
エレン「え、拷問!?」
ハンジ「うん。でもまあ、傷が巨人化のキッカケならあんまり無茶するわけにはいかないしね、どうするべきか」
エレン「駄目ですよ! 今のアイツは、本当にただの子供みたいな状態なんですよ!?」
ハンジ「エレン、それでも何か手を打つ必要がある。今日は牢に帰ってもらうけど、明日の朝一、アニとエレンは牢から出てもらうよ」
エレン「待ってください!」
ハンジ「それとも、君にはもう関わらないでもらったほうがいいかな?」
エレン「え?」
ガッ!
28 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:15:16 ID:Zeq8H8aM
エレン「っ……はっ!?」
ミカサ「エレン、目が覚めた?」
エレン「ミカサ!? こ、ここはどこだ!?」
ミカサ「エレンに宛がわれた部屋。地下だけど、あんな牢獄より過ごしやすいはず」
エレン「牢獄って……そうだ、アニは?」
ミカサ「心配しなくていい。彼女はハンジ分隊長が預かっている」
エレン「ってことは……拷問を受けてるのか!?」
ミカサ「そう」
エレン「くそっ!」ガバッ
ミカサ「エレン」ガッ
エレン「離せよ、ミカサ!」
ミカサ「離さない、絶対に」
29 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:16:10 ID:Zeq8H8aM
エレン「なんでだよ! アニに拷問とか、何考えてんだよ!」
ミカサ「人類の為。必要な犠牲」
エレン「んなわけないだろ! 目の前で苦しめることの、何が……」
ミカサ「エレン、あれは人間ではない。巨人。だから情を移しては駄目」
エレン「なら、俺だって巨人だ!」
ミカサ「違う。エレンは巨人になってしまった人間。アレは、人間に化けた巨人」
エレン「巨人だったら飯食ったり、笑ったり、泣いたりするはずがねえ、だからアニは人間だ!」
ミカサ「エレン。貴方は、アニに何を思っているの? アニのせいで、おばさんが死んでしまった。兵士もたくさん死んだ。リヴァイ班の仲間を殺したのもあの女、違う?」
エレン「……ああ、そうだよ。あいつは人類の敵だ」
ミカサ「なら」
エレン「でもな、今のアイツは何も知らない、子供みたいな状態なんだよ!」
ミカサ「それが免罪符になるわけではない」
エレン「わかってるよ!」
ミカサ「わかっていない!」
30 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:17:13 ID:Zeq8H8aM
ミカサ「エレンは密室であの女と長い期間居たから情が移ってしまった、だから冷静な判断が出来ない!」
エレン「俺は冷静だ! アニは人類の敵だし、あいつから情報を引き出さないといけないのもわかってる!」
ミカサ「なら、わかるでしょ? どんな手段を使っても、アニから情報を引き出さなきゃいけないのは」
エレン「…………」
ミカサ「エレン、あの女のことは忘れるべき。全部忘れて、とにかく今は休むべき」
ミカサ「貴方は疲れている。壁外調査から今日まで、ろくに休める時間もなかった」
ミカサ「落ち着いて、身体と心を休めて。そうすればまた冷静に物事を見ることができる」
エレン「ミカサ、俺は冷静だ。冷静なんだよ」
ミカサ「……エレン」
エレン「冷静に、アニを助けてやりたいって、そう思うんだ!」ガバッ
ミカサ「……!?(布団で視界を!?)」
31 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:18:50 ID:Zeq8H8aM
エレン「おらぁ!」ドゴォ
ミカサ「うぐっ! え、エレン……」
エレン「こんな卑怯な手使わないと、お前に勝てないなんて情けねえよな」
ミカサ「ごほっ、ま、待って、エレン!」
エレン「ミカサ、もし今俺の考えてることが成功しても失敗しても、お前とはもう二度と会えないはずだ」
ミカサ「駄目、絶対に駄目! 行かせない!」グググ
エレン「目が覚めたら、全部終わってるさ」ゴッ
ミカサ「エ、レン……」
エレン「ごめんな、ミカサ。これから先もずっと、お前は俺の大事な家族だよ」
エレン(アニをどこに連れて行く? 拷問するにしても、下手に傷を付けたら巨人化しちまうだろ)
エレン(昔実験したみたいな、古井戸か? いや、巨人相手に立体機動装置を使わないわけがない)
エレン(万が一巨人化したときのことを考えて、あの特定目標拘束装置を使うだろう……この付近で一番でかい森と言えば)
エレン「訓練でよく使ってた、あの森か」
