シャウアプフ（HUNTER×HUNTER）の徹底解説・考察まとめ

シャウアプフの概要

シャウアプフとは『HUNTER×HUNTER』に登場するキャラクター。第一級隔離指定生物・キメラアントの王であるメルエムに仕える、直属護衛軍の一人である。メルエムに対して強い忠誠心を持ち、彼の危険因子となる生物は容赦なく殺害する。シャウアプフを産んだ蟻の女王は、捕食した生物の持つ遺伝子を次世代に反映させる摂触交配を行なっていた。その為、人と蝶の遺伝子を受け継いだシャウアプフは、人間と同じ様に生命エネルギーを自らのオーラとして自在に操る「念能力」を備えている。また人類を下等動物として侮蔑しており、王国建設の為に支配を目論んでいる。普段はタキシードの様な服を身に纏い、バイオリンを奏でている。身体から触覚や蝶の羽が生えており、ミステリアスな雰囲気を醸し出している。また頭の回転が速く、東ゴルトー共和国の国民を兵隊にする為の選別を行う際、あらゆる視点に基づいて作戦を立てた。メルエムや他の直属護衛軍からは「プフ」の愛称で親しまれている。

シャウアプフのプロフィール・人物像

CV：羽多野渉

生年月日：不明
年齢：不明
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：不明
「それだけの事」が口癖の冷静沈着で合理的な性格をしており、メルエムに絶対的な忠誠を誓っている。しかしこの忠誠心の高さが災いし、シャウアプフ自身の正常な思考を妨げることが多い。例えば東ゴルトー共和国発祥のボードゲーム「軍儀」で勝負するメルエムとコムギの様子を見ていた際、メルエムが人間と関わりを持つことをキメラアントの王として相応しく無いと判断し、コムギを「王の為」という口実で殺そうとした。寸前の所で思い留まったシャウアプフだが、今度はコムギをメルエムの意に反して殺害しようとした自身の愚かさに気づき、その罪悪感で泣き喚いた。その一方で、人間を兵隊や家畜として利用する意向を示すといった、種の存続に対しては合理的な戦略を用いている。

シャウアプフの能力

シャウアプフを含む直属護衛軍を産んだ蟻の女王は、捕食した生物の持つ遺伝子を次世代に反映させる摂触交配を行なっていた。その為、人と蝶の遺伝子を受け継いだシャウアプフは、人間と同じ様に生命エネルギーを自らのオーラとして自在に操る「念能力」を備えている。瞬間移動能力を持つノヴがメルエムの宮殿内に潜入した際、メルエムとシャウアプフを含む直属護衛軍がいる二階から発せられるオーラに触れた。その際にノヴは、ハンター協会の会長であるネテロに推薦されたハンターであるにも関わらず、精神的に挫折した。念系統は不明だが、シャウアプフが発するオーラは、並のハンターでは太刀打できない禍々しさがあることは事実である。またシャウアプフはその頭脳を活かし、戦闘時には相手の心理を揺さぶった策略を用いる。例えば、キメラアント討伐部隊であるモラウの技で、煙の檻に閉じ込められたシャウアプフは、変身すると見せかけて自らを繭で覆った。これは繭は囮であり、既に本体のシャウアプフは脱出しているのではないかという疑問をモラウに持たせる為の策略である。この際、モラウは能力を解除し包囲網を解いたことで、シャウアプフは思惑通り、脱出に成功した。また自身の蝶の羽を用いた飛行能力も備えている。宮殿が攻撃を受けた際にシャウアプフは、オーラを身に纏い、降り注ぐ岩塊を諸共せずメルエムの元へ一直線に飛翔した。

シャウアプフの必殺技

鱗粉乃愛泉（スピリチュアルメッセージ）

羽から鱗粉を散布することで、周囲の人物を催眠状態にし、暗示を吹き込むことで操ることが出来る。対象者が疲労状態であれば尚更、催眠はかかりやすくなる。また鱗粉で相手のオーラの流れを鮮明に把握する事で、精神状態を探ることができる。シャウアプフはオーラの流れを約30種類の感情パターンとして分析し、相手から発せられる多様な感情のブレンド具合から、思考の変化を読み取っている。

蝿の王（べルゼブブ）

自身の分身を出す能力である。分裂させる分身の数や大きさは自由自在であり、それぞれがシャウアプフ本体の意思で行動する。細胞レベルの極めて小さな個体に分裂することも可能だが攻撃力は下がる。分身を出している本体は最低でも蜂ほどの大きさを維持しなければならない制約がある。シャウアプフは「蝿の王（ベルゼブブ）」の細胞分裂の特性を活かし、分身体の顔や骨格、声帯を自由に変形させる事ができる。また分身を集約し、「蝿の王（ベルゼブブ）」を発動していない本体を装うことも可能だ。

