【進撃の巨人】ライナー「俺がアイツで」ユミル「アイツが私で」【厳選名作SS】
進撃の巨人の厳選名作SSを掲載しています。クリスタと二人っきりになろうと画策するライナー。しかしそのせいでライナーとユミルの心が入れ替わってしまい…。二人は無事元に戻れるのでしょうか?
150 : 1 2013年10月07日 (月) 01:36:39 ID: FpGNwn76
ベルトルト「ライナー!!」ギュルルルル
ユミル「っ、ベルトルト!!」
ベルトルト「ぐっ」パシッ ギュルル
ユミル「―――っ!!」
ミカサ「ユミル…!ベルトルト…!」トッ
ユミル「っ…すまない、助かった…」
クリスタ「大丈夫!?怪我は!?」
ベルトルト「僕も…ユミルも多分大丈夫だよ」フゥ
マルコ「大事にならなくて良かったよ…」
ライナー「…大丈夫か」
ユミル「…あぁ、まぁな」
クリスタ(やっぱり違うの人の装置でやるなんて無茶だったんだ…!)
ライナー(右斜めからアンカーを打ち込むと微妙にブレを起こす…くそ、伝えておけば良かった)
151 : 1 2013年10月07日 (月) 01:37:58 ID: FpGNwn76
ミカサ「…なら、もうユミルを下ろしてもいいんじゃないかと思う」
ベルトルト「え?」
クリスタ「あ、お、お姫様抱っこ…」カァァ
ユミル「」
ベルトルト「」
ユミル「おっ、下ろせ!そんな趣味はない!!」
ベルトルト「奇遇だねっ、僕にもないよ!!」
クリスタ(ベルトルトがユミルをお姫様抱っこ…!あ、でも今ライナーだから…どうなるのっ?)アワワワ
ライナー(うっわ見たくなかったこんな光景)
ユミル(まさかベルトルトにこんなことをされる日が来るなんて思っていなかった!)
ベルトルト(うぅ、複雑な気分…ユミルだけどライナー…)
152 : 1 2013年10月07日 (月) 01:38:37 ID: FpGNwn76
マルコ「大丈夫なら行こう。まだ半分も終わっていないんだから」パシュッ
ベルトルト「ご、ごめんマルコ」パシュッ
ミカサ「ライナー、私たちも」パシュッ
ライナー「あぁ」
ライナー「ライナー」ボソッ
ユミル「?」
ライナー「その装置で右斜めから打ち込むときは少し重心を左にかけろ。そうでなきゃまたさっきみたいなことになる」ボソ
ライナー「…伝え忘れていて悪かった」パシュッ
153 : 1 2013年10月07日 (月) 01:39:08 ID: FpGNwn76
ユミル「……!」
クリスタ「ライナー、私たちも行きましょう」
ユミル「あぁ、そうだな」
クリスタ「…あのねっ、大変だし不便っていうのは分かるんだけどね…」
ユミル「どうした?」
クリスタ「…いっぱいいっぱい辛くて、苦しかったら、私のことも頼ってほしいの」
クリスタ「さっきみたいな時に何もできないくせに、そんなこと言うなって思われちゃうかもしれないけど」
クリスタ「ライナー、辛そうな顔してるから…」
ユミル「! …そんな風に見えるか?」
クリスタ「…」コクン
ユミル「大丈夫だクリスタ。気にするな」
俺は何度色々な奴に、そう言っただろうか。
154 : 1 2013年10月07日 (月) 01:39:45 ID: FpGNwn76
******
ライナー、大丈夫?
「あぁ、大丈夫だ」
何か隠してないかい?
「気にするな、そんなことあるわけないだろう」
本当?
「当然だろう」
ほんとうに?
******
155 : 1 2013年10月07日 (月) 01:40:15 ID: FpGNwn76
女子兵舎・夜
ユミル「ど、どうしても、か?」
クリスタ「私だって不本意だよ!で、でもさすがに誤魔化せないよ!」
クリスタ「お、お風呂に行こう、ライナーっ」
161 : 1 2013年10月08日 (火) 02:10:16 ID: 5i7YnhmI
クリスタ「今なら入浴時間ギリギリだからそんなに人いないはずだから!」
ユミル「だが女風呂に行くということは…その、俺とクリスタが一緒に…」
ユミル(クリスタの裸クリスタのおっぱい)
クリスタ「み、見ないでね?その…あんまり大きくないから…」モジ
ユミル(結婚しよ)
ユミル「…いいんだな。クリスタ。俺が狂戦士になっても」
クリスタ「へっ!?な、何か意味は分からないけどすっごくダメな気がする!」
162 : 1 2013年10月08日 (火) 02:10:54 ID: 5i7YnhmI
******
脱衣所
ガラガラ
クリスタ「あ」
ユミル「」
アニ「…アンタ達も今から?」
ユミル「…よりにもよってお前か…」
アニ「私がいちゃ何か問題でもあるのかい」
クリスタ「ううん!そんなことないよ!」
クリスタ「いい?あんま見ちゃダメだからねっ?」ヒソヒソ
ユミル(アニの裸なんて小さい頃によく見てたからなぁ。今更って気もするんだが)
ユミル「えっと…とりあえず服脱ぐか」ヌギッ
163 : 1 2013年10月08日 (火) 02:11:33 ID: 5i7YnhmI
クリスタ「あああああ!ユミル前隠して前っ!!」
ユミル「え!えぇっ!?」
クリスタ「見えちゃうっ、見ちゃダメー!」アタフタ
アニ「…そんなもんいつでも見てるだろ。何だい今更」
クリスタ「今更じゃないのっ、今はダメなの!!」
アニ「ホントどうしたのクリスタ。…私は先に入ってるから」ガラッ
ユミル「……」
クリスタ「……」フー
ユミル「クリスタ、何で俺よりお前の方が慌てているんだ」
クリスタ「だって女の子の裸だよ!?何とも思わないの!?」
ユミル「何も思わないわけではないが…俺はクリスタとの風呂が一番緊張するんだがな」
164 : 1 2013年10月08日 (火) 02:12:07 ID: 5i7YnhmI
クリスタ「え?」
ユミル「…あ!い、いや、俺、先に、行くぞ!」ガラッ
クリスタ「ちょっと待ってよー!」バタバタ
サシャ「あ、クリスタにユミル!」
ミーナ「珍しいね、二人がギリギリに来るの!」
ミカサ「とてもいい湯加減。2人とも早く入るといい」
ユミル「」
クリスタ「…み、皆…なんで今日に限って遅いの…?」
サシャ「さっきまで教官に走らされてたんですよぉ」
ミカサ「エレンがちゃんとご飯を食べるか見守っていたら遅くなった」
ミーナ「アニと一緒に来たからねーっ」
アニ「私は後で入るからいいって言ったじゃないか」ハァ
ユミル(おっぱいがいっぱい)
165 : 1 2013年10月08日 (火) 02:12:39 ID: 5i7YnhmI
クリスタ(ラ、ライナーの目が真ん丸になってる!)
クリスタ「ユミル!先に体洗っちゃおう!?」アセアセ
ユミル「」
クリスタ「ほらここ座ってっ」
ユミル「」
クリスタ「これが石鹸だからねっ、…私が洗った方がいいかな!?」
ユミル「いやー大丈夫だー」
クリスタ(大丈夫に見えないよぉぉぉぉ)
ミカサ「…あ、ユミル」
ユミル「え?…!!?」フニッ
ミカサ「申し訳ないけどユミルの前にあるタオルを取ってほしい…少し届かない」フニフニ
ユミル(ミ、ミカサの胸が背中に…!!こんなに柔らかいものなのか!?)
166 : 1 2013年10月08日 (火) 02:13:11 ID: 5i7YnhmI
クリスタ「はっ、はいミカサ!これだよね!?」
ミカサ「ありがとう」
ユミル(背中にまだ感触が…女子は毎回こんな風に風呂に入っているのか!?)ドキドキ
ユミル(とっとと洗って出てしまおう!)ガシガシ
ミーナ「あ、もうユミル!」トトッ
ユミル「へ?」
ミーナ「そんな力任せに髪の毛洗っちゃダメっていつも言ってるでしょ?ほら、石鹸貸して」
ユミル「ミ、ミーナ!?大丈夫だ1人で出来る!」
ミーナ「前にそう言って髪痛めたの誰だったかなー?」ワシャワシャ
ユミル(ユミルのヤツ…いつもこんなことされてるのか!?アイツ何なんだ一体!)
167 : 1 2013年10月08日 (火) 02:14:00 ID: 5i7YnhmI
ミーナ「ふぅ、はい終わり。昨日お風呂入ってないんでしょ?ちゃんと洗わなきゃダメだよ?」
ユミル「…ア、アリガトウ」
ユミル(心臓がいくつあっても足りん!)
クリスタ(何で皆ライナーのことこんなに構うの!?ど、どうしようライナーすっごい無表情だよ!)
ユミル「クリスタ…体洗って早く出よう…」ゲッソリ
クリスタ「う、うん」
サシャ「ユミルー、背中流しますよー!」
ユミル「はぁ!?何言ってんだお前まで!!」
サシャ「えぇっ!?」
アニ「アンタいつもサシャに背中洗わせてるじゃないか」
ユミル「マジかよ…」
168 : 1 2013年10月08日 (火) 02:14:44 ID: 5i7YnhmI
ユミル(アイツ普段どんな生活しているんだ…羨ましい…)
クリスタ(あ、ちょっと眉毛動いた…何考えてるんだろ)
クリスタ(もしかして皆の裸のことかな?だったら嫌だなぁ…)ズキズキ
クリスタ(あれ?何かちょっと胸痛い…風邪かな…?)
サシャ「えぇ!ですから今日もしっかり洗いますからね!」ガシッ
ユミル「わぁぁぁサシャ今日はいい!今日はしなくていいから!」
サシャ「どうしたんですか、いつもの老若夫人なユミルはどこにいったんですか!?」
ミカサ「サシャ、それを言うなら傍若無人」
サシャ「どっちでもいいですそんなの!さぁユミル観念してください!」ノシッ
169 : 1 2013年10月08日 (火) 02:15:15 ID: 5i7YnhmI
ユミル「も、もう勘弁してくれ!」
ミーナ「あれ?そう言えばユミル」
ユミル「あぁ!?」
ミーナ「今日はクリスタの胸揉まないのねー」アハハ
クリスタ「ミ、ミーナ!」
ユミル「クリスタの…胸……」クラクラ
ユミル「も、揉む……」バターン
クリスタ「ちょっと、嘘っ!?ユミルー!!」
******
170 : 1 2013年10月08日 (火) 02:15:50 ID: 5i7YnhmI
兵舎外れ・消灯後
ベルトルト「……で、のぼせて倒れたと」
ライナー「あのゴリラ死ね」
クリスタ「やっぱりお風呂に行くのは無理だったかなぁ…」
ライナー「駆逐してやる」
ベルトルト「ユミル黙って」
ライナー「うるせぇ2m級巨人。うなじ削ぐぞ」
ベルトルト(冗談でも笑えない)
ライナー「ついでもライナーのうなじも削いでやる」
ベルトルト(何なのこの人わざと言ってるの?)
