物語シリーズの怪異まとめ

蛇切縄（じゃぎりなわ）

作中では主に蛇と呼ばれる怪異。へびきり縄、蛇切（へびきり）、蛇縄（じゃなわ）、へびなわ、蛇（くちなわ）とも呼ばれる。悪意によって遣わされる怪異で、呪われた者は見えない蛇に巻き付かれて、最終的に殺される。暦の後輩の千石撫子（せんごく なでこ）が2人の人物にこの呪いをかけられた。もとは中学生の間で流行ったお呪い程度のものだったが、千石が「よくないもの」が集まる北白蛇神社を訪れたことで、呪いが発動してしまった。

蛇に巻き憑かれた少女：千石撫子（せんごく なでこ）

蛇に巻かれ、噛みつかれた少女。暦の妹である月火（つきひ）の友人。ある日、言い寄って来た男子生徒を拒否したことで蛇切縄の呪いをかけられる。千石は自力で調べて蛇切縄の解呪を試みるが、「よくないもの」が集まる北白蛇神社に行ったことで、皮肉にも呪いが発動してしまうことになった。忍野の助けを得た暦と駿河が解呪の儀式を行うものの、そこで蛇切縄の呪いは1つではなく2つだということが判明。暦と駿河は蛇切縄を引きはがすことで千石にかけられた呪いを解いた。しかし蛇切縄は呪いをかけた者のもとへ帰ってしまった。

障り猫（さわりねこ）

作中では主に猫と呼ばれる怪異。尾なし猫、白銀猫（しろがねこ）とも呼ばれる。馬車や車に轢かれた尾のない白い猫を埋葬した善良な者に取りつき、性格を豹変させる、人を猫にする怪異。招き猫の対極とされる。特性は触れた者を精も根も吸い尽す、常時発動型エナジードレイン。

猫に魅せられた少女：羽川翼（はねかわ つばさ）

暦と同じ学校に通う同級生。春休みには暦の精神的な支えとなった。ゴールデンウィークに尾のない白い猫を埋葬したことで障り猫に魅せられる。障り猫自体は低級の怪異だが、羽川の知識により専門家の忍野を退けるほどの怪異「ブラック羽川」となる。ゴールデンウィークではストレスのもとであった両親を病院送りにするといった悪事を働くが、羽川でも知らなかった妖刀「心渡」によって退治される。そこで一旦は収まったものの、暦と戦場ヶ原が付き合い始めたことを知り、再びストレスを抱え始めて6月に再度ブラック羽川が出現する。このときも忍の活躍によって退治された。

ブラック羽川（ぶらっくはねかわ）

障り猫が羽川翼のストレスと結びついて誕生した新種の怪異で、命名は忍野メメ。通常の障り猫と異なり、主人とする羽川のことを第一に考える。羽川の裏人格ということもできる。しかし猫ゆえに頭は悪く、1より多い数や3行以上の文を理解できない。それでも羽川の知識を有している影響で、専門家をも寄せ付けない強力な怪異である。ブラック羽川が顕現する際には、羽川の黒い髪が白に染まり、さらに猫耳が生える。ゴールデンウィークのときは人間を襲う怪異であったが、6月に現れたときは性質が変わったのか、暦と雑談ができるほど落ち着いていた。そして3度目の出現となる8月のときには、羽川の頼みにより、彼女から生まれた妹ともいうべき怪異「苛虎（かこ）」と戦った。

囲い火蜂（かこいひばち）

作中では主に蜂と呼ばれる。『 東方乱図鑑（とうほうみだれずかん）』という書物に「室町時代に流行った原因不明の感染病が起源」と書かれているが、専門家の貝木泥舟（かいき でいしゅう）によれば感染病は作り話であり、囲い火蜂は存在しない怪異とのこと。

蜂に刺された少女：阿良々木火憐（あららぎ かれん）

暦の妹で、月火の姉。月火と合わせて「栂の木二中のファイヤーシスターズ」という通り名を持つ。空手2段の持ち主であり、吸血鬼化の影響で身体能力に優れた暦をも圧倒する力を有している。
貝木が中学生の間に流行らせた「お呪い」を追っているうちに、貝木と接触。貝木に突っかかるが、逆に返り討ちに遭い囲い火蜂をうつされてしまう。その後は起き上がるのも億劫なほどの高熱に侵されてしまうが、暦が半分を肩代わりしたことで動けるように。暦との喧嘩の末、貝木のことは兄に任せることになった。

しでの鳥（しでのとり）

作中では主にホトトギス、不死鳥と呼ばれる怪異。怪異としての特性は「不死」であること。不死性にかけては吸血鬼さえも上回る。人間の母体に托卵し、その子供として転生する。生まれたしでの鳥は人間に擬態しており、本人も怪異という自覚はない。怪異であることがバレないよう些末な傷はゆっくりと治る。しかし致命傷は一瞬で再生する。これは肉体のみならず、心の傷にも適用される。また新陳代謝が良く、爪や髪が人よりも早く伸びる。寿命は人間と同じである。

阿良々木月火（あららぎ つきひ）

暦の妹。姉の火憐（かれん）と合わせて「栂の木二中のファイヤーシスターズ」という通り名を持つ。作中では怪異の専門家である影縫余弦（かげぬい よづる）の式神・影縫余弦（かげぬい よづる）の攻撃で上半身を吹き飛ばされたものの、一瞬で再生した。月火本人は吹き飛ばされる前後の記憶を失っていた。

苛虎（かこ）