シャウアプフの来歴・活躍

コムギへの敵意

メルエムは産まれると同時に親である女王を見捨て、直属護衛軍と共に食糧を求めて人間界に赴いた。キメラアントの師団長たちは自らが王となるべく、世界各地に広がり人間の捕食を始める。東ゴルトー共和国の首都・ペイジンの宮殿を占拠したメルエムは、大規模な世界侵略に向けて、意のままに操れる人間兵器を用いることにした。それに当たり、建国記念大会と称して集めた国民に対して攻撃を与え、生き残った者をキメラアントの兵士として利用する「選別」を行うことになった。大会が開催されるまでの間、メルエムは余戯としてチェスや囲碁等のゲームのチャンピオンと勝負し、負けた者を次々と殺害していた。続いてシャウアプフはメルエムに「軍儀」という、東ゴルトー共和国発祥のゲームを提案した。メルエムは余儀の締め括りとして、軍儀の世界王者であるコムギを玉座に招き入れ、軍儀盤の前に座らせた。直ぐに決着がつくと踏んだシャウアプフの予想とは裏腹に、メルエムは何度もコムギの打ち筋を崩そうと試みるが、勝ち目は見えてこない。それを側で読書をしながら観察していたシャウアプフはある時、一定に打っていたコムギの手が初めて止まったことに気がついた。メルエムは自らの考えた「離隠」の一手に対して、コムギが戦略を練っているのだろうと解釈する。しかしコムギが新たに駒を打ち、負けが決まったメルエムは「離隠」という技が自分にとって必ず負ける戦法「死路」であった事に気がつく。メルエムはコムギに対して「何故手を止めて考える必要があった？」と問いただす。コムギはメルエムが考えた「離隠」は、かつて自身が編み出した「孤狐狸固」という技であったと語り始めた。

話を聴いたメルエムは、「興が殺がれた」といってコムギを殺害する事なくその場を離れた。その時シャウアプフは、メルエムが人間の話を黙って聴いていた事に違和感を抱いていた。続いての対局でメルエムは、コムギに賭けを提案し、「其方が負けたら 左腕をもらう」と脅迫するが、コムギは自分の命を賭けると返答する。自らの覚悟が甘かったと認識したメルエムは「これで許せ」と自分の左腕を千切った。それを見たシャウアプフは慌てて駆け寄り、手術をしながらの対局をメルエムに勧めるが断られる。一方でコムギはメルエムの怪我が治るまで打たないと言い放ち、止む無くメルエムはネフェルピトーの治療能力「玩具修理者（ドクターブライス）」を受けることにした。その間シャウアプフは、オーラを広げることで周囲の物体を感知できる能力「円」で宮殿の警備を担当した。治療後、対局を見ていたシャウアプフは、コムギの疲労状態から次局でメルエムが勝利すると予想する。しかしメルエムは「休憩は一切無しだ」という自らの発言を撤回し、コムギに休憩を設けた。シャウアプフは前例のないメルエムの言動を前に、コムギを危険因子と認識し、殺害を試みる。

寸前の所で手を引いたシャウアプフだったが、コムギの殺害はメルエムから軍儀における勝利の機会を永遠に奪う事になると察し、自責の念で泣き喚いた。その後、シャウアプフと直属護衛軍の三人はメルエムに呼びつけられ、コムギを選別していた場合のことを尋ねられる。シャウアプフはメルエムが人間であるコムギの名を口にしたことに苛立ちながら、その話を傾聴する。続けてメルエムは自らが行ってきた行為を語り始める。シャウアプフはメルエムが王であるにも関わらず、自らの行いを悔やんでいるのだと察し、「王…！！」と呼びかけた。しかし実際のところメルエムは後悔などしていなかった。寧ろ、数多ある分野の力を凌駕できる暴力こそ、自分に与えられた才能であると豪語した。その姿を見たシャウアプフは、メルエムに対して見当違いの誤解をしていたと自覚し、涙を流した。

モラウとの駆引き

キメラアント討伐部隊のハンター達が宮殿内部に侵入した。それと同時に、暗殺一族・ゾルディック家のゼノはネテロを率いて、上空から「龍星群（ドラゴンダイヴ）」という無数のオーラを振り下ろした。半壊する宮殿を前に、シャウアプフはメルエムの身を案じて玉座の間へと一目散に飛び立った。しかしシャウアプフが玉座の間に到着した時、そこにメルエムの姿は無かった。メルエムは玉座の間ではなく、コムギと二人で迎賓の間にいる事をシャウアプフは薄々分かっていたが、その事実を認めたくないが故に、あえて玉座の間に向かったのである。シャウアプフは数秒間に渡って、自身の行動に涙を流しながら後悔し続けた末、メルエムの元へ再び歩武を進める。しかし、辺りは既にモラウの「監獄ロック（スモーキージェイル）」によって包囲されていた。シャウアプフは「鱗粉乃愛泉(スピリチュアルメッセージ」を発動し、自身を鱗粉の繭で覆い隠した。これは繭となったプフを攻撃すべきか、モラウに迷わせる事を狙った策略である。このモラウの迷いは15分程度続くと予想したシャウアプフは、その間に粒子程の分身を「監獄ロック（スモーキージェイル）」の隙間から徐々に脱出させていた。しかしモラウはシャウアプフの予想よりも早い段階で繭を破壊し、包囲網を解除した。脱出には成功したシャウアプフだが、モラウの目を盗んで玉座の間へと向かう事は出来なかった。

