『風魔の小次郎』とは、1982年より『週刊少年ジャンプ』で連載を開始した車田正美の忍者アクション漫画、およびそれを原作としたアニメやドラマなどのメディアミックス作品である。現代に生きる風魔一族の忍・小次郎が、宿敵の夜叉一族や世界を支配せんとする「華悪崇」と、伝説の聖剣やド派手な奥義を駆使して戦う。
全三部構成の壮大な物語はOVA化や実写ドラマ化もされた。連載終了後も、続編『柳生暗殺帖』や外伝『飛鳥無明帖』などの関連作が発表されている。
『風魔の小次郎』の概要
『風魔の小次郎』とは、1982年から1983年まで『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載された車田正美によるバトル漫画作品、およびそれを原作としたアニメやドラマなどのメディアミックス作品である。車田の大ヒット作『リングにかけろ』に続く連載作品として、現代社会の裏側で生き残っていた忍たちの壮絶な闘いを描く、アクション・忍道漫画である。
現代を舞台に、風魔一族の若き忍・小次郎(こじろう)が、聖剣や忍術を駆使して宿敵・誠士館(白鳳一族)や「華悪崇(カオス)」といった強大な勢力と死闘を繰り広げる。車田作品特有のド派手な必殺技や、伝説の聖剣を巡る「十聖剣戦争」などの壮大な設定が、読者から熱狂的な支持を集めた。
1982年1月の増刊号に掲載された読み切り『風魔の小次郎《序章》』を経て本誌連載が開始された。単行本はジャンプ・コミックス版全10巻のほか、ワイド版、文庫版、究極最終版など多岐にわたる。
また、1989年から1992年にかけてOVA全3シリーズが制作された。2007年には実写作品としてテレビドラマが放送されている。
本編の連載終了後も続編となる『風魔の小次郎 柳生暗殺帖』(車田正美原作、由利聡作画)、前日譚となる『風魔の小次郎 序の巻』、外伝となる『風魔の小次郎 外伝 飛鳥無明帖』が連載された。
『風魔の小次郎』のあらすじ・ストーリー
第一部・夜叉篇
物語は、スポーツの名門校・白凰学院が、ライバル校である誠士館からの執拗な妨害工作に苦しめられる場面から始まる。誠士館の背後には、関東一円の制圧を目論む謎の忍集団「夜叉一族」が暗躍していた。白凰学院総帥の令嬢・北条姫子(ほうじょう ひめこ)からの助力を受けた風魔一族は、若き忍・小次郎(こじろう)を助っ人として派遣する。
当初、小次郎は単身で夜叉一族に立ち向かうが、夜叉側の傭兵として現れた超能力戦士(サイキック・ソルジャー)・飛鳥武蔵(あすか むさし)の圧倒的な実力の前に窮地に陥る。武蔵の攻撃によって足を貫かれ、絶体絶命の危機に瀕したその時、風魔一族から選ばれた精鋭たちが救援に駆けつけ、戦局は風魔対夜叉の全面対決へと発展した。
激化する戦闘の中で、風魔の戦士たちは夜叉一族の刺客を次々と撃破していくが、依然として飛鳥武蔵の壁は厚く、一人、また一人と追い詰められていく。この苦境を打破したのは、伝説の剛刀「風林火山」を手にした満身創痍の小次郎であった。聖剣・風林火山の神秘的な力の前に、武蔵の超能力(サイキック)は封じられ、戦いは小次郎優勢へと傾く。しかし、小次郎の放った止めの一撃を阻んだのは、それまで封印されていた武蔵の長刀「黄金剣」であった。
遥かなる時を超え、二本の伝説の聖剣が現代に相まみえる中、小次郎と武蔵は死力を尽くして激突する。この宿命の対決は、武蔵が戦う唯一の理由であった最愛の妹・絵里奈(えりな)の死という悲劇とともに幕を閉じた。
第二部・聖剣戦争篇
夜叉一族の敗北は終焉ではなく、さらなる巨大な戦いの序幕に過ぎなかった。夜叉一族の背後には「華悪崇(カオス)」という強大な集団が存在し、彼らの真の狙いは世界を統べる力を持つ「十本の聖剣」を掌握することにあった。小次郎の風林火山や武蔵の黄金剣を含め、この世には十本の聖剣が点在しており、神話の時代から「秩序(コスモ)」と「華悪崇」の間で果てしない争奪戦が繰り広げられてきたのである。
聖剣の邂逅によって再び「聖剣戦争」の火蓋が切られ、風魔を含む百三流の忍集団が次々と壊滅していく中、世界各地から聖剣の正統戦士たちが集結を始める。秩序側五人と華悪崇側五人の正統戦士による最終決戦の舞台は、月面にある「聖地」へと移された。