エレン「まずは馬と立体機動装置を手に入れないとな」
32 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:20:05 ID:Zeq8H8aM
アニ「う、うぅ…いたいよ……たすけて、エレン…」
ハンジ「そろそろ思い出してくれないかな? さすがに可愛い女の子に涙流されると、すごく罪悪感に苛まれるよ」チャキ パァン
アニ「きゃぁ! う、うぅぅぅ!」
ハンジ「君の身体はワイヤーで拘束。あの巨大樹の森で君を苦しめた特定目標拘束装置も準備してある」
ハンジ「逃げるのは絶望的だろうね。なら君に残された手段は、全部白状するか、死んでも情報を渡さないかの二択なんだけど」
ハンジ「個人的には白状することをオススメするよ? 死にたくないだろ?」
アニ「しにたくない……いたいのやだよ……」
ハンジ「はぁ……傷が治る様子もないし、こっちとしては助かるのか困るのか微妙なとこだね」
アルミン「ハンジ分隊長、これ以上は、意味があるのですか? これ以上彼女を苦しめることに、意味があるとは思えません!」
ハンジ「ないね。こうなったら、もう判断してしまうしかない」
ハンジ「アニは情報源にはなりえない。憲兵団に引渡し、解剖を行なう」
ハンジ「解剖は死体でも問題ない。全員、銃を構えて」
33 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:21:26 ID:Zeq8H8aM
アニ「やだああああああ! エレン、たすけてよ、エレェェェェェェン!」
ハンジ「……君は本当に心を失っていたんだね。ごめんね、痛かったね、これで、楽になるよ」
カッ!
ハンジ「!?」
パァン!
アルミン「巨人の腕!? まさか!」
エレン「アニ! 大丈夫か!?」
アニ「えれん……?」
エレン(傷が塞がってない……やっぱりアニは演技なんかしてなかったのか)
アルミン「エレン! 君は何を……!」
エレン「ハンジ分隊長、俺はやっぱり納得できません!」
34 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:22:18 ID:Zeq8H8aM
ハンジ「君は何を言ってるんだ! 今君のやってることは人類に対する明確な裏切り行為だぞ!」
エレン「アニの回復を待てばいいだけです! もう少し、俺とアニにチャンスをください!」
ハンジ「私もそう思う。けどね、時間がないんだ。一刻も早く現状を打開する手段が必要なんだ」
ハンジ「アニから情報を得られるのがベストだけど、解剖して何か分かればそれでも構わない」
ハンジ「アニをこのまま生かしておいても、正気を取り戻して情報を教えてくれる可能性が低い以上、解剖することを選ぶ。それが兵団の選択だ」
エレン「…………」
アルミン「エレン! 君が何を思っているのかわからない! けど君は、正しい選択を選ぶことが出来るはずだ!」
エレン「……選択、選択か。なあ、アルミン。俺は前の壁外調査で選択を誤った」
エレン「俺がもう少し早く、巨人に変身し、アニを迎え撃てば、リヴァイ班のみんなは死なずに済んだかもしれない」
35 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:23:21 ID:Zeq8H8aM
エレン「俺は、出来ることをやらずに、最悪の結果を招いてしまった。なら……俺は!」
アルミン「エレン、結果なんて誰にもわからない。結果を知って、後で「あのときこうしていれば」なんて言うのは簡単だ」
エレン「アニと、二週間だけだけど、一緒に過ごしてわかったよ。俺はただ、欲しかった」
エレン「新しい信頼を。訓練兵団に居たときのような、心の拠り所を。もうたくさんなんだよ、化け物扱いは……仲間はずれは!」
エレン「仲間を信じるのが正しい事だって……そう思いたかっただけなんだ。そっちの方が、都合がいいから」
アルミン「じゃあ、僕たちの……僕とミカサのことは、信じれないって言うのか? 心の拠り所になり得ないって言うのか?」
エレン「……だってお前たちは、巨人になれないじゃないか」
アルミン「っ!?」
エレン「だから選ぶんだよ、俺が今、この瞬間に後悔しないほうをな」スッ
36 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:24:21 ID:Zeq8H8aM
エレン「アニ、俺がお前を守ってやる。絶対に」ガリッ
カッ
エレンゲリオン「ガアアアアアアアアアアアアア!」
ハンジ「!? エレンを直ちに拘束しろ!」
ドーン!
