ハリー・ポッターシリーズの歴史・時系列・年表まとめ
『ハリー・ポッター』とは、イギリスの作家J・K・ローリングが原作のファンタジー小説、およびそれを原作とする映画・ゲーム・舞台などのメディアミックス作品である。1990年代のイギリスと魔法界を舞台としており、主人公ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校での学生生活と、闇の帝王ヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語である。
作中では、非常に古くから魔法の存在が言及されており、中世の魔女狩りの時代を経て、20世紀に台頭してきた闇の魔法使いらとそれらへの対抗勢力による魔法界の変遷が描かれる。
1689年に制定された国際魔法使い機密保持法を施行する。また、この際マグルから魔法界をどのようにして隠すかについて何週間もの議論が行われた。
この議論には、魔法生物への取り扱いも含んでおり、7週間に渡る討議が行われたという。この会議には、ケンタウルス、水中人(マーピープル)、小鬼の代表団が参加した。
これにより、魔法生物は「想像上のものであり実在しない」と思い込ませる方針となった。ただし、これについては子鬼のみが反対していた。
18世紀
1709年:ワーロック法でドラゴンの飼育と繁殖が禁止される
ドラゴンは大きな体格のためマグルに見つかりやすく、また非常に凶暴で危険なため、ドラゴンの飼育や魔法使いによる繁殖が禁止された。
作中では、第1巻で秘密裏にドラゴンの卵を手に入れたハグリットがその飼育方法を調べていた際に、ロンがこの法律について言及している。
その際、日本語訳では「ワーロック法」と翻訳されているが、英語では「Warlocks' Convention」とされている。その後の作中で「ワーロック法」と翻訳された文章がないため、勉強を好まず法の成立などに疎い12歳のロンがハリーらに説明する際に「魔法使いの会議で禁止された」と言及したと認識するのが妥当。作中では「魔法使い評議会」や「国際魔法使い連盟」といった規律を制定する組織が登場するため、これらのうちのどれかであったと考えられる。
18世紀初頭:「ニワトコの杖」がバーナバス・デベリルの手に渡る
18世紀初頭に魔法使いバーナバス・デベリルという魔法使いが自らの杖を「庭床(ニワトコ)の杖」と呼び、周囲を恐怖に陥らせた。
しかし、デベリルは悪名高い闇の魔法使いロクシアスに破れ、彼の杖はロクシアスの手に渡った。
年代不明:「ニワトコの杖」が「死の杖」と呼ばれる
ロクシアスがバーナバス・デベリルを破り「庭床の杖」を奪うと、この杖を「死の杖」と改名した。
このあとロクシアスを殺した人物についてはロクシアスの母親やアーカス、リビウスなど多くの人物が主張しており、明らかになっていない。
年代不明:クィディッチがオーストラリアで広まる
ニュージーランドに約1世紀遅れて、クィディッチがオーストラリアに伝わる。
当時のオーストラリアは広大な無人の奥地が広がっていたため、クィディッチ競技場を作るには理想的な環境だとされた。
1722年:ヒッポグリフが事件を起こし、有罪になる
ヒッポグリフが事件を起こし、有罪になる。その後の処遇については、ロン・ウィーズリーによれば「気持ち悪いことをされた」としか明かされていないため、この事件の全容についても処刑の方法についても詳細は不明。
第3巻でロンがバックビークを弁護するための有力な資料を探していた際に言及された。
1749年:国際魔法使い機密保持法が違反される
国際魔法使い機密保持法が違反され、それが後年の改訂につながったよう。この事件の詳細については作中で言及されておらず不明。
作中では第5巻でハリーが受験したO.W.L試験に「どのように違反され、再発を防ぐためにどのような対策が講じられたか」が出題された。ハリー自身は吸血鬼が関連していた気がするとしているが、これが正しい情報であるかも言及されていない。少なくとも「ヒトたる存在」の定義について言及するような事例であったと推察される。
この事件については、吸血鬼に関する物語を最初に記録した1人として有名なベネディクト会の修道士アントワーヌ・オーギュスティン・カルメが出版した現実世界の論文のことを指していると考察されている。カルメは1746年に吸血鬼が実際に存在する可能性があると示唆し、1749年に彼らの隠れ家を追跡し、滅ぼす方法を記述した論文を出版している。
