軀(幽☆遊☆白書)の徹底解説・考察まとめ

軀(むくろ)とは、冨樫義博の漫画『幽☆遊☆白書』およびそれを原作としたアニメに登場する敵キャラクター。作品終盤に登場した魔界三大妖怪の1人。いつもは包帯で顔を隠している。一人称は「俺」だが、性別は女性。魔界随一の軍事力を誇る軍団を有している。魔界三大妖怪の雷禅の死期が近いことから、残る1人の黄泉との全面戦争に供えて、主人公・浦飯幽助の仲間の飛影をスカウトした。飛影の記憶を知り、自分の過去を彼に見せた。

幽助の戦友で、魔界の炎を操る「邪王炎殺拳」の使い手。母親は妖怪・氷女の氷菜(ひな)で、雪菜(ゆきな)は双子の妹。
氷女は100年に一度一人で子供(女のみ)を生むが、男性と交わると男の赤子が生まれ、凶悪な性格に育つといわれている。
氷菜が男と交わってはいけないという氷女の掟を破り生まれたのが飛影。赤子の状態で母の氷泪石を握らされ、天空にある氷河の国から魔界の森へ落とされた。
氷泪石とは氷女の涙が結晶化した宝石で、とても価値が高く、持っていると浄化作用がある。
故郷を探すことと氷泪石を探すために第三の目・邪眼を移植する手術を受け、手術後にはD級まで妖力が低下する。
その後氷河の国を見つけるが、母・氷菜は既に他界しており、氷女たちが暗くいじけた雰囲気であったため復讐を頓挫。
母の友人・泪から雪菜が人間界へ行ったという話を聞き、人間界に雪菜を探しに行く。
雪菜を食べた可能性のある八つ手と闘うが怪我を負い、それを蔵馬に助けられ、2人で八つ手を倒し、蔵馬と行動を共にするようになる。その後、蔵馬・剛鬼と共に霊界から宝を盗み、降魔の剣を持つ。
幽助に倒され霊界に捕まり、四聖獣との戦いから幽助たちの仲間となった。

魔界トーナメント編では軀にスカウトされ魔界へ帰り、その際に雪菜から雪菜の氷泪石を預かる。故郷を探し出し雪菜も探し出した今、失くした氷泪石を探すのが最後の目標であった飛影。雪菜から預かったのは自分が失くしたものではなく雪菜の氷泪石であることは分かりつつも、生きる意味を見失ってしまう。
虚無感から死に場所を求め、軀の要塞で時雨と戦い相打ちになって死ぬ道を選んだ。
しかし軀によって蘇生され、その時に軀は飛影の記憶に触れ、代わりに軀は飛影に自分の真の姿と記憶を見せた。
飛影の氷泪石は軀が拾っており、時雨と闘った褒美として飛影に返還された。
トーナメント終了後は敗者として軀の下で魔界パトロールをし、魔界に迷い込んだ人間を救っている。
軀の誕生日には、蔵馬からヒトモドキという植物を調達してもらい、軀の父・痴皇にヒトモドキを寄生させ、植木鉢にして軀にプレゼントした。

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時雨(しぐれ)

軀直属の部下。
軀曰く、77人の戦士の中では1番弱いとしているが、剣術では飛影よりも上。
外科手術で妖怪に新たな能力を与える魔界整体師で、過去に飛影に邪眼を移植している。
その際の代金は患者の人生の一部で、飛影には「雪菜に出会っても兄だと名乗らない事」とした。
飛影との出会いの後に軀の部下となる。
軀にスカウトされた飛影と再会し、対決。頭を真っ二つにされるが軀によって蘇生される。
魔界トーナメントでは2回戦で蔵馬と当たって敗北。
原作ではその後また軀の部下に戻っている。

奇淋(きりん)

軀の直属の部下。
77人の戦士で1番強く、軀の勢力のナンバー2。
過去に奇淋より強い者が居たが、軀が情緒不安定の時に逆らいミンチにされた。
雷禅勢力のナンバー2・北神や、黄泉勢力のナンバー2・鯱よりも強いとされている。
清廉な武人で、軀に対して敬意を持ち、不満を持っていない。
後にナンバー2となった飛影とも良好な関係を築いている。
魔界トーナメントでは軀と戦って見たいと思っていたようで、打倒軀と公言。
トーナメントの様子は描かれなかったが、トーナメント終了後は軀の部下に戻った。