エレンゲリオン「!」
ハンジ「後ろに跳躍した!?」
アルミン「エレンは拘束装置の存在を知っているはずです、あの装置の弱点も!」
ハンジ「射線が限られることを感づいて避けたのか。全員立体機動に移れ! エレンを行動不能にしろ!」
エレンゲリオン「ガアアアアアアアアアアアアアア!」
37 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:25:08 ID:Zeq8H8aM
ミカサ「……アルミン」
アルミン「やあ、ミカサ」
ミカサ「エレンは、行ってしまったのね」
アルミン「ああ。女型の巨人……アニに対峙したときから分かっていたことだけど、知性を持った巨人には立体機動装置を持ってしても、立ち向かうのは不可能に近い」
アルミン「だからエレンが人類の切り札だったんだ。けど、そのエレンが敵に回った」
アルミン「そうなってしまった以上、僕たちが敵うはずなかったんだよ」
ミカサ「……駆逐」
アルミン「え?」
ミカサ「駆逐してやる。この世から、全ての巨人を」ギリッ
アルミン「……その中に、エレンは」
アルミン「いや、今は考えないでおこう」
38 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:26:03 ID:Zeq8H8aM
ライナー「結果はどうあれ、アニの救出とエレンの奪取は成功した」
ベルトルト「よろしくね、エレン」
エレン「……お前らとよろしくする気はねえよ」
ライナー「そうか。だが俺たちの手助けがないと、お前は壁内で死んでいただろう? 借りは返してもいいと思うぞ」
エレン「ああ。アニの為だ。仕方ない」
アニ「エレン、このひとたち、だれ?」
エレン「ライナーとベルトルトだ。しばらくはこいつらと一緒に居ることになる」
ベルトルト「……死んでお別れよりはマシ、かな」
ライナー「ああ。そう思っとけ」
39 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:26:41 ID:Zeq8H8aM
アニ「エレン」
エレン「なんだ?」
アニ「これからずっといっしょ?」
エレン「さあな。お前がお前で居る限りは、一緒にいるよ」
アニ「わたしはわたしだよ」
エレン「ああ、お前はお前だ」グシャグシャ
アニ「や、やめてよ! エレンきらい!」
エレン「そっか。俺は……
40 :以下、名無しが深夜にお送りします :2013/07/27(土) 23:28:39 ID:Zeq8H8aM
おわり
正直兵団はアニを捕まえてもどうやって情報を引き出すつもりだったんだろう
関連リンク
進撃の巨人の厳選面白SSまとめ - RENOTE [リノート]
renote.net
『進撃の巨人』に関する名作SSを厳選してまとめています。シリアスな本編に辛くなったら、たまにはクスっと笑える面白いSSをお楽しみください。中にはキャラ崩壊・ネタバレしているものもあるかもしれないのでご注意ください。
Related Articles関連記事
進撃の巨人(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創による日本の漫画作品。『別冊少年マガジン』で連載されていた。ジャンルはダークファンタジーであり、人類存亡をかけて巨人との戦いに挑む人々の物語が描かれている。巨大な壁に守られた人類達の元に、圧倒的な力を持った「巨人」が出現。主人公のエレン・イェーガーは目の前で母を捕食され、巨人の殲滅を誓う。日本国内だけでなく、海外からの人気も高く、テレビアニメや実写映画化をはじめ、様々なメディアミックス展開がされている。
Read Article
進撃の巨人の九つの巨人まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創によるダークファンタジー漫画およびそれを原作としたアニメ・小説・ゲーム・映画などのメディアミックス作品。人類を無差別に殺す謎の生命体「巨人」が存在する世界を舞台に、巨人を駆逐することに執念を燃やす主人公エレン・イェーガーの戦いを描く。作中ではエレン以外に巨人化の能力を持つ人物が登場し、それらは「九つの巨人」と呼ばれている。「九つの巨人」はそれぞれ「始祖の巨人」や「鎧の巨人」などの固有名称を持ち、普通の巨人とは一線を画す特殊技能を持っている。
Read Article
進撃の巨人の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ
『進撃の巨人』は、諫山創原作の漫画である。少年漫画雑誌『別冊少年マガジン』で2009年から連載された。突如現れた巨人により人類は滅亡の危機にさらされるが、巨大な壁を建設することで100年間平和を保ってきた。しかしある日超大型巨人が壁を蹴破り、人類は再び巨人の襲来に遭う。巨人に母を捕食された主人公・エレンは、巨人のせん滅を誓って調査兵団に入団する。大迫力の戦闘シーンの合間には、エレンや幼なじみのミカサらをめぐる恋愛要素も描かれている。
Read Article
