雷禅(幽☆遊☆白書)の徹底解説・考察まとめ

雷禅(らいぜん)とは、冨樫義博の漫画『幽☆遊☆白書』およびそれを原作としたアニメに登場する敵キャラクター。作品終盤に登場し、主人公・浦飯幽助の遺伝子上の父親であること、幽助が魔族の血を引いていることが明かされた。魔界三大妖怪の1人で、「闘神」の異名を持つ。食人鬼だが、大昔に運命の女性と出会ってからは、彼女と再会するまでは人を食べないと誓った。空腹と栄養失調で大きく力が衰え、最期は幽助の目の前で「あー、腹減ったな」という言葉を残して餓死した。

北神たちに連れられ、魔界にやってきた幽助と初対面した際の言葉が、「よォ…息子」である。どしっと構えて正面から相手と向き合う姿勢や、シンプルな言い回しに、どこか幽助と通ずるところがあると感じさせられる。

「口説いた この女しかいねェと思った 一晩かけておがみ倒した」

死を間際にした雷禅が、幽助に自分の過去を語った際に発したセリフが「口説いた この女しかいねェと思った 一晩かけておがみ倒した」である。
食人鬼の自分を恐れることなく、凛とした姿を見せた彼女に心を掴まれた雷禅。彼女とは一夜限り、2度と会うことはなかったのだが、彼女に心底惚れて何としても自分のものにしたいという強い思いが込められている。

「あー……ハラへったな」

雷禅(右)の最期のシーン。

雷禅の最期の言葉が、「あー……ハラへったなあ」である。圧倒的な強さを誇り、「闘神」と恐れられた雷禅。最後の最後まで「食脱薬師の女と再会するまでは人を食べない」という約束を守った。
最強の男が空腹によって衰弱死したことに衝撃を受けるだけでなく、最後に本音をこぼして死んでいった印象的なシーンでもある。

雷禅の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

読者を混乱させた幽助と雷禅の関係

読者を混乱させるのが、雷禅が幽助の父親だと描かれていること。中には、幽助の母・浦飯温子(うらめしあつこ)が雷禅の子供を身籠ったと思っている人もいるようだ。
温子には名前は明かされていないものの別れた元夫がおり、2人とも正真正銘の人間である。幽助はこの2人の間にできた子供だ。
では、雷禅が父親というのはどういうことなのか。
妖怪・雷禅は、幽助から数えて44代前の先祖にあたる人間の食脱薬師の女と関係を持ち、子を授かっている。その子供から43代の世代を重ねた末に魔族として覚醒したのが幽助なのだ。
魔族としての両親は雷禅と食脱薬師の女、人間の両親は温子と彼女の元夫ということになる。

雷禅は作者が恋愛を描きたくて誕生したキャラクター

作者の冨樫義博は雷禅というキャラクターについて、「恋愛をメインで描きたかったので、どんな能力とか考えませんでした」と語っている。
他のキャラクターに比べて詳細な戦闘シーンなどは描かれておらず、不思議な魅力を持つ女への想いが強く印象に残る。
全盛期の雷禅はどれだけ強かったのか、どんな技を使ったのかなど、想像力を掻き立てられるキャラクターに仕上がっている。

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