ロブスター(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロブスター』とは、ギリシャのヨルゴス・ランティモスが監督した近未来SF恋愛映画である。2015年公開され、第68回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞した。国家が市民にルールを押しつけ、市民はそれに従っている。独身であることが罪というルールがある世界。“独身者”は、郊外のホテルに連れていかれ、45日以内にパートナーを見つけないと、自分が希望する動物に変えられてしまう。主人公デヴィッドが希望した動物は「ロブスター」だった。全体的にユーモアが散りばめられており、コメディ映画でもある。R15+作品。
デヴィッドと“心のない女”のカップル成立のシーン
円形のジャグジープールにいた“心のない女”にデヴィッドは、話しかける。“心のない女”は、飲んでいたマティーニに入っているオリーブを食べ、突然喉をつまらせる。苦しみ、その場で意識を失う。デヴィッドはそれを見ながら、助けも、心配もしない。
ふいに“心のない女”は我に返り、「私たち合うわ」と言い、デヴィッドは「私もそう思う」と言う。“心がない”という共通点でカップルが成立するシーンである。
彼女は、苦しむフリをしてデヴィッドを試したのだが、デヴィッドは、心のないフリをしていた。
メイドと”リーダー”が取引きをしているシーン
狩りに同行してくるメイドは、「トリュフを採ってくる」と嘘をついて、バスから離れ、“リーダー”と会っていた。2人は、フランス語で話し、取引をしている。
メイドは“リーダー”に、銃とダブルルームの部屋番号と鍵を渡す。後日、この鍵でダブルルームを襲うのである。メイドは優秀な内通者だった。
メイドは、自分を偽って、デブの歯医者と暮らしてるが、もう暮らせないと言っていた。デヴィッドがホテルから逃げる手助けをした理由もここにある。
森のダンスナイトで、メイドはキレのあるダンスをしていた。
デヴィットがステーキナイフを持ってトイレへ向かうラストシーン
この映画では、男女は共通点がないとカップルとして成立しない。お互い近視であることで相思相愛になっていたデヴィッドと“近視の女”であったが、“近視の女”が失明したため、デヴィッドも視力を失うことを決意する。
森から逃げてきた2人は、街のレストランに入る。デヴィッドはステーキナイフを持ってトイレに入り、鏡を見ながらナイフを目に入れようとする。
その結果を見せず、席で待っている“近視の女”のシーンで映画は終わる。
『ロブスター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
コリン・ファレルは役作りで20㎏体重増
主演のコリン・ファレルは、デヴィッドの役作りで2カ月で20㎏の体重を増やした。その方法は、アイスクリームを大量に食べたとのことだが、身体が冷えるし頭が痛くなるので、レンジでチンして飲んでいた。
「ピープル」誌で「最も美しい男50人」に選ばれたり、「カンパニー」誌で「世界で最もセクシーな男」で6位に選ばれた過去がある。しかし、一時、薬物依存症で治療していた経験もある。
主演のデヴィッド役はジェイソン・クラークだった
当初、主演のデヴィッド役は、コリン・ファレルではなく、ジェイソン・クラークがキャスティングされていた。しかしスケジュールの都合で降板になり、コリン・ファレルがデヴィッドを演じることになった。
ロバを撃つ女は美術監督
映画は、雨の中、車を走らせる女性のシーンから始まる。そして車から降り、草原にいるロバを銃で3発撃って車に戻る。
この女性は、ジャクリーン・エイブラムス(JACQUELINE ABRAHAMUS)が演じているが、本作の美術監督である。
犬のボブはパルム・ドッグ賞審査員賞を受賞
パルム・ドッグ賞とは、カンヌ映画祭で、優秀な演技を披露した犬に贈られる賞のことである。
デヴィッドの兄ボブを演じたボーダーコリーは、2015年(第68回)パルム・ドッグ賞審査員賞を受賞している。
森のリーダーの両親役はミュージシャン
森の独身者たちのリーダーが、街で暮らす両親と会うシーンで、リーダーの両親はみごとなギターを聞かせてくれる。
父親役は、Roland Ferrandiで、母親役を、melda Nagle Ryanが演じている。2人はミュージシャンである。
一曲目の「愛のロマンス」を聞きながらデヴィッドと“近視の女”がイチャつく。
ホテルはパークナシラ・リゾート・アンドスパ
ロケーションは全編アイルランドで行われた。
独身者がパートナーを見つけるために連れてこられたホテルは、アイルランド南西海岸ケリー州にあるパークナシラ・リゾート・アンド・スパで撮影された。
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目次 - Contents
- 『ロブスター』の概要
- 『ロブスター』のあらすじ・ストーリー
- ホテルでの生活
- 共通点を探す
- 森での生活
- 『ロブスター』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- デヴィッド(演:コリン・ファレル/COLIN FARRELL)
- ホテルの独身者
- 足の悪い男/ジョン(演:ベン・ウィショー/BEN WHISHAW)
- 滑舌の悪い男/ロバート(演:ジョン・C・ライリー/JOHN C REILLY)
- 心のない女(演:アンゲリキ・パプーリャ/ANGELIKI PAPOULIA)
- 鼻血の出やすい女(演:ジェシカ・バーデン/JESSICA BARDEN)
- ビスケット好きの女(演:アシュレー・ジェンセン/ASHLEY JENSEN)
- 鼻血の出やすい女の親友(演:エマ・オシェイ/EMMA O’SHEA)
- 森の独身者
- 近視の女(演:レイチェル・ワイズ/RACHEL WWISZ)
- 独身者たちのリーダー(演:レア・セドゥ/LEA SEYDOUX)
- 独身者のスイマー(マイケル・スマイリー/MICHAEL SMILEY)
- ホテルの従業員
- ホテルの支配人(演:オリビア・コールマン/OLIVIA COLMAN)
- ホテルの支配人のパートナー(演:ガリー・マウンテーヌ/GARRY MOUNTAINE)
- メイド(演:アリアーヌ・ラベド/ARIANE LABED)
- 射撃場のトレーナー(演:イーウェン・マッキントッシュ/Ewen MacIntosh)
- その他
- 医師(演:ロジャー・アシュトン=グリフィス/Roger Ashton-Griffiths)
- 犬/兄のボブ
- 『ロブスター』の用語
- ルール
- 街のルール
- ホテルのルール
- 森のルール
- 『ロブスター』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- デヴィッドと“心のない女”のカップル成立のシーン
- メイドと”リーダー”が取引きをしているシーン
- デヴィットがステーキナイフを持ってトイレへ向かうラストシーン
- 『ロブスター』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- コリン・ファレルは役作りで20㎏体重増
- 主演のデヴィッド役はジェイソン・クラークだった
- ロバを撃つ女は美術監督
- 犬のボブはパルム・ドッグ賞審査員賞を受賞
- 森のリーダーの両親役はミュージシャン
- ホテルはパークナシラ・リゾート・アンドスパ
- 『ロブスター』の主題歌・挿入歌
- 挿入歌:ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調 Op.18, No.1」より第2楽章
- 挿入歌:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ「「弦楽四重奏曲第8番 ハ短調 作品110」より第4楽章
- 挿入歌:グリーナウェイ&クック「Something’s Gotten Hold of My Heart」
- 挿入歌:ダナエ「Apo mesa pethamenos」
- 挿入歌:ニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズ「Where the Wild Roses Grow」
- 挿入歌:ナルシソ・イエペス「愛のロマンス」
- エンドロール:ソフィア・ローレン「Ti ein’ afto pou to lene agapi」