セブルス・スネイプ(ハリー・ポッターシリーズ)の徹底解説・考察まとめ
セブルス・スネイプとは、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズの登場人物の一人。主人公のハリー・ポッターが入学したホグワーツ魔法魔術学校の教師で、ハリーの父親、ジェームズは犬猿の仲であったため、ジェームズに生き写しのハリーに対して嫌悪感を見せる。登場時からの不気味な出で立ちやハリーを憎んでいる様子などから、当初は悪者のように考えられていた。しかし物語が進むにつれて、彼が愛に溢れた人物であることが判明していく。作者のローリングからも「影の主人公」と称されている人物である。
セブルス・スネイプの概要
セブルス・スネイプとは、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズの登場人物の一人である。主人公のハリー・ポッターが入学したホグワーツ魔法魔術学校の教師で、ハリーの両親とは同級生だった。学生時代、ハリーの父親、ジェームズ・ポッターとは犬猿の仲であったため、ジェームズに生き写しのハリーに対して嫌悪感を見せる。
自身が所属していたスリザリンへの露骨な贔屓により、他の寮生からは嫌われている。性格も陰湿で、出来の良くない生徒をさげすむ。さらにハリーには事あるごとに罰則を加えようとする。
しかしシリーズを通して謎めいた人物として描かれており、実は自身が愛するリリーの息子、ハリーを守るために二重スパイという危険な状況に身を置き続けていた。そのような経歴から物語のキーパーソンと言える存在であり、作者からも「影の主人公」と称された。
ハリー、ロン、ハーマイオニーの3人がヒーロー的な役割を果たしている一方で、J・K・ローリングも「スネイプが最も重要でかつ複雑なキャラクターであることは間違いない」と話している。
セブルス・スネイプのプロフィール・人物像
愛称:セブ
種族:魔法族(半純血)
性別:男性
演:アラン・リックマン(映画版)
土気色の顔色をしており、大きな鉤鼻が目に付く。ねっとりとした黒い髪は肩まであり、前髪は左右に分けている。瞳も黒く、漆黒のローブを身にまとっているため、作中ではたびたび育ちすぎたコウモリのようだと形容されている。
性格は陰湿で、自身が所属していたスリザリンへの贔屓が露骨。他寮生からは嫌われている。スネイプは闇の魔術への傾倒が原因でスリザリン寮へ組み分けられたが、その点についてはダンブルドアは「組分け帽子が性急すぎる」と語っている。普段の嫌がらせや本心が読めないことから誤解されやすいが、本来は勇敢さを重んじるグリフィンドール寮の気質を持つ人物である。「リリーへの愛」というたった一つの想いから、自身の命をなげうってまでハリーを守った。
セブルス・スネイプは1960年1月9日、スピナーズ・エンドに住むスネイプ家に生まれた。スピナーズ・エンドは、廃墟となった工場と汚れた川の近くにある荒れ果てた袋小路の名である。
9~10歳の頃にリリー(ハリーの母親)と知り合う。リリーには初めて会った時から惹かれており、マグル生まれのリリーに魔法界のことを教えるうち、互いに心を通わせるようになった。
一方で、学生時代のスネイプはハリーの父であるジェームズと険悪だった。ハリーはそのジェームズに似ているため、初めて見た時からハリーのことを本能的に嫌った。
そのため、ホグワーツに入学してきたジェームズにそっくりなハリーを見て、「高慢で嫌味な子供」という偏見を抱く。
セブルス・スネイプの能力
魔法薬の調合
魔法薬の調合に長けており、学生時代から魔法薬学の教科書の間違いを見破ったり、分かりやすい解説や調合の要領、実戦的な方法を書き加えたりしていた。
闇の魔術
学生時代から闇の魔術にも詳しく、優秀だった。そのため、長年に渡って「闇の魔術に対する防衛術」の教授職を狙っており、第6巻でようやく念願の職を射止める。
決闘での実力も高く、無言呪文でハリーの呪文をすべてねじ伏せた。また、マクゴナガルとフリットウィックの二人を相手に戦った。
閉心術
家族関係の悪さから人間不信に陥ったスネイプは、感情を人前で晒すことを嫌い、幼い頃から閉心術を使っていた。この閉心術により、開心術の使い手であるヴォルデモートもスネイプの嘘を見抜けずにいた。
セブルス・スネイプの来歴・活躍
幼少期からホグワーツでの学生時代まで
1960年1月9日、スピナーズ・エンドに住むスネイプ家に生まれる。9~10歳の頃、リリー(ハリーの母親)と知り合う。
美しく活発なリリーに、スネイプは会話する前から好意を持った。そしてマグル生まれのリリーに魔法界のことを教えるうち、互いに心を通わせるようになる。
一方、魔力のないリリーの姉ペチュニアとは互いに蔑視し合い、それがエバンズ姉妹の関係悪化にも影響した。
1971年、成長したスネイプは、リリーと共にホグワーツに入学。しかし、ホグワーツでの学生生活は、スネイプにとって決して良いものではなかった。
初めてホグワーツに向かう電車に乗った際に、ジェームズ・ポッターとシリウス・ブラックと出会い、敵対。彼らとの因縁は生涯続くことになる。さらに、スリザリンに組分けされたスネイプに対して、愛するリリーはライバルであるグリフィンドールの寮生になってしまった。
さらに、入学時点で既に上級生よりも多くの闇の魔術を知っていたことから、スネイプはスリザリン生の間でも異端児扱いされる。
それでもリリーとの友人関係は続いていた。その為、リリーに好意を持ち闇の魔術を嫌うジェームズ・ポッターと対立。
ジェームズと彼の友人であるシリウス・ブラック、リーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューの4人組にいじめられることになる。