1750年:国際魔法使い機密保持法に第73条が追加される
非魔法族から隠蔽するべき魔法生物が増加したため、国際魔法使い連盟が「国際魔法使い機密保持法」に第73条を追加し各国の魔法政府に従うよう指示した。
【追加された第73条】
各国魔法政府機関は、その領土内に住むすべての魔法生物、ヒトたる存在、霊魂を、隠し、世話し、管理する責任を持つ。これらの生物がマグル社会に害を及ぼしたり、注目を浴びたりした場合には、当該国の魔法政府機関は、国際魔法使い連盟の懲戒処分を受ける。
1750年:魔法ゲームおよびスポーツ局がイギリスで創設される
『クィディッチ今昔』によると、この年にイギリス魔法省に「魔法ゲーム及びスポーツ局」が設立されたよう。しかし、「ポッターモア」で発表された書き下ろしによれば、「魔法ゲームおよびスポーツ局」は魔法大臣グローガン・スタンプ(在職1811年~1819年)のもとで設立されたことになっており、はっきりとした設立年は不明。
1762年:クレオスシアンが非合法となる
11世紀には成立し人気を誇っていた競技「クレオスシアン」は、その危険性から非合法となった。
1790年:アメリカでラパポート法が制定される
ドーカス・トゥエルブツリーズという名の魔女が、恋人の非魔法族に対して自身が魔女であることを告げてしまった。相手のバーソロミュー・ベアボーンは彼女を裏切り、魔法の杖を奪って新聞記者に見せて回り、魔法族の集会がある地域のビラを作ってばらまいた。この重大な違反行為をきっかけに、アメリカ合衆国魔法議会のエミリー・ラパポート議長は「ラパポート法」を制定した。
このラパポート法は、機密保持法を遵守するため、魔法族が非魔法族と結婚したり友人になることが禁止したものである。後にラパポート法は1965年に廃止された。
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目次 - Contents
- 『ハリー・ポッター』の概要
- 歴史・時系列・年表とは
- 紀元前
- 紀元前3000年~1000年ごろ:古代エジプトの墓に呪いが掛けられる
- 紀元前500年:古代ギリシアで記録上最初のバジリスクが孵化
- 紀元前382年:「オリバンダー杖店」創業
- 中世初期(5世紀~10世紀)
- 年代不明:歴史にニワトコの杖が登場する
- 年代不明:ゴデロットが闇の魔術書『最も邪悪なる魔法』を執筆する
- 962年:飛行用箒の活用に関する最古の記録
- 年代不明:ワガドゥー創立
- 993年:ホグワーツ魔法魔術学校創立
- 年代不明:カステロブルーショ創立
- 11世紀
- 年代不明:クィアディッチ湿原で「クィディッチ」の原型が始まる
- 年代不明:「クレオスシアン」についての最古の記録
- 12世紀
- 1105年:「スティックストック」の存在が絵画で言及される
- 1100年代初頭:スニジェット狩りが始まる
- 年代不明:魔法界での物々交換の始まり
- 13世紀
- 1269年:クィディッチにスニジェットが使用される
- 1289年:国際魔法戦士条約に関する史実がある
- 1289年9月:サルジニア魔法使いの小委員会
- 1294年頃:三大魔法学校対抗試合が始まる
- 1296年:マンティコアによる事件
- 14世紀
- 年代不明:変わり者のウェンデリンが何度も火あぶりにあう
- 14世紀半ば:ヒトたる生物について定義される
- 年代不明:スティックストックが廃れる
- 年代不明:黄金のスニッチの開発
- 15世紀
- 1473年:第1回クィディッチ・ワールドカップ開催
- 1492年10月31日:ニコラス・ド・ミムジー・ポーピントン卿が処刑される
- 16世紀
- 16世紀はじめ:金属製のブラッジャーが登場する
- 1600年代初め:聖マンゴ魔法疾患傷害病院設立
- 17世紀
- 17世紀はじめ:北アメリカにクィディッチが伝わる
- 年代不明:ニュージーランドにクィディッチが伝わる
- 1612年:小鬼の反乱
- 年代不明:イルヴァーモーニー魔法魔術学校創立
- 1637年:「狼人間の行動綱領」策定と失敗
- 1652年:クィディッチのヨーロッパ杯が設立される
- 1674年:イギリスとアイルランドのクィディッチ・リーグが設立される
- 1689年:国際魔法使い機密保持法が制定される
- 1692年:セーレム魔女裁判
- 1692年:国際魔法使い機密保持法が施行される
- 18世紀
