サリウス・ゼネリ（水星の魔女）の徹底解説・考察まとめ

サリウス・ゼネリの概要

サリウス・ゼネリとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物で、MS産業の最大手ベネリットグループの御三家ことグラスレー・ディフェンス・システムズのCEO。
ベネリットグループの前身であるMS開発委員会の頃からその重鎮として活躍していた。ベネリットグループの幹部の中でも特に高齢で、その才能を見込んだシャディク・ゼネリを養子にして自分の補佐をさせている。

MS開発委員会時代、当時新幹部だったデリング・レンブランの暴走を止められずにヴァナディース機関への虐殺行為を見逃してしまったことを苦々しく感じており、総帥へと上り詰めたデリングに対してもやや棘のある対応をしている。
そのヴァナディース機関の生き残りであるプロスペラが正体を隠してベネリットグループに加わった際は、これを訝しみつつも受け入れ、一方で監視の目も緩めていない。

サリウス・ゼネリのプロフィール・人物像

肩書き：グラスレー・ディフェンス・システムズCEO

CV：斧アツシ

ヴァナディース機関の一方的な研究凍結命令など、時に容赦なく強権を振るう同組織の中にあっては比較的穏健派。デリングの暴走によってそのヴァナディース機関の研究員が虐殺されたことを知った時は明らかに驚愕しており、経営とは別個にルールや倫理を遵守する人物であることがうかがえる。
シャディクとはどのような形で出会ったのかは不明だが、孫にも等しい年齢の彼に会社の仕事を任せ、重要な会議にも参加させるなど、一度信頼した相手には胸襟を開いて接する。

サリウス・ゼネリの来歴・活躍

MS開発委員会の幹部

複数の大手MS開発会社から成るMS開発委員会の幹部の1人として辣腕を振るう。ある時、地球出身の「アーシアン」と呼ばれる人々が中心となったヴァナディース機関が、GUNDフォーマットという新システムを利用した新型MSガンダムを開発。その高い性能から、MS開発事業の最大派閥として世界の軍事バランスをも担う自分たちの立場が奪われかねないと判断する。GUNDフォーマットは未完成の技術で、パイロットを廃人に追い込む可能性もあったことから、これを理由に一方的に「危険過ぎる」と決めつけて強制的に研究を停止されようとする。

しかしこの時、新たにMS開発委員会の一員となった軍人上がりのデリング・レンブランは「ただ研究を凍結するだけでは手緩い」と考え、特殊部隊を送り込んでヴァナディース機関の研究者たちを虐殺。今さらこの事実を公にするわけにもいかず、「ガンダム（GUNDフォーマットを利用したMS）は危険なMSである」とのレッテルを貼ってヴァナディース機関の襲撃を隠蔽。世間に知られれば互いにとって致命傷となる秘密を抱えたまま、デリングを追い出すこともできずに彼を受け入れる。

シン・セー開発公社の暗躍

その後MS開発委員会はベネリットグループと名を変え、組織としてさらに肥大化し、デリングは剛腕を発揮してその総帥へと上り詰める。サリウスはあまりに強権的なデリングの手法に対しては賛同できずにたびたび苦言を呈するも、その実績は否定せずグループ全体の繁栄のために彼を支え続ける。一方で自社のさらなる発展のため、若くして才気溢れるシャディクという少年を自分の養子にして、経営にも参加させてその成長を見守る。
そんなある日、ベネリットグループが運営するアスティカシア高等専門学園で、学園最強のパイロットを水星圏から編入してきたスレッタ・マーキュリーという少女がMSでの模擬戦で打ち破るという事件が発生。スレッタが水星圏から持ち込んだ彼女の愛機は、かつてMS開発委員会が闇に葬ったGUNDフォーマットを利用した機体であることが明らかとなり、大きな騒ぎとなる。

スレッタは拘束され、彼女の愛機ガンダム・エアリアル（以下エアリアル）も回収され、その開発を担当したベネリットグループの末席たるシン・セー開発公社のCEプロスペラが審問会に引き出される。プロスペラは「エアリアルに搭載されているのは我が社で開発した新技術で、GUNDフォーマットではない」と語り、この技術をグループの各社に提供する用意があることを説明。有力幹部の何人かがこれに興味を示すも、サリウスは「あの機体に搭載されているのがGUNDフォーマットではないとするにはデータが不十分だ」と指摘する。デリングに至っては「私がそう決めた以上あの機体はGUNDアーム搭載機であり、解体処分は確定している」と強弁する。
しかしここにスレッタを救わんとしたデリングの娘ミオリネ・レンブランが乱入し、「決闘」で決着を付けようと提案。これは“アスティカシア高等専門学園の生徒同士の揉め事をMSの模擬戦によって解決する”というもので、他ならぬデリングの鶴の一声で導入されたものだった。エアリアルの技術に興味を持った幹部たちの働き掛けもあり、スレッタとエアリアルの運命を賭けた決闘が行われることとなる。

この時、ベネリットグループの幹部の1人であるヴィム・ジェタークが積極的にプロスペラを庇ったことに違和感を感じたサリウスは、「あの機体とその周囲の人間はやはり何か隠している」と結論。自身はプロスペラとシン・セー開発公社をさらに詳しく調べることを決め、シャディクにはスレッタを見張るよう指示を出す。