グリフィンドール生となったリリーとの心の距離は学年を経るにつれて次第に開いていった。
彼女の心を取り戻すには最も優秀な闇の魔法使いである死喰い人になるしかないと思い、更に闇の魔術や純血主義に傾倒する。これこそがリリーとの仲に溝ができる原因だったが、当時スネイプはそのことに気づいておらず、闇の魔術を極めればリリーがまた自分の元へと戻ってきてくれると信じていた。
その結果、マグル生まれのリリーを「穢れた血」と侮辱してしまいリリーとの友情を失ってしまう。
それでもスネイプはリリーへの想いを捨て去ることができず、「穢れた血」という言葉にトラウマを持つようになった。
死喰い人期
ホグワーツ卒業後、死喰い人に加わり不死鳥の騎士団をスパイする任務を与えられる。一方、リリーは自分と対立していたジェームズと結婚してしまう。
ヴォルデモートがポッター家の命を狙っていることを知ったスネイプは、リリーの命を守る為に主君を裏切ってダンブルドアを頼り、リリーを守るように懇願。ダンブルドアが「見返りに自分にはなにをしてくれるのか」と問うと、スネイプは「なんなりと」と答え、ダンブルドアのスパイになる。こうして闇の陣営の密偵も兼ねる「二重スパイ」となった。
しかしスネイプの尽力は実らず、1981年10月31日にリリーは殺されてしまう。
リリーが殺害され、スネイプは絶望した。そこにダンブルドアが「リリーの息子を守るのじゃ」と声をかける。そしてスネイプはリリーの遺志を継ぎ、彼女の息子ハリーを守ることを決意。
1991年、ホグワーツに入学してきたハリーに恋敵ジェームズの面影を見たスネイプは激しい偏見を抱くが、「リリーの息子を守る」という誓いのもとダンブルドアに従い行動。
スネイプがハリーを守っていることを隠しておくのは、スネイプ自身の願いだった。
また、ルシウス・マルフォイは学生時代、スネイプの数少ない友人の一人であり先輩でもあった。ルシウスはスネイプのことを認めていたため、ハリーと対立することが多かったルシウスの息子であるドラコ・マルフォイも守ろうとする。
ドラコの方もスネイプのことをよく信頼しており、極めて良好な信頼関係にあった。
ダンブルドアを殺害
1996年、ダンブルドアを(ダンブルドアと事前に打ち合わせた上で)殺害、ホグワーツから逃亡。この功績から、ヴォルデモートの隣に座ることを許される死喰い人の筆頭格になる。
その後、ヴォルデモートが魔法界を掌握すると、その力を背景にホグワーツ校長に就任する。
しかし表向きはヴォルデモートに従いつつも、裏ではダンブルドア(の肖像画)の命を受けて、カロー兄妹の暴走を抑止しハリーたちを陰から支援する役目を担っていた。
ダンブルドア殺害はあらかじめ二人の計画であった。
所有者が変わると強い忠誠心も所有者に移る杖、ニワトコの杖を葬るために、ダンブルドアはニワトコの杖の最後の所有者となった状態であえてスネイプに殺される。
これによってニワトコの杖はもう誰にも忠誠心が移らず葬られたはずだった。
なお、ダンブルドアはある呪いのせいでどちらにしろ近い内に死ぬはずだった。そのため、自身の寿命が尽きると分かったとき、ダンブルドアから自分にとどめを刺すように命じられた。
なぜスネイプでなければいけなかったのか。
ドラコがヴォルデモートから命令をうけ、自分を殺そうとしていることを知っていたダンブルドアは、生徒を殺人者にしたくなかった。そのため、スネイプに自分を殺すように頼んだ。
また、スネイプがダンブルドアを殺すことで、スネイプはヴォルデモートに完全に信頼され、スネイプはスパイになることができる。このようにヴォルデモートに裏切りを気づかれないためでもあった。
最後の日(『ハリー・ポッターと死の秘宝』)
1998年5月2日、スネイプがニワトコの杖の忠誠を得ていると勘違いしたヴォルデモートは、ナギニ(蛇)にスネイプを殺せと命じる。そしてホグワーツ防衛隊と死喰い人が戦う最中、スネイプはナギニの攻撃により致命傷を負わされる。
直後に現れたハリーに自分の記憶を託し、「僕を見てくれ」とハリーの瞳にリリーを見ながら、「リリーと目が似ている」と言う。そして、自らの教え子であるハリー、ロン、ハーマイオニーの三人に看取られながら失血により絶命した。38歳没。
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目次 - Contents
- セブルス・スネイプの概要
- セブルス・スネイプのプロフィール・人物像
- セブルス・スネイプの能力
- 魔法薬の調合
- 闇の魔術
- 閉心術
- セブルス・スネイプの来歴・活躍
- 幼少期からホグワーツでの学生時代まで
- 死喰い人期
- ダンブルドアを殺害
- 最後の日(『ハリー・ポッターと死の秘宝』)
- セブルス・スネイプの関連人物・キャラクター
- リリー・エヴァンス
- ハリー・ポッター
- セブルス・スネイプの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- リリーヘの人生をかけた深い愛
- 「永遠に」
- セブルス・スネイプの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 一人だけスネイプの本当のキャラクターや結末を知らされていたアラン・リックマン
- スネイプの守護霊はリリーと同じ牝鹿
- 『ハリー・ポッター』の人気キャラクター1位はスネイプ
- ハリーは次男の名前にダンブルドアとスネイプのファーストネームをつけた
- 『ハリー・ポッター』日本語訳版で一番の被害者
- スネイプの一人称と声
- スネイプの歩き方
- ゴキゲンなスネイプ
- スネイプの唇