- 1709年:ワーロック法でドラゴンの飼育と繁殖が禁止される
- 18世紀初頭:「ニワトコの杖」がバーナバス・デベリルの手に渡る
- 年代不明:「ニワトコの杖」が「死の杖」と呼ばれる
- 年代不明:クィディッチがオーストラリアで広まる
- 1722年:ヒッポグリフが事件を起こし、有罪になる
- 1749年:国際魔法使い機密保持法が違反される
- 1750年:国際魔法使い機密保持法に第73条が追加される
- 1750年:魔法ゲームおよびスポーツ局がイギリスで創設される
- 1762年:クレオスシアンが非合法となる
- 1790年:アメリカでラパポート法が制定される
- 1792年:三大魔法学校対抗試合が18世紀以降の開催を中断する
- 1794年:アクロマンチュラの最古の記録が残る
- 1799年:ドラゴンが小型帆船を運び去る
- 19世紀
- 1800年代はじめ:シュレイクの群れが創られる
- 1802年:ドラゴンがノルウェー沖で子鯨を攫う
- 1811年:グローガン・スタンプがヒトたる存在の定義を定める
- 1812年:水中人が「動物」に分類される
- 1881年夏:アルバス・ダンブルドア誕生
- 1891~1892年ごろ:ダンブルドア家がゴドリックの谷に引っ越す
- 1883年頃:ゲラート・グリンデルバルド誕生
- 1892年9月1日:アルバス・ダンブルドア、エルファイアス・ドージ入学
- 1897年2月24日:ニュート・スキャマンダー誕生
- 年代不明:杖職人グレゴロビッチがニワトコの杖を手に入れる
- 1899年:アルバス・ダンブルドアとゲラート・グリンデルバルドが出会う
- 20世紀(物語開始以前)
- 年代不明:ゲラート・グリンデルバルドがニワトコの杖を奪う
- 1908年:ニュート・スキャマンダー、ホグワーツへ入学
- 1914年:ニュート、リタ・レストレンジの罪を被って放校処分を受ける
- 1918年:ニュート・スキャマンダーがオーガスタス・ワームに魔法動物概論の執筆を勧められる
- 1925年9月:モーフィン・ゴーントが投獄されメローピー・ゴーントがトム・リドル・シニアと結婚する
- 1926年:ニュート・スキャマンダーがニューヨーク訪問
- 1926年12月31日:トム・マールヴォロ・リドル誕生
- 1927年1月~3月:『幻の動物とその生息地』出版
- 1927年5月30日:ゲラート・グリンデルバルト逃亡
- 1927年:ゲラート・グリンデルバルド陣営のパリ集会
- 1932年:イルフラクーム事件が起きる
- 1932年:上級魔法使い選挙がブータンで行われる
- 1936年10月4日:ミネルバ・マクゴナガル誕生
- 1938年9月1日:トム・マールヴォロ・リドルがホグワーツに入学する
- 1940年9月1日:ルビウス・ハグリッドがホグワーツに入学する
- 1943年6月:20世紀最初の「秘密の部屋事件」が起こる
- 1943年7~8月:リドル一家虐殺事件
- 1945年:ダンブルドアがゲラート・グリンデルバルドを破る
- 1946年:トム・マールヴォロ・リドル卒業
- 1947年9月1日:ミネルバ・マクゴナガルがホグワーツに入学する
- 1947年:「狼人間登録簿」作成
- 1947年:バチルダ・バグショト著「魔法史」発行
- 1948年ごろ:リバチウス・ボラージ著「上級魔法薬」発行
- 1950年代:「死喰い人」の登場
- 1955~1956年ごろ:ダンブルドアがホグワーツの校長に就任
- 1956年冬:ヴォルデモートがホグワーツを訪れる
- 1956年12月:ミネルバ・マクゴナガルがホグワーツの変身術の教職に就く
- 1965年1~2月ごろ:リーマス・ルーピンが人狼になる
- 1965年:実験的飼育禁止令が成立される
- 1970年:第一次魔法戦争勃発
- 1971年9月1日:ジェームズ・ポッターら親世代がホグワーツに入学
- 1972年9月1日:レギュラス・ブラック、ダーク・クレスウェルがホグワーツに入学
- 1978~1979年ごろ:ジェームズとリリーが結婚
- 1979年:レギュラス・ブラックによりスリザリンのロケットがすり替えられる
- 1979年:ニュート・スキャマンダーがマーリン勲章勲二等を授与される
- 1979年後半~1980年前半:シビル・トレローニーの最初の予言
- 1980年7月31日:ハリー・ポッター誕生
- 1981年:スネイプがホグワーツの魔法薬学の教職に就く
