天空戦記シュラト(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天空戦記シュラト』とは、タツノコプロが製作し1989年4月から1990年1月にかけて放映されたインド神話をベースにしたファンタジーアニメである。インド神話によく似た異世界「天空界(てんくうかい)」を舞台に、天空界を守護する戦士集団「八部衆(はちぶしゅう)」の1人・修羅王(しゅらおう)の生まれ変わりである少年日高秋亜人ことシュラトが天空界に召喚され、その裏でうごめく陰謀に巻き込まれていく。漫画『聖闘士星矢』の影響を受けた美少年キャラが鎧を装着して戦う「鎧もの」の1作である。

『天空戦記シュラト』の概要

『天空戦記シュラト』とは、タツノコプロによるファンタジーアニメである。1989年4月6日から1990年1月25日にかけて全40話(本編全38話+総集編2話)が放映された。また、1991年9月16日から1992年3月16日にかけてOVA『創世への暗闘』全6話も発表された。また小説やコミカライズ、ドラマCDといったメディアミックスも多数展開されている。
漫画『聖闘士星矢』の影響下にあり、1988年に放映されたサンライズ製作のアニメ『鎧伝サムライトルーパー』と共に「鎧もの」の1作として知られている。物語の世界観やキャラクターはインド神話をベースとしている。また、キャラクターデザインを担当した奥田万つ里による美形キャラは女性ファンも獲得した。
物語の舞台は、インド神話によく似た異世界「天空界(てんくうかい)」。人間界で親友黒木凱(くろき がい)ことガイと共に平穏な日々を送っていた少年日高秋亜人(ひだか しゅらと)ことシュラトは、ある日天空界を治める女神ヴィシュヌによって召喚される。実はシュラトは、天空界を守護する8人の戦士「八部衆(はちぶしゅう)」の1人「修羅王(しゅらおう)」の生まれ変わりだった。しかしヴィシュヌは部下の雷帝(らいてい)インドラの裏切りを受け石にされてしまい、インドラはその罪をシュラトに被せる。無実の罪を着せられたシュラトは逃亡、他の八部衆や自身の命を狙う者達と戦いを繰り広げる。その一方、八部衆の1人「夜叉王(やしゃおう)」として覚醒したガイは冷酷な性格に豹変して親友であるシュラトの命を狙ってくる。
ヴィシュヌを救うべくシュラトはインドラの元へ向かう中、やがて過去の因縁から発生した宿命の戦いに巻き込まれていく。

『天空戦記シュラト』のあらすじ・ストーリー

修羅王覚醒

日高秋亜人(ひだか しゅらと)ことシュラトは、体術を得意とする熱血漢な少年。幼馴染で親友の黒木凱(くろき がい)ことガイと共に平穏な日々を送っていたが、ある日空手の試合中にガイと共に光に包まれてしまう。
目を覚ましたシュラトは、自然豊かな見知らぬ異世界「天空界」にいた。そこで天空界の住民の少女ラクシュと出会うが、シュラトは突然見慣れぬ鎧を纏ったガイに切りつけられる。訳のわからぬままガイと戦う羽目になったシュラトだったが、そこに現れた迦楼羅王(かるらおう)レイガという男によって一旦戦闘は中止になる。レイガの横槍を受けたことで、ガイは撤退して姿を消してしまう。その後シュラトは、レイガによって天空界を治める女神ヴィシュヌの元に連れていかれた。
ヴィシュヌはシュラトに、彼の正体が天空界を守護する8人の戦士「八部衆」の1人「修羅王」の生まれ変わりであることを告げる。ヴィシュヌは1万年前の戦いで天空界から追放した敵・アスラ神軍の不穏な気配を察し、シュラトを召喚したのだ。しかしシュラトは自身の宿命をいまいち理解しておらず、美しい女神のヴィシュヌに浮かれるなど戦士らしかぬ態度が目立つため、戦士としての誇りを持つ他の八部衆からは懐疑的な目で見られていた。
シュラトが天空界に来たその晩、ヴィシュヌに仕える部下の雷帝インドラは突如彼女を裏切る。インドラは実は敵のアスラ神軍と通じており、天空界を治めるヴィシュヌという障害を取り除くため、彼女を石に変えてしまう。
一方、シュラトは「夜叉王」として覚醒したガイと再会する。しかし、ガイは変わらずシュラトを攻撃してきた。シュラトはガイと戦う中、ヴィシュヌが石に変えられた場に鉢合わせする。インドラに始末されそうになったシュラトだが、ヴィシュヌの最後の力によって辺境の地へ逃された。インドラはシュラトに罪を被せると、ガイと手を組み他の八部衆や天空界中の戦士達にシュラト討伐を命じる。
召喚されて早々、よからぬ形で天空界中を敵に回してしまったシュラトは自身の命を狙う者達と戦っていくことになる。だが戦いの中、八部衆のメンバーである天王(てんおう)ヒュウガ、龍王(りゅうおう)リョウマ、迦楼羅王レイガはインドラに反旗を翻し、シュラトと共に戦う道を選ぶ。天空界を守護する八部衆の戦士達もシュラトと共に戦うことを選んだヒュウガ、リョウマ、レイガ、インドラを尊敬し慕う那羅王(なーらおう)レンゲ、比婆王(ひばおう)ダン、闥婆王(だっぱおう)クウヤに別れ対立していく。

