リザ・ホークアイ（鋼の錬金術師）とは【徹底解説・考察まとめ】

マスタングはヒューズ中佐の葬式後、「軍がやばい」の言葉の真意と殺した犯人を捜している一方、中央司令部への異動が決まる。この時にリザはマスタングより、信頼できる部下の1人として選ばれている。同時にジャン・ハボック少尉、ハイマンス・ブレダ少尉、ヴァトー・ファルマン准尉、ケイン・フュリー曹長も選ばれており、リザを含むこの5名はマスタング組と言われている。

中央司令部に異動後しばらく経った頃、リザは鎧の男と遭遇し、襲われてしまうも非常用の拳銃で制圧する。だが、鎧の男に何故か惚れられてしまう。そして鎧の男は死刑が実行されたはずの連続殺人鬼「バリー・ザ・チョッパー」だということがわかり、マスタングとコンタクトをとり合流。その場にファルマンも居合わせ鎧の男がバリー本人であるという確証を得る。
マスタングはバリーを保護する代わりに彼から人造人間、賢者の石、軍内部の不穏な動きなどの情報を得たことでヒューズ中佐は知ってはならない事を知ってしまったが故に殺されたと判明する。

しかし、この時のヒューズ中佐殺害の犯人捜索の動きが邪魔だと人造人間側に判断されてしまい、大人しくさせる為だけの目的でロス少尉がヒューズ中佐殺害の犯人に仕立て上げられてしまう。この時にマスタング達は独自で動いていたがリザは1人司令部へ残っていた。その一方、マスタングはロス少尉を消し炭にするほどの高火力で殺し、その現場をエドワードに見られ反感を買っていた。

ロス少尉殺害の真実

実はロス少尉は本当に殺されたわけではなく、マスタングとブレダによる大掛かりな仕込みだった。彼らの目的はロス少尉を助けた上で軍内部で暗躍している者をおびき出すことであり、ロス少尉はシン国の者と協力し国外へ避難させていた。バリーはその目的ために派手に暴れることで敢えて見つかりやすく動いており、人造人間達はその思惑に見事ハマっていた。

その際にリザはフュリーと共に別行動をしており、マスタング大佐とコンタクトをとっていた。だがマスタングが個人的にやり取りをしている女性との通話をしている風に周りには見られていたため周囲の人間からは「本当に大佐のお守りだったんだな」と同情されていた。

そんな中、追手がバリーたちを強襲する。バリーたちは一瞬のスキからピンチに陥ってしまうがリザが狙撃で援護し事なきを得る。だが更にリザを人造人間グラトニーが襲う。とっさにスナイパーライフル、二丁拳銃で応戦するも人造人間の圧倒的な回復力に追い詰められてしまう。

そんなリザを助けたのはマスタングだ。彼はグラトニーの後ろから焔の錬金術を叩きこみリザの窮地を救った。だが、リザは司令塔であるマスタングが現場に現れた事に対し、もし狙われたり罠に嵌められていたらどうするのかと怒鳴る。だがそれも、リザにとってマスタングが大切だからこその叱責だ。

第三研究所での戦い

リザ、マスタング、ハボック、アルフォンスの四人は追手を利用して敵の本拠地近く、第三研究所内部まで入り込むことに成功した。4人はマスタングとハボック、アルフォンスとホークアイ中尉の二手に分かれて探索を始めたところ人造人間ラストと対峙する。

最初に対峙したのはマスタングとハボック少尉だった。善戦していたが、不意打ちを受けて2人とも致命傷を負ってしまう。ラストはマスタングが錬金術を使うための手袋も破きそのままリザとアルフォンスの元へ向かう。
続けて2人が襲撃されたとき、ラストからマスタングを殺したと言う言葉を聞き、リザは激昂し銃を乱射する。しかし弾切れまで打ち尽くすもラストに効果はほとんどなく、それと同時に戦意を喪失してしまう。涙を流し膝をついてしまったリザをアルフォンスが身を挺して庇う。リザは逃げろと促すもアルフォンスは「もう誰も殺させない」という決意で彼女を守り通した。

