バトルスタディーズ(BATTLE STUDIES)のネタバレ解説・考察まとめ

『バトルスタディーズ』とは、2015年から『モーニング』より連載が開始された、なきぼくろによる野球漫画である。主人公の狩野笑太郎が、憧れのDL学園硬式野球部に入部し、厳しすぎる上下関係や独自の規則などに苦しみつつも甲子園を目指す姿が描かれる。元PL学園野球部出身である作者の実体験を元にしたリアルな強豪校の日常と野球に全てをかける熱い人間ドラマが魅力である。全体的にシリアスなストーリーだが、ギャグやブラックユーモア、コミカルなキャラクターも描かれ、笑いどころ満載なところも見どころである。

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『バトルスタディーズ』(BATTLE STUDIES)の概要

『バトルスタディーズ』とは、なきぼくろによるリアルな高校球児を描く野球漫画である。
2014年夏号の『週刊Dモーニング』、2014年41号の『モーニング』に読み切りが掲載され、2015年6号から『モーニング』にて連載を開始した。
主人公の狩野笑太郎(かのうしょうたろう)は、中学時代に日本代表の主将として活躍し、憧れだったDL学園硬式野球部に入部するが、待っていたのは厳しすぎる上下関係や独自の規則だった。日々の辛い生活に耐えながらも練習に励み甲子園を目指す。

作者はPL学園高校野球部の出身で、2003年の第85回全国高等学校野球選手権大会に9番ライトとして出場した。
本作は作者の高校生活の実体験を元にして描いたものであり、非常にリアルな強豪校の日常と野球部に全てをかける球児たちの熱いドラマが見どころである。
強豪校故の重圧や厳しい寮生活、レギュラーの奪い合いなど全体的にシリアスなストーリーだが、関西弁で話すキャラクターのコミカルさやギャグなども多く笑いどころ満載で読みやすいところも魅力である。

『バトルスタディーズ』(BATTLE STUDIES)のあらすじ・ストーリー

DL学園入寮

中学野球の日本代表で主将として活躍し、世界大会で優勝した狩野笑太郎(かのうしょうたろう)は、全国屈指の強豪校である憧れのDL学園からスカウトされて特待生として進学し、野球部に入学する。
胸を躍らせ入ったが、DL学園野球部には独自の規則と厳しすぎる上下関係が存在し、1年生のうちは先輩の世話やグラウンド整備、掃除などの雑用もあり練習もままならないほど過酷な環境だった。しかしDL学園オタクの笑太郎は苦しみながらも憧れのDL学園での生活を満喫し、入学後初の紅白戦では一気に頭角を現す。さらに1・2年生で出場した私学大会でも大いに活躍し優勝を果たした。同時期に行われていた春季大会でも、3年生たち主力メンバーが出場し、最大のライバルである兵安高校を下して優勝する。
笑太郎は、先輩たちの試合を見てより一層尊敬の念を膨らませ、自分もこの年の夏の大会でレギュラーに入るために練習試合などで活躍をアピールし、同じく1年のピッチャー・檜研志(ひのきけんし)と共にレギュラーに入ることができた。
夏の大会一回戦、DL学園は見事勝利するが、その最中に父親と軋轢に悩む1年の鬼頭一(きとうはじめ)が事件を起こす。父親からの重圧に耐えかねた鬼頭は、全てを終わらせるために寮監から酒と車を盗み事故を起こした。さらには以前、「1年生ノート」というDL野球部の規則を書いたノートを高校野球ライターの男に渡しており、部内の厳しすぎる上下関係も世に晒されてしまう。
DL学園は大会出場辞退を余儀なくされ、6ヶ月間対外試合も自粛することになった。

DL学園野球部新始動

DLの危機から立ち上がるため、笑太郎は新チームの主将に就任し、3年生だった藤巻香(ふじまきかおる)が監督となった。そして笑太郎は一から出直すために伝統的なDLのユニフォームのデザインを変更する。上級生とは盛大に揉めたが、笑太郎のDLにかける想いの強さとこれまで同様上下関係も疎かにせず真剣に野球に向き合う姿を見て、上級生も次第に笑太郎を大将として認めていった。
そうしてついに新始動したDLは、春季大会と近畿大会でダブル優勝を狙うが、春季大会で快進撃を見せるも強豪・大阪快苑高校に記録的な大惨敗をする。しかしそれすらもDLが強くなるための糧として、より一層甲子園出場と全国制覇への想いを強めた。
そして迎えた夏の大会大阪大会では景気良く勝ち進み、準決勝で強敵・満大附属高校とぶつかる。超人と称される針生 スチュアートJr.(はりう スチュアートジュニア)に翻弄されるも、DL学園はエースの天津太郎(あまつたろう)や双子兄弟の信楽平一郎(しがらきへいいちろう)と平二郎(へいじろう)、捕手の楠和也(くすのきかずや)など3年生の活躍で勝利をもぎ取った。
決勝戦ではDL学園の最大のライバル・大阪快苑高校と当たる。万年悠太郎(まんねんゆうたろう)と笛吹英雄(うすいえいゆう)のバッテリーが立ちはだかり、大激闘の末にDL学園は甲子園への切符を勝ち取ったのだった。