能力を解除したモラウの前には、本体程の大きさに集約されたシャウアプフの分身が佇んでいる。シャウアプフは、メルエムと護衛軍の分断の役割を担ったモラウが「監獄ロック（スモーキージェイル）」を発動させた状態にある事自体に意味があったと語り始める。つまりシャウアプフは、モラウが自分を捕らえたと判断し、警戒心が薄れた他のハンターから順に、分身を使って殺害する算段だったのだ。計画の全容を明かしたシャウアプフは、一瞬にして無数の分身に散らばった。分身達は不気味な笑みを浮かべている。モラウは「紫煙機兵隊（ディープパープル）」を発動し、煙で作った兵士を使って攻撃するが、分裂と再生を繰り返すシャウアプフの分身を駆除することは難しかった。その隙をついたシャウアプフは、モラウの背後に分身を集約させ、勢いよく背中を蹴り、モラウの武器であるキセルを奪い取った。

シャウアプフの暗躍

ネテロが発動させた爆弾「貧者の薔薇（ミニチュアローズ）」を食らったメルエムは瀕死の重傷を負ったが、シャウアプフとモントゥトゥユピーの治癒により復活を果たした。しかしメルエムは後遺症により、断片的な記憶障害を引き起こしていた。これをメルエムからコムギの記憶を消す好機と捉えたシャウアプフは、一足先にコムギを殺害する為に分身を宮殿に向かわせる。その時、メルエムはモントゥトゥユピーから受け継いだ羽を広げ、記憶の断片を探るべく宮殿に向かって飛翔した。その最中、メルエムは尻尾に捕まるシャウアプフの本体とモントゥトゥユピーに対し、細胞を共有した事で互いの心中を探ることが可能になったと告げる。それを聞いたシャウアプフは、後ろめたさを感じながらも、メルエムが宮殿に着く前にコムギを始末するという賭けに出る。宮殿に到着したシャウアプフの分身達の前に、キメラアント討伐部隊のナックルが現れる。勝負に出たナックルに対しシャウアプフは目もくれずコムギを探しに向かった。一方で宮殿に向かうメルエムに捕まるシャウアプフの本体は、ナックルの能力についてモントゥトゥユピーに尋ねた。シャウアプフはモントゥトゥユピーから、かつて師団長だった透明能力を持つキメラアントのメレオロンがハンター達に協力している事を伝えられる。先程ナックルを無視したことで、ハンター達は現在のキメラアントの標的がメレオロンであると認識している、とシャウアプフは推察した。シャウアプフはその隙をついて、コムギを殺害する狙いを立てた。

その時、宮殿にいるシャウアプフの分身の前に、コムギを背負ったキメラアント討伐部隊のキルアとパームが現れる。二人がシャウアプフの前に現れた目的は、シャウアプフの狙いを「メレオロン殺害」か「コムギの奪還」のどちらかを探る為である。シャウアプフはこの二者択一に対し、突破口を考えるが、メルエムが宮殿に到着するまでの時間が無いと判断し、コムギを背負ったキルアの元へ一直線に掛けよった。一秒でも早くコムギを始末したいシャウアプフだが、高速能力「疾風迅雷」を発動しているキルアに近寄る事が出来ない。そこでシャウアプフは「今すぐ彼女を解放しなさい！！」と、まるでキルアがコムギを誘拐した賊であるかの様に言葉をかけた。目の見えないコムギは、シャウアプフの言葉でキルアに不信感を抱き、背中の上で暴れ始めた。シャウアプフはその隙にコムギを殺そうと攻撃を仕掛けるが、寸前の所で回避される。コムギを電気で眠らせたキルアは、シャウアプフに対し電撃を与えた。時を同じくしてシャウアプフの本体は、メルエムと共に宮殿に到着していた。宮殿周辺に参列する催眠状態の国民を前に、シャウアプフはメルエムに「生物大統一」という目標を掲げるが、メルエムは依然として釈然としない様子であった。メルエムは記憶を探る為、宮殿襲撃の際にいた迎賓の間に向かう意向を示した。シャウアプフは迎賓の間に残された軍儀盤が、メルエムがコムギの記憶を呼び覚ます契機となることを恐れ、キルアと戦闘していた分身を使って軍儀盤の回収処分に乗り出した。ネフェルピトーはメルエムに任されたコムギの治療を終えた後、ゴンの恩人・カイトを治す事を条件に、コムギを人質に捕らえられていた。軍儀盤を回収する間シャウアプフは、別の分身でコムギの声帯を構築し、ネフェルピトーに電話を通して、まるでキメラアントの師団長がコムギをハンターから奪還したかの様に伝えた。ネフェルピトーを騙す事に成功したシャウアプフは、キルアにネフェルピトーと共にいるゴンの命が危ないと伝える。シャウアプフはキルアに「ネフェルピトーに真実を伝えてゴンを救うか」「コムギを保護してゴンをネフェルピトーに殺させるか」という交換条件を持ち出した。「その娘を渡せば ピトーを止めましょう」と得意げに手を差し出すシャウアプフの分身だったが、その場でキルアに握り潰された。