2人の絶体絶命のピンチに登場したのは致命傷を負わされていた筈のマスタングで、受けた傷口を焼き塞いで現れた。手の甲に錬成陣を描きライターの火打石を使いラストへ奇襲を仕掛ける。後ろから超火力の焔を浴びせられ跪いたラストを、マスタングは間髪入れずに焼き続け勝利する。ラストの消滅後、ハボック少尉と共にすぐに病院へ運ばれるが、はボック少尉は脊髄の負傷により下半身不随になってしまいリタイアとなってしまう。

エドワード達の人造人間捕獲作戦に協力

ヒューズ中佐の死を知ったエルリック兄弟は誰も犠牲にしないと決め、自らを囮にし傷の男（スカー）をおびき出し敢えてピンチとなることで、人造人間達を誘い出す作戦をシン国の王子リン・ヤオとその配下と共に決行する。
リザとマスタングはそんな二人の下へ赴き、兄弟の覚悟を聞いたことで作戦に加わり、軍の情報操作をすることで邪魔が入らないように軍を攪乱した。

しばらく経ち、情報操作の必要が無くなったと判断し、人造人間と対峙していたリン・ヤオとその部下と合流。重傷を負っているリン・ヤオ達を治療するため医者であるノックスと合流し、町はずれの民家へ向かう。そこでエルリック兄弟と合流し、捕獲した人造人間グラトニーをどうするか話し合っていた。

しかしグラトニーの前にマスタングが姿を現した途端、グラトニーが突如暴走し戦闘が始まる。しかしリザはラスト戦での傷が癒えていないマスタングを危惧し、守るためにノックスと共に戦線離脱する。その際に残ると宣言したエドワード達へ「子供だけ戦場に残すわけにはいかない」と連れて行こうとするが、エドワード達はこれを拒否。彼らの覚悟を感じ、エドワードへ自身の拳銃を命を守るための道具として託した。

大総統付き補佐へ

中央司令部へ先に戻ったリザとマスタングはリンから得た情報を確認するため、司令部の中へ入る。その際にマスタングはリザを門の前に残そうとするが最初は当初の作戦の時の大佐の行動から承諾できないと言う。そんな彼女へマスタングは「必ず帰ってくるから待っていろ」と命令し、単身で司令部へ向かった。

そしてマスタングが司令部内で軍将校であるレイブン中将と会い、何気ない会話をしながら彼を味方にできないかと模索していた。しかしレイブン中将を含めた軍上層部全て、更にはブラッドレイ大総統までもが人造人間側であることが分かり、マスタングは戦慄していた。その時、彼はヒューズ中佐の「軍がやばい」という遺言の本当の意味を知ることになる。それは、軍を脅かす何かがあるのでは無く、軍そのものがやばいということだった。

同時刻にリザはフュリー曹長と会い、マスタング組が各地へ左遷されていることを聞く。また自分自身も異動命令が下り内容を確認すると大総統付き補佐へ任命されており、人造人間側から明らかな人質だと示された。これは軍の真実を知ったマスタングに対し、ブラッドレイが東方司令部から連れてきた部下を各方面へ異動を命じることで戦力を削ぐのを目的としていた。リザ以外の四人は、ファルマン准尉は北方司令部、フュリー曹長は南方司令部、ブレダ少尉は西方司令部へそれぞれ異動させられていた。

しかし、このような窮地に陥るもリザやマスタングは決して心が折れることはなく、アームストロング少佐との会話の時には新たな決意を胸に抱いていた。

エドワードにイシュヴァール殲滅戦のことを話す

エドワードは中央司令部の地下で「お父様」と名乗る人物と対峙した後、借りた拳銃を返すためリザの元を訪れた。そこでイシュヴァールについて教えてくれと頼み、リザは主観の上で話しをする。

その際にマスタングは軍事力をできる限り放棄、国家錬金術師も解体することなどを考え、しかるべき時が来たら自分たちは大量殺人者として裁きを受けるべき、と言う。だがエドワードからは「イシュヴァールは人造人間達が仕組んだことで中尉達は悪くない」というが、リザは「たとえきっかけが人造人間とは言え実行したのは私たち」と罪を償う決意を示した。