クリスタ「ユ、ユミル落ち着いて?ね?」
171 : 1 2013年10月08日 (火) 02:16:25 ID: 5i7YnhmI
ライナー「……クリスタ」ジワッ
クリスタ「え?」
ライナー「クリスタぁ!!」ダキッ
クリスタ「きゃあっ!」
ライナー「クリスタ大丈夫か!?あのゴリラに変なことされてないかっ!?服脱がされたり胸揉まれたり!」
クリスタ「さっ、されてない!されてないからっ、そのっ、離してユミルっ!!」
ライナー「嫌だ、もう2日もお前に触ってなかったんだ!相変わらず柔らかいな私のクリスタ!」
ベルトルト「落ち着いてユミル!絵面的にライナーがクリスタ抱きしめてるみたいだから!」
ライナー「はっ」
クリスタ「うぅ…」マッカッカ
172 : 1 2013年10月08日 (火) 02:17:05 ID: 5i7YnhmI
ライナー「……やっぱりあのゴリラ殺す」
ベルトルト「君の場合自業自得だから。ライナーのせいにしないで」
クリスタ「とりあえずミカサが部屋まで運んでくれて、今ライナーは寝てるから…」
ベルトルト(つまりライナーはユミルとかアニの裸を見たってことだよね)
ベルトルト(…元に戻ったらちょっと踏み潰そうかな。本気で)
ライナー(何かベルトルさんの目が死んでる)
ベルトルト「…ごめんね、ユミル。一緒に来てもらってなんだけど、ちょっと先に戻っててもらっていい?」
ライナー「は?何でだよ」
ベルトルト「ちょっとクリスタと話がしたいんだ」
クリスタ「私と?」
ライナー「おいおいベルトルさんよぉ、そう言われて私がはいそうですかって言うと思うか?」
ベルトルト「君たちが元に戻る為だよ。クリスタに変なことしないから、言うこと聞いて」
173 : 1 2013年10月08日 (火) 02:17:52 ID: 5i7YnhmI
ライナー「……チッ。クリスタに指一本でも触れてみろ。股間にぶら下がってるモノ削ぐからな」
ベルトルト「」ヒュンッ
クリスタ「もっ、もうユミル!」///
ライナー「じゃあ先に戻ってる。あんま遅くなるんじゃねぇぞ。…ベルトルさんがいるといないじゃ大違いなんだからな」ザッザッザ
ベルトルト「……え、クリスタ今のどういう意味?」
クリスタ「ふふっ、ユミルはベルトルトのこと信用してるんだね」
ベルトルト「そうなのかな?それならちょっと嬉しい…かな」
クリスタ「それでベルトルト。話って何?」
ベルトルト「あのね、2人が元に戻らないことについてなんだ」
クリスタ「戻らないこと?戻る方法じゃなくて?」
ベルトルト「うん。…僕の想像なんだけど、2人は戻れないんじゃなくて、戻りたくないんじゃないかって思うんだ」
179 : 1 2013年10月09日 (水) 02:30:23 ID: dYd1LPpc
クリスタ「戻りたくないって…2人ともそう思ってるんじゃないかってこと?」
ベルトルト「うん」
クリスタ「…ベルトルトには心当たりがあるの?ユミルとライナーがそう思っているって」
ベルトルト「申し訳ないけどユミルに関しては何とも。でもライナーには、ある」
ベルトルト(戦士のライナーは、兵士のライナーに逃避しようとすることが多々ある)
ベルトルト(もし僕たちの使命に押しつぶされそうになって、限界だったんだとしたら…)
ベルトルト(彼は、平和な生活を望むかもしれない)
ベルトルト(しかも…)チラリ
クリスタ「?」
ベルトルト(ライナーはクリスタに対して多少なりとも恋愛感情を抱いてる。傍にいたいと思うかもしれない)
ベルトルト(ライナーの一番近くにいるのは誰だ?ユミルだ)
180 : 1 2013年10月09日 (水) 02:31:04 ID: dYd1LPpc
ベルトルト(壁内の普通の人間で、自分が大切に思う人間の一番近くにいるユミル)
ベルトルト(…ライナーは、ユミルになりたかったのかな)
ベルトルト(ねぇライナー。僕たちは逃げられないって、分かってるはずだろ?)
ベルトルト(君もアニも僕も…)
クリスタ「ベ、ベルトルト…?」
ベルトルト「えっ…あ、ごめん…と、とにかく、何か心当たりとかない?ユミルがそう思うことについて」
クリスタ「…ごめんねベルトルト。何も思い当たらないの」
ベルトルト「本当に何も?」
クリスタ「あのね、ベルトルト!私、私…ユミルのこと、何も知らないの」
ベルトルト「どういうこと?」
クリスタ「ユミルの過去も、何で訓練兵になったのかも、誕生日も、夢も、何も」
181 : 1 2013年10月09日 (水) 02:31:42 ID: dYd1LPpc
クリスタ「いつも私のことばっかり話してて、自分のことなんて何も言わないで…」
クリスタ「わ、私っ」ヒクッ
ベルトルト「!」
クリスタ「私っ、ほ、ほんとにっ、ユミルの“友達”なのかなぁっ?」グスッ
ベルトルト「クリスタ…」
クリスタ「怖い、の…ユミルが、ユミルに愛想尽かされたらどうしようってっ…」ヒックヒック
クリスタ「わた、し…っ、また一人ぼっちに、なっちゃう…!」エグ
クリスタ「私っ、ユミルのことっ、私が、守りたいの…!」
ベルトルト「ク、クリスタ、泣かないで」
クリスタ「っ、ごめん、なさい…っ」
クリスタ「私に出来ることはなんだってするから…っ、だから、ユミルをッ…」
182 : 1 2013年10月09日 (水) 02:32:20 ID: dYd1LPpc
ベルトルト(―――あぁ、ライナー)
クリスタ「ライナーをっ、元に戻そう…っ!」
ベルトルト(君は、好きな女の子を泣かせて、何をしているんだ)
エレン「―――ベルトルト!!」バッ
ベルトルト「エ、エレン!?ど、どうしてこんな所にっ…!?」
アルミン「…っ! 何でクリスタも…!?」ハァハァ
クリスタ「そっ、そこで偶然会ったの!」ゴシゴシ
アルミン(……!)
エレン「そんなことよりベルトルト!早く来てくれ!」グイッ
ベルトルト「え!?ちょっとエレンひっぱらないで…!」
エレン「ライナーが!!」
クリスタ「え!?」ビクッ
アルミン「ライナーが急に苦しみだして…!」
183 : 1 2013年10月09日 (水) 02:32:52 ID: dYd1LPpc
ベルトルト(ユミルが!?)
クリスタ「ベルトルト…っ!」
ベルトルト「クリスタ、大丈夫、大丈夫だから…とにかく、今日は戻るね!」
エレン「ベルトルト早くしろよ!」ダッ
ベルトルト「分かってる!」ダッ
アルミン「じゃ、じゃあねクリスタ!」ダッ
クリスタ「……っ」
クリスタ「ユミル……!」ギュゥッ
184 : 1 2013年10月09日 (水) 02:33:32 ID: dYd1LPpc
******
男子兵舎
コニー「おいライナー!しっかりしろ!」
ライナー「っ、っ……!」
ライナー(ちくしょう何だこれ!?頭が割れそうに痛ぇ…!!)
マルコ「やっぱり教官に言いに行こう!」
ライナー(体が拒否反応でも起こしてんのか…!?ゴリラのくせに繊細なのかよ!!)
ジャン「ライナーが嫌だっつってんだからもう少し待てよマルコ!」
ライナー(呼吸が苦しい…っ、誰か、チクショウッ)
ライナー(クリスタっ……ベルトルさんっ……)
バタンッ
ベルトルト「ユッ…ライナー!!」
ライナー「!」
185 : 1 2013年10月09日 (水) 02:34:12 ID: dYd1LPpc
エレン「ハァッ、ベルトルト速すぎるだろ…!」
アルミン「はぁ…はぁっ…」
ライナー(…何だこれ…ベルトルさんが、すっげぇ真っ青な顔、してやがる)
ライナー(私のせいか?私がアンタにそんな顔させてんのか?)
ベルトルト「頭痛いの!?呼吸は!?ちゃんと出来る!?」
ライナー「ベ、ル…さ…」
マルコ「僕たちにもよく分からないんだ、何でライナーが急に苦しみだしたのか…」
コニー「な、なぁライナー大丈夫なのか!?」
ライナー「苦し…っ、いて、ぇ」
ベルトルト「深呼吸は出来る…っ?吸って、吐いて…」
ライナー「はっ……すぅ……」
186 : 1 2013年10月09日 (水) 02:34:44 ID: dYd1LPpc
アルミン(やっぱり何かがおかしい……ライナーの体に何が起こっているんだ!?)
ライナー「ベルトル、さ……」
ベルトルト「大丈夫、僕はここいる、ここにいるから」ギュゥッ
ライナー「……ぇ、な……」
ベルトルト「え……?」
ライナー「……」
エレン「……! お、おいライナー!?」
アルミン「しっ!…多分、落ち着いて眠ったんだ」
ジャン「そうか…にしても驚いたぜ、急に呻きだすからよ…」
マルコ「一度医務官に見てもらった方がいいかもしれないよ」
ベルトルト「……あぁ、そうだね」グッ
187 : 1 2013年10月09日 (水) 02:35:59 ID: dYd1LPpc
ベルトルト(…ライナー、ごめんね。僕は、こんな単純なことに気が付かなかったんだ)
ベルトルト(君は任務から逃げ出したいわけでも、嫌気がさしたわけでもなかったんだね)
ベルトルト(今なら、君がこうなってしまった理由が分かる)
ベルトルト(ユミルを抱きしめるのが、こんなに怖いなんて)
ベルトルト(僕たちの手は、何かを壊すことしか出来ないから)
ベルトルト(君はただ)チラッ
ライナー「」スゥ
ベルトルト(好きな人を抱きしめたかっただけなんだね)
194 : 1 2013年10月10日 (木) 01:16:43 ID: FfCl/Zws
******
女子兵舎・夜
ユミル「……ん…」モゾ
ユミル(何で俺ベッドに…そうか、風呂でぶっ倒れたのか…)
ユミル(クリスタは…)チラ
クリスタ「…」
ユミル(…壁にもたれかかって、寝てる、のか?目は閉じているが…)
ユミル「…クリスタ…?」
クリスタ「……」
ユミル(反応がないな…寝ているのか)
ユミル(ん?…頬に、涙の跡?泣いたのか、クリスタ…)
ユミル「……」
195 : 1 2013年10月10日 (木) 01:17:19 ID: FfCl/Zws
ユミル(…クリスタ)スッ
初めて触れたクリスタの頬は、とても温かかった。
何万もの温もりを奪った手がこうしてクリスタに触れているのが、自分でもおかしい。
あぁ、今はユミルの手だった。
ユミルの手はクリスタに触れ、友人と肩を組んでも、その人を壊すことはない。
傷を負っても、巨人になることなどない。
普通の、ただの普通の人間の手。
俺が欲しくて、しかし望まなかったものは、とても温かかった。
ユミル(俺は、クリスタのことが好きなのだろうか)
196 : 1 2013年10月10日 (木) 01:17:49 ID: FfCl/Zws
俺が壁内にいるための免罪符。
俺はクリスタを兵士としての逃げ道にしていないだろうか?
