ハリー・ポッターシリーズの不死鳥の騎士団まとめ
『ハリー・ポッター』シリーズとは、イギリスの作家J・K・ローリング原作の1990年代のイギリスと魔法界を舞台とするファンタジー小説。主人公ハリー・ポッターのホグワーツ魔法魔術学校での学校生活と、両親を殺害した強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの因縁と戦いを描いた物語である。「不死鳥の騎士団」とは、闇の帝王が唯一恐れる魔法使いアルバス・ダンブルドアをリーダーに、闇の勢力の対抗陣営として結成された秘密組織。ここでは「不死鳥の騎士団」のメンバーや活動内容などを解説していく。
『ハリー・ポッター』の概要
『ハリー・ポッター』とは、イギリスの作家J・K・ローリング原作のファンタジー小説。
1997年にイギリスのブルームズベリー社から第1巻が刊行されると瞬く間に世界的ベストセラーとなり、世界各国で翻訳され、日本では静山社から刊行された。
有名な映画プロデューサー、デイビッド・ハイマンと映画製作会社ワーナー・ブラザーズが本作の映画化権を獲得し、製作されるとこちらも瞬く間に大ヒットを記録した。その後、映画化を担当したワーナー・ブラザーズなどが主体となって、映画を中心とする作中設定を活用した『魔法ワールド(Wizarding World)』というファンタジー・メディア・フランチャイズが派生している。
また、スピンオフとして本作よりさらに前の時代である1920年代を舞台に、「魔法生物飼育学」の教科書「幻の生物とその生息地」の著者ニュート・スキャマンダーを主人公とした『ファンタスティック・ビースト』シリーズが制作されている。
小説のタイトル「ハリー・ポッター」は作中の主人公の名前である。ハリー・ポッターは幼い頃に優秀な魔法使いの両親を闇の帝王ヴォルデモート卿に殺害され、マグルと呼ばれる非魔法族の母方の妹夫婦ダーズリー家に預けられて育つ。「魔法」といった人知を超えた現象を毛嫌しハリーを目の敵にするダーズリー一家の方針で、ハリーは自身が魔法使いと知らぬまま成長する。11歳になったハリーは、イギリスの魔女・魔法使いの学び舎「ホグワーツ魔法魔術学校」から入校許可証が届いたことで、自身が魔法使いであることと、闇の帝王から生き残った唯一の人物として英雄視されていることを知る。
ハリーは作品を通して、復活の機を待つ闇の帝王ヴォルデモートとの戦いを余儀なくされ、仲間を増やし強力な魔法使いとして成長していく。
ここで紹介する「不死鳥の騎士団」が登場するのは「ハリー・ポッター」シリーズの何作目かというと、5作目『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』である。5作目は「不死鳥の騎士団」の登場だけではなく、ルーナ・ラブグッドなどの新たなキャラクターが登場したことで話題となった。
「不死鳥の騎士団」とは
「不死鳥の騎士団」とは、ホグワーツの校長であり闇の帝王が唯一恐れるとされる魔法使いアルバス・ダンブルドアが創設した、ヴォルデモート陣営の対抗組織。英語名は「Order of the Phoenix」である。ヴォルデモートが魔法界において権力を得るようになった1970年ごろに発足した。物語開始前の1981年10月に幼いハリーがヴォルデモートを退けたため、その後は活動を停止していたが、第4巻(1995年初夏)にてヴォルデモートが復活したため、団員を新たに増やし活動を再開した。
名称は、死を超えて再生する炎の鳥「不死鳥」に由来する。また「騎士団」は原語では「order」と記され、これは「勲章」や「誓い」、「秩序」といった意味を含む語である。
目的はヴォルデモートの力を挫くこと、そしてマグルの保護にある。団員はヴォルデモートを恐れていないため「名前を呼んではいけないあの人」とされているヴォルデモートの名を呼ぶことができる。ただしこれを逆手にとられ、作中でヴォルデモートの配下・死喰い人が「ヴォルデモートの名を呼ぶ人物」を監視していたことがあった。