デリングの真意

ガンダム排斥を唱えながら、ミオリネの乱入というアクシデントを利用して最終的にはガンダムを認める方向の決定を下したデリングを訝しんだサリウスは、その真意を探るために御三家の他2社と手を組む。“ベネリットグループの新規事業への出資を募る”ことを目的とするインキュベーション・パーティーで、「エアリアルがガンダムである新たな証拠が見つかった」と大々的に宣言し、デリングの出方をうかがおうとしたのである。
しかしエアリアルとそのパイロットであるスレッタを救うため、ミオリネが後ろ盾となる新会社の設立を宣言。自分に足らない信用を補うためデリングに頭を下げて出資してもらい、これを見た会場内の人々が「デリングが金を出すなら信用できる」と後に続いたことで必要なだけの資金を調達し、エアリアルをガンダムだと認めた上でその研究・開発・販売を行う新会社が発足する。これにより、エアリアルとスレッタは再びベネリットグループ上層部の都合で処分されることを免れる。

予定とは大きく異なる流れとなったが、今回もまた「デリングが最終的にはガンダムを認める方向に動いた」ことを見届けたサリウスは、彼が本心ではガンダムを肯定したがっていることを確信する。
この頃、御三家の1つジェターク・ヘビー・マシーナリーのCEOであるヴィム・ジェタークがデリングを直接抹殺する計画を進めており、それに一口乗らないかと誘われる。あまりに性急すぎると判断し、養子のシャディクにもこれを伝えて警戒するよう促すが、意外にもそのシャディクに「デリングの抹殺計画に乗るべきだ」と提案される。これに驚くも、デリングの真意を読み切れない以上それも1つの手段と考え直し、シャディクにデリング抹殺計画に協力するよう命じる。

シャディクの反乱

シャディクも加担したヴィムの計画は、デリングは深手を負って植物状態となるも生存し、混乱の中でヴィムも命を落とすという形で決着。実行犯がアーシアンの武装組織であることを突き止めたベネリット・グループは、「地球許すまじ」の声の下戦争の準備を進めていく。
サリウスはシャディクにしばらくおとなしくしておくよう命じるも、彼の真の狙いが「ベネリット・グループの解体」にあることまでは見抜けず、そのさらなる暗躍を許してしまう。「アスティカシア高等専門学園をフォルドの夜明けのMSに襲撃させる」という形でかつてない混乱を生み出したシャディクは、これに乗じてサリウスを捕らえる。

シャディクの目的は、「地球圏で意図的に戦争を起こすことで、軍産複合体であるベネリットグループが延々と儲けられる」という今の世界の仕組みを、「地球側にベネリットグループの技術を与え、軍事的均衡を作り出すことで抑止力としての兵器を売り続ける」というより犠牲の少ない形に変えることにあった。自らそう明かすシャディクの前で、サリウスは彼がスペーシアンとアーシアンの混血であることを指摘し、「壮大な計画だが、スペーシアンに対する報復ではないのか」と指摘する。

サリウス・ゼネリの関連人物・キャラクター

シャディク・ゼネリ

養子。アスティカシア高等専門学園のパイロット科3年生で、決闘の運営を任されている決闘委員会の主要メンバー。
学生の身ながら優れた才覚の持ち主で、すでにグラスレー・ディフェンス・システムズの経営にも参加し実績を上げている。ゼネリ家の養子になる前はどこにいたのか、彼とどのようにして出会ったのかは不明だが、サリウスは彼を信頼して様々な仕事を任せている。

シャディク・ゼネリ（水星の魔女）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

renote.net

シャディク・ゼネリとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物で、アスティカシア高等専門学園パイロット科の3年生。
人型機動兵器MS（モビルスーツ）の大手グラスレー社CEOの養子。その言動は軽妙で飄々とした軟派で通っているが、内面は冷徹で計算高い。学生の身分ながらグラスレー社の経営にも参加しており、多くの実績を残している。アスティカシア高等専門学園には、生徒同士の揉め事をMSでの決闘で解決する風習があり、これを監督する決闘委員会を主導している。

デリング・レンブラン

ベネリットグループの総帥。強硬かつ傲慢な性格だが個人としては無欲なタイプで、ただ猛然と実績を上げることにのみ意味を見出す仕事人間。
その手腕は確かなものだがあまりに強権的で、グループの内外に非常に敵が多い。サリウスも彼に対していい顔はしていないが、一方でその経営手腕自体は認め、時に苦言を呈しつつもサポートを続けている。

デリング・レンブラン（水星の魔女）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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デリング・レンブランとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物で、MS産業の世界最大手ベネリットグループの総裁にしてアスティカシア高等専門学園の理事長。主人公スレッタ・マーキュリーからすると父と恩師の仇である。
軍人としていくつもの戦場を経験し、「人を殺すのは人でなければならない」との思いを抱く。このためパイロットを廃人に追い込む危険性のある新型MSガンダムを忌避し、研究員の虐殺という凶行でこの開発を阻止する。その後ベネリットグループの頂点に立つも、強引な手法が嫌われ多くの敵を作る。