戦士である自分を後悔したことも、恨んだこともない。
クリスタも連れて故郷に帰りたい。それは本当の気持ちだ。
何故?誰か教えてくれ。
俺は一体、誰なんだ。
ユミル(こんなこと考えてたらアニに蹴り飛ばされそうだ)
ユミル(…髪柔らかいな…)サラ
ユミル(なぁ、クリスタ。どうか俺を許してくれ)
197 : 1 2013年10月10日 (木) 01:18:25 ID: FfCl/Zws
小さな桜色の唇。
触れたくて、生唾を飲み込む。
触れる寸前まで唇を近づけ、はたと思いとどまる。
俺のものでない体で、望まぬ形で、この女神を汚していいのか。いいはずがない。
ほんの一時の夢物語であっても、彼女の傍にいられるのならば。
普通の人間としていられるのならば。
ユミル(…すまねぇベルトルト)
もう少しだけ、夢を見させてくれ。
198 : 1 2013年10月10日 (木) 01:19:11 ID: FfCl/Zws
******
この温かい腕は誰だろう。
とても大きくて、優しくて。でもどこか震えている。
何でお前は震えているんだ?何がそんなに怖いんだ?
親友を失うことが怖いのか?はは、その気持ちは分からなくもないぞ。
私もこの60年で知人と呼べる知人は皆いなくなっちまった。
人間になった私を迎えてくれたのは虚無だ。何もない。文字通りに。
人との関わり方なんて分からなくなっちまった。ぶっきらぼうで、人との距離が分からなくて。
…お前も、そうなのか?
私はクリスタと出会えた。アイツは私の女神だ。救世主と言ってもいい。
私の二度目の人生はクリスタの為に始まって、クリスタの為に終わる。
199 : 1 2013年10月10日 (木) 01:20:01 ID: FfCl/Zws
アイツは何も持たない私を迎えてくれた。最初どう思われていたかなんて知ったこっちゃない。
大事なのは今だ。そうだろう?
なあベルトルさん。だから震えるなよ。お前にはライナーがいるだろう?
頼むから私を見てそんな顔をしないでくれ。…違うか、ライナーが弱るのを見てらんねぇんだよな。
今の私なら、お前が辛い時に傍にいてやれるか?
時々見せる泣きそうな顔を、今の私の大きさなら何とか隠してやれるか?
今のこの手なら、クリスタに触れても、お前の肩を抱いても、傷付けることなんてない。
この大きな手なら、守ってやれる。アイツを、お前を。
だから頼むよ、ベルトルさん。
泣かないでくれ。
204 : 1 2013年10月11日 (金) 03:20:04 ID: 3eAT0q3g
******
翌日
男子寮・夜
エレン「ライナー、本当に大丈夫なのか?」
ライナー「あぁ。一晩寝たら良くなった」
ジャン「まぁ今日は座学と対人だったからな。休むにはもってこいだ」
マルコ「ジャン、そんなこと言っちゃ駄目だろ」
コニー「でもビックリしたよなー!まさか対人でライナーがクリスタと組むだなんてよ!」
ジャン「しかもクリスタからライナーに声かけてたもんな。ユミルが何も言ってこないから余計に驚いたぜ」
エレン「あぁ、ユミルはベルトルトと組んでたもんな…」
ベルトルト「あー…たまにはいいんじゃないかって、クリスタが…」
アルミン「最近よくあの2人と一緒にいるもんね、ライナーとベルトルトは」
ライナー「そうか?」
コニー「そうだよ!もしかしてあん時の俺の作戦がきっかけか!?」
205 : 1 2013年10月11日 (金) 03:20:36 ID: 3eAT0q3g
ライナー「…あぁ、ある意味な」ピクピクッ
コニー「やっぱりこの天才の考えることに間違えはイテェェェ!!」ギリギリ
ライナー「コニー。考えすぎて頭は凝ってないか?揉んでやるよ」ギリギリ
エレン「おー…コニーが持ち上がってる…」
マルコ「まったく2人とも夜なのに元気だなぁ。じゃあ僕先に行ってるね」
ライナー「」ギクッ
ジャン「待てよマルコ、俺も行く」
エレン「俺も行くかな…アルミン、行こうぜ」
アルミン「うん、準備は出来てるよエレン。…あれ?ライナーどうしたの?」
ライナー「」ダラダラ
ベルトルト(さすがに今日はもう誤魔化せないよユミル…)
ライナー「あ、いや…俺は、お前らが行った後でいいからよ…」
206 : 1 2013年10月11日 (金) 03:21:21 ID: 3eAT0q3g
コニー「お前結局昨日も朝水浴びただけだろ!?いい加減に入らねぇとクセェぞ!」
ライナー「」ギクッ
ベルトルト「…ライナー」
ライナー(確かにこの体でトイレに行くことは何とか出来るようになった。ぜってぇ見ないけど)
ライナー(だが風呂となれば話はまた違う)
ライナー(色んなヤツのブツを見なきゃいけねぇんだろ!?そんなの壁外以上の地獄だ!!)
ライナー(どうしたらいい、どうしたらこの状況を切り抜けられる…!?)
ライナー(考えろ、考えるんだ私!!)クワッ
ジャン「クリスタに臭いって思われんぞ」
ライナー「待ってろ今行く」
ベルトルト「」
207 : 1 2013年10月11日 (金) 03:21:52 ID: 3eAT0q3g
ライナー「…あ」
ベルトルト「…君やっぱ馬鹿だろ」
ライナー(しまったーーー!!)
エレン「とっとと行こうぜー」
マルコ「遅くなると怒られちゃうからね」
ライナー「…どうしよう…」
ベルトルト「…極力見ない方向で」
208 : 1 2013年10月11日 (金) 03:22:22 ID: 3eAT0q3g
******
男子浴場
ライナー(無心無心無心無心)
アルミン「ねぇベルトルト、ライナーが頭洗いながらすっごい遠い目してるんだけど、どうかしたの?」ヒソッ
ベルトルト「あはは、ちょっと分からないなぁ」
ジャン「…なぁマルコ。俺考えたんだけどよ」
マルコ「どうかしたのか?」
ジャン「この前の夜によぉ、ライナーとベルトルトに会っただろ…」
マルコ「……あぁ、あれか……」
ジャン「まさかライナー…俺たちの裸見るとムラムラするとか言う理由で風呂を避けてたわけじゃねぇよ…な?」
マルコ「…まさかぁ…ほら、ライナーにはベルトルトって相手がいるんだし…」
ジャン「そうだよな、大丈夫だよな…?」
209 : 1 2013年10月11日 (金) 03:23:08 ID: 3eAT0q3g
ベルトルト「待って、本当に誤解なんだって!ねぇライナー!」クルッ
ライナー「ア」
ベルトルト「……え」
ライナー「ぎゃぁぁぁ!!」
ライナー(私の目の前に大型巨人が出現しやがった!)
ベルトルト「…うわぁぁぁごめん!ごめん!!」アセアセ
ライナー「…いや…そりゃ、座ってるんだから…高さ的には、そうなるよな…」
ライナー(初めて間近で男のヤツ見ちまった…ベルトルさんの…ベルトルさんの…か…)ボーゼン
ベルトルト(女の子に見られちゃった!しかもこんな至近距離で…っ、どうしよう、ライナー助けてくれ!)
コニー「そりゃあんな近くでベルトルトの見せられたらさすがのライナーも固まるか!」アハハハ
ジャン(んなもん見慣れてんだろ何変な反応してんだ)
ライナー「あ、あ…」カァァァ
210 : 1 2013年10月11日 (金) 03:25:00 ID: 3eAT0q3g
ベルトルト(どうしよう、どうしよう!)グルグル
ベルトルト「ぼっ、僕責任取るから!!」ガシッ
アルミン「」
ジャン「」
マルコ「」
コニー「責任ってどう取るんだ?」
エレン「石鹸が目に入ったイテェ」
ライナー「」カァァァ
ライナー「な…何言ってやがるんだテメェは!!」バキッ
ベルトルト「痛いっ!」
マルコ(何だろうこの2人)
ジャン(顔赤らめんなよ)
211 : 1 2013年10月11日 (金) 03:25:32 ID: 3eAT0q3g
ライナー(畜生っ…こうなったら全員分見て、元に戻ったら女子全員に大きさバラしてやる!!)
ライナー(ライナーから聞いたって言ってな!!)
ライナー(こうなったら1人も2人も一緒だ!)