- 1981年10月31日:ヴォルデモートの凋落
- 1981年11月:シリウス・ブラック投獄
- 1981年11月:ロングボトム夫妻襲撃
- 1982年9月1日:ビル・ウィーズリーがホグワーツ入学
- 1982年ごろ:バーテミウス・クラウチ・ジュニアがアズカバンを脱獄する
- 1984年9月1日:チャーリー・ウィーズリー、ニンファドーラ・トンクスがホグワーツに入学する
- 1987年9月1日:パーシー・ウィーズリー、オリバー・ウッドたちがホグワーツに入学する
- 1989年9月1日:フレッド・ウィーズリー、ジョージ・ウィーズリー、セドリック・ディゴリーたちがホグワーツに入学する
- 1990年:チョウ・チャンがホグワーツに入学する
- 物語開始以降
- 1991年(第1巻)
- 7月31日:ハリーがホグワーツ入校許可証を受け取る
- 7月31日:グリンゴッツに強盗侵入
- 9月1日:主人公ハリー・ポッター入学
- 10月31日:トロールの襲撃
- 1992年(第1巻~第2巻)
- 5月25日:禁じられた森での罰則
- 6月4日:ハリーが「賢者の石」を守る
- 7月31日:屋敷しもべ妖精ドビーが暗躍する
- 8月3日:ウィーズリー兄弟によりダーズリー家から救出される
- 9月1日:ジニー・ウィーズリーらが入学
- 9月~10月:「秘密の部屋」が開かれる
- 10月31日:「秘密の部屋」事件の第1の犠牲者現れる
- 11月8日:第2の犠牲者
- 12月18日:第3の犠牲者
- 1993年(第2巻~第3巻)
- 5月8日:第4の犠牲者
- 5月29日:リドルの日記を破壊
- 7月:ウィーズリー家がガリオンくじに当選しエジプト旅行に行く
- 7月:シリウス・ブラックがアズカバンを脱獄
- 10月31日:シリウス・ブラックのグリフィンドール寮襲撃
- 1994年(第3巻~第4巻)
- 2月:シリウス・ブラックがグリフィンドール寮侵入を果たす
- 6月6日:シビル・トレローニーの第2の予言
- 8月:第422回クィディッチ・ワールドカップ開催
- 10月31日:三大魔法学校対抗試合の各校の代表選手が決まる
- 11月24日:三大魔法学校対抗試合の第一の課題が行われる
- 1995年(第4巻~第5巻)
- 2月24日:三大魔法学校対抗試合の第二の課題が行なわれる
- 5月27日:バーテミウス・クラウチ・シニア殺害
- 6月24日:第三の課題とヴォルデモート復活
- 7月:「不死鳥の騎士団」再結集
- 8月2日:ハリーがマグル界で吸魂鬼(ディメンター)に襲撃される
- 8月6日:先発護衛隊
- 8月12日:ハリー・ポッターの懲戒尋問
- 10月5日:ダンブルドア軍団が結集する
- 12月:アーサー・ウィーズリー襲撃
- 1996年(第5巻~第6巻)
- 1月13日:アズカバンの集団脱獄
- 4月中旬:ダンブルドア軍団が告発される
- 6月18日:神秘部の戦い
- 7月中旬:ルーファス・スクリムジョール魔法大臣就任
- 詳細時期不明:ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ開店
- 7月上旬:分霊箱「ゴーントの指輪」破壊
- 10月中旬:呪いの首飾り事件
- 1997年(第6巻~第7巻)
- 3月1日:毒入り蜂蜜酒事件
- 6月30日:分霊箱「スリザリンのロケット」回収
- 6月30日:天文台塔の戦い
- 7月上旬:アルバス・ダンブルドアの葬儀
- 7月:アズカバンの集団脱獄(2回目)
- 7月26日:プリベット通り脱出
- 7月31日:ダンブルドアの遺品を相続する
- 8月1日:ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式
- 8月後半:スネイプがホグワーツ校長就任
- 9月:真の分霊箱「スリザリンのロケット」奪取
- 10月上旬:ロンの離反
- 12月24日:ゴドリックの谷到着
- 12月28日:ロンの帰還
- 12月30日:ラブグッド邸での待ち伏せ
- 1998年(第7巻)
- 3月下旬:マルフォイの館の戦い
- 3月下旬:ゲラート・グリンデルバルド死亡
- 5月1日:グリンゴッツ魔法銀行侵入
- 5月2日:ホグワーツの戦い
- 21世紀
- 2007年:ハリーが魔法省闇祓い局局長になる
- 2017年9月1日:アルバス・セブルス・ポッター、ローズ・ウィーズリー、スコーピウス・ヒュペリオン・マルフォイがホグワーツに入学