新始動後の快挙に喜ぶDL学園野球部だが、大会抽選の前夜、4番の長野孝広(ながのたかひろ)が骨折により試合に出られなくなってしまった。そこでレギュラー入りできなかった2年の花本走太(はなもとそうた)が代役に立候補する。そして開会式直後の第1試合にて、大会第1号ホームランを放った。それを皮切りにDLは強豪相手にも奮闘して順調に勝ち進み、準決勝に登りつめて優勝候補の1つとされる横羽間高校と激突する。
エース梶原を筆頭に超高校級の選手が揃う横羽間との勝負は、両者譲らぬ接戦となるが、決勝に進んだのは横羽間で笑太郎たちは悔し涙にくれた。
夏の甲子園が終われば3年生は引退し、続く秋季大会に向けてすぐに2年生を主体とした新体制が始まる。部員の投票で選ばれた新主将は、DLの野球部を危機から救い率いてきた笑太郎ではなく、これまでベンチメンバーにも選ばれたことのない丸井優平(まるいゆうへい)だった。

新体制スタート

主将に選ばれなかった笑太郎と、補欠でありながら主将に選ばれてしまった丸井の葛藤がありつつも2人とも心を入れ替えて本格的に2年生主体の新チームがスタートする。
新チームで挑む秋季大会では順調に勝ち進むが、春の選抜への切符がかかった大事な試合で和歌山の強豪・理辯和歌山高校と当たり接戦の末にサヨナラ負けしてしまった。
負けてしまったが現状の課題も見つかり、補欠キャプテンの丸井は外から俯瞰して試合を見て様々なことに気付けるようになり、いよいよ笑太郎から正捕手の座を奪う決心をつける。
春になり全国の強豪高校が欲しがった金の卵たちが、笑太郎と野球がしたくてDL学園に集まった。そうして新たな戦力を迎え、笑太郎たちは最後の夏に向けて再び始動する。

『バトルスタディーズ』(BATTLE STUDIES)の登場人物・キャラクター

DL学園

狩野笑太郎(かのうしょうたろう)

CV:置鮎龍太郎(ムービーコミック版)
本作の主人公でDL学園の野球部80期生。
性格は明るく常に前向きで、どんな時も笑いを忘れない。良くも悪くも怖いもの知らずで度胸もあり、やりたいと思ったことは全て実行してきた。
また付人の古谷のユニフォームをいい匂いにするためにコンディショナーを入れたり、辛さでDLを辞めようか迷う丸井への思いやりや気遣いもできるが、一方ではDL野球部の鉄の掟を破ったり、試合に勝つために平気でチームメイトを騙したりなど破天荒で傍若無人な振る舞いも目立つ。
自分にかなり厳しく、弱音も吐かない。単純な性格の檜だけでなく、先輩たちなども含めて人を乗せるのが上手い。

大阪府ボーイズリーグ・天王寺ブルース出身。ポジションは捕手だが主将就任後は主に一塁手となり、3年生になってから正捕手をしている。投げる時だけ右手の左利きで、一瞬見ただけで光景を記憶できる映像記憶能力を持つ。
DL学園野球部に入ってすぐに実力を示し、夏の大会では1年生にして背番号16番をもらい、ベンチ入りする。2年生からはチームの主将となり2番、3年生では主将ではないものの引き続き2番を背負う。

中学1年生の夏、甲子園で行われたDL学園VS横羽間高校の延長17回の死闘を見てDL学園オタクになり、DL学園に入ることを決意する。
毎日勉強そっちのけで練習し、DLに入ることだけを考えて生活した。結果中学日本代表では主将に選ばれて世界大会で優勝する。そして数多くの高校からのスカウトも全て断り、念願のDLからのスカウトを受けて、入学金や学費、寮費など全てが免除される特待Sとして入学を果たした。
DLオタクであり特に古谷マニアで、古谷の実家の果物屋にも行ったことがある。古谷の付人になった時は大いに喜び、古谷に喜んでもらうためにユニフォームに洗う時にコンディショナーを混ぜて良い匂いにしていた。
1年時の夏の大会では代打で本塁打を放ち活躍を見せるが、鬼頭が起こした事件によりDLは出場禁止となり、1年の夏は終わってしまう。
その後、公となって出場辞退の原因にもなったDL野球部の「鉄の掟」や「付き人制度」といった古い体制を変えるため、1年生ながら主将に志願した。
主将就任後、自分自身の甘えを断ち、DLを一から立て直すために自身も一番愛していた伝統的なDLのユニフォームのデザインを変える。さらにはDL入学前から付き合っていた彼女のサクラに別れを告げた。