ライナー(まずはコニーとエレンからだ)チラッ
コニー「オラくらえエレン!」ビュッ
エレン「お湯飛ばすなよ!目に当たると痛いんだからな!」
ライナー(コニーは…見た目通りだな)プッ
ライナー(エレンはタオル巻いてるから見えねぇ。ミカサに教えてやろうと思ったのに)
アルミン「もう2人とも、お風呂で遊んじゃダメだってば」
ライナー(…見た目にわりに、か…意外だ…)
ライナー(えっと、ジャンとマルコは)チラッ
212 : 1 2013年10月11日 (金) 03:26:06 ID: 3eAT0q3g
ジャン「」
マルコ「…えっと、ライナー…」
ライナー「…おう…」
ジャン「頼むから掘るならベルトルトのだけにしてくれ」ゲッソリ
マルコ「…やっぱり、そうだったんだね…」ヒクッ
ライナー「」
ライナー(なんつーかライナー、悪ぃ)
ベルトルト(ライナーのホモ疑惑が余計に深まったよ)
213 : 1 2013年10月11日 (金) 03:26:38 ID: 3eAT0q3g
******
結局2人が元に戻ることはなかった。
もう一度頭をぶつけてみたり、聞きかじりの催眠術みたいなものをやっても当然効果はなかった。
この一週間で変わったことと言えば、男子訓練生のライナーのホモ疑惑がほぼ確信に変わってしまったことと、
ユミルが女子寮でクリスタに指一本触れなくなったという話が流れたことくらい。
僕はアニとの定時連絡も理由を付けて一度断ったこともあり、アニに蹴り飛ばされた。
ライナーが戻らない理由は何となく分かったが、問題はユミルだ。
彼女に聞いても「分からない」の一点張り。埒が明かない。
ライナーにもユミルにも元に戻ってほしい。それは僕もクリスタも同じだ。
しかし方法が見つからない。
僕たちは明日、雪山訓練を迎える。
******
214 : 1 2013年10月11日 (金) 03:27:15 ID: 3eAT0q3g
兵舎外れ・夜
ライナー「……」
クリスタ「……」
ライナー「…ちゃんと飯食ってるか?」
クリスタ「…うん」
ライナー「ゴリラに変なことされてないか?」
クリスタ「ライナーはそんなことしないよ。…一度も触って来てないよ」
ライナー「当たり前だ。クリスタは私の女神なんだからな」
クリスタ「でもねユミル」
ライナー「ん?」
215 : 1 2013年10月11日 (金) 03:27:49 ID: 3eAT0q3g
クリスタ「私、触ってほしいの」
ライナー「…は?お前、何言ってるんだ?」
クリスタ「ユミルに。…ライナーに」
ライナー「…お前、何言ってるのか分かってるのか?」
クリスタ「私ね、ユミルのこと大好き。でも、ライナーのこともそれくらい好きなのかもしれないの」
ライナー「待てクリスタ。私が傍にいない間に何があったんだ!?」
クリスタ「ライナーが、女子の間で頼られてるの」
ライナー「……」
クリスタ「あ、ユミルが頼りないってわけじゃないの!私はユミルのことすごく頼りにしてるもん!」
ライナー「分かってるよ、それで?」
クリスタ「うん…あの、いつもより優しいって、評判なの」
ライナー「こりゃ元に戻った時めんどくさそうだな」
216 : 1 2013年10月11日 (金) 03:28:26 ID: 3eAT0q3g
クリスタ「もう、ユミルったら。…でね、私、何か変なの」
ライナー「変?」
クリスタ「ライナーが皆に頼られる時とか、違う子の頭撫でてたりとかすると、胸がね」
クリスタ「きゅうってするの。ちょっと痛いの」
ライナー「…そりゃ、あれだ。見た目は私なんだから」
ライナー「いつもだったらお前が撫でられたり、抱きしめられたりされてるからだろ」
クリスタ「そうなのかもしれない。でも私、ユミルにも抱きしめてほしいけど」
ライナー(可愛いな畜生)
クリスタ「…ライナーにも、触ってほしいの。変かな?」
ライナー「あぁ変だ。なんで女神がゴリラに恋するんだよ。どう考えてもおかしいだろ」
クリスタ「女神じゃないもんっ」
ライナー「……」
217 : 1 2013年10月11日 (金) 03:29:00 ID: 3eAT0q3g
クリスタ「…ユミルにしてもらうと嬉しいことをライナーにもしてほしいの」
クリスタ「だから私は、ユミルと同じくらいライナーが好きなのかなって」
ライナー「…元に戻ったら、いくらでも抱きしめてやる」
クリスタ「…うん」
ライナー「…だから、泣くな」
クリスタ「…うん…」グスッ
ライナー「…あー、今ちょっとだけ、いいか?」
クリスタ「え…?」
ライナー「…不本意だが、お前が嫌じゃなければ」
クリスタ「……うんっ」ボロボロ
ライナー「っ…クリスタ…!」ギュウッ
クリスタ「ユミ、ユミルっ…ユミルぅっ…」グスグス
ライナー(クリスタを傷付けない手は、一体どれなんだ)
ライナー(……誰か、教えてくれ)
218 : 1 2013年10月11日 (金) 03:29:31 ID: 3eAT0q3g
******
ユミル「クリスタが好きだ」
ベルトルト「…僕はねライナー。それは君のおまじないみたいなものかと思っていたんだよ」
ユミル「俺もだ。…俺はそう思うことで、ただの人間だと思おうとしてたのかもしれないと」
ユミル「だがこの一週間、クリスタの傍にいて気付いた」
ユミル「例え俺が人間であってもそうでなくても、俺はクリスタを守ってやりたい」
ベルトルト「……」
ユミル「使命を疎かにする気はない。それは当然だ」
ユミル「それでもクリスタは…守ってやりたいんだ」
ベルトルト「…僕は最初、君が使命から逃げたがっているのかと思った」
ユミル「ひどいな」
ベルトルト「だって他に理由が思い浮かばなかったんだから」
219 : 1 2013年10月11日 (金) 03:30:14 ID: 3eAT0q3g
ベルトルト「…クリスタから聞いてると思うけど、この前ユミルが倒れたんだ」
ユミル「あぁ。俺も時々頭が痛くなるが…ユミル程ではないんだろうな」
ベルトルト「僕は二つのことを考えた。まずはライナー、君の肉体のことだ」
ベルトルト「もしも何かあったら、どうすることも出来なくなるかもしれない」
ベルトルト「運が悪ければその場で地獄絵図だ」
ユミル「想像するだけで最悪だ」
ベルトルト「もう一つは、ユミルのことだ。…彼女に何かあったらどうしよう、って」
ユミル「ベルトルト…」
ベルトルト「倒れた彼女を抱きしめて…いや、まぁ君の体なんだけど」
ユミル「止めろ言うな」
ベルトルト「それで思ったんだ。僕が触れて、彼女を傷付けないだろうかって」
220 : 1 2013年10月11日 (金) 03:30:51 ID: 3eAT0q3g
ユミル「…!」
ベルトルト「僕たちの手は、…人殺しの手だ」
ユミル「……あぁ」
ベルトルト「この手で触れた人は、皆傷付いて死んでしまう。僕は、ユミルを抱きしめるのが怖かった」
ベルトルト「気付いたんだ。ライナーもそうなんじゃないかって」
ユミル「……」
ベルトルト「普通の人の手なら、クリスタに触っても傷付けないもんね」
ユミル「…あぁ、そうだな」
ユミル「お前は違うと言ってくれたが、結局俺は逃げたかったのかもしれないな」
ユミル「…なぁベルトルト。お前は、守りたいものはあるか?」
ベルトルト「あるよ。…僕は任務を、ライナーを、アニを守りたい」
ベルトルト「…同じくらい、ユミルも守りたい」
ベルトルト「彼女の傍にいて、気付いたんだ。ユミルはとても強いけど、とても弱い人なんだって」
221 : 1 2013年10月11日 (金) 03:32:03 ID: 3eAT0q3g
ユミル「訳が分からん」
ベルトルト「彼女は何かと戦ってる。それが何かは、分からないけど」
ベルトルト「いつも何かに怯えてる。…僕みたいだ」
ユミル「…お前に似てるっていうのか?ユミルが?」
ベルトルト「…何となくだけどね」
ユミル「…ベルトルト」
ベルトルト「な、何?」
ユミル「お前、不器用だな」
ベルトルト「ライナーにだけは言われたくないよ」
ユミル「ははっ、明日から、頼んだぜ」
ベルトルト「この訓練までには戻ってほしかったけど…仕方ないか」
ユミル「出来るだけ足引っ張らねぇようにするよ」
ベルトルト「お互いにね」
ユミル「じゃあ、また明日な、ベルトルト」
ベルトルト「うん、また明日、ライナー」
229 : 1 2013年10月12日 (土) 02:14:23 ID: Tdkgsla.
******
ライナー「おいおいおいおかしいだろ」
ユミル「あぁ、俺もそう思う」
クリスタ「うぅ、まさか去年と違う訓練なんて」
ベルトルト「まぁ同じことさせても仕方ないってことなのかな…」
雪が所々積もった、切り立った崖。
立体機動装置を使ったところで安全に上れるか分からないこの崖を登るのが、今年の訓練の一つだという。
いついかなる時どんなことが起こるか分からないとはいえ…これは厳しいだろう。
登って頂上に辿り着き、通常のルートを徒歩で下山する。
与えられた二日間の猶予は、初日に崖を登りきらなければ意味がない。
崖にしがみ付いて夜を越すなど、死を意味しているようなものだ。
ユミルはちらと深刻な顔をしているクリスタを見やる。
体力的な問題を考えたら、一番危険なのはクリスタだ。それは彼女自身も分かっているだろう。
230 : 1 2013年10月12日 (土) 02:15:00 ID: Tdkgsla.
昨夜久々に触れたクリスタの体は、いつもより細くなっているような気がした。
飯を食っていると言ってはいたが、本当かどうか分からない。
一つ舌打ちをし、ユミルは荷物を背負い直した。
ライナー「立ち往生してても仕方ねぇだろ。…行くぞ」
ベルトルト「う、うん」
ユミル「クリスタ。お前は俺とベルトルトの間を登れ。ユミルはクリスタの下だ」
クリスタ「! そ、そんな…」
ライナー「分かってくれ。それが一番最善の陣営だ。ま、4人で陣営って言えるのかは分かんねぇけどな」
クリスタ「…分かった。でも皆に迷惑はかけないから」
ユミル「大丈夫だ。こんな所でくたばるわけにはいかないからな」
ベルトルト「行こう」
231 : 1 2013年10月12日 (土) 02:15:32 ID: Tdkgsla.
*******
指先が冷たい。足先がおぼつかない。
クリスタは小さく息を吐き、吸った。
こんなに気温が低い所で深呼吸なんてしたら器官が凍えてしまう。
これ以上の体温低下は避けなくてはいけない。
下を見れば、すでに地面は見えなくなっている。当然だ。何段登ってきたと思っている。
200メートルはとっくに越えているかもしれない。
クリスタ(ここから落ちたら…)
外気の寒さでないものが、クリスタの背筋を襲う。
両隣にライナー(今はユミルの姿だが)とベルトルトがいるのは―――万が一、クリスタが落ちそうになっても支える為。
そして下にユミル(今はライナーの姿だが)がいるのは、予防線。
232 : 1 2013年10月12日 (土) 02:16:19 ID: Tdkgsla.
クリスタ(ユミルを守りたいなんて、言ったくせに)
本当に、純粋に親友を守りたいだけなのか。
“親友を守って死にたい”のではないか。
どこかにいい人と思われたがっている自分がいるのではないか。
ずっと否定されていた自分の存在を、肯定してほしいのではないか。
次々と浮かぶ自分勝手な考えに、首をぶんぶん横に振る。
まるで降り続ける雪を払いのけるように。
ライナー「おいライナー!次の段に着いたら少し休憩だ!」
ユミル「そのつもりだ!」
右と下から、ちぐはぐな声が聞こえてくる。
233 : 1 2013年10月12日 (土) 02:17:30 ID: Tdkgsla.
2人とも普段より大きな声なのは、体勢のせいだけだろうか。
雪は音を消してしまうと、昔聞いた気がする。
話してくれたのは誰だった?…そうだ、去年の訓練の時に、ユミルが。
雪は人を隠してしまうって、声も消してしまうって。
あぁ、言われてみれば。
234 : 1 2013年10月12日 (土) 02:18:03 ID: Tdkgsla.
クリスタ(ユミルとライナーが、見えないよ)
クリスタ「!!」ガラッ
クリスタ「え――――――っ」グラッ
そんな、何で。
左手で掴んでいた岩が脆かった?それとも、雪が手を滑らせた?
分からない。ただ分かるのは、自分の体が傾いて、宙を舞ったこと。
ユミル「クリスタァ!!」
ライナー「!!」
ベルトルト「っ…!!」
235 : 1 2013年10月12日 (土) 02:18:37 ID: Tdkgsla.
落ちたら、死ぬ。私はここで。誰も守れないで。
ユミルの表情が―――やっぱり、ライナーにしか見えなかった。
私はまた、皆を困らせてしまうの?
私はやっぱり、いらない子なの?
私はただ、必要だって、言ってほしかったの?
ユミル「ぐぅっ!!」ガシッ
クリスタ「ライナー!?」
ユミル「こっ…のヤロォ!!」ブンッ
クリスタ「きゃぁ!!」
ユミル「ベルトルト!!」
ベルトルト「ばっ…ライナー!!」ガシッ
クリスタの体を力強く引き上げ、ベルトルトが片手で何とか抱きかかえる。
236 : 1 2013年10月12日 (土) 02:19:17 ID: Tdkgsla.
