高杉晋作（るろうに剣心）とは【徹底解説・考察まとめ】

高杉晋作（るろうに剣心）の概要

高杉晋作（たかすぎ しんさく）とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』（るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん）の登場キャラクターで、史実上の同名人物をモデルにした長州派の維新志士。
吉田松陰の松下村塾に学び、桂小五郎（かつら こごろう）や久坂玄瑞（くさか げんずい）といった後の同藩の英雄たちと交流する。ペリーの浦賀来航、アメリカへの密航失敗による吉田の処刑、西欧列強の外圧に弱腰の対応を続ける徳川幕府といった出来事を時代の当事者として見る内に、「このままでは日本は西欧列強の食い物にされる、徳川幕府に代わる強くて新しい政治機構が必要だ」との結論に至る。その後は同様の意見を持つ桂や久坂と共に、長州派維新志士の中心人物の1人として活躍していった。

徳川幕府を倒すには今の長州の戦力だけでは無理だと考えた高杉は、出身に関わらず兵士を集う奇兵隊を結成する。農民や商人から成る志願兵の中に、10代半ばと思しき少年を発見し、彼の振るう見たこともない強烈無比な剣技に感嘆する。
少年は緋村剣心（ひむら けんしん）と名乗り、伝説の古流剣術飛天御剣流（ひてんみつるぎりゅう）を学んだ者だと素性を語る。桂は彼の恐るべき力量に目を付け、幕府要人相手の暗殺を依頼。「犠牲になった人々の向こうに、誰もが幸せに暮らせる新時代があるのなら」と剣心がこれを了承する一方、それが彼を罪悪感の生き地獄に叩き落とすことに他ならないと知る高杉は、桂に「目的のためにあんな小僧の人生を台無しにするつもりなら、お前は剣士であることを捨てて“長州の神輿”であることを貫け」と釘を刺した。

高杉晋作（るろうに剣心）のプロフィール・人物像

身長：165cm
体重：51kg
生誕日：1839年9月27日
出身：山口県（萩）
星座：天秤座
血液型：B
趣味：三味線
特技：戦争指揮

CV：高木渉
演：安藤政信

明晰な頭脳と奇想天外な発想力を持つ傑物。弁舌と軍略に優れ、下関戦争の和議交渉や第二次長州征伐ではそれらの才を縦横に振るって故郷と仲間の窮地を救う大活躍を見せた。
師である吉田が掲げた、「大きなことを成し遂げるためには、理屈だけでなく直感や感情のまま被害にも結果にも目もくれず猛然と突き進む力も必要である」という“狂”の思想をもっとも強く体現した人物の1人とされる。これは生来の気質に加えて「結核を患っていたため長く生きられない」という個人的な背景もあってのことで、自分亡き後も維新志士を支えていくだろう桂や剣心には強い期待を抱いていた。

高杉晋作（るろうに剣心）の来歴・活躍

松下村塾の門弟から長州派維新志士の重鎮へ

長州藩の武家の子として生まれ、吉田松陰（よしだ しょういん）の開いた松下村塾に入り様々な学問を学ぶ。同時に吉田から思想的な影響も受け、彼の唱える“狂の心”こと「大きなことを成し遂げるには時に理屈ではなく直感や感情のままに突き進むことも必要である」との精神を胸に刻む。

ペリーの浦和来航以降、西欧列強の外圧に弱腰の対応を続ける幕府を見て、「このままでは日本は西欧列強の食い物にされる」と危機感を抱く。やがて桂小五郎（かつら こごろう）や久坂玄瑞（くさか げんずい）といった同様の結論に至った仲間たちと共に、「幕府を倒して強く新しい政治機構を作り上げる」ことを目指すようになり、さらなる同志を集めるために京都で政治的活動に従事する。

奇兵隊の結成

自分たちの目的を達成するにはさらなる戦力が必要だと考えた高杉は、簡単な訓練で相応の戦力を作り出せる最新式の西欧の武器を見て、「町人、農民、商人といった武士以外の者たちを集めて武装させ、戦闘集団を作る」という案を閃く。この頃から結核の症状が出始めた高杉は、「自分はもう長くはない、死ぬ前に仲間たちのために少しでも働きたい」との想いから、早速“奇兵隊”と名付けたこの部隊の結成に乗り出す。
呼びかけに応じて集まったのは、「国のために何かしたい」という志だけは立派な戦いとは無縁の者から、「主義も思想も情勢も分からないが食わしてもらえるなら戦う」というゴロツキまで玉石混交だった。様子を見に来た桂は「こんな連中をまともに戦える状態まで鍛えられるのか」と疑わし気な眼差しを向けていたが、志願兵の中にいた10代半ばにしか見えない少年がすさまじい剣技を披露したのを見て高杉共々顔色を変える。