八部衆対八部衆

シュラト達はインドラやガイの放つ追手の神将達と戦いながら、天空界を支えている天空樹(てんくうじゅ)へ辿り着く。
シュラト達が見たのは、ヴィシュヌの加護を失い荒廃化が進む天空界だった。このまま天空界が荒廃化してしまえば、シュラトとガイの故郷・人間界にまで影響が及ぶ。シュラト達は天空樹を開くことができる門の封印を解くために、玄武殿(げんぶでん)・青龍殿(せいりゅうでん)・白虎殿(びゃっこでん)・朱雀殿(すざくでん)という4つの神殿へ向かう。しかし、それぞれの神殿にはインドラ側の八部衆レンゲ、ダン、クウヤ、そしてガイがそれぞれの神殿に待ち伏せていた。ここで遂に八部衆同士の戦いが幕を開け、シュラトはダン、リョウマはガイ、ヒュウガはレンゲ、レイガはクウヤとそれぞれ対決する。
ダンはヴィシュヌへの敬愛心から仇を取るべくシュラトと戦い、怪力から生じる圧倒的なパワーを発揮して彼を追いつめる。シュラトは「ヴィシュヌを石化したのは自分では無い」と訴えるが、ダンは彼の言葉を信じようとしない。パワーファイターであるダンの猛撃に、シュラトは苦戦し怪我を負ってしまう。しかし「ヴィシュヌやガイを救うためにもここで倒れる訳にはいかない」とシュラトは立ち上がり、必殺技「修羅魔破拳(しゅらまっはけん)」をダンに放つ。シュラト渾身の必殺技を受けたダンは、彼の攻撃に敗れ消滅する。一方、ガイは八部衆最強の実力者であるリョウマと戦う。リョウマはガイにシュラトと戦うことを辞めるよう説得するが、ガイは耳を貸さず「シュラトの居場所を教えろ」と追及する。戦いで負傷しながらも、ガイをシュラトの元に行かせまいとリョウマは相打ち覚悟で炎の龍を召喚する必殺技「龍王火炎戟(りゅうおうかえんげき)」をガイに放つ。しかしリョウマの攻撃はガイに効かず、ガイはシュラトを探すべく青龍殿から去ってしまう。レンゲはヒュウガと戦う中、白虎殿の水晶玉に宿る「聖なる光」が見せた光景から敬愛するインドラがヴィシュヌを石化した真犯人だと知る。ショックを受けるレンゲだったが、インドラへの忠誠心を捨てられず最後までヒュウガと戦うことを選ぶ。初めは説得を試みたヒュウガだったが、決意を固めレンゲを水晶に閉じ込めて封印した。クウヤはレイガと戦い、彼との戦いの中で尊敬するインドラがヴィシュヌを石化した真犯人だと知る。クウヤはその事実から真実を見抜けなかった自身を悔い、レイガをインドラの元へ行かせるべく最後の力で朱雀殿の扉を開き、レイガに後を託して消滅していった。
ダンとの戦いで怪我を負い満身創痍のシュラトの前に、遂にガイが姿を現す。ガイは禍々しい漆黒のソーマを纏い、シュラトを攻撃する。そこへリョウマ、ヒュウガ、レイガの3人が駆けつけて窮地を救う。リョウマ達はガイに戦いを止めるよう忠告するが、ガイはリョウマ達の忠告を聞かず攻撃する。リョウマ達もやむを得ないとしてガイを攻撃しようとするが、シュラトはリョウマ達を止める。親友のガイと戦うことをためらうシュラトだったが、「元の優しいガイに戻ってほしい」という願いから彼を止めるために自ら神甲冑(シャクティ)を外しガイと戦う。しかし、そんなシュラトを見てもガイは攻撃の手を止めない。シュラトはガイを止める最後の手段として、レイガ達と共に八部衆の合体技の1つ「獣王曼陀羅陣(じゅうおうまんだらじん)」を使う。「獣王曼陀羅陣」を受けたガイは正気を取り戻すが、インドラによって天空殿へ呼び戻されてしまう。ショックを受けるシュラトだったが、先へ進むためにまだ光の灯っていない玄武殿の水晶玉に宿る「聖なる光」にソーマを流し、遂に天空殿に繋がる門の封印を解くことに成功したのだった。