ただ落下するクリスタを上に投げた為―――反動で、ユミルの体が下に勢いをつけて落ちていく。
ライナーの精神が、ユミルの肉体が。
ユミル(やべぇ)
この状況から助かる方法が思い浮かばない。
自分の肉体が自分のもので、この場にベルトルトしかいなければ、いくらでも方法はあった。
しかしこればかりは―――絶望以外の、何者でもない。
再生能力が使えるのか、巨人化だって難しい。
このまま落ちて行けば、恐らく自分の精神とユミルの肉体が死ぬ。
ユミル(あぁ、でも)
ユミル(人類滅ぼして死ぬより、惚れた女守って死ぬ方が、まだ良いのかもな)
目を閉じて、衝撃に備える。
こんな自分にも死は―――安らかに訪れるのだろうか。
237 : 1 2013年10月12日 (土) 02:20:00 ID: Tdkgsla.
ライナー「いい加減にしやがれこの馬鹿野郎が!!!」
想像もしなかった怒号に、目を開く。
目の前には、俺の姿がある。
おいおい何でお前まで落ちているんだ。お前は落ちたら駄目だろう。
お前はクリスタを守って、ベルトルトに惚れられて。―――最期の時まで、生きるんだろ。
ユミル「ユミっ…」
ライナー「喋んな、舌噛むぞ!」グッ
自分に抱きしめられるなんて変な感覚だ。
横目で見た顔は、まるで俺の顔が作り出している表情には見えなかった。
上ではきっとベルトルトが、クリスタがいるのだろう。
―――コイツ、俺を助けるために、飛び降りたのか?
238 : 1 2013年10月12日 (土) 02:20:31 ID: Tdkgsla.
生き残る算段なんてないはずなのに。何故、コイツは。
ライナー(畜生何してんだ私!どうする、巨人化出来ちまえばなんてことはねぇ、だが…!!)
ユミル(この馬鹿を死なせるわけにはいかん!どうする、どうしたらいい!?)
きっとコイツが死んだら、
ベルトルトが、クリスタが、悲しむ。
((そんなのはごめんだ!!))
衝撃がお互いの体を襲い―――
唐突に吹き荒れた吹雪が、2人の姿を覆い隠した。
246 : 1 2013年10月14日 (月) 01:04:50 ID: NWKZJWsY
******
クリスタ「ユミル!!ユミル!!」
ベルトルト「クリスタっ、動かないで!とりあえず落ち着いて!」
クリスタ「だってユミルがっ、ライナーが…!!」
ベルトルト「とにかく、上に登ろう!そうしなきゃ2人を助けることも出来ない!」
クリスタ「―――っ…」
寒さのせいなのか、それとも違うのか。
クリスタの唇は真っ青に染まっていた。
歯の根が噛みあわず、ベルトルトの防寒着を握る指先が震えている。
上も下も猛吹雪で、少し先さえも見えない。
これではライナーとユミルの影を見つけることさえ不可能だ。
247 : 1 2013年10月14日 (月) 01:05:28 ID: NWKZJWsY
ベルトルト(こんな高さから落ちて無事なはずがない…!)
ベルトルト(もし万が一ライナーが巨人化出来たとしても、ユミルがそれを見てしまったら…)
ベルトルト(どうしたらいい!?僕は、僕たちはユミルを殺さなくてはならない…!)ドクン
クリスタ「…ベ、ベルトルト…」
ベルトルト「!? ど、どうしたの…?」
クリスタ「手、すごく、震えてる…」
ベルトルト「!」
言われて気付く。クリスタの腰を支えている手が、震えている。
寒さで手がかじかんでいるわけでは当然ない。
震えているのは、寒気ではなく、感じたことのない、喪失感から。
248 : 1 2013年10月14日 (月) 01:07:03 ID: NWKZJWsY
―――おかしな話だ。
今までどれだけの人間の命を奪ってきた?
それなのに、自分の大切な人間を殺すことになるかもしれない状況に陥って―――
震えが止まらないなんて。
ベルトルト(早く、早くしないと…!)
フードが脱げてしまったクリスタの金色の頭越しに、
傾いた陽が、見えた。
249 : 1 2013年10月14日 (月) 01:07:54 ID: NWKZJWsY
******
たくさんの人間を殺してきた。
幸せに死ねるだなんて、いっさい思っていない。
きっと力一杯苦しんで、最低な死に方をするのだろう。
多くの人間に罵倒され、悲鳴を挙げさせて、死んでゆくのだろう。
だったらせめて死ぬまでに―――たった一人だけでも、
“大切な人”を守っても、いいんじゃないのか?
******
250 : 1 2013年10月14日 (月) 01:08:25 ID: NWKZJWsY
体がバラバラになったのではないかと疑う程の激痛が走る。
尻に固い岩の感触がして、思わず眉間に皺が寄った。
―――生きている、のか。
一体どうやって生き延びた?巨人になれたのか?
なれたとしたら、アイツはこれを見たのか?
もし見られていたら、気付かれていたら、どうする。
身を捩ろうとして、後ろから腕が回っていることに気付く。
筋肉質で、固くて、大きく分厚い掌を持った男の、腕が。
251 : 1 2013年10月14日 (月) 01:09:08 ID: NWKZJWsY
ライナー「…目が覚めたか」
ユミル「お前っ…どうして…!」
ライナー「話は後だ。…ユミル」
ユミル「…ハッ、まさかこんな風に元に戻るなんてな…」
ライナー「あぁ。…助かるとは、思わなかった」
ユミル「てっきり死んじまったと思ったぜ。…なぁ、お前、どうやって助かったか分かるか?」
ライナー「…いや。俺もついさっき目が覚めたばかりでな。分からないんだ」
ユミル「そうか…」
ライナー(変化した記憶はない。が、そうでなければ助かるはずがねぇ)
ユミル(もし変化してたとしたら、コイツがこんな普通でいるわけがねぇ…じゃあ何だ…?)
ユミル(今うだうだ考えても仕方ねぇ。とっととクリスタの所に戻らねぇと…!)
252 : 1 2013年10月14日 (月) 01:09:40 ID: NWKZJWsY
ユミル「グッ…う…」ズキッ
ライナー「馬鹿、動くんじゃない」
ユミル「大体、何でテメェが私のこと抱えてんだよ!」
ライナー「俺だってしたくてしてるわけじゃない。が、お互い凍死は嫌だろう」
ユミル「クソ…」
ライナー「それにもう夜のようだ。登るにしろ、救援を求めるにしても、朝にならなければどうしようもない」
ライナー「この暗がりを移動するのは危険だ。今日はここで夜を越す」
ユミル「それしかねぇか…」
火を焚いた所で、この雪ではあまり意味をなさないであろう。
先程よりも収まったとはいえ、未だ止むことがなく降り続ける雪が忌々しい。
253 : 1 2013年10月14日 (月) 01:10:18 ID: NWKZJWsY
体の動きが鈍いことも相まって、ライナーとユミルは体を寄せ合って暖を取っていた。
防寒着の上からとはいえ、じんわりと温まっているのが分かる。
ユミルは一つ白い息を付き、後頭部をライナーの胸元に預けた。
ユミル「…クリスタとベルトルさんは、無事かな」
ライナー「クリスタはベルトルトが守る。それにクリスタだってか弱いだけの女じゃない」
ユミル「へぇ。意外だな。お前がクリスタにそんなこと言うなんて」
ライナー「この一週間、俺だけではどうしようもできなかった」
ライナー「クリスタがいてくれたおかげだ」
ユミル「…そうか」
ライナー「お前だってそうじゃないのか?」
ユミル「は?」
254 : 1 2013年10月14日 (月) 01:11:15 ID: NWKZJWsY
ライナー「ベルトルトが守ってくれたんだろう?」
ユミル「……否定はしねぇよ」
ライナー「…ユミル、俺はな、クリスタのことが好きなんだ」
ユミル「よくも私を前にそんなことが言えるな」
ライナー「いい機会だからな。それに今ならお前も碌に動けないだろ」
ユミル「…」チッ
ライナー「だが俺は、アイツを好きなのかずっと分からなかった。…俺は、クリスタを理由にしたかったんじゃないかと思っていた」
ユミル「理由?何のだ?」
ライナー「…逃げる為の理由だ」
ユミル「……」
ライナー「俺は怖かった。いや、怖いだなんて言ってはいけないのは分かっている」
ライナー「…俺は、俺であることを否定しようとしてしまった」
255 : 1 2013年10月14日 (月) 01:12:58 ID: NWKZJWsY
ユミル「…お前が何を言いたいのか、正直私にはよく分からない」
ライナー「あぁ、それでいいんだ」
ユミル「何だそりゃ」
ライナー「聞いてくれ。こんな話をベルトルト以外にするのは初めてなんだ」
ユミル「何で私にするんだ」
ライナー「…さぁな、ただ、似てるからかもしれないな」
ベルトルト『彼女は何かと戦ってる。それが何かは、分からないけど』
ベルトルト『いつも何かに怯えてる。…僕みたいだ』
ユミル「…訳わかんねぇ」
ライナー「俺はお前のことが羨ましかったのかもしれない」
ライナー「好きな人間に、素直に好きだと言えるお前のことが」
256 : 1 2013年10月14日 (月) 01:13:39 ID: NWKZJWsY
ユミル「…」
ライナー「俺のこの手で、守ってやることなんて、出来ないかもしれん」
ユミル「んなこと知るか、馬鹿ゴリラ」
ライナー「お前…ゴリラって呼ぶなと何度言えば」
ユミル「黙れよ。少なくともテメェは、クリスタを守ったじゃねぇか」
ライナー「…!」
ユミル「私の体を道連れにしようとしたとこはまぁ見逃してやる。…ありがとう、ライナー」
ユミル「お前のおかげで、クリスタを守ることが出来た」
ライナー「…お前から素直に礼を言われるとは思わなかった」
ユミル「二度と言わねぇ」
ライナー「何だそれは」
257 : 1 2013年10月14日 (月) 01:14:12 ID: NWKZJWsY
ユミル「それに」
ライナー「それに?」
ユミル「…いや、何でもない」
ライナー「言いかけたら言え。気になるだろう」
ユミル「うるせぇよバーカ」
ユミル(お前のおかげで、“私の手”でも、大事なヤツを守れるって分かった)
ユミル「ライナー。…クリスタのこと」
ライナー「あぁ。俺に任せろ」
ユミル「頼むなんて言うわけねぇだろ」
ライナー「」
264 : 1 2013年10月15日 (火) 01:32:07 ID: vcCVcfIc
ユミル「それに、クリスタは私と結婚するって決まってんだよ」
ライナー「誰がそんなことを決めたんだ」
ユミル「私だ」
ライナー「」
ユミル「大体なぁ、今回こんな面倒クセェことになったのは、お前が変な計画に乗ったからだろ?」
ライナー「う」
ユミル「元に戻ったっつーことで、コニーは後で説教だ」
ライナー「待て。コニーには何の落ち度もない。アイツを責めないでやってくれ」
ユミル「断る」
ライナー「何故だ」
ユミル「私がしたいからだ」
ライナー「」
265 : 1 2013年10月15日 (火) 01:32:47 ID: vcCVcfIc
ユミル「それにお前もお前だ!」
ライナー「な、何だ」
ユミル「何で私にはクリスタが好きだとか言えるくせに、アイツには話しかけないんだ!」
ライナー「そっ、それはお前が妨害してくるからだろう!?」
ユミル「当たり前だバーカ!」
ライナー(畜生)
ユミル「お前はベルトルさんとでもイチャついてやがれ!」
ライナー「そういうお前こそベルトルトのことをどう思っているんだ!」
ユミル「は、はぁ!?今ベルトルさんのことは関係ねぇだろ!?」
ライナー「いいやある!あると言ったらある!」
ユミル「―――っ、どうとも思ってねぇよ!」
266 : 1 2013年10月15日 (火) 01:33:44 ID: vcCVcfIc
ライナー「……」
ライナー「…ユミル」
ユミル「何だよ」
ライナー「お前、顔、赤いぞ」
ユミル「!? みっ、見えてねぇくせに何言ってんだ!」
ライナー「鼻の頭が赤いんだよ」
ユミル「…寒いからだ」
ライナー「嘘吐くな」
ユミル「べ、別に私は…ベルトルさんのことなんて…」
ライナー「本当か?」
ユミル「……」
ライナー「本当に、何とも思っていないか?」
ユミル「っ…」
267 : 1 2013年10月15日 (火) 01:35:24 ID: vcCVcfIc
ライナー「…今から俺は独り言を言う」
ユミル「は?」
ライナー「あーあ、ベルトルトのヤツ何考えているんだろうなぁ」
ライナー「ちょっと意志が弱くてちょっと人よりおどおどしてるがなぁ」
ユミル(何だ急に)
ライナー「それでも俺には、気になる女のことを話してくれたんだがなぁ」
ユミル(!? 気になる女…!?)