進撃の巨人の壁・地区・歴史情報まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創によるダークファンタジー漫画およびそれを原作としたアニメ・小説・ゲーム・映画などのメディアミックス作品。人類を無差別に殺す謎の生命体「巨人」が存在する世界で、生き残った人類は3重の壁を築き、その内側でかろうじて命脈を繋いでいた。しかしそんなある日、壁を超える巨体を持つ「超大型巨人」によってシガンシナ区の扉が壊され、巨人の大群が壁内に侵入。人類は活動領域の後退を余儀なくされた。巨人に母親を殺されたエレンは、全ての巨人を駆逐することを心に誓う。
Read Article
進撃の巨人の回収済み・未回収の伏線・謎まとめ
『進撃の巨人』とは、諫山創によるダークファンタジー漫画、およびそれを原作としたアニメである。2009年から少年漫画雑誌『別冊少年マガジン』で連載された。正体不明の巨人の脅威に怯える人類は、強固な壁を作り100年間の平和を実現していた。しかしある日超大型巨人が壁を破壊し、人類は再び巨人に襲撃される。巨人に母親を喰われたエレン・イェーガーは巨人を駆逐するために調査兵団に入団。巨人との対戦の中で、巨人の正体やエレンたちの出生の秘密など、たくさんの伏線が明かされてゆく。
Read Article
北欧神話徹底解説・考察まとめ!おもしろくて分かりやすい!
北欧神話(ほくおうしんわ)とは、キリスト教が広まる以前にノルド人(ノース人)が信仰していた神話体系。ノルド人がスカンジナビア半島を勢力圏としていたため、スカンジナビア神話とも呼ばれている。口伝によって伝えられていたが、13世紀頃、アイスランドの詩人スノッリ・ストゥルルソンによって『エッダ』という書物にまとめられた。 「滅亡の運命」が定められた神々の隆盛と終焉を描いており、全体的に暗い印象のエピソードが多い。物語全体の完成度が高く、漫画などの現代の創作物においてもたびたび題材として用いられる。
Read Article
進撃の巨人の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『進撃の巨人』とは、巨人たちに立ち向かう人類の戦いと世界の謎を描いた、諫山創による漫画作品。人類を守る壁を破壊し侵入した巨人によって両親を喪った少年エレン・イェーガー。巨人を滅ぼすためエレンは調査兵団に参加し、巨人との戦いに身を投じる。作品の人気が高まるに従い、個々のキャラクターへの注目も高まって、彼らが発した心揺さぶるセリフに惹かれる読者も増えていった。巨人という死に直結する敵が常に存在する世界での物語は、数々の名言を生み出した。
Read Article
進撃の巨人の歴代OP・ED主題歌・挿入歌まとめ
『進撃の巨人』とは諫山創によるダークファンタジー漫画及びそれを原作としたアニメ・映画・ゲームなどのメディアミックス作品。この記事では、『進撃の巨人』のアニメに使用された歴代のオープニング・エンディング主題歌・挿入歌と、実写映画、アニメ映画などの主題歌を紹介する。
Read Article
ユミル・フリッツ/始祖ユミル(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ユミル・フリッツは『進撃の巨人』の登場人物で、「始祖ユミル」とも呼ばれている。エルディア人こと「ユミルの民」の始祖となった女性で、光るムカデのような生物と接触したことで彼女は「始祖の巨人」の能力を得たとされている。マリア・ローゼ・シーナという名前の3人の娘達がおり、パラディ島の3重の壁は彼女達の名前から名付けられた。ユミルの死後、巨人化能力は3人の娘達に引き継がれ、さらに子々孫々に脈々と継承されることとなった。
Read Article
ジーク・イェーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ジーク・イェーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で主人公エレン・イェーガーの異母兄。「獣の巨人」の継承者として調査兵団の前に立ちはだかり、高い投擲能力で多くの兵士を殺傷した。「九つの巨人」の継承者で組織されるマーレの戦士部隊のリーダーであり、多くの戦場でマーレに勝利をもたらしてきた。しかしその真の目的はエルディア人の救済であり、全てのエルディア人から生殖能力を奪うことで巨人の力を巡るこれ以上の悲劇を起こらないようにしたいと考えている。
Read Article
リヴァイ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
リヴァイ・アッカーマンとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団に所属する兵士長。1人で1個旅団(約4000人)並みの戦力を持つとされ、「人類最強の兵士」として名高い。三白眼と刈り上げた髪型、小柄な体格が特徴で、ブレードを逆手に持って回転しながら巨人の肉を切り刻む戦闘スタイルを好んでいる。性格は冷静沈着で無愛想。スラム出身ということで言動も粗暴である。神経質で潔癖症だが、部下の最期を看取る際には汚れを気にせず手を握るという仲間想いの一面もある。