天空殿の戦い

レンゲ達が倒されたことから、インドラは八大明王(はちだいみょうおう)の戦士「獣牙三人衆(じゅうがさんにんしゅう)」の封印を解く。八部衆達よりも高い実力を持つ八大明王の戦士で構成された獣牙三人衆は、圧倒的な戦闘能力でシュラト達を苦しめる。戦いの中、シュラトは獣牙三人衆の1人トライローによって記憶を奪われ、人間界に送り返されてしまう。天空界の記憶を消されたシュラトだったが、家の庭で獅子の神甲冑を拾ったことで記憶を取り戻す。人間界で夜空に広がる禍々しい色のオーロラや多発する地震に、天空界の影響が及んでいるのを目の当たりにするシュラトだが戻る方法が分からない。さらに天空界に戻れば家族とも会えなくなる可能性もある。シュラトは悩むが、祖父の後押しやヴィシュヌに天空界を託された自身の使命を思い出し、最終的に空手会場に残っていたヴィシュヌのソーマを利用することで、天空界へ戻ることに成功した。
天空界に戻ったシュラトは仲間達と再会を果たすが、獣牙三人衆最後の1人アカラナータに大苦戦を強いられる。アカラナータは相手の技をコピーするだけでなく、他の獣牙三人衆の神甲冑と合体させる能力を持っていたためシュラト達の攻撃や合体技の「獣王曼陀羅陣」さえ全く通用しなかった。窮地に陥るシュラト達だったが、リョウマは神甲冑の記憶を通し、先代龍王がアカラナータとの戦いでつけた右胸の傷が弱点だと気づく。リョウマはシュラト達のサポートを受けて右胸の傷目がけて渾身の一撃を放ち、アカラナータを倒すことに成功した。しかし怪我を負っていたリョウマは力尽き、シュラト達の前から消滅する。
リョウマとの別れの後、シュラト、レイガ、ヒュウガは天空殿へ突入する。そこに待ち受けていたのは、何と倒されたはずのレンゲ、ダン、クウヤだった。しかし3人の正体はインドラが作り上げた偽物であり、レイガはシュラトとヒュウガをインドラの元へ向かわせるため自身が囮になる。偽物とはいえオリジナル同様の実力を持つ3人を相手にレイガは苦戦を強いられるが、隠し持っていた炎の鳥を召喚し相手を焼きつくす最大の必殺技「迦楼羅火翼陣(かるらかよくじん)」で偽物達を倒した。そして天空殿内部に突入したシュラトとヒュウガの前に、インドラが姿を現す。インドラは2人を異空間へ飛ばし、圧倒的な実力で2人を翻弄する。シュラトを葬ろうとするインドラに対し、ヒュウガは渾身の力でインドラを倒す。インドラは正気を取り戻し、ヒュウガの前で消滅した。しかし、ヴィシュヌの元へ向かったシュラトとヒュウガの前にガイが現れ、シュラトの目の前でヒュウガを葬り去ってしまう。
石化したヴィシュヌを元に戻すには、ガイを倒すしかない。完全に冷酷非情な性格と化したガイに、シュラトは「もう自分の知るガイはいない」と決別を宣言し、彼を倒すことを決意する。天空界が崩壊の道へ進む中、天空殿でシュラトとガイ、2人の戦いが幕を開けた。ガイに立ち向かうシュラトだが、ガイの攻撃に翻弄され次第に追い詰められていく。だがシュラトの勝利を信じる天空人達の祈りのソーマが天空殿へ届き、負傷しながらもシュラトは立ち上がる。シュラトは力を振り絞り、ガイと相討ちに持ち込みとどめのソーマを放つ。相討ちの結果、ガイはその場から消滅していった。ガイの消滅後、石化の術が解けヴィシュヌを遂に元に戻すことに成功する。ヴィシュヌは自身のソーマで荒れ果てた天空界を元の自然豊かな環境に戻すと、負傷したシュラトとレイガを治し、戦いで命を落としたヒュウガ達を甦らせる。一方、倒されたガイは何者かによって別の空間に運ばれるのだった。