ユミル「…おいライナー」
ライナー「何だユミル」
ユミル「興味なんてこれっぽっちもねぇけどな。まったくねぇけどな」
ユミル「…誰だ?」
ライナー「言わん」
ライナー「聞きたきゃ自分で聞いてみろ。アイツが答えるかは知らんが」
268 : 1 2013年10月15日 (火) 01:36:16 ID: vcCVcfIc
ユミル「てめぇ…」
ライナー「ユミル」
ユミル「あ?」
ライナー「この先、俺たちがどうなるかも分からない世界だ」
ユミル「…」
ライナー「だったら俺は出来ることは何でもやる。…何でもだ」
ユミル「…そんなの、お前だけだと思うなよ」
ライナー「そうだな。…あぁ、そうだ」
ユミル「今度は何だよ!」
ライナー「お前は“うみ”を知っているか?」
ユミル「…!」
ライナー「塩水で出来た、とても大きな場所だそうだ。湖なんかとは比べものにならない大きさらしい」
269 : 1 2013年10月15日 (火) 01:37:07 ID: vcCVcfIc
ユミル「…話に聞いたことはある」
ライナー「一体どんな所なんだろうな」
ユミル「…さぁな。ただ」
ユミル「私らはどこまで行っても変わらねぇよ」
******
ベルトルト「…クリスタ、どうしようか?」
クリスタ「え…?」
ベルトルト「夜が明けたら2人を捜しに行く?」
クリスタ「…私たちが2人だけで捜すより、駐屯所に行って人手を呼んだ方がいいと思う」
クリスタ「2人が無事でもそうでなくても、その方が可能性は高いと思うの」
ベルトルト「…分かった、そうしよう」
クリスタ「……」
270 : 1 2013年10月15日 (火) 01:37:46 ID: vcCVcfIc
ベルトルト「あのさ」
クリスタ「な、何?」
ベルトルト「…クリスタって、ユミルのことどう思っているの?」
クリスタ「…ユミルは、大切な友達なの」
クリスタ「私のことを見つけてくれた、大切な友達なの」
ベルトルト(見つけてくれた?どういうことだ?)
クリスタ「もしユミルがいなくなったらって考えると…苦しいかな」
ベルトルト「じゃあ、ライナーは?」
クリスタ「えっ!?ど、どうしてライナーが出てくるの」
ベルトルト「一週間、一緒に過ごしてたでしょ?」
クリスタ「そ、そうだけど!今はそんな状況じゃないでしょうっ?」
ベルトルト「ま、まぁそうなんだけど…ほら、寝ちゃったら大変だから…」
271 : 1 2013年10月15日 (火) 01:38:38 ID: vcCVcfIc
クリスタ「そういう問題じゃないよ!」
ベルトルト「うぅ…」
クリスタ「…ラ、ライナーはその……格好いいと、思うよ?」
ベルトルト「か、格好いい?」
クリスタ「変な状況になっちゃってるのに、私よりしっかりしてて…」
クリスタ「私の方がどうしたらいいか分かんなくなっちゃったもん」
ベルトルト(良かったねライナー。好印象みたいだよ)
クリスタ「…私、男の人を好きになったことないから良く分からないんだけどね」
ベルトルト(?)
クリスタ「ライナーとだったらその…頭とか、撫でてほしいかなって」カァァ
ベルトルト(これは確かに女神だ)
クリスタ「…ねぇ、ベルトルトは?」
ベルトルト「え?」
クリスタ「ユミルのこと、どう思ったの?」
272 : 1 2013年10月15日 (火) 01:39:14 ID: vcCVcfIc
ベルトルト「え?えぇっ!?」
クリスタ「その、ユミルって誤解されやすいから…どうなのかなって…」
ベルトルト「あ、その…ユミルは…すごく可愛いと、思う、よ…」ゴニョゴニョ
クリスタ「!」
ベルトルト(…もしもこんな世界じゃなかったら、一緒に故郷に行きたかった)
クリスタ「じゃ、じゃあね!」
ベルトルト「え?」
クリスタ「ユミルのこと…好き?」
ベルトルト「ま、待って!どうしてそうなるのっ」
クリスタ「どうなの?」
ベルトルト「―――…、よく、分からないんだ」
ベルトルト「でもユミルが笑ってくれると嬉しいし、名前を呼んでもらえるのも嬉しい」
273 : 1 2013年10月15日 (火) 01:39:46 ID: vcCVcfIc
ベルトルト「彼女が苦しんでいると、その、…傍にいてあげたいなって」
クリスタ「あのね、ベルトルト。私もユミルにそういうこと思ってるの」
クリスタ「私はユミルのこと大好き。だからもしかして、ベルトルトもそうなんじゃないかな?」
ベルトルト「…そうかな」
クリスタ「うん」
ベルトルト「そっか、…ありがとう、クリスタ」
ベルトルト「きっと2人は無事だよ。2人がクリスタを悲しませるなんて、しないよ」
クリスタ「…うん。ありがとう、ベルトルト」
ベルトルト「さぁ、行こう。…夜が明ける」
クリスタ「…うん」
274 : 1 2013年10月15日 (火) 01:40:38 ID: vcCVcfIc
******
夕方・駐屯所
クリスタ「はっ…はぁ…!」
ベルトルト「…っ、クリスタ、もう少しだから…!」
クリスタ「う、うん…!」
キース「!? フーバー訓練兵、レンズ訓練兵!」
クリスタ「はっ!」
キース「ブラウン訓練兵とユミル訓練兵の姿が見えないようだが…」
ベルトルト「はっ!2人は途中、私達の失態を庇う為崖下に転落しました!」
キース「何だと!?」
クリスタ「ち、違います!私を庇って…!」
275 : 1 2013年10月15日 (火) 01:41:27 ID: vcCVcfIc
キース「貴様らの話は後で聞く!今は2人を捜しに行くぞ」
ベルトルト「はっ!」
ライナー「遅くなり申し訳ございません!」
クリスタ「!?」バッ
ユミル「2名、ただいま帰還いたしました!」
ベルトルト「! 2人とも…!!」
キース「…ふむ、貴様らへの処分はまた後でだ。兵舎に入り体を温めろ」クルッ
ライナー・ユミル「はっ!」
ライナー「…ふぅ…」
ベルトルト「ラ、ライナー…ユミル…君たち一体、どうやって…」
ユミル「話はあとだ。とりあえず中に入ろう」
ライナー「あぁ、あちこち痛ぇ」
276 : 1 2013年10月15日 (火) 01:42:15 ID: vcCVcfIc
クリスタ「っ…」ジワッ
ライナー「…無事で良かった、クリスタ」
クリスタ「ユミルっ!!」ギュゥッ
ライナー「!?」ギョッ
ユミル「なぁっ…!?」
クリスタ「ユミルっ、ユミル…!無事で良かったっ、ユミル…!」ボロボロ
ライナー「あ、あ…」カァァァ
クリスタ「うっ、うぅぅぅ…」ヒグヒグ
ユミル「……」
ベルトルト「ラ、ライナー…?」
ユミル「…クリスタ、私はこっちだ」
ベルトルト「!」
クリスタ「え!?」バッ
277 : 1 2013年10月15日 (火) 01:43:23 ID: vcCVcfIc
ライナー「ク、クリスタ、その、俺は、ユミルじゃない」カチンコチン
ユミル「ああそうだ、だから今すぐクリスタから離れやがれ!」ゲシッ
ライナー「うおっ!」バタン
ベルトルト「じゃ、じゃあ君たち、元に戻ったの…?」
ユミル「あぁ」
ベルトルト「…どうやって、助かったの?」
ユミル「…さぁな。私にもライナーにも分からないんだ」
ベルトルト「そっか…」ホッ
ベルトルト(ライナーが仮に巨人化していたとしても、この様子ならユミルは見てない)
ベルトルト(良かった、まだ、ユミルと離れ離れにならなくて済む)
ユミル「…何だよベルトルさん。気持ち悪いな」
ベルトルト「ユミル」
ユミル「あ?」
ベルトルト「…無事で良かった」
ユミル「……おう」
283 : 1 2013年10月17日 (木) 16:28:33 ID: jvZY5YYA
******
ユミル「だっ…はっ…あぁー!!」
ライナー「もう少しっ、静かに走れないのか、お前は!」
ユミル「うっ、せぇよ!何でっ、兵舎に戻ってきた途端っ、走らされなきゃ、いけねぇんだ!」
ライナー「仕方が、ないだろう!班にっ、迷惑をかけたんだからな!」
ユミル「くそぉぉ!!」
クリスタ「うぅ、元は私のせいなのに…」
ベルトルト「無事に戻ってきただけ良かったとしようよ」
クリスタ「…よしっ」
ベルトルト「よし?」
284 : 1 2013年10月17日 (木) 16:29:04 ID: jvZY5YYA
ユミル「おーわー…りっ!」
ライナー「はぁ、ハァッ…」
ユミル「だー…終わった…終わったぜチクショウが…」バタン
ライナー「くそっ、これは明日が辛いかもしれん…」バタン
ユミル「じじいみたいなこと言ってんじゃねぇよ…」
クリスタ「ユッ、ユミル!」
ユミル「んー…?おう、どうしたクリスタ。ようやく私と結婚する気に」
クリスタ「わ、私っ、責任取らなきゃいけないと思うのっ!」
ライナー「責任…?」
ユミル「別に今回の件は私とライナーが勝手にやったことだ。お前がそう感じる必要はねぇよ」
ベルトルト「そうだよクリスタ。それにそんなこと言ったら、2人の立つ瀬がないじゃないか」
クリスタ「せ、責任というかっ、あの…」
285 : 1 2013年10月17日 (木) 16:30:16 ID: jvZY5YYA
クリスタ「2人とも、助けてくれてありがとう」
ライナー「…当然だ」
ユミル「当たり前のこと言ってんじゃねぇよ、馬鹿」
クリスタ「えへへ…それでね、私ね」
ユミル「おう」
クリスタ「ユミルのこと、大好きよ」
ユミル「クリスタ…!私もお前が好きだ、今すぐに結婚しよう!」ギュッ
クリスタ「まっ、待ってユミル!」
ユミル「いいや離さない、もう限界だ!」
ベルトルト「……」
ライナー「…お前、女の趣味悪いな」
ベルトルト「…放っておいてよ」
286 : 1 2013年10月17日 (木) 16:31:07 ID: jvZY5YYA
クリスタ「待っ…て!」ベシッ
ユミル「うぐっ」
クリスタ「」ハァハァ
クリスタ「ラ、ライナー!」クルッ
ライナー「ん?」
ベルトルト「?」
ユミル「!?」
クリスタ「わ、私、ライナーのことも、好きよ」
ベルトルト「え!?」
ライナー「なっ!?」
ユミル「」
ユミル「…おいテメェツラ貸せや。二度と人前に出られねぇ顔にしてやるよ」
ライナー「俺からも頼みたい。俺は夢を見ているんじゃないだろうか」
ユミル「任せろ」パキポキ
287 : 1 2013年10月17日 (木) 16:31:38 ID: jvZY5YYA
ベルトルト「待ってってユミル!」ガシッ
ユミル「さ、触んな!」ジタバタ
ベルトルト「あっ、暴れないで!僕たちはあっちに行こうっ、怪我の消毒もしなきゃ!ねっ?」
ユミル「はなっ、クリスッ、クリスタァァ!!」ズルズル
ライナー「ま、待ってくれベルトルト!」
クリスタ(2人きりになっちゃったどうしよう)
ライナー「…ク、クリスタ…」
クリスタ「は、はいっ」
ライナー「…手を」
クリスタ「え?」
ライナー「手を、握ってもいいか?」
クリスタ「…うん」スッ
ライナー「…」ギュッ
288 : 1 2013年10月17日 (木) 16:32:09 ID: jvZY5YYA
クリスタ「…」
ライナー「…」ニギニギ
クリスタ「ラ、ライナー?」
ライナー(とても小さな手だ。しっかり握ったら壊れてしまいそうな)ニギニギ
クリスタ「っ」
ライナー「…」スッ
クリスタ「!?」カァッ
ライナー(顔も小さい。ユミルの体で触った時に比べると、余計にそう感じる)
クリスタ「っ、っ…」プルプル
ライナー「……」サスサス
クリスタ「ライナー、あの、恥ずかしい、よ」
ライナー「!? すっ、すまん」バッ
クリスタ「違うの!嫌とかじゃないの!あのねっ、普通に、握ってほしいな…?」