魔法界の政府公的機関である魔法省とは別の組織であり、秘密裏に活動するが、魔法省の職員も少なくない。正規の団員に加え、団員の家族など協力者もいる。なお、騎士団の活動方針に賛同していても活動の危険性ゆえ、未成年および学生は入団できない。死喰い人との戦闘機会が多いゆえに戦死率も高いが、メンバーは総じて優秀な魔法使いで戦闘力も高く、死の呪文を使用できる程の魔力を有する死喰い人とも互角に渡り合う実力を持つ。
「不死鳥の騎士団」の活動経歴
多くの闇祓いが所属するが、犯罪者の逮捕の権限は魔法省にあるため、騎士団の活動として犯罪者の取締を行ってはいない。
騎士団の第1期の活動内容については、明確には言及されておらず、闇の陣営に関する情報収集や死喰い人の追跡および捕縛、団員や協力者の保護であったと察するに留まる。
第2期における主要な活動は、ハリー・ポッターおよび関係者の護衛、闇の陣営に関する情報収集、死喰い人の追跡および捕縛、魔法使いおよび魔法生物がヴォルデモート陣営に与せぬよう説得することが主体である。
これらの活動に際し、死喰い人から攻撃を受けた場合は、戦闘に発展することも多い。
第7巻冒頭(1997年8月)にヴォルデモート陣営が魔法省を陥落させてからは、レジスタンス運動を展開する。
上記の他、マグルおよび魔法使いの正確な死因の調査、地下放送での死傷者・行方不明者・投獄者の公表と「マグル保護」の呼びかけ、ヴォルデモート陣営に対する抗戦およびハリー・ポッター支持の呼びかけも行った。
設立
1970年頃
闇の帝王ヴォルデモートが闇の魔法使いらを従え権力を持ち始めたことで、ホグワーツの校長であるアルバス・ダンブルドアが対抗勢力として仲間を結集し設立。
死喰い人に対し圧倒的に人数が不足しており、多数の犠牲者を出す。
11年におよぶ抵抗活動をするも、劣勢を強いられる。
活動休止
1981年10月31日
予言の子ハリー・ポッターがヴォルデモートを退けたことで闇の陣営が撤退。アルバス・ダンブルドアらにより、ハリーはマグルの伯母夫婦ペチュニア・ダーズリーとバーノン・ダーズリーへ預けられる。闇の陣営の撤退を受け、「不死鳥の騎士団」も活動を休止する。
再結集
1995年6月24日、三大魔法学校対抗試合の決勝戦(第4巻終盤)にて闇の帝王ヴォルデモートが復活する。
これを受けて、ホグワーツ校の夏期休暇の間にウィーズリー家や新進気鋭の闇払いニンファドーラ・トンクスなど新たな人員を増やし、後述のブラック邸を拠点に活動を再開する。
しかし、ヴォルデモートの復活の事実を受け入れられなかった魔法省大臣コーネリウス・ファッジは、ヴォルデモート復活はハリーとアルバス・ダンブルドアによる「虚言」と断じ、新聞等を通じて世論を操作した。これにより、不死鳥の騎士団は魔法省に対しても隠密行動を余儀なくされる。
先発護衛隊
1995年 8月
8月2日夜、ホグワーツの夏期休暇中に、ハリーがマグル界で吸魂鬼(ディメンター)と呼ばれる闇の生物に襲われる。学生の間はホグワーツ校外での魔法の使用を禁じられていたが、生命を脅かされる緊急事態に、ハリーは魔法を使用し吸魂鬼を退ける。
彼が魔法を使用したことが明るみになると、魔法省は「ヴォルデモートの復活」を唱えるいわば“政敵”のハリーを魔法界から事実上退けるために、ホグワーツ退学処分を決定する。
騎士団は、マグル界においても生命を脅かされたハリーを保護し、彼を最も安全なダンブルドアのお膝元であるホグワーツに戻すべく、「騎士団本部」へ護送を決定する。
「先発護衛隊」にはリーマス・ルーピン、アラスター・ムーディを含む8人が編成され、ダーズリー家の不在の間に秘密裏にハリーを護送した。
なお、ハリーの退学処分は後に8月12日の懲戒尋問を経て無罪放免となり、ホグワーツへの帰還が許された。