月面での戦いで戦士たちは次々と相打ちになり、運命に抗うことなく消えていく。聖剣戦争はまたしても決着がつかず、来世へと持ち越される輪廻の運命を辿るかと思われた。
しかし、その永劫に続く絶望の連鎖を断ち切ったのは、転生を遂げた新たな「風林火山」を手にする小次郎であった。小次郎の不屈の意志が長きにわたる聖剣戦争に終止符を打ち、役目を終えた十本の聖剣は神のもとへと帰還していった。
第三部・風魔反乱篇
聖剣戦争が終結してから三ヶ月。激闘を終えた小次郎と竜魔(りょうま)の行方は依然として知れず、里には平穏が戻ったかに見えた。しかし、華悪崇の襲撃によって壊滅的な打撃を受けた風魔一族の中で、危うく難を逃れた生き残りたちの間に亀裂が生じ始める。
一族の中に、古い規範を捨て去り、武力による再興を目指す「新生風魔一族」を標榜する一派が現れたのである。彼らは「新しい再興」を大義名分に、保守的な考えを持つ同族の排除を開始。その毒牙は、平和を願う霧風(きりかぜ)や小龍(しょうりゅう)ら生き残りの仲間たちにも向けられることとなった。
反乱軍の首領は強力な「マインド・コントロール」を操り、風魔の忍たちは本意ならずとも凄惨な同士討ちを強いられる。混沌とする戦場に帰還した小次郎は、この窮地を脱するために前代未聞の策を講じる。
それは「敵の術にかからないよう、あらかじめ味方からより強力なマインド・コントロールをかけてもらう」という一つの賭けであった。己の精神を極限まで追い込んだ小次郎は、その狂気をも孕んだ意志で首領を圧倒。同族同士の悲劇的な争いに終止符を打ち、真の意味で風魔一族に安息をもたらしたのである。
『風魔の小次郎』の登場人物・キャラクター
風魔一族
小次郎(こじろう/演:村井良大)
CV:難波圭一
本作の主人公。修行中の身ながら、群がる蜂を木刀一本で打ち落とすほどの動体視力と反射神経を持つ。飛鳥武蔵も危惧するほどの潜在能力を秘めているが、猪突猛進な性格で総帥からは「バカ」と評される。聖剣「剛刀・風林火山」を手に、サイキックソルジャーや華悪崇と互角以上に戦う。ドラマ版では風を操り読み取る能力が強調され、やんちゃながら鋭い洞察力を持つ少年として描かれた。
第二部では、現代に転生した5人のコスモ正統戦士となる。カオスとの戦いに備え、同志を探す旅に出た。最終決戦では華悪崇皇帝と激突し、一時は鳳凰天舞の力に圧倒されるが、進化を遂げた風林火山で運命を切り拓いた。聖剣戦争の理により消滅しかけるも、竜魔の導きで帰還。華悪崇皇帝を撃破し、四千年にわたる輪廻に終止符を打った。
第三部では、生き残り最強5戦士の一人として登場。聖剣戦争後に行方不明となっていたが、竜魔と共に帰還を果たす。死紋に精神支配(マインドコントロール)された竜魔に襲撃されるが、急所を外れた一撃により命を拾う。最後は、支配から脱した竜魔より「あらゆる精神支配を拒否する精神支配」を受け、その超常的な精神状態で死紋を討ち取った。
竜魔(りょうま/演:進藤学)
CV:堀秀行
「風魔の独眼竜」の異名を持つ隻眼の戦士。顔の左側に大きな傷跡がある。念動力や戦闘用サイキック、マインドコントロールを操り、一族の実質的な最強候補にして小次郎たちの良きリーダーを務める。ドラマ版では眼帯を外すことで強大な力を解放するが、その代償として自身の寿命を削る過酷な宿命を背負った。
第三部では、生き残り最強5戦士の一人として登場。小次郎と共に帰還する。死紋を相打ち覚悟で追い詰めるも、土壇場で精神支配を受け、小次郎らを襲う刺客と化してしまう。小龍の機転で正気を取り戻した後は、小次郎に特殊な精神支配を施して勝利を託した。風魔九忍の中で小次郎と共に最後まで生き残った。
劉鵬(りゅうほう/演:高山猛久)
CV:屋良有作
一族随一の巨漢で、石灯篭を粉砕する豪腕の持ち主。原作の夜叉編では目立った戦闘はなかったが、ドラマ版では未熟なメンバーを支える良き兄貴分としての側面が強調された。また、原作では実現しなかった黒獅子との怪力対決が、柔道勝負という形で描かれている。