破壊神復活

ヴィシュヌが復活した矢先、遂に破壊神シヴァ率いるアスラ神軍が天空界に現れる。ヴィシュヌはアスラ神軍に対抗するべく、シュラト達に「須弥山(しゅみせん)」に眠る創造神ブラフマーの神甲冑を探すよう命ずる。ここでヴィシュヌは、シュラトに「シュラトはブラフマーの後継者である」と告げる。ブラフマーの神甲冑は、ブラフマーから後継者として指名された者にしか装着できないものだった。八部衆は、改めて力を合わせアスラ神軍に立ち向かうことを決意する。
同じ頃、アスラ神軍の居城異動宮(いどうきゅう)ではガイが目覚め、シヴァはガイにブラフマーの神甲冑を探すよう命ずる。須弥山に向かうシュラト達にアスラ神軍が妨害を始め、レンゲ、ダン、クウヤはアスラ神軍を迎え撃つ。3人のサポートでシュラトはレイガ達と共に須弥山に入ることに成功するが、そこにガイと十二羅帝(じゅうにらてい)が現れる。ガイはシュラトに「自分もまたブラフマーの後継者である」と告げる。その言葉に驚くシュラト達。ガイは十二羅帝をシュラト達に放ち、レイガ、ヒュウガ、リョウマはシュラトをブラフマーの神甲冑の元へ行かせるべくそれぞれ十二羅帝と戦う。ブラフマーの神甲冑の元へ向かうシュラトの前にガイが立ちはだかり、2人は戦いになる。そこへ残留思念となった創造神ブラフマーが現れ、2人に1万年前の戦いについて告げる。先代修羅王と先代夜叉王は自らの命と引き換えに破壊神シヴァに深傷を与え、その隙をついてブラフマーとヴィシュヌはシヴァとアスラ神軍を封印した。ブラフマーは息を引き取る間際、先代修羅王と先代夜叉王を自身の後継者に指名して人間界へ転生させたのだった。ブラフマーは2人に「天空界を救うには、2人が力を合わせることが必要だ」と諭し、消え去る。
ガイはシュラトよりも先にブラフマーの神甲冑に辿り着くが、神甲冑はガイを拒絶する。神甲冑を目覚めさせるにはラクシュのソーマが必要なため、ガイはシュラトを人質に取りラクシュを脅す。ラクシュは苦悩するが、シュラトが傷付けられる姿から最終的にガイに逆らえず神甲冑の封印を解いてしまう。ブラフマーの神甲冑を身につけたガイは強い力を見せ、シュラトを翻弄する。しかしブラフマーの神甲冑はガイを見放し、シュラトを自身の後継者として指名した。ブラフマーの神甲冑を受け継いだシュラトは、八部衆と共にシヴァのいる異動宮へ乗り込む。シュラトはシヴァの姿を探すが、ガイがまたもや立ちはだかるのだった。