Read Article
エレン・クルーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
エレン・クルーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で、ユミルの民であることを偽造してマーレ人になりすまし、マーレ治安当局の職員として潜入していたエルディア復権派のスパイである。9つの巨人の1つである「進撃の巨人」の力を身に宿し、通称「フクロウ」と呼ばれている。 ユミルの呪いによって寿命が近い自分の代わりに、グリシャ・イエーガーにエルディア復権の願いを託して壁の中へ行くよう指示した。その後進撃の巨人を継承させる為無垢の巨人化したグリシャに捕食され、スパイとしての任務を果たし、その生涯を終えた。
Read Article
アニ・レオンハート(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
アニ・レオンハートとは、『週刊少年マガジン』に連載されている諫山創原作の漫画・テレビアニメ作品に登場する人物である。主人公のエレン・イェーガーと同じ第104期訓練兵団に所属し、卒業後は憲兵団に入団する。口数が少なく感情を表に表さないため、取っ付きにくい印象を与える性格。しかし格闘技に優れており、冷静な判断を下せるため訓練兵団卒業の際は4位の成績を収める実力の持ち主。
Read Article
フロック・フォルスター(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
フロック・フォルスターとは『進撃の巨人』の登場人物で、104期訓練兵団の卒業生。当初は駐屯兵団に所属していたが、ウォール・マリア最終奪還作戦の前に調査兵団に移籍した。「獣の巨人」を倒すための特攻作戦では唯一生き残り、瀕死のエルヴィン団長をリヴァイ達の元へ連れて行った。その後はエレンをパラディ島の救世主として祭り上げる「イェーガー派」の中心人物として、兵団総統を暗殺しクーデターを先導した。
Read Article
エレン・イェーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
エレン・イェーガーとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の主人公。壁の外の世界に強い憧れを持っており、幼少期から調査兵団に入ることを目指してきた。その想いは、母親を巨人に食い殺されたことで一層強まり、調査兵団に入って巨人を駆逐することを心に誓う。性格は熱血漢で直情的。無鉄砲と思えるほどの勇敢さから、強大な巨人相手にも物怖じせずに向かっていく。命の危機に瀕した際に巨人化する能力に目覚め、人類の自由のためにその力を振るっていくことになる。
Read Article
グリシャ・イェーガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
グリシャ・イェーガーとは『進撃の巨人』の登場人物で主人公エレン・イェーガーの父。シガンシナ区で診療所を開き街の人々から尊敬を集めていたが、シガンシナ区に巨人が流入した後行方不明となる。失踪直前エレンに巨人化の薬を打ち込み、世界の真実が隠された自宅地下室の鍵をエレンに託した。物語中盤で彼が壁外の世界から「始祖の巨人」奪還のためにやってきた巨人化能力者であったことが明らかとなる。
Read Article
ピーク・フィンガー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ピーク・フィンガーとは『進撃の巨人』の登場人物で「車力の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成されるマーレの戦士の一員として、数々の戦場で功績を打ち立ててきた。当初は始祖奪還計画に参加せずマーレ本国を守っていたが、850年「獣の巨人」であるジーク・イェーガーと共にパラディ島に上陸する。ウォール・マリア奪還を狙う調査兵団との決戦では後方支援を担当し、負傷したジークと「鎧の巨人」であるライナー・ブラウンの逃走を助けた。性格はマイペースだが、冷静沈着で判断力に優れている。
Read Article
ファルコ・グライス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ファルコ・グライスとは『進撃の巨人』のキャラクターでマーレの戦士候補生。戦士候補生の同期であるガビ・ブラウンに好意を抱いており、彼女を救うために「鎧の巨人」継承を目指している。内気な性格だが、「悪魔の末裔」と言われるパラディ島の人々に対しても自分達と変わらない人間だと捉える優しい心の持ち主。心的外傷を負った兵士にも親切に接しており、そこでクルーガーと名乗る負傷兵と出会い、交流を深めていく。
Read Article
キース・シャーディス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