ライナー(結婚しよ)
295 : 1 2013年10月18日 (金) 00:49:11 ID: F9nOjvLE
ライナー「じゃ、じゃあ…」ギュッ
クリスタ「~~~っ」///
ライナー「…」マッカッカ
クリスタ「…えへへ、何か変な感じだね」ニコ
ライナー「そうだな」
クリスタ「…私ね、もしユミルとライナーが死んじゃったらどうしよう、って思ったの」
クリスタ「いっぱい怖くて、どうしたらいいか分からなかったの」
ライナー「…あぁ」
クリスタ「だから、生きていてくれて、良かった」
ライナー「…クリスタ、俺はこの先、何があってもお前を守る」
296 : 1 2013年10月18日 (金) 00:49:45 ID: F9nOjvLE
クリスタ「え?」
ライナー「もし俺がお前に軽蔑されることになっても、嫌われても、憎まれても」
ライナー「俺のこの気持ちは変わらない。…何があってもだ」
クリスタ「変なライナー…そんなこと、あるはずないのに」クスクス
ライナー「あぁ…そうだと、いいな」
ライナー「そうだクリスタ。もしもな、もし、一緒にいられたら」
ライナー「“うみ”を見に行こう」
******
医務室
ユミル「」ゼーハー
ベルトルト「」ゼーハー
297 : 1 2013年10月18日 (金) 00:50:21 ID: F9nOjvLE
ユミル「…ベルトルさん降参だ。もう抵抗しねぇから離してくれよ」
ベルトルト「……」
ユミル「…おーいベルトルさーん?」
ベルトルト「…ごめん、ユミル」ギュッ
ユミル「!? は、ちょっとお前何してんだよ!?」
ベルトルト「良かった」
ユミル「…!」
ベルトルト「君が無事で、本当に良かった。無事に戻ってくれて、本当に良かった」
ユミル「…私がクリスタを残して死ぬわけねぇだろ、たく」
ユミル「ところでよぉベルトルさん。その、離してくんねぇか?」
ベルトルト「?」
ユミル「その、こんなんでも女だしさ…あー…その…」
298 : 1 2013年10月18日 (金) 00:51:10 ID: F9nOjvLE
ベルトルト「何?」
ユミル「その、お前、気になる女がいるんだろ?」ガシガシ
ベルトルト「!?」バッ
ベルトルト「えっ、それ誰に聞いたの!?」
ユミル「やっぱりそうなのか」
ベルトルト(ライナーのヤツ!ユミルに何言ってるんだよ!)
ユミル「だからな、私みたいなヤツに感極まったからって抱きついたりしたらダメだぞ?」
ユミル「何が起こるか分かんねぇんだから」
ベルトルト「そんなことないよ!」
ユミル「っ!?」ビクッ
ベルトルト「…あ、ご、ごめん、大きな声出して…」
ベルトルト「でも僕、ユミルだから、その、あの…」
299 : 1 2013年10月18日 (金) 00:51:40 ID: F9nOjvLE
ユミル「へ…?」
ベルトルト「ユミルだから、心配したし、怖かったんだ」
ベルトルト「君がどこかに行ってしまうんじゃないかって」
ユミル「…ベルトルさん、それ…」
ベルトルト「~~~っ、ユ、ユミル!怪我とか!怪我とかしてるよね!?治療しなきゃ!」
ユミル「露骨に話題をそらすんじゃねぇよ!怪我とかしてねぇから大丈夫だ!」
ベルトルト「え、あんな高さから落ちたんだよ…?そんなわけないじゃないか」
ユミル(とっくに再生させました、何て言えるわけねぇっつうの)
ユミル「あー、ほらあれだ。ライナーの体が庇ってくれたからさ」
ユミル「どっちかっていうとアイツの方が怪我すごいんじゃないか?」
300 : 1 2013年10月18日 (金) 00:52:14 ID: F9nOjvLE
ベルトルト「そう…なんだ…」
ベルトルト(それならまだ良かったかな…ライナーなら傷くらい、すぐに治るだろうし…)
ユミル「…まぁ、その、もし仮に一生もんの怪我とかがあった場合な」
ベルトルト「やっぱあるんじゃないか!」
ユミル「違ぇよ馬鹿!」
ベルトルト「…あった場合?」
ユミル「……言ったよな、ベルトルさん」
ベルトルト「?」
ユミル「…責任、取ってくれよ?」
301 : 1 2013年10月18日 (金) 00:53:04 ID: F9nOjvLE
******
サシャ「ユミルー!半分でいいです、半分でいいですからっ!」
ユミル「やるわけねぇだろうが」ナデナデ
サシャ「そんなっ、この前はくれたのに!」
ユミル「この前はこの前だ。一緒にすんな」ナデナデ
サシャ「そんなぁー!」
アニ「…何か、ようやく本調子って感じだね」
ユミル「おう、そうだな。ここ一週間は私が私じゃなかった気分だ」ナデナデ
ミカサ「クリスタへの愛情も元に戻ったよう」
ユミル「まあな!」ナデナデ
クリスタ「私の頭撫でながらお喋りしないでよー」プクゥ
302 : 1 2013年10月18日 (金) 00:53:42 ID: F9nOjvLE
ユミル「いいじゃねぇか、約束してたろ?」
クリスタ「え?」
ユミル「元に戻ったら、いくらでも抱きしめてやるって」ヒソッ
クリスタ「!」///
クリスタ「もっ、もうユミルったら!仕方ないんだから!」プンプン
ユミル「だはは、女神様はお優しいなぁ!」
コニー「はー…ブス女が何か元に戻っちまったし…」
ジャン「ここ一週間は平和だったんだがなぁ。何か悪いもんでも食ってたんじゃねぇか?」
アルミン「あはは…でも賑やかでいいじゃないか」
ライナー「あぁ、羨ましい」
ジャン「相変わらずだなテメェも」
303 : 1 2013年10月18日 (金) 00:54:16 ID: F9nOjvLE
ライナー「俺は俺だしな」
ベルトルト「そうだね」
マルコ(相変わらずこの2人、距離が近いなぁ)
エレン「あ、でもよ」
アルミン「どうしたのエレン」
エレン「この前ユミルと対人組んだ時さ」
マルコ「コニーの計画の時かい?」
エレン「いや、その後。…何かユミルの動きがライナーに思えたんだよなぁ」
ライナー「」ギクッ
ジャン「んなわけねぇだろ、馬鹿かお前」
エレン「はぁ!?もういっぺん言ってみやがれ!」ガタッ
ジャン「上等だ何度でも言ってやるよ!」ガタッ
ミカサ「エレン、騒がしい」
304 : 1 2013年10月18日 (金) 00:54:58 ID: F9nOjvLE
コニー「こいつらは相変わらずだよなぁ。…あ、そうだよライナー!」
ライナー「ん?」
コニー「クリスタと2人で話す作戦、次はいつやるんだ!?」
ベルトルト「またやる気なの?」
コニー「当然だろっ」
ライナー「あぁコニー、その件なんだがな。もう大丈夫だ」
コニー「?」
アルミン「大丈夫って…もしかして」
ライナー「ははは」
305 : 1 2013年10月18日 (金) 00:55:29 ID: F9nOjvLE
ベルトルト(全くライナーは…任務を忘れたわけじゃないだろうね)
ユミル「おいこらチビ」ガシッ
コニー「あ?いだだだだだ!!」ギリギリ
ユミル「テメェ一週間前はよくもやってくれたな。おかげでえらい目にあったんだぞ」ギリギリ
クリスタ「ユッ、ユミル!ダメだってコニーの顔が変わって…ぷっ」
コニー「クリスタ笑ってないで助けてくれよぉ!」
ユミル「身長伸ばしてやんよ」ダハハ
ベルトルト(…ま、僕も人のことは言えないかな…)チラッ
306 : 1 2013年10月18日 (金) 00:57:09 ID: F9nOjvLE
******
故郷に帰ろう。俺たちの故郷に。
俺と、お前と、アニと、三人で。
壁を壊して、飛び出そう。
皆で“うみ”とやらに行こう。
俺と、お前と、アニと。
…あぁ、そうだな、クリスタと、ユミルもだな。
先がどうなるかんて、まだ分からない。
いつか俺やお前が、大切な人に軽蔑される未来が来たとしても。
それでもこの瞬間は、確実に起こっていた“現実”だから。
だからもう少し、出来ればずっと、俺たちと世界が憎み合ったとしても。
俺たちは、この小さな手を守ろう。
終
307 : 1 2013年10月18日 (金) 00:59:13 ID: F9nOjvLE
以上です。長々とお付き合いくださってありがとうございました
近いうちに救いのない黒トルトさんでスレ立てする予定です
また見かけたらよろしくお願いします
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キース・シャーディス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
キース・シャーディスとは『進撃の巨人』の登場人物で第104期訓練兵団の指導教官。スキンヘッドに顎ひげを生やした強面の男性で、訓練兵の間では鬼教官として恐れられている。元々は第12代団長として調査兵団を率いていたが、無謀な壁外調査を繰り返し多くの部下を死なせたにもかかわらず成果を残せなかったことから、自分の無能を悟りエルヴィン・スミスに団長職を引き継がせた。主人公エレンの父親であるグリシャ・イェーガーとは以前から面識があり、彼が消息を絶つ直前に顔を合わせた最後の人物である。
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ロッド・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ロッド・レイスとは、「進撃の巨人」に登場するキャラクターである。壁内人類の真の王家であるレイス家当主。実質的には壁内での最高権力者である。ウーリ・レイスの兄であり、フリーダ・レイスやヒストリア・レイスの父親。正妻との間に5人の子がいたが、当時使用人として働いていたアルマとも関係を持ち、ヒストリアが産まれたことにより、事実的には子供は6人。だがグリシャにより正妻との間の子は皆殺されてしまい、生き残っている子供はヒストリアただ1人である。
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ダイナ・フリッツ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ダイナ・フリッツとは『進撃の巨人』の登場人物。主人公エレンの父親グリシャの前妻で「獣の巨人」ジークの母。その正体はフリッツ王家の末裔。ストーリー上、巨人の歴史と王家の情報を語る重要な役割を持つ。パラディ島に移住することを拒みマーレに留まった一族は、代々巨人の情報を隠し持っており、その末裔であるダイナはエルディア復権派と共に始祖の巨人の奪還を企てるが、計画は息子ジークの密告により失敗。ダイナは巨人化後、グリシャの後妻であるカルラを捕食する。最期はエレンの持つ座標の力で巨人の群れに喰われた。
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ケニー・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ケニー・アッカーマンとは『進撃の巨人』の登場人物で、中央第一憲兵団対人立体機動部隊の隊長。かつて「切り裂きケニー」の異名を取った大量殺人鬼だったが、ウーリ・レイスとの出会いを経て現在は中央第一憲兵団に所属し対人戦闘を専門とする部隊を率いている。リヴァイ・アッカーマンの育ての親であり、彼に戦闘技術を教えた人物でもある。その戦闘能力はリヴァイと同等かそれ以上であり、対立した調査兵団を大いに苦しめた。