魔界三大妖怪

雷禅(らいぜん)

魔界三大妖怪の一人で食人鬼。
「闘神」という異名を持つ魔界最強クラスの妖怪であり、最全期は黄泉や軀など問題にならないほどの力を持っていた。
幽助の妖怪の遺伝子上の父親で、幽助を息子として扱い、幽助も父と思っている。
幽助の妖怪遺伝子上の母親は、人間の食脱医師の女。
昔(アニメ版では平安時代)に、食脱医師の女と出会い、彼女の生き方に惚れ一晩だけ愛し合う。
再会の約束はしなかったが、雷禅は再び彼女に会うまでは人間を食べないと誓い、それから700年近く人間を食べていない。
そのため空腹と栄養失調で大きく力が衰え、「あー、腹減ったな」という言葉を残して幽助の目の前で餓死する。

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黄泉(よみ)

魔界三大妖怪の1人。
三大妖怪の中では1番若く、野心家で狡猾。
元々は妖狐蔵馬と共に盗賊をしていたが、身勝手な性格と血の気の多さが禍して蔵馬に見限られ、蔵馬の雇った刺客によって両目を失った。
視覚が失われた事で音や空気の流れを読んで戦う術を身に付けていき、それと共に耳の数も増え、性格も辛抱強く知的で落ち着いたものに変わる。
現在は人の心拍数や国中を把握できる聴力と頭脳を持ち、二大妖怪と呼ばれていた雷禅と軀と並び、三大妖怪と呼ばれるまでになった。
蔵馬の雇った刺客は捕まえてギリギリ死なない程度に痛めつけて幽閉している。
現在では自分がここまで成長するきっかけとなった蔵馬や刺客に感謝の気持ちすら覚えていると言うが、内心どう思っているかは不明。

雷禅曰く、霊界や人間界まで侵略しようと考えていた様子。
しかし魔界統一トーナメントを開くことになり、幽助の気持ちや、雷禅の旧友のパワーなどに影響されて、野心と作り上げた国家を捨てて1人の男として戦うことを望んだ。
トーナメントでは息子の修羅と戦い勝利。修羅に対しては厳しくも親バカな面を持っている。
幽助との戦いでは長時間の激闘の末に勝利。しかし披露から雷禅の旧友・煙鬼との戦いで敗北した。
トーナメント終了後は幽助に賞賛を述べ、わだかまりのあった蔵馬と和解し、修羅と共に旅に出た。

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父親

痴皇(ちこう)

ヒトモドキに寄生された痴皇(左)。

奴隷商人で、軀の父親。歪んだ性癖・倫理観の持ち主で、生後すぐの軀の腹を改造し、弄ぶ。その後も彼女が誕生日を迎えるごとに、体のどこかを改造していった。
7歳の誕生日に軀が自ら酸をかぶったことで興味を失い、軀を捨てている。しかし、復讐防止策として軀が痴皇に殺意を抱こうとすると、痴皇から愛情を受けたという偽の記憶が自動的に蘇るという催眠を施した。誕生日が近くなると軀の精神が不安定になるのは、痴皇との過去や催眠が大きく影響している。

飛影によって催眠のことを暴かれ、ヒトモドキに寄生され、「好きなだけいたぶって殺すといい」と軀にプレゼントされている。

軀の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「はじめまして飛影 俺が軀だ」

スカウトされて魔界に来た飛影と初対面した際のセリフ。

右目だけを残して頭部は包帯がまかれており、さらに無数の呪符が張られている。さらに、両腕はベルトのようなもので縛られており、1度見たら忘れられない、強烈なビジュアルの持ち主として描かれている。
そんな風貌とは裏腹に、「初めまして飛影 オレが軀だ」と丁寧な言葉遣いで飛影に接する軀。

この時は素顔が隠されていたため、性別も分からない。軀とはどんなキャラクターなのか、登場時の姿と短いセリフで、ファンの心を一瞬にして掴んだのだ。

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