戦いの意味

一方ヴィシュヌはシヴァの放つ「黒のソーマ」に対抗するが、その力は圧倒的で最終的に力尽きて消滅する。ガイと対峙するシュラトの前に、遂にシヴァが現れる。シヴァはシュラトに、ガイの性格が豹変した理由を明かす。今から1万年前、シヴァは先代夜叉王に「黒のソーマ」を纏わせ、ガイが夜叉王として覚醒した時にアスラ神軍として戦うよう仕向けておいたのだ。黒のソーマを纏ったガイは破壊を望む性格となっており、もはやシュラトの叫びすら届かない。
シュラトはガイを攻撃するが、怒りに任せて攻撃する自身に「黒のソーマ」を見てしまう。我に返ったシュラトはガイの攻撃を受ける。「なぜ攻撃を避けなかったのか」と驚くガイに、シュラトは「このまま攻撃すれば、自分の中にある黒のソーマを認めてしまうことになる」と告げる。シュラトの言葉にガイは動揺し、その時「黒のソーマ」が彼の身体から放たれる。「黒のソーマ」から解放されたガイは、遂に本来の自分を取り戻した。ガイは今までの仕打ちをシュラトに詫び、シュラトは彼を許す。和解した2人だが、シヴァはそんなガイを許さず2人を攻撃する。協力して立ち向かう2人だが、ガイはシヴァの攻撃からシュラトを庇い消滅してしまう。しかしガイのソーマがシュラトに力を与えたことで、シュラトは遂にブラフマーの真の後継者として覚醒した。シュラトはガイの技と自身の技でシヴァに立ち向かい、シヴァを倒すのだった。
アスラ神軍との戦いが終わり、天空界にも遂に平穏がもたらされる。だが、2年前にインドラが地下に封印した「迷い水(まよいみず)」の封印が解かれてしまう。迷い水は天空界のあちこちを襲撃し、シュラトは他の八部衆と協力して立ち向かう。迷い水の威力は強大で飲まれてしまうシュラトだったが、幽体のガイが現れて「慈しみの心でソーマを放て」とアドバイスする。シュラトはガイのアドバイスで迷い水を清めるが、「黒のソーマ」の気配を感じるのだった。
不安を抱くシュラトは自然の声に耳を傾け、そこで天空界そのものが「黒のソーマ」を宿している事実を知る。
一方元気の無いシュラトを心配するレイガとラクシュは、他の八部衆と共に彼を探しに向かうが「黒のソーマ」を纏ったシュラトが現れる。シュラトは暴走して2人を襲うが、ラクシュの必死の叫びで正気を取り戻した。意識を失ったシュラトは、自身の意識内でガイと再会する。シュラトはシヴァの言う通り、全ての生きる者達に「黒のソーマ」が宿っていることを知った。「自分の戦いに果たして意味はあったのか」とシュラトはガイに尋ねる。ガイはシュラトに「いつの日か全ての生きる者達を苦しみから解き放つ時はきっと来る」と励ますのだった。

『天空戦記シュラト』の登場人物・キャラクター

主要人物

日高 秋亜人(ひだか しゅらと)/修羅王(しゅらおう)シュラト

CV:関俊彦(タイトルコールおよび次回予告ナレーションも兼任)/羽村京子(少年時代)
本作の主人公。家族構成は両親と妹、祖父の5人家族。OVA、ノベライズ版での漢字表記は「修羅人」。高校1年生。年齢は16歳。好きな食べ物はねぎラーメン、ところてん。ヘビやトカゲといった爬虫類系の生き物が苦手。
空手をはじめとした体術を得意とする普通の男子高校生として平穏な日々を過ごしていたが、その正体は八部衆の1人「修羅王」の生まれ変わり。創造神ブラフマーから、夜叉王と共に後継者として指名されていたことが後半判明する。
性格は基本子供っぽく、お調子者で能天気。気分屋で美人に弱い熱血漢だが、情に篤く友達想い。親しい者同士で争い合うことを嫌う。
ヴィシュヌによって天空界に召喚されるも、インドラの陰謀に巻き込まれ無実の罪を着せられる。さらに親友ガイからも命を狙われるようになり、天空界を逃亡しつつ様々な敵や追手達と戦っていく。天空界に来た当初はヴィシュヌに浮かれたり、天空殿の上から直接放尿するといった素行が良いとは言えない行動を取ったりしていたため、他の八部衆からは戦士としての態度を疑問視されていた。
だがヴィシュヌに天空界を託されたことから、少しずつ戦士としての使命に目覚めていき、ヒュウガやリョウマ、レイガとも戦いを通して友情を育んでいく。
性格が豹変した親友のガイとは何度も戦いを繰り広げ、彼との戦いに苦悩する。ガイに対しては当初元の優しい性格に戻ることを信じ続けていたが、他人の命を顧みない冷酷非情な性格となったのを目の当たりにしてからは訣別する。異動宮でガイと戦うがその中で自身にある「黒のソーマ」を見てしまったことで我に返り、ガイの攻撃をその身に受ける。「黒のソーマ」に抗う自身の姿を見たガイが、本来の自分を取り戻したことで和解。最後、ガイの力とブラフマーの意志を受け継ぎシヴァを倒した。
修羅王として覚醒してからは獅子をモチーフとした白い神甲冑(シャクティ)を装着し、光を使役した技を使用する。武器は三鈷杵(さんこしょ)。
真言は「オン・シュラ・ソワカ」。当初は真言をうまく言えず、つっかえることもあった。
修羅王の由来は、仏陀(ぶっだ)に仕え仏教を守護する8人の神「八部衆」の1人である戦いの神・阿修羅(あしゅら)。

