国民クイズ（Quiztopia）のネタバレ解説・考察まとめ

日本の国民クイズ体制を作った人物。
東京都大田区にある和菓子店「正解屋」の跡取りだが、天才的な頭脳を活かし、クイズ番組荒らしとして一躍有名になった。
和菓子の仕込み中に餡子が大黒様の姿になり「クイズで人を救え」という天啓を受けたため、国民クイズの前身とされるクイズ番組「当てろコノヤロー！」に出場する。
優勝と引き換えに獲得できる任意の優勝賞品として、番組への無制限出場と、三分間のスピーチの時間を要求。優勝後は「大黒通信」と名付けられたそのスピーチの時間で、国民クイズ体制の基本理念を宣伝していた。
三年間連続優勝の末、内閣総辞職と首相解任を要求してクーデターを実行し、熱狂的な信者を率いて国民クイズ体制を樹立する。
憲法改正も成し遂げたが、その後間もなく暗殺者の凶弾に倒れたとされ、暗殺当日の8月15日の国民クイズは、嶽間沢の功績を称える時間を組み込んだ特別編成となっている。

真部 市子（まなべ いちこ）

K井の元妻。彼との間に生まれた一人娘である市子を女手一つで養っているが、亡き父から継いだ会社の経営に忙しく、あまり向き合うことはできていない。
国民クイズにはいい印象を持っていないものの、K井自身にこれといって恨みは残していない様子で、父を気に掛ける素振りを見せる麻里子に、面会してみることを勧めている。
物語終盤では家を訪ねてきた憂木に海外へ逃亡するよう忠告を受けるも、会社の存在を理由に一度はこれを拒否。
その後麻里子の説得もあり、革命決行直前にアメリカへの移住を決意し、K井とその旨について話している。

国民クイズ出場者たち

柿谷 忠彦（かきや ただひこ）

番組中の「賞与映像」の中に登場。「8つの金融機関から借りた3億円の借金をタダにする」ことを目標に国民クイズに出場し、見事勝利する。
柿谷はさらに「厳しい取り立てを行っていたサラ金の社長を殺す」という条件もつけていたため、SS隊がこの社長の潜伏場所まで出動し、殺害するまでが賞与映像としてお茶の間に放送された。

埼玉の岸野くん（さいたまのきしのくん）

埼玉県から出場した少年。
希望した商品は「逃げた飼い犬のギルを探してほしい」というもので、他の解答者が次々脱落する中、冷静な立ち回りで早々に合格点を勝ち取った。
当日のエンディングで神輿に乗せられ、担がれた状態のギルが登場。無事に再会を果たす。

秋田の横田さん（あきたのよこたさん）

「パリのエッフェル塔を自分の物にする」という目標を持ち、国民クイズに出場した青年。
最終問題で逆転を果たし、エッフェル塔を手中に収めた。

丸岡 重三郎（まるおか しげさぶろう）

国民クイズに勝利し「日本でベンツに乗れるのは自分だけにする」という願いを叶えてもらったことで、国民クイズニュースに登場していたヤクザ。

熱狂的な阪神ファン（ねっきょうてきなはんしんふぁん）

具体的な願いは明かされていないが、この人物の要望によって「阪神の攻撃のみ9アウトで交代」という特別ルールを課すことになり、阪神タイガースは17連勝を達成する。
試合終了まで7時間かかった巨人戦で、選手たちがクタクタに疲れ切った模様が「国民ニュース」で報じられた。

坂本 美子（さかもと みこ）

賞与映像に登場した女性。肥満体で、決して美しいとは言い難い容姿をしている。
夫の浮気に悩んでおり「浮気相手の女性と夫の関係を断ち切ってほしい」という願いを叶えてもらうべくクイズに出場し、彼女が勝ち抜いたことで浮気相手は砂漠へ送られた。
更に、夫へのペナルティとして「妻と毎晩3回以上性的接触を持つ」ことが義務付けられ、これを知ったK井は「あの奥さんと、そ……そりゃ地獄だ！」と笑い転げた。

『国民クイズ（Quiztopia）』の用語

国民クイズ（こくみんくいず）

日本国政府国民クイズ省が提供するテレビ番組で、日本の政治の最高機関。毎日19～23時で、テレビ番組として放送されている。
クイズに正解し続け、番組が定めた合格点数に達した出場者には「なんでも願いを叶えてもらえる」権利が付与される。
出場者により願いの内容は様々だが、合格さえすれば、殺人などの非合法的な願望も叶えてもらうことができる。
ただし合格点に満たない出場者は刑務所に収監され、日本を豊かにするための「奉仕活動」という名の無償強制労働へ送られる。
K井やM田は元出場者であり、敗者の奉仕活動として番組に出演することになった。

日本国憲法12条「国民クイズ」（にほんこくけんぽう12じょう こくみんくいず）

国民クイズの土台を作った嶽間沢が革命を起こしたことで、改正された憲法に記載されている条項。
第104条「国民クイズは国権の最高機関であり、その決定は国権の最高意思、最高法規として、行政・立法・司法、その他ありとあらゆるものに絶対・無制限に優先する。本憲法もその例外ではない。」とされている。

予選（よせん）