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ヒッチ・ドリス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ヒッチ・ドリスとは『進撃の巨人』の登場人物で、憲兵団の新兵。アニ・レオンハートとは同期でルームメイト。ウェーブヘアが特徴の少女で、軽薄で不真面目な言動が多い。他の新兵同様安全な内地で楽をするために憲兵団に入ったが、実は機転の利くところがある。アニのことは愛想のない同期だと思っていたが、ストヘス区の戦闘以降行方不明になったことを心配しており、アニの正体が「女型の巨人」であることを知って大きなショックを受けていた。同期のマルロ・フロイデンベルクに好意を持っているが、マルロ本人は気づいていない。
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エルヴィン・スミス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
エルヴィン・スミスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、調査兵団第13代団長である。調査兵団は人類の生存圏を広げることを目的とし、日々巨人との死闘を繰り広げている。その類まれなる頭脳と判断力から大きな功績を挙げているが、目的のためなら手段を選ばない非情さから「悪魔的」と称されることもある。彼の真の目的は世界の真実を解き明かし、「人類は王家によって記憶を改竄された」という父の仮説を証明すること。人類最強と称されるリヴァイ兵士長を調査兵団に入れたのも彼である。
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ポルコ・ガリアード(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ポルコ・ガリアードとは『進撃の巨人』の登場人物で「顎の巨人」の継承者。「九つの巨人」継承者で構成される「マーレの戦士」の一員として、「顎の巨人」の持ち味である硬い顎と牙や俊敏性を活かし数々の戦場で活躍している。戦士候補生時代の同期であるライナー・ブラウンとは「鎧の巨人」継承権をめぐって争ったライバルだった。自分ではなく能力の低いライナーが「鎧の巨人」継承者として選ばれたことや、兄のマルセルがライナーをかばって巨人に食われたことから、ライナーに対して悪感情を抱いている。
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ベルトルト・フーバー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ベルトルト・フーバーとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団団員。第104期訓練兵団を3位で卒業し、どの分野でもそつなくこなすことができる優秀な人物である。ただし優柔不断で判断を他人に任せる傾向があり、積極性に欠けることから他の同期と比べると少し影が薄い。その正体は、ウォール・マリア陥落の主因となった「超大型巨人」であり、始祖奪還作戦のために大国マーレから派遣された「マーレの戦士」の1人だった。任務を達成し故郷に帰ることを切望していたが、結局その願いは叶わず異国の地で命を落とすこととなる。
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ライナー・ブラウン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ライナー・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団の団員。主人公エレン・イェーガーとはウォールローゼ南区第104期訓練兵団時代の同期である。責任感が強く、リーダーシップもあることから同期の中ではまとめ役を担っていた。しかし、その正体はウォール・マリアを破壊した「鎧の巨人」であり、始祖奪還を目的にパラディ島に送り込まれたマーレの戦士である。正体が判明した後はたびたびエレン達と対立し、始祖の力を巡って死闘を繰り広げていく。
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ガビ・ブラウン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ガビ・ブラウンとは『進撃の巨人』の登場人物で、「マーレの戦士」候補生。天真爛漫で型破りな性格で、憧れの従兄であるライナーから「鎧の巨人」を継承するため日夜訓練に励んでいる。パラディ島のエルディア人を悪魔の末裔として強く憎んでおり、彼らを皆殺しにして自分達善良なエルディア人を収容区から解放することを願っていた。しかし成り行きでパラディ島に渡ることとなり、そこで出会った人々との交流からガビの考え方は変化し始める。
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ハンジ・ゾエ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ハンジ・ゾエとは『進撃の巨人』の登場人物で調査兵団所属のベテラン兵士。初登場時は分隊長だったが、後にエルヴィン・スミス団長の後を継いで調査兵団第14代団長に就任する。ゴーグル(平常時は眼鏡)を着用し、茶髪を無造作に1つにまとめた中性的な外見をしている。明るく聡明な人物だが、巨人に対する情熱は人一倍で変人揃いの調査兵団内でも特に異彩を放っている。ウォール・マリア最終奪還作戦以降は左目を負傷したことから眼帯を着用している。
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ダリス・ザックレー(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ダリス・ザックレーとは『進撃の巨人』の登場人物で憲兵団・駐屯兵団・調査兵団の3つの兵団を束ねる総統。特別兵法会議においてエレン・イェーガーの処遇を調査兵団に委ねた人物である。王政編では調査兵団団長のエルヴィン・スミスや駐屯兵団司令官のドット・ピクシスらと共にクーデターに加担する。実はエルヴィンが決起する以前から王政に根深い嫌悪感を抱いており、密かに体制転覆の機会をうかがっていた。王都制圧後は身柄を拘束した王政幹部達に喜々として拷問を行っている。
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アルミン・アルレルト(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
アルミン・アルレルトとは『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。金髪ボブカットの中性的な外見を持つ。大人しいが芯の強い勇敢な性格で探求心が強い。祖父の影響で人類はいずれ壁の外に出るべきだという思想を持っており、エレンが外の世界に憧れるようになったのもアルミンの影響である。小柄で身体能力は低いものの、知能や判断力はずば抜けており、エレンや調査兵団の窮地をその知略で度々救っている。
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進撃!巨人中学校(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ
『進撃!巨人中学校』とは中川沙樹が描く、諫山創の『進撃の巨人』の公式学園パロディ漫画。2015年にProduction I.G製作でアニメ化。前半をアニメパート、後半を出演声優たちによるバラエティ番組の実写パートとして30分枠で放送。中学生になったエレン・イェーガーは進撃中学校へ入学する。学校には巨人も在籍しており、エレンは巨人に恨みを持っており巨人を駆逐しようと非公式部活「調査団」へ入部した。
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ミカサ・アッカーマン(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
ミカサ・アッカーマンとは諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物で、主人公エレン・イェーガーの幼馴染。本作のヒロイン的ポジションで、幼い時にエレンに助けられた経験から、彼を守ることを自分の使命だと考えている。驚異的な身体能力を持ち、トップの成績で訓練兵団を卒業。実戦でも1人で複数の巨人を討伐する実績を残す。性格は寡黙で口下手だが、エレンのこととなると取り乱す一面もある。物語後半において、母方の祖先が東洋にあるヒィズル国将軍家だったことが明らかになった。
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クリスタ・レンズ/ヒストリア・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
クリスタ・レンズ(ヒストリア・レイス)とは、諫山創による漫画『進撃の巨人』の登場人物。第104期訓練兵団卒業生であり、主人公エレン・イェーガーは同期の1人。小柄で温厚、思いやりのある可愛らしいアイドル的な存在として登場する。同期のユミルと仲が良い。成績10位以内に入っているが、実際はユミルからその座を譲られただけで身体能力は人並みである。本名はヒストリア・レイスといい、壁内世界の真の王家の末裔であることが後に発覚する。
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フリーダ・レイス(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
フリーダ・レイスとは『進撃の巨人』の登場人物であり、レイス家の長女。黒髪で青い瞳を持つ。レイス家当主のロッド・レイスとその正妻の第1子として生まれた。表向きは地方の貴族として振る舞っているが、実際は壁内の真の王家の末裔。レイス家に代々引き継がれている特別な巨人能力を叔父のウーリ・レイスから引き継ぎ、宿している。本人の飾らない性格は多くの者から慕われており、妾の子である異母妹ヒストリアにも姉として優しく接していた。
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イェレナ(進撃の巨人)の徹底解説・考察まとめ
イェレナとは『進撃の巨人』の登場人物で反マーレ派義勇兵の中心人物。マーレに滅ぼされた国の出身で、「獣の巨人」継承者で王家の血を引くジーク・イェーガーの信奉者として活動し、パラディ島の近代化に大きく貢献した。ジークの提唱する「エルディア人安楽死計画」達成のためなら寝食を共にした仲間すら殺害する冷酷な性格の女性。しかし実際にはマーレの被害者というのは虚偽であり、「世界を救う英雄」に憧れているだけのごく一般的なマーレ人である。
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