黒木 凱(くろき がい)/夜叉王(やしゃおう)ガイ

CV:子安武人/こおろぎさとみ(少年時代)/伊倉一寿(創生への暗闘)
シュラトの幼馴染で親友。銀色の髪が特徴。家族構成は父親と姉の美奈(みな)の3人家族。母親は亡くなっている。父親は現在仕事の都合でヨーロッパに赴任しており、普段は姉と暮らしている。高校1年生。年齢は16歳。好きな食べ物はゼリービーンズで、セロリが苦手。
人間界ではシュラトと共にごく普通の男子高校生として平穏な日々を送っていた。その正体は八部衆の1人「夜叉王」の生まれ変わり。修羅王と共に、創造神ブラフマーから後継者として指名されていたことが後半判明する。
シュラトと共にヴィシュヌの力で天空界に召喚されるも、夜叉王として覚醒してからはシュラトを襲い、彼の命を狙うようになる。インドラと手を組み、他の八部衆や神将達にシュラトの討伐を命じる。シュラト達との戦いで一度は正気を取り戻すが、インドラによって再び冷酷な性格に戻ってしまう。天空殿でシュラトと戦い消滅するが、破壊神シヴァによって異動宮へ運ばれる。シヴァによって蘇生された後、アスラ神軍の一員として再びシュラトの前に立ちはだかる。異動宮でのシュラトとの1対1の戦いで、「黒のソーマ」に抗うシュラトの姿を見て動揺。「黒のソーマ」から解放されて遂に本来の性格に戻り、シュラトと和解した。シュラトと共にシヴァに立ち向かうも、シヴァの攻撃から彼を庇い消滅。その後幽体となってシュラトの前に現れ、自身のソーマを託した。以降はシュラトの意識内に存在し、彼を見守る。
本来はおとなしく心優しい性格で争い事を嫌う。また子供っぽいシュラトと比べるとしっかり者で落ち着いており、大人びた雰囲気を纏わせている。美形なため女子に人気が高い。小さい頃から怪我をしたシュラトを気遣ったり、鳩を手当てしたりなど誰に対しても分け隔てなく優しさを発揮していた。しかし夜叉王として覚醒してからは残忍かつ冷酷、好戦的な性格となってしまう。性格が豹変した本当の理由は、シヴァの呪法で「黒のソーマ」を纏わされたのが原因だった。
夜叉王として覚醒してからは狼をモチーフとした黒い神甲冑を装着し、風を使役した技を使用する。武器は剣。
夜叉王の由来は、仏陀に仕え仏教を守護する「八部衆」の1人である獰猛な鬼神・夜叉(やしゃ)。

ラクシュ

CV:水谷優子
本作のヒロイン。水色の髪をツインテールに結んでいる。年齢はシュラト、ガイと同い年の16歳。
天空界の住民で天空樹第四楼・蓬莱山(ほうらいさん)出身。「蓬莱山のラクシュ」という異名を持つ。ミーというお供を連れている。ノベライズ版では、蓬莱山の長でヴィシュヌに仕えている勢至天(せいしてん)パールヴァティによって育てられた。
シュラトが天空界に召喚された時、一番初めに出会った人物。ヴィシュヌのいる天空殿に向かうシュラトとレイガについてくるが、シュラトと共にインドラの陰謀に巻き込まれてしまう。天空殿での戦いではシュラトの身を案じレイガと共に向かい、シュラトとガイの戦いを見守った。アスラ神軍との戦いでは、レイガ達を案じブラフマーの神甲冑の元へ向かうことをためらうシュラトを諭し、須弥山で長い眠りについていたブラフマーの神甲冑の封印を解いた。シュラトとの戦いを辞めないガイに対し、本来の優しい自分を思い出すよう説得した。後にヴィシュヌの最期を看取り、彼女から調和神の後継者として指名される。アスラ神軍との戦いが終結してからは、一人前の調和神となるべく修行を積んでいる。
明るくお転婆で、他人を思いやる性格。天空界に来たばかりで、何も知らないシュラトに天空界について色々教える。明るく能天気なシュラトとは似た者同士で仲が良く、八部衆の1人レイガとも打ち解ける。シュラトに一目惚れしており、好意を寄せているがなかなか気づいてもらえない。シュラトをはじめとした八部衆のメンバーを支え、戦いを見守っていく。ソーマはシュラト達と比べるとまだまだ未熟だが、シュラト達のためにサポートする。

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