第三部では、生き残り最強5戦士の一人として登場。風魔随一の剛力を誇るが、死紋が放つ強大なサイキックエネルギーの前になすすべもなく敗北した。
項羽(こうう/演:坂本直弥)
CV:中原茂
羽を操る戦士で、小龍の双子の兄。白羽陣で敵を拘束し、影羽で仕留める戦法を得意とする。夜叉一族の紫炎と相打ちになり、風魔最初の戦死者となった。ドラマ版では悪ふざけを好む飄々とした性格が描かれつつも、弟の才能を誰よりも認める情の深い兄としての一面も見せた。
小龍(しょうりゅう/演:坂本和弥)
目次 - Contents
- 『風魔の小次郎』の概要
- 『風魔の小次郎』のあらすじ・ストーリー
- 第一部・夜叉篇
- 第二部・聖剣戦争篇
- 第三部・風魔反乱篇
- 『風魔の小次郎』の登場人物・キャラクター
- 風魔一族
- 小次郎(こじろう/演:村井良大)
- 竜魔(りょうま/演:進藤学)
- 劉鵬(りゅうほう/演:高山猛久)
- 項羽(こうう/演:坂本直弥)
- 小龍(しょうりゅう/演:坂本和弥)
- 琳彪(りんぴょう/演:高橋剛)
- 霧風(きりかぜ/演:古川雄大)
- 兜丸(かぶとまる/演:八代真吾)
- 麗羅(れいら/演:鈴木拡樹)
- 風魔総帥
- 白凰学院
- 柳生 蘭子(やぎゅう らんこ/演:亜弓)
- 北条 姫子(ほうじょう ひめこ/演:川原真琴)
- 氷川(ひかわ)
- ミキ
- トモ
- 良子
- 誠士館
- 飛鳥 武蔵(あすか むさし/演:川久保拓司)
- 飛鳥 絵里奈(あすか えりな/演:今泉野乃香)
- 西脇
- 夜叉一族
- 壬生 攻介(みぶ こうすけ/演:藤田玲)
- 水影(みずかげ)
- 闇影(やみかげ)
- 月影(つきかげ)
- 夜叉姫(やしゃひめ/演:岡本奈月)
- 魔矢(まや)
- 夜叉下忍(やしゃげにん)
- 夜叉八将軍
- 不知火(しらぬい/演:板橋春樹)
- 白虎(びゃっこ/演:齋藤ヤスカ)
- 紫炎(しえん/演:丸山敦史)
- 雷電(らいでん/演:原田琢磨)
- 闇鬼(あんき/演:遠藤公太朗)
- 陽炎(かげろう/演:田代功児)
- 妖水(ようすい/演:川田祐)
- 黒獅子(くろじし/演:城田純)
- コスモ正統戦士
- 伊達 総司(だて そうし)
- 死牙馬(シグマ)
- 竜魔(りょうま/演:進藤学)
- カオス正統戦士
- 涅絽(ネロ)
- 邪火麗(ジャッカル)
- 朱羅(シュラ)
- 雄皇(オズ)
- 華悪崇(カオス)皇帝
- その他の華悪崇戦士
- 紫苑(シオン)
- 羅沙亜(ラシャア)
- 亜沙悪(アーサー)
- 堕毘穪(ダビデ)
- その他の第二部の登場人物
- 白霊山の魔女
- 龍王院狂須(りゅうおういんクルス)
- 十蔵(じゅうぞう)
- 魔仁(まに)
- 炎雷(えんらい)
- 『新生』風魔一族
- 雷炎(らいえん)
- 夢魔(むま)
- 雷蔵(らいぞう)
- 死紋(しもん)
- 『風魔の小次郎』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 現代風アレンジが加えられた実写版 『風魔の小次郎』
- 『風魔の小次郎』の主題歌・挿入歌
- OVA
- OP(オープニング):「DON'T GO AWAY」(第1 - 6話)
- OP(オープニング):NIGHT HAWKS「SHOUT」(第7 - 12話)
- OP(オープニング):三浦秀美「風の戦士(ソルジャー)」(第13話)
- ED(エンディング):「GOOD-BYE MARRY」(第1 - 6話)
- ED(エンディング):NIGHT HAWKS「ON MY WAY」(第7 - 12話)
- ED(エンディング):三浦秀美「あの日風の中で…」(第13話)
- テレビドラマ
- OP(オープニング):アンティック-珈琲店- 「流星ロケット」
- ED(エンディング):ON/OFF(坂本直弥・坂本和弥)「永遠の刹那」
![RENOTE [リノート]](/assets/logo-5688eb3a2f68a41587a2fb8689fbbe2895080c67a7a472e9e76c994871d89e83.png)