巨人族の説得
1995年 7月~11月
半巨人のルビウス・ハグリッドが、巨人族に「不死鳥の騎士団」を支援するよう説得を試みる。説得の最中に、巨人族の集落のボス争いが起こってしまい、途中でボスが代替わりすると、新しいボスは「不死鳥の騎士団」に与することに興味を持たず、交渉は決裂した。
結果として、巨人族は闇の陣営側についたようである。
アーサー・ウィーズリーの「予言」護衛任務
1995年12月
1981年にシビル・トレローニーによってもたらされた、「ハリー・ポッターとヴォルデモートに関する予言」をヴォルデモートが狙っていると知った騎士団は、「予言」が保管されている魔法省の「神秘部」の入口の警護にアーサー・ウィーズリーを送り込んだ。
アーサーはそこで、「予言」の警護任務中にヴォルデモートが使役する大蛇ナギニに襲われ重傷となる。
時を同じくして、ヴォルデモートとの精神的なつながりに悩まされていたハリー・ポッターが、アーサーが襲撃される経緯を夢で見たことで、早々に事態を把握し、アーサーは救出された。
神秘部の戦い
1996年
シリウス・ブラックが「神秘部」で襲われる夢を見たハリーは、セブルス・スネイプに「騎士団」への伝言を依頼し、学生仲間と結成した闇の魔術に対する防衛術の実践訓練集団「ダンブルドア軍団」とともに「神秘部」に忍び込む。しかしこれは、ヴォルデモートにより精神的なつながりを利用された巧妙な罠であり、「神秘部」には死喰い人が待ち受けていた。
スネイプにより伝言を受け取った「騎士団」は、戦闘する「ダンブルドア軍団」のもとへ応援に駆けつける。
激しい戦闘により「予言」は破壊されヴォルデモートの計画を挫くことはできたが、シリウス・ブラックが命を落とした。
この襲撃により魔法省はヴォルデモートの復活を認知することになり、コーネリウス・ファッジは大臣を辞任した。
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目次 - Contents
- 『ハリー・ポッター』の概要
- 「不死鳥の騎士団」とは
- 「不死鳥の騎士団」の活動経歴
- 設立
- 活動休止
- 再結集
- 先発護衛隊
- 巨人族の説得
- アーサー・ウィーズリーの「予言」護衛任務
- 神秘部の戦い
- 天文台塔の戦い
- 七人のポッター作戦
- 魔法省の陥落
- ラジオ「ポッター・ウォッチ」活動
- ホグワーツの戦い
- 「不死鳥の騎士団」の本部
- ブラック邸
- 隠れ穴
- 「不死鳥の騎士団」の主な所属団員
- 第1期・第2期共通
- アルバス・ダンブルドア
- ミネルバ・マクゴナガル
- セブルス・スネイプ
- ルビウス・ハグリッド
- シリウス・ブラック
- リーマス・ルーピン
- アラスター・ムーディ
- マンダンガス・フレッチャー
- アバーフォース・ダンブルドア
- ディーダラス・ディグル
- エルファイアス・ドージ
- スタージス・ポドモア
- エメリーン・バンス
- 第1期のみの団員
- ジェームズ・ポッター
- リリー・ポッター
- ピーター・ペディグリュー
- フランク・ロングボトム
- アリス・ロングボトム
- ギデオン・プルウェット
- フェービアン・プルウェット
- エドガー・ボーンズ
- マーリン・マッキノン
- キャラドック・ディアボーン
- ベンジー・フェンウィック
- ドーカス・メドウズ
- 第2期からの団員
- アーサー・ウィーズリー
- モリー・ウィーズリー
- ビル・ウィーズリー
- チャーリー・ウィーズリー
- ニンファドーラ・トンクス
- キングズリー・シャックルボルト
- ヘスチア・ジョーンズ
- 主な協力者
- ハリー・ポッター
- ロン・ウィーズリー
- ハーマイオニー・グレンジャー
- フレッド・ウィーズリー
- ジョージ・ウィーズリー
- アラベラ・フィッグ