檜研志(ひのきけんし)

CV:橋詰知久(ムービーコミック版)
京都府ボーイズリーグ・祇園ブラッキーズ出身の投手。最速148キロのストレートと驚異的な制球力が持ち味のサウスポーである。体力もあり、1年生の間行われる学校から寮までのレース「べべ3」では常に上位3位以内をキープしている。
1年生ながら夏の大会で背番号20をもらいベンチ入りし、2年生での夏の大会では10番、3年生引退後はエースナンバーを背負う。
中学時代、笑太郎と共に日本代表に選ばれエースとしてバッテリーを組んだ。実力は高く評価されており、「祇園の星」や「京都の宝」という異名もある。
中学時代は祇園学院に進学することが決まっていたが、笑太郎と野球をするためにDL学園に入学した。
かなりの自信家で、実力はあるもののプライドが高く、自身のミスを直視せずに正当化したり責任転嫁したりしがちである。また、笑太郎と同様に1年生にして夏の大会でベンチ入りメンバーに選ばれ、より一層チームメイトに尊大な態度で接するようになる。
しかしメンタルが弱く、動揺してすぐにピッチングに影響が出たり、笑太郎に手のひらの上で転がされたりと単純な性格でもある。
そんな性格ゆえに影響も受けやすく、ふとしたことからチームメイトを思いやれるようになっていく。
1年時に課される3年生の世話である「仕事」が苦手で、特に洗濯が下手で同期から「洗濯王子」と揶揄されている。
幼なじみのユカという彼女と付き合っている。しかし純粋に好きという感情ではなく、中学時代に周りの仲の良い男子にはみんな彼女がいて焦ったという理由で告白して付き合うことになった。

花本走太(はなもとそうた)

CV:金本涼輔(ムービーコミック版)
奈良ボーイズリーグ・深草ストーンズ出身の遊撃手。
朗らかで優しく思いやりの深い性格で、ほっぺたに描かれた丸が特徴的である。
かなりの大食いであり、チョコレートが好物である。
中学時代、笑太郎と共に日本代表に選ばれ1番打者として試合に出ていた。走攻守どれも満遍なくできる選手だが、特に走ることに長けている。

DL野球部の「付き人制度」では、自分と同じリードオフマンであり主将の烏丸の付き人を希望していたが、4番の石松につくことになり落胆していた。しかし石松の温厚な性格に安堵し、尊敬するようになる。
笑太郎が主将になった新チームでは春の大阪大会まではレギュラー入りしていたが、打撃低迷により外されてしまう。その頃から花本の内心を表すように常にほっぺたが膨らんだ状態で描かれている。
その後夏の大会大阪予選ではベンチメンバーにすら入れなかったが、DLが甲子園出場が決定するも3年生の長野が骨折により出場できなくなった際、監督に自分をベンチ入りさせるよう頼んだ。そして甲子園では大会第1号を放ち、一躍甲子園の主人公になる。

丸井優平(まるいゆうへい)

CV:松本督(ムービーコミック版)
大阪府ボーイズリーグ・豊森イーグルス出身。遊撃手であったが、笑太郎の勧めで捕手に転向する。
中学2年生の時に秋季大会のベストナインに選ばれている。
臆病でかなり控えめな性格だが、思いやりがあり言う時にはズバッと言える度胸もある。
眼鏡をかけてぽっちゃり体型なことからよく先輩や同学年から見た目いじりをされている。

1年後輩の有力な選手をDLに入学させるためにバーターとして入学した。入寮前からDL野球部の過酷な環境を噂で聞いて恐れており、2年生の長野が3年生の藤巻にミドルキックされているところを目撃してしまい、入寮初日に脱走する。しかしDLで野球をすることへの憧れは捨てきれず、戻って頭を下げ再びチームに入った。

練習ノートの書き方がとても丁寧で、外からチームの試合や練習を見て分析する能力に長け、そのノートを見た笑太郎から捕手になることを勧められた。同じ学年の飛田と共に他校の偵察役もしており、その偵察ノートも先輩などから評価されている。
新チームになってから、本格的に笑太郎から正捕手の座を奪うことを決意した。
野球部最後の年では、部員の投票で主将に就任する。

門松晃(かどまつあきら)

mughi
mughi
@mughi

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