黄瀬涼太（黒子のバスケ）とは【徹底解説・考察まとめ】

陽泉（ようせん）高校のセンター、紫原敦（むらさきばらあつし）の技であり、ゴール下にいつつ、3ポイントラインまでの広範囲をディフェンスする事が出来る。紫原は長い手足と瞬発力でオフェンスとの間合いを詰めて相手を止めるが、黄瀬は瞬発力と運動センスで紫原の能力を再現している。紫原と黄瀬のブロックを浴びた誠凛のキャプテン、日向順平（ひゅうがじゅんぺい）はその再現度に驚愕している。
紫原からは技の完成度について特に何も言われていないが、技を使用する事によって対価を求められている。

破壊の鉄鎚（トールハンマー）

「広範囲ディフェンス」と同じく、紫原が得意としている技。ボールを両手で持って体を回転させながら強烈なダンクを叩き込む。パワーがある紫原が行うとディフェンスが吹っ飛ばされてしまう。紫原の様なパワーはないが黄瀬の「パーフェクトコピー」の中でも完成度が高く決定率の高い技で、2～3人のディフェンスに囲まれても確実に決めてくる。
黒子からは「パーフェクトコピー」最大の技とされている。

加速するパス・廻 （イグナイトパス・かい）

誠凛の黒子が持っている技の1つで、通常の「加速させたパス（イグナイトパス）」に回転が加わり、貫通力がある。黄瀬は「キセキの世代」の技をコピーできる様になっていたが、ミスディレクションを使う黒子の技をコピーする事が出来ずにいた。
しかし、誠凛との試合を通して彼の技を習得。意表を突いた攻撃であった為、インパクトは絶大だった。それと同時にこれまでボールを持った後に確実にシュートへ行っていたワンマン選手だった黄瀬にパスの選択肢も加わった事を意味し、抑え所を迷わす一因にもなった。

ゾーン＋完全無欠の模倣（パーフェクトコピー）

アメリカのストリートバスケチームであるジャバウォックとのエキシビジョンマッチで見せた黄瀬の大技。
黄瀬は普段の試合で集中力が極度に上がり最高のパフォーマンスができる状態になる「ゾーン」に入る事がない。しかしジャバウォック戦では青峰のスタミナ維持の為に、凶暴なセンターであるジェイソン・シルバーに1人で対抗。加えて「パーフェクトコピー」との併用で、緑間曰くコート上で最強の選手になる。しかし「パーフェクトコピー」が5分しか持たない事に加えて、体力を極端に使う「ゾーン」まで使い、併用後は1人では立てないぐらいに疲れ切ってしまう。

黄瀬涼太の来歴・活躍

練習試合 誠凛戦

帝光中学時代に同じチームメイトだった黒子が誠凛高校に入った事を黄瀬は知り、彼を海常へ引き入れようとする。しかし黒子はあっさりと断るも誠凛と海常の練習試合が決まる。
練習試合当日、海常の監督の武内源太（たけうちげんた）は調整のつもりで、黄瀬をベンチスタートにする。しかし開始直後に黒子にスティール、火神にダンクを決められ、黄瀬がコートインする。試合再開早々、黄瀬はダンクでお返し。試合は黄瀬と火神による点の取り合いとなった。
誠凛は黒子の「ミスディレクション」の効力がなくなり始め、徐々に点差を広げられてしまう。一方の黄瀬は「コピー」で次から次に火神の技を真似していく。火神は黄瀬に対抗すべく黒子と連携し始めて黄瀬を翻弄する。
しかし黒子が黄瀬と接触して負傷退場するアクシデントが発生。窮地に陥った誠凛は先輩達が奮起して何とか持ちこたえる。その間に手当を受けた黒子が復帰。終盤で海常と誠凛がそれぞれのエースを駆使して得点の取り合いになった。火神が入れれば黄瀬が入れ返す。そして残り数秒。火神が笠松のシュートをブロックして、黒子とカウンターに走る。黄瀬は自陣に戻るが、黒子が火神へリング付近にパスを放る。火神によるアリウープが決まり海常は敗北。黄瀬は初めての敗北を味わった。

インターハイ 桐皇戦

青峰と公式戦で初対戦する黄瀬。試合開始からいきなり1on1を仕掛けるが止められてしまう。黄瀬は続けて桐皇選手の技をコピーするが青峰には通じない。しかし青峰も中学時代の様に黄瀬から容易に得点を獲れなくなっていた。黄瀬も負けじと青峰のシュートをブロックする。
試合は海常の先輩達が奮起し、リードして第1Qを終える。休憩中、青峰は黄瀬の成長を実感し本気モードに。黄瀬はそんな青峰の雰囲気を感じ取り警戒を強める。
第2Qはまず桐皇が淡々とパスを回して得点。黄瀬は再び青峰と対峙するが、青峰の凄みが増して来ている。その上、アジリティーやスキルは青峰が上回っていた。同点に追いつかれ海常はタイムアウト。黄瀬はある事をチームに進言する。
タイムアウト明け、黄瀬は仕掛けずにパスを回す。青峰は黄瀬を警戒しつつも得点を量産。しかし黄瀬の中では変化が起きていた。かつて憧れた存在を越えられないと感じていた黄瀬はその思いを捨て、青峰のコピーを試みていたのだ。
黄瀬による青峰のコピーは第3Q丸々かかる可能性があり、海常はそれを踏まえて第3Qを黄瀬抜きで凌ぐ必要が出てきた。黄瀬は青峰以外の桐皇選手達を相手に青峰のコピーを試し始める。そして第3Q残り5分を切り、青峰による発破と先輩達の奮闘をきっかけに遂に青峰のコピーが完成。黄瀬は青峰をドリブルで抜き去り、バスケットカウントでサーカスショットを決めた。それと同時に青峰を4ファウルに追い込んだ。
第4Q、青峰は4ファウルでありながら更に集中力を増して得点。黄瀬も青峰と全く同じプレーで得点していく。2人の1on1が中心の試合展開でありながら当の本人達だけではなく、周りの選手達も疲弊し始めていた。特に桐皇を追う海常は体力も精神的にもキツい。
残り1分8点差で桐皇がファンブル。黄瀬はその隙を見逃さず、カウンターへ。速攻で青峰と対峙し、手の内を読み合う。黄瀬は青峰の「フォームレスシュート」を選択。しかし打つ瞬間にパスへ切り替えた。誰もが裏をかかれた様に感じたが、青峰はこれをスティールする。千載一遇のチャンスを逃した黄瀬と海常はそのまま勢いを失い敗北。黄瀬のインターハイは準々決勝で幕を下ろした。