キース・シャーディスとは『進撃の巨人』の登場人物で第104期訓練兵団の指導教官。スキンヘッドに顎ひげを生やした強面の男性で、訓練兵の間では鬼教官として恐れられている。元々は第12代団長として調査兵団を率いていたが、無謀な壁外調査を繰り返し多くの部下を死なせたにもかかわらず成果を残せなかったことから、自分の無能を悟りエルヴィン・スミスに団長職を引き継がせた。主人公エレンの父親であるグリシャ・イェーガーとは以前から面識があり、彼が消息を絶つ直前に顔を合わせた最後の人物である。
Read Article
ロッド・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ロッド・レイスとは、「進撃の巨人」に登場するキャラクターである。壁内人類の真の王家であるレイス家当主。実質的には壁内での最高権力者である。ウーリ・レイスの兄であり、フリーダ・レイスやヒストリア・レイスの父親。正妻との間に5人の子がいたが、当時使用人として働いていたアルマとも関係を持ち、ヒストリアが産まれたことにより、事実的には子供は6人。だがグリシャにより正妻との間の子は皆殺されてしまい、生き残っている子供はヒストリアただ1人である。
Read Article
ダイナ・フリッツ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ダイナ・フリッツとは『進撃の巨人』の登場人物。主人公エレンの父親グリシャの前妻で「獣の巨人」ジークの母。その正体はフリッツ王家の末裔。ストーリー上、巨人の歴史と王家の情報を語る重要な役割を持つ。パラディ島に移住することを拒みマーレに留まった一族は、代々巨人の情報を隠し持っており、その末裔であるダイナはエルディア復権派と共に始祖の巨人の奪還を企てるが、計画は息子ジークの密告により失敗。ダイナは巨人化後、グリシャの後妻であるカルラを捕食する。最期はエレンの持つ座標の力で巨人の群れに喰われた。
Read Article
ケニー・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ケニー・アッカーマンとは『進撃の巨人』の登場人物で、中央第一憲兵団対人立体機動部隊の隊長。かつて「切り裂きケニー」の異名を取った大量殺人鬼だったが、ウーリ・レイスとの出会いを経て現在は中央第一憲兵団に所属し対人戦闘を専門とする部隊を率いている。リヴァイ・アッカーマンの育ての親であり、彼に戦闘技術を教えた人物でもある。その戦闘能力はリヴァイと同等かそれ以上であり、対立した調査兵団を大いに苦しめた。
Read Article
ヒッチ・ドリス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ヒッチ・ドリスとは『進撃の巨人』の登場人物で、憲兵団の新兵。アニ・レオンハートとは同期でルームメイト。ウェーブヘアが特徴の少女で、軽薄で不真面目な言動が多い。他の新兵同様安全な内地で楽をするために憲兵団に入ったが、実は機転の利くところがある。アニのことは愛想のない同期だと思っていたが、ストヘス区の戦闘以降行方不明になったことを心配しており、アニの正体が「女型の巨人」であることを知って大きなショックを受けていた。同期のマルロ・フロイデンベルクに好意を持っているが、マルロ本人は気づいていない。
Read Article
エルヴィン・スミス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
エルヴィン・スミスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団第13代団長である。調査兵団は人類の生存圏を広げることを目的とし、日々巨人との死闘を繰り広げている。その類まれなる頭脳と判断力から大きな功績を挙げているが、目的のためなら手段を選ばない非情さから「悪魔的」と称されることもある。彼の真の目的は世界の真実を解き明かし、「人類は王家によって記憶を改竄された」という父の仮説を証明すること。人類最強と称されるリヴァイ兵士長を調査兵団に入れたのも彼である。
Read Article
ベルトルト・フーバー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ベルトルト・フーバーとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団団員。第104期訓練兵団を3位で卒業し、どの分野でもそつなくこなすことができる優秀な人物である。ただし優柔不断で判断を他人に任せる傾向があり、積極性に欠けることから他の同期と比べると少し影が薄い。その正体は、ウォール・マリア陥落の主因となった「超大型巨人」であり、始祖奪還作戦のために大国マーレから派遣された「マーレの戦士」の1人だった。任務を達成し故郷に帰ることを切望していたが、結局その願いは叶わず異国の地で命を落とすこととなる。
Read Article