人造人間プライドと遭遇

リザは深夜に大総統付き補佐としての仕事でブラッドレイの家へ向かい、そこで大総統夫人と息子のセリム・ブラッドレイに出会う。何かから発せられた異様な雰囲気に一瞬身構えるも子供のセリムを見て警戒を解く。
しかし大総統夫人との会話からセリムは実の息子ではなく養子、ブラッドレイの血縁の子だということを聞き、おかしいことに気づく。ブラッドレイは人造人間で生殖能力を持たず、かつ人造人間になるまではずっと実験施設に居たことから親戚など1人もいない。そしてセリムから感じた気配が人間のものではなく過去に対峙したグラトニーと同じものだと推察する。

そこへ背後からセリムが話しかける。先ほどリザと話した時のような子供っぽい話し方ではなく、大人びた話し方をしていた。そしてセリムは、自身が「人造人間プライド」であり「始まりの人造人間」であることを明かす。リザは少しでも情報を聞き出そうとするがプライドから仲間にならないかと持ち掛けられる。それを断ると殺されそうになるが今ここで殺すメリットが何もないということを告げ、プライドを撤退させる。だが、プライドからは「影からいつも見ている」と言い残し、下手に動けなくなってしまう。

暫く経った日、リザは司令部内の食堂でマスタングと出会う。その時にもプライドの見張りがあるため下手なことは言えずにいたが、何気ない会話に見せかけた暗号でセリム・ブラッドレイは人造人間であるということを伝えることに成功する。リザの情報をもとにマスタングはセリムについて独自に調べ、更に様々な信用できる人物へ情報共有をし、着々と反撃の準備を進めていた。

約束の日

エドワード達からお父様や約束の日についての情報を得たマスタングは、約束の日目前でリザ、フュリー、ブレダと合流する。そしてマスタングから三人へたった一つ「死ぬな」と命令を下される。三人は敬礼で以て返答し、約束の日へ向かい行動を開始した。

リザ達が本格的に動き出したのは、エドワード達がブリックズを離れ貧民街カナマのはずれに滞在していた頃だ。貧民街カナマのはずれで人造人間プライドと闘い無力化に成功していた一方で、マスタングと嘗て共にイシュヴァールの地にて戦った部下たちによってブラッドレイ大総統の乗った列車を爆破し無力化した。
マスタング達は共に大総統夫人を人質に取る。
そのまま部下達と合流しクーデターを起こした。中央（セントラル）西区にて戦闘を開始し、大勢の追っ手を相手にしながらも、誰1人殺さずに制圧していく。

しばらく交戦が続き味方の弾薬が底を付きかけていた頃、マリア・ロスとリザの親友レベッカ・カタリナがシン国製の者を含む大量の補給物資を持って合流し一気に勢いがつく。マスタングは途中で表での騒動をブリックズ兵に押し付け、リザと共にエド達のいる第三研究所の中へ向かうことにした。フュリー曹長やブレダ、そのほかの部下たちと大総統夫人は、共にラジオ・キャピタルへ籠城することになる。

第三研究所内でエドやスカー達と合流したリザとマスタングは、賢者の石を注入して作られた白い人形兵の軍団との戦闘を目撃する。状況を冷静に分析をしていたところ、エドたちから加勢を要求されたマスタングは、持ち前の圧倒的火力で以て一瞬で殲滅する。

エンヴィーと戦闘

そこへ現れたのは人造人間エンヴィーだった。マスタングはエンヴィーへ何度も問答を繰り返し、エンヴィーがヒューズ中佐を殺した犯人であることが判明する。マスタングは自分1人で請け負うとエドワード達を先に行かせ、交戦を開始する。マスタングは眼球を直接爆破したり、あえて巨大化させて広範囲を爆破したりなど、普段からは考えられない痛めつけるような攻撃でエンヴィーをこれでもかと焼き尽くし追い詰めていった。マスタングの火力の高さを直に感じたエンヴィーは勝てないと悟り逃走を図る。

エンヴィーが逃走したときマスタングは追跡しリザも追いかけようとするが、マスタングからその場での待機命令を出される。しかし命令に背き、マスタングとエンヴィーを追った。

リザが地下通路のような場所を捜索している最中にマスタングと出会い、互いに拳銃と発火布の手袋を向けあう。すぐ互いに武器をおろすが、マスタングが背中を見せた瞬間リザは拳銃を突きつける。「誰に銃を向けている」と咎められるが、「2人きりの時は大佐は自分のことをリザと呼ぶ」と告げる。

