XVX-016 ガンダム・エアリアル（水星の魔女）の徹底解説・考察まとめ

スレッタが17歳になった頃、プロスペラは彼女に地球圏のアスティカシア高等専門学園に通うように告げる。母の思惑も知らないスレッタは「初めて同年代の友達ができるかも」と大喜びしながらこれを受け入れ、エアリアルと共に水星圏を発つ。
アスティカシア高等専門学園には、“生徒同士の揉め事をMSでの模擬戦で解決する”決闘というルールがあり、お上りさん状態でやってきたスレッタは売り言葉に買い言葉で編入初日からこれに巻き込まれる。圧倒的な力で学園屈指のパイロットを蹴散らすも、エアリアルにGUNDフォーマットが使われていることが問題となり、スレッタともども拘束されてしまう。プロスペラはこの事態を予測しており、「エアリアルに搭載されているのはGUNDフォーマットではなく自社で開発した新型ドローン兵器だ」と説明して切り抜けようと図る。

デリングが「私がそうだと判断した以上、あれはガンダムだ」と強弁したことで追い詰められるも、デリングの娘のミオリネがここに乱入。ミオリネはかねてから父の横暴に対する怒りを抱えており、学園で偶然知り合ったスレッタを助けようと直談判に臨んだのだった。エアリアルに搭載された技術に興味を示した幹部たちの援護もあり、最終的な結論はミオリネとベネリットグループ有力会社の代表による決闘で決められることとなる。代理人として決闘に臨んだスレッタが勝利を収めたことで、エアリアルの処分は一時撤回されるのだった。

XVX-016 ガンダム・エアリアルの名シーン・名場面

GUNDビット起動

編入初日、上級生のグエル・ジェタークと揉め事を起こしたスレッタは、彼と決闘することになってしまう。学園屈指のパイロットとして名を馳せるグエルに対し、スレッタはエアリアルに搭載されたGUNDビットを起動させ、圧倒的な防御力と攻撃力で彼を翻弄。華々しくも圧倒的な勝利を飾る。

ロボットアニメにおいて、「主人公機の起動シーン」は作品のインパクトという意味で非常に重要なものである。エアリアルは作品開始以前から水星圏で活動しており、これが正確な意味での「起動シーン」ではないが、光の軌跡を描きながら攻防一体の戦いを繰り広げるGUNDビットの姿は文句なく美しく、力強く、とにかくカッコいい。
期待に胸躍らせながら第1話を見た視聴者の多くが、「新しい“ガンダム”が始まった」とその興奮を最高潮にしたのは、間違いなくこのシーンである。

XVX-016 ガンダム・エアリアルの裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

シェイクスピアの戯曲「テンペスト」との関連性

物語開始以降、その設定やキャラクターの名前から、本作と世界的劇作家シェイクスピアの作品である「テンペスト」の関連性を指摘する声が相次いでいる。
「テンペスト」は娘を巻き込み利用してでも復讐を果たそうとする男プロスペローの物語で、彼が使役する精霊の名前がエアリアルというのである。舞台をSFに移し、プロスペローを女にして、主人公をその娘の方に変えれば、確かに『機動戦士ガンダム 水星の魔女』と物語の構図はほぼ一致する。

「テンペスト」は、シェイクスピアの作品としては珍しく爽やかなハッピーエンドで終わることで知られているが、それでも主人公たちは最後にエアリアルと別れることとなる。果たして本作のエアリアルが最後にどうなるのか、ファンは期待と不安に心揺らされながら視聴を続けている。