少年は緋村剣心（ひむら けんしん）と名乗り、伝説の古流剣術飛天御剣流（ひてんみつるぎりゅう）の遣い手で、幕末の動乱を見ていても立ってもいられず奇兵隊に参加したと素性を語る。そのすさまじい剣技に利用価値を見出した桂は、剣心を高杉からもらい受けて自身の部下とした上で、幕府要人の暗殺を依頼。人を斬ったことのない剣心はわずかに戸惑うも、「犠牲になった人々の向こうに、誰もが幸せに暮らせる新時代があるのなら」とこれを引き受ける。
しかしそれは、「苦難の中にある人々の力になりたい」という高潔な意志を抱いてやってきた未熟な少年を罪悪感で地獄に落とすか、あるいは人斬りの愉悦に酔う悪鬼へと変えるおぞましい選択だった。桂の非情な決断を無言で眺めていた高杉は、「あんな小僧の人生を台無しにする以上、お前はたとえ殺されかけても2度と剣を握らず、誰から見ても立派な“長州の神輿”であり続けろ」と釘を刺す。元より桂もこれは覚悟しており、長州藩では当代随一と呼ばれた剣の腕を封じることとなる。

快男児の最期

その後剣心は桂に命じられるまま幕府側の要人を次々と斬殺し、高杉の予想した通り次第に己を見失っていく。しかしある日京都の街中で雪代巴（ゆきしろ ともえ）という少女と出会い、そのまま成り行きで共に暮らし始める。「堅物の剣心が女を連れ帰った」という話は、当時維新志士としての活動で脱藩騒ぎを起こして牢に入れられていた高杉の耳にも届き、「あの小僧も自分亡き後の日本を託す男の1人なのだから、惚れた女くらいは幸せにしてもらわないと困る」と嘯く。

長州とイギリスの間で繰り広げられた下関戦争、京都で活動していた長州派維新志士が新撰組に一網打尽にされた池田屋事件、長州藩の主力部隊が壊滅の憂き目に遭った禁門の変、幕府主導の下行われた長州征伐と、長州藩はその後幾度となく大きな波乱に見舞われる。久坂は志半ばで倒れ、彼以外にも多くの仲間を失いながらも、高杉は病を押して奮闘。下関戦争の和議交渉では巧みな弁舌で賠償金を幕府に押し付け、第二次長州征伐では奇兵隊の本領を発揮して敵軍を撃退するなど、長州藩滅亡の危機を幾度も救う。
しかし、第二次長州征伐から間もなくして持病が悪化し、維新の成立を見ることなく死亡。「おもしろき こともなき世を おもしろく」という、上の句のみの高杉らしい破天荒な辞世の句を残した。彼の獅子奮迅の活躍によって守られた長州藩の命脈は、桂や剣心たちによって受け継がれ、徳川幕府の打倒と明治政府の樹立につながっていく。

高杉晋作（るろうに剣心）の関連人物・キャラクター

桂小五郎（かつら こごろう）

長州派維新志士の筆頭。高杉とは同じ松下村塾の出身で、吉田松陰の薫陶を受けて育った。
高杉は桂を「自分が亡き後の長州と日本を託すに足る男」だと深く信頼しており、一方で時に非情な決断をしてでも前に進む彼に「それだけのことをする以上、お前も相応の覚悟を背負え」と釘を刺すなど同志として辛辣かつ適切な助言を贈っている。桂も高杉を信頼しており、特に吉田松陰が語っていた“狂”の精神においては彼以上の体現者はいないと高く評価している。

桂小五郎（るろうに剣心）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

桂小五郎（かつら こごろう）とは、『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場キャラクターで、史実上の同名人物をモデルにした長州派の維新志士。
盟友たる高杉晋作が奇兵隊を結成しようとした際、ここに参加しようとした剣心の力量を見込んで彼に幕府要人の暗殺を依頼。日本の未来のため、徳川幕府打倒のために何人もの人間を殺めさせる。剣心と共に暮らすようになった雪代巴にこれを咎められた時は、師である松田松陰の“狂”の思想を持ち出して正当化したが、内心では剣心の人生を台無しにしていることに罪悪感を抱いていた。

緋村剣心（ひむら けんしん）

伝説の古流剣術飛天御剣流（ひてんみつるぎりゅう）の遣い手。幕末の動乱の中で苦しむ者たちを放っておけず、高杉の呼びかけに応じて奇兵隊に参加。この時見せたすさまじい剣技から「ただものではない」と判断した桂が、高杉からもらい受ける形で己の部下とした。
桂が剣心に幕府側の要人暗殺を行わせようとしていることを、高杉は「必要なことだが気に入らない」といったスタンスで受け止めている。その剣心が自ら選んだ娘と夫婦になったと聞いた時は大いに喜んでおり、彼の行く末をずっと案じていたことがうかがえる。

緋村剣心（るろうに剣心）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

緋村剣心（ひむらけんしん）とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物であり、同作の主人公。左頬の十字傷と後ろで一つ結びにした長い赤髪が特徴的な単身痩躯の男。赤い着物に白い袴姿で腰には刃と峰が逆になっている刀「逆刃刀」を差している。一見物腰穏やかな優男だが、その正体はかつて幕末最強と謳われた「人斬り抜刀斎」。
動乱の中で多くの者を殺めた過去を抱えており、その償いと太平の世を生きる人々を守るため「不殺（ころさず）」の信念を掲げて旅をする「流浪人（るろうにん）」を名乗っている。

吉田松陰（よしだ しょういん）

幼い頃に学んだ師。優れた教師にして先進的な思想家で、「大きなことを成すためには、理屈ではなく勢いや感情のまま突き進むことも必要である」との“狂の心”を高杉に教え込む。
吉田は高杉を“狂の心”の体現者として高く評価し、桂や久坂といった俊英たちと親しく交わるよう勧めた。後に維新を成立させていく彼らの絆は、吉田という偉大な師によって培われたものである。