するとマスタングの姿をしていた者は突如姿が変わる。実は先ほどまでマスタングの姿をしていたのは成りすましていたエンヴィーだった。そしてリザはそのまま交戦する。リザは持っている銃すべてを使い応戦するも一歩届かず、締め付けられピンチに陥ってしまう。

そこへ本物のマスタングが現れ、締め付けていた腕を焼き切り救出する。リザが命令違反をしたことを咎めるも無茶をしすぎだと気遣う様子を見せていた。しかしマスタングはエンヴィーを前にした時、再度憎悪を目に宿し、何度もいたぶるように焼き続ける。殺し切る一歩手前まで来た時、リザはマスタングへ銃を突き付けた。

リザは「銃をおろせ」と言われるも「承服できない」と返し、エンヴィーを殺すのを止めようとする。マスタングは激昂するがエドワードとスカーが現れる。そしてリザ、エドワード、スカーの3人は、今のマスタングは我を忘れていること、国の為でも仲間の為でもなくただ憎しみを晴らそうとしていることを諭し、エンヴィーを殺すことを踏みとどまらせた。その後のマスタングはエドと普段の言い合いをするくらいには元の調子へ戻り、精神面で更に成長を遂げていた。

マスタングが人体錬成を強制される

エンヴィーとの交戦後、リザとマスタングはエド達と共に地下道を進んでいく。その先で出会ったのはキング・ブラッドレイを造った男と名乗る医者と会う。そのまま戦闘となるが医者の代わりに出てきたのは「ブラッドレイになれなかった男」と呼ばれた剣を持っている人間達だった。高い身体能力を有していて、奇襲に近い形で攻撃を受けたリザ達は捕まってしまう。

そして医者が謎の錬金術を使いエドワードがどこかに消えてしまう。続けて医者はマスタングに向かって人体錬成をして扉を開けるように強要してくる。何を言われても断り続けたマスタングにしびれを切らし剣を持った男に命じ、リザの首を切り致命傷を負わせた。

マスタングはその場に倒れこむリザを前に焦り激昂し、医者からは命を助けるのと引き換えに人体錬成をすることを強要される。リザは瀕死の中「人体錬成はする必要はない」と訴えかけるが、マスタングは目の前で弱まっていくリザを前に言い淀んだ。

そんな中、リザの表情を見たマスタングは人体錬成をしないことを決意し医者の要求を突っぱねる。医者から「見捨てるなんて酷いね」と言われるが断固として人体錬成を拒否する。そんな中、2人が押し問答を始めた途端に医者の体がどこかへ消えた。全員が驚愕していると、別で動いていたメイ・チャンや合成獣（キメラ）であるダリウスたちが助けに入り一気に形勢逆転をした。

大総統になれなかった者達を一掃することに成功し、リザもメイ・チャンのおかげで一命をとりとめる。マスタングは長年の付き合いからわずかな目くばせに気づき、反撃ができ助けることができると確信したからこそ人体錬成を断っていたのだ。

そして反撃に成功したマスタング達の元にさらなる乱入者、キング・ブラッドレイと人造人間プライドが現れる。2人の人造人間によりマスタングは人体錬成を強制的に実行させられてしまい、視力を失ってしまう。

「お父様」との最後の戦い

中央地下でエドワード達が人造人間達の親玉「お父様」との戦闘において、マスタングは視力喪失によりあまり役に立つことができないでいた。リザはそんなマスタングと再会する。リザは視力を失ったマスタングから傷の具合を心配され、自分の心配をしてくれとマスタングへ懇願する。だがそんなリザにマスタングは「君はまだ戦えるか」と問い、マスタングの意思を察したリザはそれに「はい！」と力強く答える。そして二人はアームストロング少佐たちと共にお父様のいる戦場へ降り立った。

お父様のいる地上では、北のブリックズ兵たちも含めた文字通りの総力戦が行われており、リザは眼の見えないマスタングの代わりに情報を彼に伝え協力しあいながら的確に、焔の錬金術、さらには真理を見たことにより使用可能になった手合わせ錬成を思う存分使い、お父様の力を大きく削ぐことに貢献した。

最終決戦後