ポルコ・ガリアード(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ポルコ・ガリアードとは『進撃の巨人』の登場人物で「顎の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成される「マーレの戦士」の一員として、「顎の巨人」の持ち味である硬い顎と牙や俊敏性を活かし数々の戦場で活躍している。戦士候補生時代の同期であるライナー・ブラウンとは「鎧の巨人」継承権をめぐって争ったライバルだった。自分ではなく能力の低いライナーが「鎧の巨人」継承者として選ばれたことや、兄のマルセルがライナーをかばって巨人に食われたことから、ライナーに対して悪感情を抱いている。
Read Article
ライナー・ブラウン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ライナー・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団の団員。主人公エレン・イェーガーとはウォールローゼ南区第104期訓練兵団時代の同期である。責任感が強く、リーダーシップもあることから同期の中ではまとめ役を担っていた。しかし、その正体はウォール・マリアを破壊した「鎧の巨人」であり、始祖奪還を目的にパラディ島に送り込まれたマーレの戦士である。正体が判明した後はたびたびエレン達と対立し、始祖の力を巡って死闘を繰り広げていく。
Read Article
ガビ・ブラウン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ガビ・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で、「マーレの戦士」候補生。天真爛漫で型破りな性格で、憧れの従兄であるライナーから「鎧の巨人」を継承するため日夜訓練に励んでいる。パラディ島のエルディア人を悪魔の末裔として強く憎んでおり、彼らを皆殺しにして自分達善良なエルディア人を収容区から解放することを願っていた。しかし成り行きでパラディ島に渡ることとなり、そこで出会った人々との交流からガビの考え方は変化し始める。
Read Article
ハンジ・ゾエ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ハンジ・ゾエとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団所属のベテラン兵士。初登場時は分隊長だったが、後にエルヴィン・スミス団長の後を継いで調査兵団第14代団長に就任する。ゴーグル(平常時は眼鏡)を着用し、茶髪を無造作に1つにまとめた中性的な外見をしている。明るく聡明な人物だが、巨人に対する情熱は人一倍で変人揃いの調査兵団内でも特に異彩を放っている。ウォール・マリア最終奪還作戦以降は左目を負傷したことから眼帯を着用している。
Read Article
ダリス・ザックレー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ダリス・ザックレーとは『進撃の巨人』の登場人物で憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の3つの兵団を束ねる総統。特別兵法会議においてエレン・イェーガーの処遇を調査兵団に委ねた人物である。王政編では調査兵団団長のエルヴィン・スミスや駐屯兵団司令官のドット・ピクシスらと共にクーデターに加担する。実はエルヴィンが決起する以前から王政に根深い嫌悪感を抱いており、密かに体制転覆の機会をうかがっていた。王都制圧後は身柄を拘束した王政幹部達に喜々として拷問を行っている。
Read Article
アルミン・アルレルト(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
アルミン・アルレルトとは『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。金髪ボブカットの中性的な外見を持つ。大人しいが芯の強い勇敢な性格で探求心が強い。祖父の影響で人類はいずれ壁の外に出るべきだという思想を持っており、エレンが外の世界に憧れるようになったのもアルミンの影響である。小柄で身体能力は低いものの、知能や判断力はずば抜けており、エレンや調査兵団の窮地をその知略で度々救っている。
Read Article
進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。
Read Article
ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。
Read Article
クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。
Read Article
フリーダ・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。
Read Article
イェレナ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。
Read Article