ウィンターカップ準々決勝 福田総合戦

ウィンターカップ準々決勝で黄瀬は中学時代のチームメイトである灰崎祥吾（はいざきしょうご）と対戦。灰崎の素行の悪さに頭を悩ます福田総合の面々だが、海常相手に勝つ為に黄瀬に彼をぶつけてきた。黄瀬は持ち前の「コピー」で福田総合から得点を奪っていく。海常のメンバーも試合への入りが良く、序盤は海常が主導権を握った。
しかし、灰崎が徐々に本性を現し、荒々しいプレーで得点を決めていく。そして黄瀬と似たプレースタイルであり相手選手の技を奪う「強奪（スナッチ）」を発動。灰崎に技を奪われた海常の選手達は徐々にリズムを失い調子を落とし、リードを奪われてしまう。
黄瀬も足の怪我が悪化し、灰崎に圧倒されてしまう。しかし試合中に黒子から檄を飛ばされ、黄瀬は再起。「キセキの世代」の技をコピーする「パーフェクトコピー」を発動させて一気に追い上げを図る。
「パーフェクトコピー」は灰崎も「スナッチ」できない為、黄瀬はこのマッチアップで優位に立つ。最終的に海常を勝利に導き、中学時代に一度も勝てなかった灰崎からも初勝利を挙げた。

ウィンターカップ準決勝 誠凛戦

海常にとってウィンターカップ準決勝は誠凛との練習試合の雪辱戦となった。試合序盤お互いに主導権を握りたい両チームはエースが全快。誠凛に先取点を獲られるも、黄瀬はいきなり「パーフェクトコピー」によって超長距離3ポイントを決めて奇襲を仕掛けた。黒子がパスを回して誠凛は得点をしようとするも、黄瀬は「広範囲ディフェンス」で得点を許さない。加えてオフェンスでは青峰の「アジリティー」と赤司の「アンクルブレイク」で火神から得点を奪った。その後誠凛に13点差を付けた黄瀬は「パーフェクトコピー」を解除。余力を残して試合の主導権を海常が握った。誠凛は浮足立ってしまい連続で攻撃を失敗。リズムを変えるべく1年生の降旗光樹（ふりはたこうき）を投入する。ペースダウンに成功した誠凛は何とか持ちこたえた。
第2Qは誠凛がセンターの木吉鉄平（きよしてっぺい）、海常はキャプテンの笠松を中心に攻める。併せて黄瀬、火神も再びエンジンが掛かりお互いに得点を許さない。しかし黄瀬は灰崎との対戦で痛めた脚が負担になり、途中交代してしまう。黄瀬が抜けた海常は先輩達が必死に食らいつくも誠凛、特に火神を止められない。それでも海常は第3Qも誠凛に付いていくが木吉、日向も調子を上げてリードを広げる。
そして第4Q残り4分に黄瀬が再びコートに戻る。コートインすると同時に黄瀬は「パーフェクトコピー」を使い火神から得点を奪う。ディフェンスでは火神を封じると、トランジションで黄瀬は黒子の「イグナイトパス廻」を使って味方の得点を演出する。黄瀬の「パーフェクトコピー」で海常全体も猛追モードに入る。しかしその一方で黒子は「パーフェクトコピー」の突破口を見出していた。
最後の局面、黄瀬に黒子がマンツーマンで付く。黒子がスティールに狙った瞬間、黄瀬は青峰の「アジリティー」で黒子をかわし、火神をアンクルブレイクで抜く。そしてゴール正面で紫原の「トールハンマー」で止めに刺しに行く。しかしそれは黒子による誘導だった。誠凛はポイントガードの伊月俊（いづきしゅん）による「猛禽の爪（イーグルスピア）」でボールをカット。黄瀬はダンクからパスに切り替えて笠松に託す。笠松はシュートを決めて試合終了かと思われた。
ここから火神がカウンターを狙って走り出す。火神はダンクを狙うが黄瀬に追いつかれる。そこで火神はボードを使ったパスに切り替える。ボールは黒子の手に収まり、黒子は「幻影のシュート（ファントムシュート）」を決めて試合終了。誠凛がウィンターカップ決勝に駒を進めた。
敗れた黄瀬は笠松に肩を担がれながら、みんなと勝ちたかったと涙ながらに伝えた。

エキシビジョンマッチ ジャバウォック戦